天命を知る齢に成りながらその命を果たせなかった男の人生懺悔録

人生のターミナルに近づきながら、己の信念を貫けなかった弱い男が、その生き様を回想し懺悔告白します

歴史書『カエサル』離婚騒動”カエサルの妻たる者そのような疑いすらかけられてはならぬ”言葉を高嶋政伸に

2013-02-18 22:53:25 | 日記
今日の日記は、今読んでいるエイドリアン・ゴールズワーシー著『カエサル(上)(下)』(宮坂渉訳・2012年9月白水社刊)に書かれているカエサルの私生活のことです。添付した写真は、その著書の表紙(上巻は左側・下巻は右側)です。
私は、豊穣した文化を持つイタリアが大好きで、その国のルーツである古代ローマ帝国の偉人たちにもとても興味があります。だから、この帝国の偉大な指導者・カエサルを扱ったこの歴史書を某書店で購入して、今読んでいます。
この大政治家カエサルは、塩野七生氏も自著『ローマ人の物語』で詳しく紹介していましたが、イギリスの歴史学者であったエイドリアン・ゴールズワーシー氏は、もっと史実に基づき詳細にカエサルの人間像を描いています。
その著書上巻を読んで、私がとても印象に残ったカエサルの語った言葉があります。以下に、その記述を引用・掲載します。
『毎年、善の女神の祭礼は、上級公職者のひとりの自宅で執り行なわれていた。そして、紀元前62年にカエサルの家が選ばれた。その祭礼は女性のみ、主としてローマの貴族層の既婚女性とその侍女によって執り行われるものである。当然、カエサルの妻ポンペイアが取り仕切った。その聖なる祭礼の日に、ポンペイアの愛人であるクロディウスが、女装して祭礼が行われてるカエサルの家に侵入し彼女との密会を企てた。しかし、その侵入者は運悪く召使に見つけられて、カエサルの母親に放り出された。・・数日後、カエサルはポンペイアと離婚した。ローマ最古の成文法典である十二表法には離婚についての規定はなかったが、長い伝統によって離婚は認められていた。・・元老院はこの事件を調査し、いかなる措置を取るべきかを決定するために特別委員会を設置した。・・その後の裁判で、カエサルはクロディウスに不利な証拠を提出するのを拒否し、事件全体について与り知らぬことであると主張した。自分の妻が不倫関係になかったと思うならなぜ離婚したのかと、公の場で問われたカエサルは、かの有名な言葉でそれに応えた。自分が彼女と離縁したのは、
「カエサルの妻たるもの、そのような疑いすらかけられてはならない!」
からである。』
なんと清々しく毅然とした言葉であるか!そして、この言葉が、今から二千年以上前に語られていることに、私は今驚愕してします。何故なら、その頃の日本は、弥生時代の後半期で、起った事実を記録保存する文字もなく、このような離婚事件が起きるほどの成熟した文化も全く無かったです。
国(注:当時の日本には国も無かったが)としての文化レベルの大きな違いです。そして、現在の日本でも、離婚するのに汲々として裁判沙汰にまで発展した芸能人に聞かせたいカエサルの言葉です。
その芸能人とは、離婚成立の連絡を弁護士から聞いた時「床に倒れ込んで号泣した!」と、最近マスコミに語った俳優の高嶋政伸です。だから、私は、号泣した高嶋政伸にこの名著『カエサル』を是非読んでほしいです。
コメント
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