☆・・・やっと、映画館が再開した。
丸2ヶ月、映画館に行かないなんて、物心ついてから初めてだ。
ヴァラエティに富んだ6作品を観たよ!
緊急事態宣言の間、テレビはコロナ報道がメインなのだが、それを縫って、ドキュメント番組か、昔の映画ばかり見ていたよ。
イーストウッドの映画でよく見るソンドラ・ロックの魅力を再認識させられた(^.^)
(今年の31作目)『ブラッド・ショット』…3.0点(お客さんの数、私を含めて2人)
ヴィン・ディーゼル主演のSFアクション。
「ワイスピ」シリーズのハゲマッチョでは、私はドウェイン・ジョンソンの方が好きなのだが、ヴィン・ディーゼルも作品を選んでいて、凝ったシナリオだ。
主人公が超能力を持った戦士としてよみがえり、チームで悪に挑む、と言いたいが、仲間と思っていた者らとバトる。
なかなか面白くて内輪もめ感もない。
サイボーグ009が内紛を起こすとこんな感じかな?
(32作目)『囚われた国家』…3.5点(お客さんの数、私を含めて2人)
クラークの「幼年期の終わり」に似た、圧倒的な力を持つ異星人に支配・搾取されている世界観。
SFアクション展開で地球を取り返すのかと思ったらポリティカルSF、綿密なテロ計画が進行し、テロリストたちの占領された世界での生活も描かれる。
異星人に地区の治安管理を任されている男を演じるジョン・グッドマンが美味しい役柄だ。
この人、ずーっと第一線の活躍だなぁ。
(33作目)『21世紀の資本』…3.5点(お客さんの数、私を含めて4人)
トマ・ピケティのベストセラーの経済書のドキュメント映像化。
とどのつまり、「資本主義が行き過ぎると、18世紀の格差社会が復活してしまうぞ」と言う警告。
内容は、誰でもおぼろげに分かっていること、でも、それを歴史的な事象をエビデンスとして語ってくれるのが学者だ。
映像も、私の好きだった『コヤニスカッツィ 平衡を失った世界』みたいで面白かった。
(34作目)『ロイヤルコーギー レックスの大冒険』…、4.0点(お客さん俺だけ)
コロナ閉塞を打ち破る、こう言うの(ライトライト、軽くて明るい)が観たかった!(^.^)
女王陛下のトップドッグが、兄弟犬にその座を奪われ、箱入りだったが下野し、恋を知り、理不尽を知り、友情を知り、それらを勝ち得て、再びバッキンガム宮殿に戻る話。
エリザベス女王やトランプ大統領も出てくるし、それを毒としないでコメディに収めたのはお見事!
(35作目)『架空OL日記』…3.5点(お客さん、私を含めて3人)
バカリズム原作のネット読み物が、テレビ版を経ての映画化。
バカリズムが男そのままに、銀行OLに混じって、女の同僚として日常を続ける。
誰もツッコむことはない。
「あるある」以前のOLの生活は、私にはなかなか知り得ようないけど、これがリアルなんだろうなぁとクスクスさせられる。
それだけで楽しい1時間半だが、クライマックスでは、OLたちの一大イベントの結婚が描かれて、そこでの「夢の終わり」とともに後を引いて終わる。
(36作目)『家族を想うとき』…傑作4.5点(お客さんは、俺を含めて4人)
イギリスの、とある「中流家庭」の経済的な苦境と、4人の家族関係が丹念に描かれる。
おそらく、イギリスでは、中流も貧困層だ。
流れが悪い方 悪い方に傾いていく。
その、底流に闇が沈殿し、それが流れの表層に現れてくる気配の不安な雰囲気、それこそが「貧困なれど生活出来ている者たちのメンタリティ」、ケン・ローチ監督 見事である。
「万引き家族」や「パラサイト」の監督は、この作品を観て勉強し直して欲しい。
ああ、カンヌの審査員もね、見直して、不徳を恥じよ!
(2020/06/08)