天命を知る齢に成りながらその命を果たせなかった男の人生懺悔録

人生のターミナルに近づきながら、己の信念を貫けなかった弱い男が、その生き様を回想し懺悔告白します

『愛と欲望のナチズム』記載で人種汚辱により外国人と婚姻禁止のヒトラー違い尾上菊五郎は娘の国際結婚許す

2013-02-16 16:48:36 | 日記
今日の日記は、今読んでいる田野大輔著『愛と欲望のナチズム 講談社選書メチエ版』(2012年9月・講談社刊)のことです。添付した写真は、その著書の表紙です。
この著書は、私が強く嫌悪する”ヒトラーのナチズム”の実態に、豊富な原資料から光を当てた歴史社会の新書評論です。だから、私がとても共感した記述がありました。以下に、私がとても印象に残った記述の一部を引用・掲載します。
『ナチズムは、人間の最も私的な領域に属し、道徳や宗教に守られてきた性生活を政治的な介入の対象に仕立て上げ、再生産装置として管理運用することである。・・1935年9月の「ドイツの血と名誉を保護するための法律」によって、ドイツ人とユダヤ人の結婚と婚外性交が禁止され、いわゆる「人種汚辱」として処罰されていたが、開戦後(1939年9月ドイツ軍のポーランド侵攻)は、それが外国人との関係一般へと拡大された。・・しかし、処罰の対象とされたのはドイツ人女性と外国人男性の性的関係だけであり、ドイツ人男性と外国人女性の関係はほとんど問題とされなかった。・・このように、人口・人種政策的観点にもとづく生殖の管理、生産性向上を目的とする性欲の操作など、人間性を踏みじる抑圧的な政策が推進されたのだ。』
私は、ヒトラーのユダヤ人種絶滅政策は以前から知悉していましたが、ドイツ人(ゲンマン民族)でないそれ以外の外国人(フランス人やイタリア人)との結婚までも、ある時期から禁止されていたと、今回初めて知りました。これは、他国への侵攻によって、優生ゲンマン民族の血脈が無断に汚されることを、ヒトラーが強く恐れた所産だと、私は読後に思っています。
そして、この結婚に関するヒトラーの”ナチズム”と全く正反対の姿勢を見せた日本人・歌舞伎役者を、この著書を読んでいて、私はふと思い出しました。
その人は、13日に婚約を発表した尾上菊之助の父親、尾上菊五郎です。2月14日付の私の日記『中村吉右衛門四女と結婚の尾上菊之助は三男子を儲け長男跡取り・次男吉右衛門養子・三男市川團十郎跡取りに』でも触れています。
尾上菊五郎の長女は、女優の寺島しのぶで、彼女は2007年に日本在住のフランス人アートディレクターと結婚しています。当時、閉鎖的だと思われている梨園界の女性が外国人男性と国際結婚したのでとても話題になりました。
この驚きの慶事が認められたのは、度量の広さを見せた歌舞伎役者・尾上菊五郎の人徳だと、それが報道された当時、私は強く得心したものです。
そして、今回の、長男と中村吉右衛門の四女の結婚会見でも、
”この話をうかがって、娘のしのぶが、フランス人の旦那をもらったとき以上に、びっくりしました。瓔子さんは可愛い聡明なお嫁さん。まさか播磨屋さんと縁戚関係になるなんて。”
と、とても温かく心優しい談話を述べていました。
私は、この会見を聞いて、梨園は閉鎖社会で伝統や同族意識が強い特殊な世界ですが、この尾上菊五郎は全く違うと思いました。だから、結婚する二人の未来はとても明るいと、今強く確信しています。
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