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みけの物語カフェ ブログ版

いろんなお話を綴っています。短いお話なのですぐに読めちゃいます。お暇なときにでも、お立ち寄りください。

1130「しずく141~たくらみ」

2021-09-21 17:39:51 | ブログ連載~しずく

 首相官邸(しゅしょうかんてい)で、総理(そうり)を前にして側近(そっきん)の男が何かの報告(ほうこく)をしていた。総理は難(むずか)しい顔で、
「確(たし)か、能力者対策室(のうりょくしゃたいさくしつ)は前任(ぜんにん)の総理が解散(かいさん)させたと聞いているが…」
「それは…表向(おもてむ)きの話しでして、実(じつ)のところ活動(かつどう)は続けているようです」
「そうか…。で、そこの黒岩(くろいわ)という奴(やつ)が何かを企(たくら)んでいると言うのかね」
「まだ調査中(ちょうさちゅう)ですが、ほぼ間違(まちが)いないかと…」
「何をしようというんだ? まさか、この国を乗(の)っ取ろうとしているわけじゃ…」
 側近はうなずいて、「おそらく、最終的(さいしゅうてき)にはそういうことに…」
「なら、その黒岩を逮捕(たいほ)したまえ。罪状(ざいじょう)は後で何とでもなるだろ」
「しかし、黒岩の周(まわ)りには能力者(のうりょくしゃ)がいます。下手(へた)に手を出すと、まずいことになるかと」
「警察(けいさつ)がダメなら、特殊部隊(とくしゅぶたい)を動員(どういん)したまえ。相手(あいて)はこの国の敵(てき)なんだぞ」
「総理。能力者には能力者で対応(たいおう)した方がよろしいかと。超能力研究所(ちょうのうりょくけんきゅうしょ)の神崎(かんざき)というのが適任(てきにん)かと思います。彼なら、黒岩を押(お)さえ込むことができるはずです」
「その神崎というのは信用(しんよう)できるのかね? 黒岩とつながっているんじゃないのか」
「神崎は国を裏切(うらぎ)ることはないでしょう。研究資金(しきん)を出すといえば協力(きょうりょく)するはずです。ここは要人(ようじん)の警備(けいび)を万全(ばんぜん)にして、しばらく静観(せいかん)した方が得策(とくさく)かと…」
「分かった。すぐに手配(てはい)したまえ。まったく、能力者など消(け)してしまいたいよ」
<つぶやき>過激(かげき)な発言(はつげん)ですよ。能力者だって人間なんですから。そんなこと言っちゃ…。
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