pure breath★マリーの映画館

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『そして父になる』

2013-09-25 22:14:34 | 映画(そ)
            6年間育てた息子は、他人の子でした。



『そして父になる』
監督・・・是枝裕和
出演・・・福山雅治、尾野真千子、真木よう子、リリー・フランキー、風吹ジュン、國村隼、樹木希林、夏八木勲 他

                   【解説】
『誰も知らない』などの是枝裕和監督が子どもの取り違えという出来事に遭遇した2組の家族を通して、愛や絆、家族といったテーマを感動的に描くドラマ。順調で幸せな人生を送ってきたものの、運命的な出来事をきっかけに苦悩し成長する主人公を、大河ドラマ「龍馬伝」や『ガリレオ』シリーズの福山雅治が演じる。共演は、尾野真千子や真木よう子をはじめ、リリー・フランキー、樹木希林、夏八木勲ら個性派が集結。予期しない巡り合わせに家族が何を思い、選択するのか注目。
            
                   【STORY】
申し分のない学歴や仕事、良き家庭を、自分の力で勝ち取ってきた良多(福山雅治)。順風満帆な人生を歩んできたが、ある日、6年間大切に育ててきた息子が病院内で他人の子どもと取り違えられていたことが判明する。血縁か、これまで過ごしてきた時間かという葛藤の中で、それぞれの家族が苦悩し……。



観て来ました・・・
上映前にカンヌ映画祭でも模様も流され、鳴りやまぬ拍手の中始まりました・・・

子供の取り違え・・・昔は幾度か聞いたことがありましたね。少子化の今では(目が届くから)ほとんどなくなった?かもですが。
それを題材にしたドラマもいくつか作られ、そのたびに様々な選択肢があったと思います。私が一番印象に残っているドラマは、お互いの子供を交換して、その後まで描いたものでした。
子供たちがかなり大きくなって、あの時は辛かった・・・と語るシーンもあった気が。


以下ネタバレもあります。ご注意を・・・





実際、自分の身に起こったら~この映画の両夫婦のように冷静ではいられないと思う。
もっともっと取り乱して、大変なことになると思う~。しかも犯人が時効だなんて!そして当時は不幸で今は幸せだから真実を言いました。だなんて自分が楽になりたいだけじゃない?
そんな自分勝手な理由で振り回される子供たちが、かわいそうすぎるでしょう・・・

役者さんがみんな素晴らしくて~とってもよかったんですが
一つだけ思ったことが
両極端の夫婦という設定で、おのまちちゃんと真木さんが少し似すぎてたこと・・・
おのまちちゃんが見るからに良妻~という設定なのだから、真木さんの方はもっと下品な、かぁちゃん的な方にした方が差が際立ったんじゃないかな?
福山さんとリリーさんが結構正反対だったから、、、妻も違うタイプにしてほしかった。
監督さんは、わざと似た雰囲気の女優さんにしたかったのかなぁ。。。


福山さんの勝ち組特有の傲慢なカンジが、後半だんだんと柔らかくなってゆくのがよかったです。
慶多が写した写真を見ながら、涙を流すシーンには思わずもらい泣き・・・
忙しくて、ほとんど一緒にいられなかった父の寝顔を写す・・・そのこどもの心情が痛いほど分かる~~~。


おのまっちゃんは活発な役もおとなしい感じもOKですね~。
我が子がよその人の子だった・・・残酷な現実に戸惑う母を好演してたと思う。


リリー・フランキーさんと真木さんも子供たちに愛情を注ぐ、温かい両親が合ってました。
すぐにお金のこと言っちゃうのも現実的で納得です。領収書を病院の名前にするとことか・・・


夏八木さんが又観られてよかった・・・
やはりいい役者さんだなぁ~

子役の子は当事者の2人も琉晴の弟、妹役の子も本当に演技?と思うほど普通で~びっくりしました。
彼らの自然な演技を引き出すのが監督さんの手腕だと思うけど、本当にナチュラルで・・・BGMも温かくて、あんまり“作られた”という感じがしなかった。
なので、余計に辛かったというのもあります。
今まで育ってきた環境を急に変えられ、よその人だった人を両親と呼べと言われる子供・・・
台詞がなくても表情で寂しさや切なさが伝わってくるのが素晴らしいと思った。

でも・・・
双方が一人っ子ならまだしも、きょうだいがいて賑やかに育った子が急に一人になるのは余計キツイだろうなぁ・・・。

ラスト・・・彼らの選択は、私は最良だと思った。
生みの親より育ての親・・・これは昔から言われていること。
「血より時間」って義母が言っていたっけ?私もそれに賛成ですが~将来何か起こった時に、本当に自分の子だったらこんなことはしないのに!とか言う人も多いのは確か。
血は争えない~というのも正しいかもしれない。
難しい問題ですね・・・正しい答えなんて分からないんですから。

