『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭

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[映画『15時17分、パリ行き』を観た]

2018-03-23 06:50:05 | 新・物語の感想

映画『15時17分、パリ行き』本予告【HD】2018年3月1日(木)公開

☆・・・公開すぐに観に行ったのだが、まあ、最近のイーストウッドの作品は、世界名作劇場なみの名作揃いで完成度が高く、どうにも、なんか少しでも起伏がある文章を書けないでいた^^;
 今回は、数年前のヨーロッパで起こった、一つ間違えば大惨事になったテロ事件を、「偶然」にも、その場所にい合わせ、防ぐことになった男たちの物語。
 ネット映評の知り合いたちの評価を見ると、私には完璧に思えた作品だが、その「瞬間」までの物語を退屈に・意味のない展開にしか思えなかった人が多くいた。
 私には理解できない見方であった。
 イーストウッドは、この、主人公たちの事件現場でのい合わせを「偶然」とは捉えていない。
 いや、オカルト的な意味ではないが、日頃の「生き方」の帰結が、事件の場での「行動」となって集約された、とは考えている。
 ゆえに、終盤までの展開は、全て、クライマックスの行動への必然だ。
 私は集中力をもって見続けた。
 少年時、主人公ら三人ははみ出し者だった。
 しかし、世のため、人のため、働きたいと願い続けていた。
 軍隊生活を含む全ての行動は、ささやかにその想いを裏打ちする。
 神を感じさせないが、運命の導きは存在するか・・・。
 ヨーロッパを旅し、若者たちは屈託なく観光を楽しむ。
 そのあけすけな純観光の姿に、見ている我々は驚きつつ、我々も観光をエンジョイする。
 そして、事件に直面する。

 面白いのが、メインの登場人物には、本人を起用している点で、彼らがなかなかの男前で演技がうまい点だ。
 ・・・さて、完成度の高い作品を連発しているイーストウッド監督だが、ちょいと、私の不安を記しておく。
 イーストウッドの若い頃の監督作は、多分に、アクションと言うか暴力要素があった。
 スタローン作品的な言われ方もしていた。
 あまり評価が高くなかった。
 が、そのテーマへの段取りの積み重ね方は、現在の作劇法と同じなのである。
 故にだ、だ。
 完成度の高い昨今のイーストウッド作品も、ひとつ、テーマへの「段取りの積み重ね方」を間違えると、とたんにバッシングの対象になり得ると、私は危惧していることを、ここに一筆したためておく。

 ちなみに、私の、一番優れていると思うイーストウッド作品は『チェンジリング』で、世の全ての映画の中でもベストテンに入れていいほどに感銘を受けた。
 二時間半の大作の『チェンジリング』に比べ、最近のイーストウッド作品はさらりとし過ぎているきらいはある。
 もうお歳で、ねちっこさがなくなっているのかも知れない。

                                (2018/03/23)


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