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みけの物語カフェ ブログ版

いろんなお話を綴っています。短いお話なのですぐに読めちゃいます。お暇なときにでも、お立ち寄りください。

1132「歴史の人」

2021-09-25 17:36:45 | ブログ短編

 久(ひさ)しぶりに会った友だち。何だか眠(ねむ)そうな顔をしていたので、彼女にどうしたのか訊(き)いてみた。すると、彼女はため息(いき)をついて答(こた)えた。
「あのね…。毎晩(まいばん)毎晩、変(へん)な人たちが出てきて、眠らせてくれないの…」
 よくよく訊いてみると、歴史(れきし)上の人物(じんぶつ)が彼女の前に現(あらわ)れるようになったみたい。
「昨夜(ゆうべ)はね、何かすごい着物(きもの)を着た人がやって来て…。その人、何か宮中(きゅうちゅう)から来たんだって。そんで、和歌(わか)を作れって、あたしに言うのよ」
「それは、すごいね。それって清少納言(せいしょうなごん)とか和泉式部(いずみしきぶ)かもしれないね」
「誰(だれ)よ、それ…。今(いま)、あたしの頭の中は、七五調(しちごちょう)の言葉(ことば)が飛(と)び交(か)ってるわ」
「じゃあ、和歌を作ってみてよ。きっとすごい歌(うた)ができるかもしれないよ」
「いやよ。あたし、そんなの興味(きょうみ)ないから…。その前の日はさ、変なおじさんが来ちゃって。あたし、着替(きが)えの途中(とちゅう)だったから、思わず叫(さけ)んじゃったわよ」
「へぇ、それは大変(たいへん)だったね。で、その人は…誰だったの? 教えてよ」
「そんなの、知らないわよ。何か、どっかの学長(がくちょう)をやってるって言ってたけど…」
「そうなんだ。もしかしたら、福沢諭吉(ふくざわゆきち)とか井上円了(いのうええんりょう)だったかもね。すごいわ」
「もう、ぜんぜん分かんないよ。朝までよ。勉強(べんきょう)しろとか…、お前は何か目指(めざ)すものはあるのかとか…。何で、夜中(よなか)に知らないおじさんに説教(せっきょう)されなきゃいけないのよ」
「ねぇえ…。わたし、泊(と)まりに行っていいかなぁ? わたし、歴史が大好(だいす)きなのよ」
<つぶやき>歴女(れきじょ)には最高(さいこう)のひと時かもしれませんね。でも、興味がない人には地獄(じごく)かも。
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