▼公開からかなりの時間が経ってしまったが、遅ればせながら、『キングダム 見えざる敵』を、いつものMOVIX昭島に観に行った。
舞台はサウジアラビアで、物語は、その外国人居住区での、排外的なテロリストの自爆テロに始まる。
冒頭は、タイトルバックとともに、サウジの歴史がスタイリッシュに語られる。
それは、石油を介した親米的な王室と、それを良からぬと考える、元は王族を支持していたイスラム教ワッハーブ派のテロの歴史でもあった。
完全に警備されたサウジの外国人居住区・・・。
そこで、警察に扮したテロリストの無差別乱射事件が起こる。
休日で、ソフトボールを楽しんでいたアメリカ系石油会社の従業員たちと、応援していた家族達は逃げ惑う。
銃撃は女子供かまわずに続けられる。
警察が、逃げ惑う人々を誘導する。
みんな、安心し、集まる。
その中心で、みんなを集めた警察官がコーランを唱え、スイッチを押す。
体に爆薬を仕込んでいたのだ。
バラバラと死ぬ人々・・・・。
現場ではFBI捜査官が、アメリカにいるFBI捜査官のリーダーである主人公に電話する。
「酷い状況で、女も子供も殺されている・・・」
しかし、そんな風に、捜査官や救助の救急隊員が集まってきたのを見計らって、そこに駐車されていた車のプラスチック爆弾が爆発した。
半径数100メートルが焦土と化した。
▼尋常ならざる自体に、FBI捜査官リーダー・フルーリーは、サウジの現地での調査を思い立つ。
しかし、アメリカ政府は、テロリストやサウジ王室を刺激することを恐れ、許可しない。
フルーリーは、サウジ大使を脅し、アメリカ政府の認可なしに、精鋭の仲間とともにサウジに渡航するのだった。
ここで面白いのが、フルーリーは、サウジ大使をこう脅すのだ。
「お前の一族が、テロリストに資金源を送っているのを知っているのだぞ!」
・・・つまり、この物語は、テロリストを生み出すシステムは、もはや、存在やむなしと考えていて、
ただ、今回の爆弾テロを起こした組織の検挙を目的としているのだ。
▼サウジに渡るのは、たった4人の仲間・・・。
それで、一つの国の国家的な事件を解決できると思うのが、私には信じられず、どうやって解決するのか、俄然、興味が引かれた。
しかし、サウジに入っても、現地のイスラムルールに縛り付けられ、思うような捜査ができない。
現地の警察の大佐も、客人を思うように案内できないもどかしさを感じているようだ。
フルーリーは、能天気に君臨する王子の一人に取り入ることによって、捜査の自由を得た。
そして、同じく自由を得た大佐と、フレキシブルな捜査をしていく。
カチコチに見えた大佐が、子供の頃、『超人ハルク』を見て、正義に目覚めた、と告白し、フルーリーと友情を育んでいくところなども良かった。
アメリカから共に来た捜査官も、それぞれの専門分野、情報分析、法医学、爆発物調査で、犯人特定に進んでいく。
どう考えても、膨大な、異国の未知の情報の中から、犯人を特定していくのは不可能に見えたのだが、淡々と専門のできることを突き詰めていくと、光明が差し込んでくることを教わりました^^
クライマックスは凄まじい臨場感だった。
ハイウェイの爆発→カーチェイス→市街戦→屋内戦
そのリアリティに、私は興奮しきりだった。
その果てに、フルーリーと大佐は、テロの首謀者と対峙する・・・。
首謀者を特定する「証拠」の出し方も実にうまかった・・・。
いい、脚本である。
▼テロの首謀者は、撃たれ、死ぬ間際に孫娘に耳打ちする・・・。
そして、爆弾テロで仲間が死んで落ち込んだメンバーにフルーリーも耳打ちしていた。
お互いが言った内容は、
「皆殺しにしてやる」
だった・・・。
戦いの連鎖は、けしてなくならず、なくならないのが、人の歴史である・・・。
PS.先週見た『グッド・シェパード』のCIAに続いて、今日は、FBIを堪能しました^^
