天命を知る齢に成りながらその命を果たせなかった男の人生懺悔録

人生のターミナルに近づきながら、己の信念を貫けなかった弱い男が、その生き様を回想し懺悔告白します

『ベティ・ブルー愛と激情の日々』自傷したベアトリス・ダルを医師は理不尽に電気ショックを施し生きる屍に

2011-08-06 10:23:24 | 日記
今日の日記は、映画『ベティ・ブルー 愛と激情の日々』(1986年製作 ジャン=ジャック・ベネックス監督 ベアトリス・ダル ジャン=ユーグ・アングラード主演)の女主人公ベティの最後のことです。
この映画の主人公、若い女性・ベティ(ベアトリス・ダル)の強い望みは、恋人(ジャン=ユーグ・アングラード)を有名作家にして彼の子供を作ることでした。しかし、その望みが適わず、ナイーブな彼女の心を徐々に病んでゆきます。でも、その気配を察した恋人は、ベティを懸命に慰め勇気付けて、悩む彼女を助けようとします。
そして、ある時、失意に陥ったベティは、恋人のいない時に自らの右目を抉り取る行動を取って、緊急病院に搬送されてしまいます。この彼女の”自傷”を「狂気の沙汰」と考えた病院医師らは、ベティや恋人の意志をまったく無視して、ベティを拘束具でベットに縛りつけ、脳神経に電気ショック治療を施してしまいます。
その結果、ベティの人格は惨くも破壊されて、何も喜怒哀楽を示さない”生きる屍”にされてしまいました。添付した写真は、ベットの拘束具を外し必死にベティ(ベアトリス・ダル)の意識を呼び戻そうとする恋人(ジャン=ユーグ・アングラード)です。
その恋人の努力も虚しくベティの症状は悪化するばかりです。恋人は、ベティを病院から連れ去ろうとしますが、医師らから”もう来るな!”と逆に暴行・脅迫される始末です。
そしてついに、意を決した恋人は女装してベティの病室に侵入して、”一緒に帰ろう”と言ってベティを枕元で安楽死させます。とても強い衝撃を受けるシーンです。
このとても感動するシーンを見て、この映画は、映画『カッコーの巣の上で』(1975年製作 ミロシュ・フォアマン監督 ジャック・ニコルソン主演)の若き女性版だと、私は強く得心しました。
いつの世のどこでも、人間の尊厳をまったく無視する理不尽な悪行を企てる悲しき罪ある者は存在するのです。
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