『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭

ジュリアナから墓場まで・・・。森羅万象を語るブログです。
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[三遊亭鬼丸独演会at花音in入曽(後編 「vs柳家右太楼」)]

2012-12-04 22:44:39 | 物語の感想
☆さて、鬼丸師匠不在の「GOGOMONZ」・・・、なんとも、パラレルワールドの一つの可能性に迷い込んでしまったかのような雰囲気なのですが、談慶さんも談慶さんで、立川談志師匠の話をする段には、やはり、「つもりつもったもの(…それも愛)」がある故に、非常に面白いのだ。

 私は、鬼丸師匠にしても、横田かおり嬢にしても、今回、面白エピソードを話してくれた談慶さんにしても、一過性のラジオで語って終ってしまうのが惜しくて惜しくて^^;

 談慶さんの話し方は、私の思い描く落語家っぽい語り口だ^^

   ◇

 さて、落語家というのは上下関係が厳しいようだが、不思議と、高座の上では、笑いの為ならば、の下克上言動が多々ある。

 ・・・花音寄席。

 右太楼さんも、二つ目なのに、真打の鬼丸師匠に「オファーがあったのは前日だ」とか「普通、そんな非常識はない」とか「まあ、前日の依頼でも、土日に仕事のない自分も自分だが」とオチはつける^^;

 また、「前座として一席話せば良いと思ったら、交互に二席話すことになった」とか「鬼丸兄さんは二時間自分だけで持たせられないのだな」とか「長い噺が出来ないんだ」などと言いたい放題で面白かった。

 私は、落語家を「聖闘士星矢(セイントセイヤ)」に例えることが多い。

     ブロンズ聖闘士・・・前座

     シルバー聖闘士・・・二つ目

     ゴールド聖闘士・・・真打

     教皇     ・・・名人

 つまり、鬼丸師匠はゴールド聖闘士なのだ。

 だが、確か、「聖闘士星矢(セイントセイヤ)」には、ゴールド聖闘士の実力を持ちながらシルバー聖闘士に甘んじている<琴座のオルフェ>ってのがいたが、右太楼さんはあれか?

   ◇

 さて、<琴座のオルフェ>の攻撃『締め込み』を受けた鬼丸師匠・・・。

 右太楼さんの噺は、じわじわと効いてきて、最後に爆笑の渦を生んでいた。

 対して、鬼丸師匠は、超必殺技の、「特大まくら・酔っ払い」+『親子酒』で一気に勝負を決めようとした。

 このまくら噺・・・、面白いんだよ。

 あまりにもギャグ密度が濃いので、ここには記せない。

 ちょっとでも書けば、なんかこの完璧に構築された世界に傷をつけちゃいそうだ。

 と言いつつ、一つ書けば、満員電車の中で、えずく酔っ払いと向き合ってしまったOLが、必死で方向展開すると、相手の酔っ払いを始め、周囲の人間全員が「歯車力学」で回転を始める話など、もう、普通の人間の目のつけどころではない^^

 左隣のA子嬢も、右隣の「仮称・グリコ係長」も、延々と笑い続けていた。

 私も、「ああ、この噺は音楽だ! 名曲だ! ヘビーローテーションで聴き続けたい」と願うのだ。

 しかも、その後の『親子酒』が更に面白い。

 「特大まくら・酔っ払い」が、壮大な伏線だったと思うほど、それまでの素地が、古典落語『親子酒』を数倍の輝きに再生させている。

 禁酒していたはずなのに酔っ払った親父・・・、そこへ、息子が、禁酒していたはずなのに酔っ払って帰ってくる。

 咎める親父、釈明する息子・・・。

 息子は、取引先で酒を飲むに至る経緯を話す。

 酒を勧められた息子、何度も断わるのだ。

 その断わる口調、既に酔っ払って回想しているものだから、「だーっス」となる。

 この言葉の意味がわからない。

 でも、二回目で分かるのだ。「だーっス」

 「(今 禁酒しているので)ダメです!」の意である。

 一回目はきょとんとしている左隣のA子嬢も、右隣の「仮称・グリコ係長」も、この二回目の「だーっス」で死ぬほど笑っていた^^

 ここで勝負は決したか?

 いや、ここで中入り・水入りとなった。

   ◇

 さて、後半は、右太楼さんの『宮戸川(前編)』ではじまった・・・。

 今、この文章を書くにあたり、言わずに話し終えた右太楼さんの演目タイトルを、ネット検索で探すのに、小一時間掛かりましたよ。

 飲みながら書いているので、酔っ払ってしまいましたよ。

 でも、どうにか、この更新は書き終えますぞ!

