4月26日(金)午後1時過ぎ、共産党3人の議員団として神戸市北区淡河町で取り組まれている、市民(特に高齢者)の足を確保しようと取り組まれている「淡河町ゾーン・バス」の視察に出かけた。<o:p></o:p>
思ったより早く目的地に到着したので、「道の駅」で事前打ち合わせなどを行った。おりしも激しい雨となったが、予定の午後2時30分には幸い雨も上がり、ゾーン・バスを運行なさっている「NPO法人上野丘さつき家族会」代表の相良幸信氏が淡河町公民館前で私たちを待っていてくださった。<o:p></o:p>
なぜか、公民館の調理室に招かれたが、そこで約2時間にわたって、相良さんから詳しい報告をいただいた。途中午後3時には送迎の予定が入っており、私も送迎の車に乗せていただいた。<o:p></o:p>
高齢化が進み、交通過疎の課題を抱える北区淡河町において、地元のNPO法人と地元住民(自治会、婦人会、老人会等)、福祉施設等が連携し、新たな交通手段として「淡河町ゾーン・バス」を運行<2009年3月16日 記者提供資料より>が2009年3月29日から開始された。<o:p></o:p>
1.ゾーン・バスの特徴<o:p></o:p>
① 地域公共交通会議を立ち上げ、約1年をかけ議論を積み重ね、国土交通省に申請。「過疎地有償運送」制度を兵庫県第1号で実現。<o:p></o:p>
② 1利用200円。(北区淡河町内の利用区域)若干の黒字経営
③ 行政による補助金は無し(立ち上げ時の補助を除く)<o:p></o:p>
④ 5台の車(25人乗り、15人乗り、7人乗り、乗用車)を福祉施設の空き時間を利用する形で借用して運行<o:p></o:p>
⑤ 「保険」は福祉施設が加入している保険を遣わさせていただく(当初、なかなか理解を得られなかったとのことだが、住民の利益を図るとして理解が得られた)<o:p></o:p>
⑥ 5名の運転者(平均年齢65歳・・・農業者・修理工場者・福祉施設で運転手など、比較的時間の自由がきく方たち)<o:p></o:p>
⑦ 利用増を図るために、様々な工夫。<o:p></o:p>
淡河町自治協議会が発行する広報「おうご」を送迎の車に乗せ利用者がそこに掲載されているさまざまな地域行事を知り、ゾーン・バスをさらに利用していただく。<o:p></o:p>
利用が増えてきた中で、診療所・歯科医院などが患者通院用の配車に利用していただくなど、連携が進んできている。<o:p></o:p>
⑧ 予約を基本とし、しかし、利用途中で「買い物」をする場合は買い物後にさらに送迎するなど、利用者に合わせた柔軟な運行をする(開いていたら予約なしでも利用可能)<o:p></o:p>
⑨ 送迎範囲は、自宅~目的地(診療所・歯科医院・薬局・お店・バス停・その他の目的地など)<o:p></o:p>
人口わずか3000人の町で、年間利用者数は7,243名(2012年実績)、月平均600名が利用。<o:p></o:p>
相良さんのお話では、「無料利用では、利用者も運行者もともに責任を持たない。有償でこそ運行者にも責任が生まれ、利用者も遠慮しないで積極的な利用につながる」とのこと。<o:p></o:p>
また、単に目的地から目的地の運行だけでなく、途中遠回りしても日頃高齢に花見場所までお連れして花見を楽しんでいただくなど。<o:p></o:p>
福祉施設の空き時間を使って車を借用することでの効果を相良さんは次のように指摘されている。・・・「車がきれいになった」「給油の手間が省けた」(利用後に、燃料を満タンにして返すために)。 町の人が利用する車でもあるので、事故を起こしては、皆さんの迷惑にもなると、慎重な運転になってきているようだ。<o:p></o:p>
2.午後3時に利用者の送迎に同乗させていただき、利用者の声をお聞きした。<o:p></o:p>
① 雨の日は大変助かる<o:p></o:p>
② 利用料金200円は手ごろだ<o:p></o:p>
③ 「趣味」で出かける人たちにとって、生きがいとなってそれが続けられるためにもゾーン・バスがあってありがたい。<o:p></o:p>
④ 病院へ行った帰りなど、買い物をついでにしようとお店まで送っていただき、買い物が終わった時点で連絡をして迎えに来ていただける。<o:p></o:p>
⑤ ひとり暮らしの方にとって、外出がしやすい。<o:p></o:p>
⑥ 高齢者にとって、自宅からバス停まで、バス停から自宅までが大変。<o:p></o:p>
以上のことに加え、相良さんの人柄や独自の努力と次々出されるアイデアの素晴らしさなど。さらには、人脈の深さなどにもよるところが大きい。<o:p></o:p>
三田市内においても新たな取り組みを始められている地域もある。行政においても積極的に地域に出かけ、地域ごとで様々な問題やニーズの違いがあることを是非とも把握し、「公」としての役割を果たしていただきたい。<o:p></o:p>
三田にも一人暮らしのお年寄りもおられ優先課題のひとつとして実現に向けて取り組んで頂きたい。
”三田に住んでいて良かった”との実感が伴うような行政でありたいものです。