天命を知る齢に成りながらその命を果たせなかった男の人生懺悔録

人生のターミナルに近づきながら、己の信念を貫けなかった弱い男が、その生き様を回想し懺悔告白します

『共喰い』田中慎矢氏を批判した山田詠美氏は言うは易く行うは難しで自著『ジェントルマン』で同じ間違いを

2013-02-05 21:32:32 | 日記
今日の日記は、今読んでいる山田詠美著『ジェントルマン』(2011年11月講談社刊)のことです。
この著書は、去年の第65回野間文芸賞(野間文化財団主催・副賞300万円)を受賞した作品です。私は今まで読んだことのない山田詠美氏(注:芥川賞選考委員で私の日記でも登場している)の小説を、一度読んでみたくなり某書店で購入して、今自宅で読んでいます。添付した写真は、その著書の表紙です。
この小説は、眉目秀麗で文武両道の才覚溢れるジェントルマンとされている青年と、その正体を冷ややかに見つめていた男子同級生の想像を超えた驚愕の愛を描いたピカレスク的な人間深層劇です。その主役は、見かけだけのジェントルマンに恋した男ですが、私には著者が女性であるためか?著者が描いたこの男の生き方に、私は何も共感するものが無かったです。やはり、異性が描くのには、その表現に限界があると痛感しました。このような作品でも、出版している講談社の創業者の名前を冠した文学賞には、手前味噌で選ばれるのか?と思ってしまいました。私は、この作品に期待していた分、失望も大きかったです。
著者の山田詠美氏は、第146回芥川賞受賞作『共喰い』の著者・田中慎矢に対して、よく女性の機微が分からないこの著者を強く批判し、”生理用品の心配される筋合いはねえ!”とも語っています。(注:私の2012年5月23日付日記『「文藝春秋三月号」山田詠美氏は芥川賞受賞の田中慎矢著『共喰い』を生理用品の心配される筋合いはねえ!と』を参照の事)
しかし、いざ自分の作品の執筆になると、残念ながら山田詠美氏も、異性である男の偽らざる真相を良く分からず、田中慎矢氏と同じような間違いをしているように、私にはみえました。
だから、やはり小説の表現についても、”言うは易く、行うは難し”の格言は、しっかりと生きていると、私は今強く得心しています。
コメント
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