 この噺は、半七とお花の馴れ初めを描く、それほどに爆笑を誘う展開ではないのだが、それぞれ帰宅が遅くなり家を追い出され、半七のおじさんの家に厄介になるのだが、そのおじさんの早とちりで有名な異名「飲み込みの久太」と古女房の勘違いっぷりが面白く、だが、その勘違いに乗せられ、半七とお花が仲良くなっていく。

 演じ分けが巧みで、なんか、お花がとても可愛かった^^

 この話、二人が雷の音に恐怖し急接近、「さあこれから!」のところで「これから先は文献が焼けております^^」で終わってしまった。

 私は、時間調整かなと思ったのだが、前後編の『宮戸川』を前半だけで終わらす場合は、このような下げなのだそうだ^^

 さて、鬼丸師匠の二席目は、寄席ではあまり話されることのないと言う『御神酒徳利』だった。

 凄く夢のある面白い話だった。

 とある旅籠の番頭さんが、良かれと思い、旅籠ゆかりの徳川家より賜いし御神酒徳利を、良からぬ者の目から隠すために、瓶に沈めた。

 しかし、主人は、「先祖伝来の御神酒徳利がなくなったあ!」と旅籠中の大騒ぎ!

 番頭さんは、自分が隠したことを家に帰ってから思い出すも、今更、告白したら顰蹙を買うだけだ。

 困っていたら、奥さんが、「占いで出たことにしなさい」と占いのための算盤を出してきた。

 で、前口上で、「先祖の遺言に、私も三度だけ占えるとあるのでやってみます」と、算盤を弾いて、まあ、知っていたからなんだけど、無事、瓶の中から御神酒徳利を発見!

 その話を聞きつけた大阪の大立者が、「ならば、自分の病気の娘も占ってくれ」と言い出したからもう大変。

 後に引けない番頭は、大阪の大旦那と上方に旅立つのだ。

 占いの神通力は、あと二回残っている、と大旦那は認識している。

 神奈川で直面した事件にも、ニンマリと笑い、被害者に「運がいいですね」と言うと、都合残ることになる、もう一回の神通力の行使を、大旦那は番頭さんに依頼するのだった。

 物語は、江戸→神奈川→大阪と連なるのだが、それぞれのエピソードが有機的に絡んでいて、実に壮大だ。

 これ、私、『ロード・オブ・ザ・リング』みたいな話に仕立て上げたいものだ。

 『トクガワ・オブ・ザ・デキャンタ』なんつって!^^

 なんつうかな、鬼丸師匠が大阪の大旦那の顔を真似る時なんて、顔が爺さんにしか見えなくて、鬼丸師匠の顔芸を心から愛するA子嬢は、幸せそうに笑っていました。

 また、この番頭さん・善六さん、すぐに「きつい塩のオニギリを作ってくれ、俺も、お前も、それぞれの実家に行くんだ。後から便りを出す」と、ケツをまくる^^;

 この「後から便りを出す」と言うときの、生真面目にすっ呆けた間(ま)が、文章ではけして説明出来ないのだが、異常に面白い。

 私は、落語に夢中になるにあたり、そのとば口が、この三遊亭鬼丸師匠で、ホント、幸せだなぁと思うのだった・・・。

     

                                          (2012/12/04)
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[三遊亭鬼丸独演会at花音in入曽(前編 「vs柳家右太楼」)]

2012-12-04 05:57:24 | 物語の感想
☆いつも、鬼丸師匠の寄席報告が長くなってしまっているので、今回は、短く書きます。

 鬼丸師匠がパーソナリティーの「GOGOMONZ」だが、鬼丸師匠が、今日から一週間の<遅過ぎる夏休み>に突入したので、代役を立川談慶さんが務めた。

 なお、私は、鬼丸師匠にだけは、親しみを込めて「師匠」を付けることにしているのであしからず。

 なんか、すっごい違和感があった。

 番組内容から、鬼丸師匠特有の<ちょい毒粘液>が抜かれてしまった感じだ^^;

 カオリンが立川談慶さんと仲良くやっている姿に、「うらぁ! この尻軽娘がああぁ」と思った。

 余談だが、カオリンは最近、自分のヒップラインネタを語ることが多い^^;

 ただ、もし、カオリンと鬼丸師匠がケンカしたら、私はカオリンにつく。

 何故なら、私は男だからだ。

 それについては、鬼丸師匠も「しょうがないな、だって人間(男)だもの」と納得するだろう。

 ・・・なお、休暇中の鬼丸師匠だが、自分不在の「GOGOMONZ」はちゃんと聴いているに違いない。

 子供たちに、「お父さん、遊ぼうよぉ。お休みなんでしょ?」と言われても、「遊ぶのは、ラジオが終わってからだ!」と、それを振り切って聴いているような気がする^^;

 子供たち 「それじゃあ、いつもと同じじゃん!^^;」

   ◇

 さて、今回の鬼丸独演会開催地の入曽は、名前こそ聞いたことがなかったが、いざ、車のナビに「入曽駅」と打ち込むと、私の住所のあきる野市からは、かなりの近い場所であることが分かった。

