バイクの温度計は今朝0℃を指している。冷たい鉄の塊に跨がるのも大変だ。駆ければ更に寒風を浴びる訳だからマイナス温度を出入りするし、体感的には入る。ギター稽古なんかでも指が悴んで円滑な捌きが可能になるまでには大した時間も懸かる。指は開かず、爪は硬く、速くは動かず、ギターも冷たいので音も重いし直前の音と直後の音は重なり唸りとなるし、弦も冷えて硬いしで冬場の稽古は苦労である。が、一つ良い事も在る。乾燥している為に楽器や指が室温になり動き始め鳴り始めると枯れた深みのある音色に為るのだ。更に、30年も経た古楽器ならば楽器自体も枯れ始めているので乾いた音色も加わる。木の楽器は、此処がミソである。ミソとは味素と書くらしい。味の素である。つまり、其の楽器が持つ音味の素材、素質だなっ!決して化学合成された白い粉ではない。しかし思えば、味の素的なフリカケが有って一降り振り掛けたら良い音色に変化する物質が出たら如何なモンであろうか?料理も同じだが、旨味や艶や深みを出すには仕込みに多大な時間と手間が必
要で、其れが楽器ならば数十年懸かる訳である。
要で、其れが楽器ならば数十年懸かる訳である。