彼と食事(しょくじ)をすると、ほんと食べ過(す)ぎちゃうのよね。だって、彼ったら、食べてる私を見てるのが、何よりも好きなんだって。私が、美味(おい)しそうに何でも食べるから――。
でも、それってかなりまずいと思わない。この間、彼ったらこう言ったのよ。
「前は、可愛(かわい)かったのになぁ」て、ぼそっと。
――何よそれ。私に聞こえないように言ったつもりでも、私にはちゃんと聞こえてますから。もう信じられない。あなたが食べさせてるんじゃない。
でも、私よりたくさん食べてるはずの彼、全然(ぜんぜん)体型(たいけい)が変わらないのは、なぜ? 私だけ体重(たいじゅう)増(ふ)えちゃって。何が違(ちが)うって言うのよ。
私もいけないのよね。嬉(うれ)しそうにしてる彼を見たくって、つい……。私、ダイエットをする決心(けっしん)をしたわ。もう食べ過ぎない、絶対(ぜったい)に。
彼と食事するときも、ちゃんと量(りょう)を減(へ)らして――。そしたら彼、言うのよ。
「今日は食べないの? 僕は、食べてる君が好きなんだよ。何か、残念(ざんねん)だなぁ」
はぁ? はあ!! 何なのよ。私の気も知らないで…。よくそんなことが言えるわね。これ以上(いじょう)私を太(ふと)らせて、責任(せきにん)とってくれるんでしょうね。
私は、彼の顔を食い入るように見つめて、ばくばくと食べてやった。
<つぶやき>会話(かいわ)を楽しみましょう。食事は量より質(しつ)です。食べ過ぎには注意(ちゅうい)しないと。
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