 そして、会場の「花音」は居酒屋さんでした。

 ここのご主人が、定期的に、噺家さんを招いて落語会を催すのだそうだ。

 私、「売り切れ」だったのに、このご主人の優しさに甘えて、かなり強引に三枚のチケットを予約していた^^;

 店に入ると、手前のテーブル席・カウンター席部分が、椅子の席になっていて、奥のお座敷に、お座敷席として座布団が置かれていて、さらにその奥に高座が設えられている。

 椅子の席は満員で、私たち三人はお座敷席に行くことになりそうだったのだが、私の母親が「あたしゃ、お座敷は辛い」とごねだし、何か知らないが、一番見やすい椅子席を、係りの人に用意してもらっていた。

 最初に断わっておくが、このクソババァ、途中 寝やがった。

 正直、高座から視線をやると、一番 噺家からは目につく席である。

 さぞかし、鬼丸師匠たちのリズムを崩したことだろう。

 でも、70歳の我が母親だが、この落語会を最大限楽しんでいるのは確かなのである。

 しかし、歳だから、ちょっとウツラウツラと寝ちゃったときもあったのだ、勘弁してちょ。

 私とA子嬢は、奥に向かって左側の一番前に腰を下ろした。

 ウハ! 鬼丸師匠を見上げるかたちだ^^

 緊張する。

 そして、私の真ん中寄りの隣りには、若いカップルか、あるいは夫婦だろうか、の女性の方が座った。

 その彼氏あるいは旦那さんは、中央の花道を挟んだ反対側に座った。

 つまり、離れ離れだ。

 この二人だが、A子嬢が聞いた話によると、中入りの時に、鬼丸師匠を評して「すっごい二重(ふたえ)!」と言っていたそうで、それがA子嬢にはとても面白かったらしい^^

 で、このカップルの女性のほうだが、とにかく笑う笑う^^

 「ハハハハハハ」と、凄く快活に笑い、なんかとても可愛かった。

 私もA子嬢も負けずに笑った。

 会を終え、私は、その女性の顔を見たかったので、さりげなく、その顔を覗き見た。

 すると、相手も私の顔をちょうど覗き見ていた。

 なんかお互いに、お互いの心を覗き見たようで恥ずかしくなった^^;

 鬼丸師匠は、噺の最初に「ラジオを聞いている方は手を挙げて^^」と聞いてきたのだが、その女性も手を挙げていたので、ゴゴモンズ・リスナーらしい。

 う~ん、じゃあ、今後、私の中では、この女性を「グリコ係長」と思うことにしよう^^

 彼氏のほうは「クマサカサカス」^^(どちらも、番組でよく読まれている男女^^)

 さて、落語会が始まる。

 先ずは、店の主人の挨拶。

 この方、腕時計が縦横にデザインされているトレーナーが印象的だった。

 続いて、お店と噺家の橋渡し役の落語家さん、名前は忘れた「いっき」さんとか言ってた。

 本日は、鬼丸師匠と弟弟子の歌扇さんの高座が予定されていたが、歌扇さんの調子が悪くて、柳家右太楼さんが出てくるとのこと。

 まだ二ツ目だけど、数年後には真打昇進が確実視されており、その実力は折り紙付きとのこと。

 二人は、交互に二席づつ聞かせてくれるとのこと。

 つまり、がっぷり四つの「対バン」ならぬ、「対ラク」形式だ。

 で、出囃子とともに、現われるのだが、柳家右太楼さん、確かに巧みであった。

 演目は『締め込み』で、序盤は、クライマックスへの話の積み上げである。

 よどみない。

 私は、どうやって話が流れていくのか聞き惚れる。

 A子嬢は、なまじっか、最初に聞いた寄席に三遊亭圓歌師匠がいたので、あのハイレベルがデフォルトになってしまっていた。

 私が聴くと、右太楼さんは、非常に興味を惹くうまさなのだが、A子嬢にとってはどうか?

 …と、その心配は杞憂で、次第にケラケラ笑っていた。

 ・・・泥棒が空き巣に入った家で、さて、品物をまとめ逃げようとしたら、家主の男女二人がそれぞれ帰宅、泥棒は慌てて床下に隠れる。しかし、その男女は、大きな夫婦喧嘩をはじめるのだった・・・。

 右太楼さん、前半を見事に構築し、近くだから分かるが、その演技も見事。

 情が弾けるシーンでは、目に涙も浮かぶ。

 そして、笑いも、クライマックスでは矢継ぎ早だ。

 おお、この人、うまいぞ!

 ・・・だが、私は、鬼丸師匠には負けて欲しくない。

 続いて、高座に上がった鬼丸師匠、何の噺で対抗するのか?

 おお、きた! キラー・コンテンツの「東北本線・酔っ払いおじさんvsすし詰めの乗客」の大きな<まくら>と『親子酒』のコンボだ。

 この噺は、名作だ^^

 ・・・戦いははじまったばかり・・・。

   ◇

 すいません、また、書き終わらなかった^^;

 帰宅したら、続きを書きまする。

                                           (2012/12/04)
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