天命を知る齢に成りながらその命を果たせなかった男の人生懺悔録

人生のターミナルに近づきながら、己の信念を貫けなかった弱い男が、その生き様を回想し懺悔告白します

小学5年時『ライオン座』で鑑賞したトプカプ宮殿宝刀が盗まれる米映画『トプカピ』をトルコ人ガイド語らず

2011-10-06 21:59:38 | 日記
今日の日記は、46年前に劇場で観たトプカプ宮殿の宝刀が出てくるアメリカ映画『トプカピ』(1964年製作 ジュールス・ダッシン監督 メリナ・メルクーリ ピーター・ユスティノフ マクシミリアン・シェル主演)のことです。
私は、今回のトルコ旅行でイスタンブール・トプカプ宮殿に所蔵されている”トプカプの短刀”(黄金の柄に3つのエメラルドがはめ込まれ、頭部にはエメラルドで蓋をされた時計が装飾された短刀、スルタンのマフムート1世からペルシャ王ナディルへの贈答品として、1741年宮殿内工房で製作されたが、王の死去により贈られず宮殿内に保管された)の鑑賞が重要な目的の一つでした。
何故なら、その宝刀は、私が小学5年生の時、横浜の天王町にあった映画館『ライオン座』の3本立て興行の1本として上映された映画『トプカピ』で観た宝物だからです。公開当時の言い方は現在の”トプカプ”宮殿でなく、映画題名の通り”トプカピ”と呼ばれていました。だから、私は今でも時々間違って昔の呼び方”トプカピ”を使ってしまいます。
その映画を観た頃の私は、トルコの知識は首都が”アンカラ”であることぐらいしか知らず(注:地理が大好きな友達の間で、全世界の国の首都を当てるクイズが流行っていたので、私は猛勉強してその一つ”アンカラ”を覚えた)、トルコ・イスタンブール”トプカピ”王宮博物館に陳列されているサルタンの宝剣を大胆な手口で盗み出すこの映画『トプカピ』が、私に強烈な印象を残しました。
添付した写真は、そのサルタンの宝剣を展示室の天井から盗み出す、私が当時とても驚いたシーンです。そして、この盗み出す犯行手口は、映画『ミッション:インポッシブル』(1996年製作 ブライアン・デ・パルマ監督 トム・クルーズ主演)で、トム・クルーズがブライアン・デ・パルマ監督らしいオマージュ演出のより見事に復活しています。
この映画は私に強烈な思い出を残したのだから、当然現地のトルコ人ガイドもこの映画を紹介すると思いました。でも、彼は、映画『007ロシアより愛をこめて』と『オリエント急行殺人事件』は、ツアー客に説明していたにも関わらず、この映画『トプカピ』のことを一言も語らなかったです。それは、何故なのか?私は帰ってから得心しました。
彼らトルコ人は、このアメリカ映画『トプカピ』で描かれている国家的な財産(サルタンの宝剣)を易々と盗まれてしまう出来事を、『トルコ国家の屈辱』と思っているからです。”こんなトルコ人に恥ずかしい映画は無い”と彼は思っているでしょう。
同じようにトルコ人が”国辱映画”と思っているイギリス映画があります。名優ホセ・フェラーがアラビア半島に駐在したオスマントルコ軍の将軍に扮した名作『アラビアのロレンス』(1962年製作 デーヴィッド・リーン監督 ピーター・オトゥール主演)です。この映画では、トルコ軍はまったく無能な軍隊として描かれているので、トルコ人の評判は頗る悪いです。
でも、私は、この映画『トプカピ』の思い出を、ツアー添乗員の日本人女性(注:若いので当然この映画を知らない)だけには、この王宮の庭を一緒に歩いている時に語りかけました。そして、彼女は、このトプカプ宮殿見学が終了して皆が集合した時、私に『その宝刀を観ましたか?』と尋ねて来ました。その問いに、私は『時間があったので、二度もその展示室を訪れ、じっくりとその宝刀を観ました!』と微笑みながら答えました。
映画を観た46年前には、私もこの王宮を実際に訪れることが出来るなどと夢にも思わなかったです。そのとても感慨深い思いは、今でも私の胸に強く残っています。
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