山形の郷土料理 ダシ

夏野菜がでまわると、山形ではどこの家庭でもダシを作る。暑い夏にご飯にダシをのせて食べると、減退しがちな食欲が劇的に増す。
野菜は実ものを使う。ナス、キュウリ、オクラ、ミョウガ、ピーマン、辛ナンバンをみじん切りにする。市販の納豆昆布を加えて、醤油を振りかけてかき混ぜる。

料理とはいえない工夫のない生野菜の食べ方である。私がこの料理を知ったのは、山形で結婚してからのことだが、若いころはそれほどうまいものとは思っていなかった。あまりにもあっさりあじで、肉や魚のほうがどちらかといえば好みであった。

年齢を重ねるとこの味が懐かしくなる。店頭で野菜を見かけると、これが食べたくなる。ところが、野菜を細かく刻むのはいかんせん手数がかかる。昨今は刻んだ野菜が店頭に並んでいるご時世だ。こんな手間をかけるものを食卓に出す家庭は少なくなっているような気がする。

自分で野菜を作るようになって、このダシのうまさがさらに増したような気がする。
今朝採った野菜で作るダシは、まったく別のものを食べているようだ。それほど、野菜の鮮度が大事であることに改めて気付いている。幸い妻は、うまいものを作る手数は惜しまない。これは生きる楽しみである。あと何年自分で作った野菜のダシを楽しむことができるだろうか。

きょう早朝に畑仕事。除草。夏の雑草は勢いがいい。採ったあとを追うように生えてくる。バジルが芽をだし、やっと成長を始めた。オクラは小さいながら、実をつけ始めるジャガイモは花が終わり、収穫まであと1週間ほどか。トウモロコシの実の日に日に太っている。

本日の収穫。トマト、ナス、キュウリ、ズッキーニ、オクラ、京ミズナ、ふだん草、大根。自転車で行ったものだから、籠に入りきれぬほど収穫であった。もうスーパーから野菜を買わず収穫したのものだけで済ませている。

枝豆は定植がうまくいって順調に成長を始めている。ニンジンは今週種まきを予定している。秋野菜の植え付けの準備も忙しい。娘から作付けを頼まれているコリアンダーは、9月の声を聞くと種まきOKなので、空いたところへたくさん蒔いてみたい。