最近、近所のスーパーに行って感じるのは、食品の値上がりだ。野菜も肉も魚も、ふだん買っているものが、倍くらいの値段になっている。100円を切って買えたタマゴ10個が180円、400円のモッツァレラチーズ袋が700円。値段が上がっていないものを探すのが難しい。そんななかで目をひいたのが、大ぶりのイワシ3尾パックが100円。そういえばイワシは、ホタルイカの漁場に押し寄せて、その漁がさっぱりだ、というニュースが流れていた。海岸に打ち上げられて、拾いに行った人もある、という話だ。
遠い海岸の話と思っていたが、3尾100円はいかにも安い。これを見逃す手はない。2パック買い入れて、塩こうじをまぶして一晩置く。塩焼きにすると、びっくりするような美味。値段といい、味といい、近ごろの買い物では、久しぶりに満足した買い物であった。自家製の塩こうじが大活躍だ。鳥ムネ肉の塩こうじ漬け、豆腐の塩こうじ漬け。辛ナンバンを含めると、麹を食べない日がないほどだ。魚売り場でたまに見つける粗も見逃せない。刺身用のブリの粗は、骨付きで新鮮。粗汁が美味で、財布にやさしい。パックにたくさん入って300円ほどで買える。年金生活者には、こうした食材がたまらなくうれしい。
ベランダのプランターに収穫していたネギが伸びてきた。万能ネギのような細ネギだが、ハサミで収穫して、みそ汁にできる。鉢に植えたサンショウの芽吹きも待たれる。プランターで収穫できるものを今年はもっと増やす。加えて野で採れるフキノトウ、蕗、山菜なども食卓を豊かにしてくれる。
蕗のたうほろほろすがし利休箸 伊丹丈蘭