(2007/10/27)
舞台はサウジアラビアで、物語は、その外国人居住区での、排外的なテロリストの自爆テロに始まる。
冒頭は、タイトルバックとともに、サウジの歴史がスタイリッシュに語られる。
それは、石油を介した親米的な王室と、それを良からぬと考える、元は王族を支持していたイスラム教ワッハーブ派のテロの歴史でもあった。
完全に警備されたサウジの外国人居住区・・・。
そこで、警察に扮したテロリストの無差別乱射事件が起こる。
休日で、ソフトボールを楽しんでいたアメリカ系石油会社の従業員たちと、応援していた家族達は逃げ惑う。
銃撃は女子供かまわずに続けられる。
警察が、逃げ惑う人々を誘導する。
みんな、安心し、集まる。
その中心で、みんなを集めた警察官がコーランを唱え、スイッチを押す。
体に爆薬を仕込んでいたのだ。
バラバラと死ぬ人々・・・・。
現場ではFBI捜査官が、アメリカにいるFBI捜査官のリーダーである主人公に電話する。
「酷い状況で、女も子供も殺されている・・・」
しかし、そんな風に、捜査官や救助の救急隊員が集まってきたのを見計らって、そこに駐車されていた車のプラスチック爆弾が爆発した。
半径数100メートルが焦土と化した。
▼尋常ならざる自体に、FBI捜査官リーダー・フルーリーは、サウジの現地での調査を思い立つ。
しかし、アメリカ政府は、テロリストやサウジ王室を刺激することを恐れ、許可しない。
フルーリーは、サウジ大使を脅し、アメリカ政府の認可なしに、精鋭の仲間とともにサウジに渡航するのだった。
ここで面白いのが、フルーリーは、サウジ大使をこう脅すのだ。
「お前の一族が、テロリストに資金源を送っているのを知っているのだぞ!」
・・・つまり、この物語は、テロリストを生み出すシステムは、もはや、存在やむなしと考えていて、
ただ、今回の爆弾テロを起こした組織の検挙を目的としているのだ。
▼サウジに渡るのは、たった4人の仲間・・・。
それで、一つの国の国家的な事件を解決できると思うのが、私には信じられず、どうやって解決するのか、俄然、興味が引かれた。
しかし、サウジに入っても、現地のイスラムルールに縛り付けられ、思うような捜査ができない。
現地の警察の大佐も、客人を思うように案内できないもどかしさを感じているようだ。
フルーリーは、能天気に君臨する王子の一人に取り入ることによって、捜査の自由を得た。
そして、同じく自由を得た大佐と、フレキシブルな捜査をしていく。
カチコチに見えた大佐が、子供の頃、『超人ハルク』を見て、正義に目覚めた、と告白し、フルーリーと友情を育んでいくところなども良かった。
アメリカから共に来た捜査官も、それぞれの専門分野、情報分析、法医学、爆発物調査で、犯人特定に進んでいく。
どう考えても、膨大な、異国の未知の情報の中から、犯人を特定していくのは不可能に見えたのだが、淡々と専門のできることを突き詰めていくと、光明が差し込んでくることを教わりました^^
クライマックスは凄まじい臨場感だった。
ハイウェイの爆発→カーチェイス→市街戦→屋内戦
そのリアリティに、私は興奮しきりだった。
その果てに、フルーリーと大佐は、テロの首謀者と対峙する・・・。
首謀者を特定する「証拠」の出し方も実にうまかった・・・。
いい、脚本である。
▼テロの首謀者は、撃たれ、死ぬ間際に孫娘に耳打ちする・・・。
そして、爆弾テロで仲間が死んで落ち込んだメンバーにフルーリーも耳打ちしていた。
お互いが言った内容は、
「皆殺しにしてやる」
だった・・・。
戦いの連鎖は、けしてなくならず、なくならないのが、人の歴史である・・・。
PS.先週見た『グッド・シェパード』のCIAに続いて、今日は、FBIを堪能しました^^
(2007/10/27)