みけの物語カフェ ブログ版

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0295「彼女の本心」

2018-08-20 18:50:38 | ブログ短編

 彼女の行動(こうどう)には一定(いってい)のパターンがある。喫茶店(きっさてん)で飲むものはハーブティー。食事(しょくじ)はいつもの場所(ばしょ)で、いつものメニュー。飲み物は梅酒(うめしゅ)サワー。僕(ぼく)が他(ほか)のを勧(すす)めても、そこは絶対(ぜったい)に譲(ゆず)らない。ちょっと頑固(がんこ)なところがある。
 でも、彼女の場合、それを他の人には押(お)しつけない。僕が脂(あぶら)ぎった料理(りょうり)を食べていても、あんまり食べ過(す)ぎないでね、と軽(かる)く釘(くぎ)を刺(さ)すだけ。それも怒(おこ)った顔じゃなくて、笑(え)みを浮かべて。そうなると、僕の方も無茶(むちゃ)なことができなくなる。
 彼女は時間にも正確(せいかく)だ。待(ま)ち合わせは、必(かなら)ず十五分前には着いている。だから僕も、待ち合わせをするときは細心(さいしん)の注意(ちゅうい)を払(はら)う。彼女を待たせるわけにはいかないから。それでも、ときに遅刻(ちこく)してしまうときもある。
 いつだったか、十分ほど遅刻したことがあった。待ち合わせの場所に着いたら、そこに彼女の姿(すがた)はなかった。僕は慌(あわ)てて連絡(れんらく)する。すると彼女は、
「今日は帰ります。また誘(さそ)ってくださいね」って、怒った素振(そぶ)りも見せずに電話を切る。
 それ以来(いらい)、僕は遅れるときには必ず連絡することにしている。
 そんな寛大(かんだい)な心を持っている彼女。でも、ふと考えてしまうのだ。彼女は、僕のことをどう思ってるんだろう。いつも穏(おだ)やかな顔をして、我慢(がまん)とかしてるんじゃないのかなぁ。彼女の本心(ほんしん)がどこにあるのか、僕はとっても知りたいです。
<つぶやき>喧嘩(けんか)するほど仲(なか)が良い。思ってることは、ちゃんと伝えた方がいいのかも。
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