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みけの物語カフェ ブログ版

いろんなお話を綴っています。短いお話なのですぐに読めちゃいます。お暇なときにでも、お立ち寄りください。

1121「ぷにゅぷにゅ」

2021-09-03 17:38:30 | ブログ短編

 僕(ぼく)は〈ぷにゅぷにゅ〉したものが大好(だいす)きだ。これは、子供(こども)の頃(ころ)から変わらない。あの感触(かんしょく)…。ふわふわ・もちもちしてるのを触(さわ)っているだけで幸(しあわ)せを感じてしまう。他(ほか)の人から見れば、これはもう変態(へんたい)の域(いき)に達(たっ)しているかもしれない。
 ――最近(さいきん)、僕は最高(さいこう)のぷにゅぷにゅに出会(であ)ってしまった。それは、知り合ったばかりの彼女のほっぺだ。彼女のほっぺを見たとき、僕は身体(からだ)が震(ふる)えた。思(おも)わず手を出しそうになるのを必死(ひっし)にこらえた。知り合ったばかりなのに、彼女に触るなんて…これは、人としてダメな行為(こうい)だ。僕にはまだ、自制心(じせいしん)というものがある。
 ――彼女のほっぺがぷにゅぷにゅだからといって、彼女が太(ふと)っているというわけではない。均整(きんせい)のとれた身体と、整(ととの)った顔立(かおだ)ちは美人(びじん)に分類(ぶんるい)してもいいと思う。現(げん)に、彼女の周(まわ)りには男たちが集(あつ)まっている。僕も、その中に加(くわ)わってみたい。
 そうだ。もし、彼女と付き合うことができたら、ほっぺを触らせてもらえるかもしれない。それなら、許(ゆる)されるはずだ。でも、待(ま)て…。ひとつ、問題(もんだい)がある。
 僕は…、彼女のことが好きなわけではない。好きでもない彼女に告白(こくはく)するなど、男として最低(さいてい)の行為ではないのか? そうまでして、欲求(よっきゅう)を満(み)たしたいのか!
 ここは、冷静(れいせい)になろう。正直(しょうじき)に話せば、彼女だって無下(むげ)に断(ことわ)ることはないはずだ。もし許されれば、彼女のほっぺが極上(ごくじょう)のぷにゅぷにゅであることを証明(しょうめい)することが――。
<つぶやき>誰(だれ)が見ても、これはアウトでしょ。遠(とお)くから眺(なが)めるだけにしておきましょう。
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