ただ、ラストにホッと出来たことはよかったです。
この事件を通して、父親・良多が一番成長したんですよね。彼が家庭(妻子も含め)というものの大切さ、重みに気付いたことに安堵。
実際にこういう事件が起こらないことを祈りつつ・・・



マリー的お気に入り度・・・ ★8個+半(福山さん、意外とパパが似合う~)


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10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんばんわ~ (くう)
2013-09-26 00:26:42
子供取り違えの話は昼ドラや昔の漫画でもよく見ましたよね~。
こんな温かくて冷静な眼差しで描かれた物は見たことないかも知れないです。

>すぐにお金のこと言っちゃうのも現実的で納得です。

ですよね!
お金の事はお金の事、でも子供はお金で買えないもんね。
私だったら絶対に嫌だ、と思ったけれども、現実になったら悩むだろうな。

ラストの選択にホッとし、涙しました^^
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おはようございます。 (BROOK)
2013-09-26 06:00:36
まさに産みの親より育ての親…なんですよね。
一緒に暮らした時間が長ければ長いほど、もう交換なんて無理でしょうし…
いきなり交換してくださいと言われても、これまた無理ですよね。

斎木家も慰謝料云々でお金のことを言っていましたが、
良多もお金で解決しようとしていたりと、
結果的に2人は似た者同士だったのかもしれません。

そして、良多が下した決断は、私もホッとしました。
これが最良だと思います。


そうそう、夏八木さんの遺作は12月公開の「永遠の0」らしいです。
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Unknown (オリーブリー)
2013-09-27 15:23:29
野々宮さんちの奥さん、彼女は、いつまでも実子と向き合えない感じで、一番痛々しかった。
でもあれが正直なところだと思いましたよ。
特にひとり息子と母親って、あんな感じが多いような…(苦笑)
最終的な決断は、多分、誰もが願うだろうし、誰もがそちらを選ぶでしょうね。
良い映画でした。

ところで、斎木家が、朝、仏壇にお供えしたご飯、「おぼっけさん」って言う?(笑)
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くうさんへ・・・ (マリー)
2013-09-27 20:10:51
こんにちは~~♪
昔はこういうドラマ、多かったですよね。
しかも結構シビアで・・・

お金も大事。
もちろんそれが全てではないけど~
そして子供は決してお金には替えられない・・・いくら積まれても私は無理!

ラストはどうなるんだろ?ってドキドキしたけど、よかった~。
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BROOKさんへ・・・ (マリー)
2013-09-27 20:13:15
こんにちは~~♪
やはり血より時間ですよね・・・
血さえ繋がっていれば、放っておいても大丈夫なんてこと絶対ないんだし~。

本質は多分変わらないんでしょうね・・・
上手く言えるかどうかの差で。

夏八木さんの最期のお姿観たいです~~~。
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オリーブリーさんへ・・・ (マリー)
2013-09-27 20:18:48
こんにちは~~♪
そうですよね。野々宮妻は痛々しかった。。。忙しい夫~ずっと1人で子育てしてて~
しかも自分が気付かなかったことを暗に責められ・・・

最終決断にちょっと安堵。

うちでは「おぼくさん」って言います。これって方言よね?(笑)
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観てきました♪ (☆オレンジピール☆)
2013-09-29 00:59:06
それぞれの立場で、色々と考えさせられました。
ニコール・キッドマンのように??涙は出なかったけど、
心に染み入る素晴らしい作品でした。
是枝監督らしく、自然体な演技の子供と親の姿が印象的。
福山演じる父の変化がいいね(*^-^)ノ
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オレンジさんへ・・・ (マリー)
2013-09-29 17:31:54
こんにちは~~♪

うん、本当に色々考えてしまうよね。
二コール・キッドマンに笑った~。

すべて、自然なカンジで~無理に煽ることなく、落ち着いた作りだったね。
福山さんの心の流れが伝わってくるよね~。
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Unknown (ここなつ)
2014-01-20 16:33:58
こんにちは。
この作品は、特殊な状況なのにみんなが普遍的に考えられる出来事が取り上げられている、という点が一層胸に迫る作品に仕上がった原因のような気がします。
TBさせていただきます。
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ここなつさんへ・・・ (マリー)
2014-01-20 21:01:30
こんにちは~~♪
TB、コメントありがとうございます~。

そうですね・・・特別なことと大騒ぎしないっていうのが不思議な感じだったのですが。それも意図してですよね。
時間が経てば経つほど胸に迫ってくる気がします。
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