みけの物語カフェ ブログ版

いろんなお話を綴っています。短いお話なのですぐに読めちゃいます。お暇なときにでも、お立ち寄りください。

0293「最終電車」

2018-08-18 18:54:42 | ブログ短編

 電車(でんしゃ)の中でうとうとしていた私。微(かす)かに駅(えき)の名前が繰(く)り返し聞こえてきた。私はハッと目が覚(さ)める。その駅名は、私の家とは反対方向(はんたいほうこう)の駅だったのだ。駅のアナウンスが、最終(さいしゅう)電車であることを告(つ)げていた。私は急いで扉(とびら)へ向かった。しかし、無情(むじょう)にも私の鼻先(はなさき)で扉は閉まってしまった。
 私は扉から外を見た。でも、その景色(けしき)は何だか歪(ゆが)んでいて、まるで知らない駅のようだ。私は次の駅で降(お)りようと思った。だが、どういうわけか次の駅名が思い出せない。車内の路線図(ろせんず)を見てみたが、何だかぼやけていてはっきり見えない。
 次の駅で電車が停(と)まると、私はホームに降り立った。何だかおかしな感じだ。駅名がどこにも書かれていないし、木造(もくぞう)の駅舎(えきしゃ)は昭和(しょうわ)のレトロの雰囲気(ふんいき)を漂(ただよ)わせている。駅員(えきいん)に訊(き)こうと駅舎(えきしゃ)へ向かう。改札口(かいさつぐち)は自動改札(じどうかいさつ)ではなかったので、私はそのまま外へ出た。
 駅員らしき人物(じんぶつ)が、掲示板(けいじばん)に何かを貼(は)っているのが見えた。私は側(そば)へ行ってみる。最初(さいしょ)、少し高い所に見えたので、脚立(きゃたつ)にでも乗っているかと思った。でも、そうではなかった。驚(おどろ)いたことに、その人物の下半身(かはんしん)がなくなっているのだ。上半身(じょうはんしん)だけが宙(ちゅう)に浮(う)いた感じ。
 そこで、私は目が覚めた。何でこんな変な夢(ゆめ)を見てしまったのか。でも、私はホッとした。無事(ぶじ)に家に帰ることができたから。あまりにもリアルな夢の話です。
<つぶやき>電車に乗っていると、ついつい眠くなってしまいます。気をつけましょう。
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