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私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

菅原氏、齋藤氏 北海道の可能性を語る

2019-11-23 16:58:19 | 講演・講義・フォーラム等

 「北ガスフォーラム」のパネルディスカッションにおいて、食の分野にも進出してきた(株)カネカの菅原会長、農林水産通で知られる元農林水産大臣の齋藤氏、それぞれが北海道の可能性について寺島氏と共に語った。

  11月18日の「北ガスフォーラム」は寺島実郎氏の基調講演(昨日レポした)に続いて、「北海道の持続的な発展に向けて(課題と展望)」と題して、(株)カネカの取締役会長菅原公一氏と、衆議院議員で元農林水産大臣齋藤健氏が登壇し、寺島実郎氏がコーディネーターとして行われた。

           

          ※ 日本総合研究所会長の寺島実郎氏

 「北ガスフォーラム」に日本を代表するような方々が集ったのは、寺島実郎氏が(株)北海道ガスの顧問を務めていることから、寺島氏がお二人の知己に声掛けして実現したようだ。

               

               ※ (株)カネカの会長を務める菅原公一氏

 (株)カネカの会長の菅原氏はまずサスナビリティクライシスについて触れた。サスティナビリティとは広く認知されつつあるが「持続可能性」のある社会をめざすということだが、2017年に「パリ協定」が採択されたこともあり世界的コンセンサスが得られているが(最近トランプ大統領がそこからの離脱を表明したが)、その持続可能性が危機に瀕しているという。それは①エネルギーの危機であり、②環境の危機であり、③食と健康の危機があるという。菅原氏はカネカが化学する会社として、化学の面から「食と健康」面の危機克服に寄与したいと述べた。そして具体的には(株)カネカ北海道を起ち上げ、食の宝島でもある北海道において、食の安全を確保しつつ食の確保に努めたいと語った。またカネカでは健康寿命を延ばす「テロメア」という遺伝子の開発に取り組んでいるとも語った。なお、菅原氏は寺島氏と同年代(72歳)であり早大の同窓生でもある。その上に、北海道生まれという共通項をもち、道産子の特性を「冬の神様の贈り物」と称して3点あるとした。その3点とは、①楽観的、②プラス思考、③最後まで諦めない、ということだそうだが、果たして現在の道産子はどうだろうか?菅原氏が信ずるような道産子でありたいと思うのだが…。

               

               ※ 衆議院議員で元農林水産大臣の齋藤健氏

 次に元農林水産大臣の齋藤氏であるが、齋藤氏は日本の農林水産・食品業は曲がり角に来ているという。それは日本の人口減少が今後ますます顕著になってくるからだという。一方で世界的には人口がますます増加の傾向にあることに着目すべきだという。世界の人口が増加する中、世界的には日本食ブームが起こっていることに着目すべきだと齋藤氏は云う。つまり齋藤氏は「日本食」をもって世界のマーケットに打って出ることが日本の農林水産業を守る一方策ではないかと主張した。そのためにはカネカのように一次産業と二次産業とのコラボも必要であると云う。また、「日本食」が世界のマーケットに打って出るには「日本食を体験」してもらうことが必要であると…。そのためには外国人観光客の誘致も必要となると話された。そうした状況の中で、北海道は農林水産業のスケールが大きく、従事者の年齢が若いことが大きなアドバンテージとなっていると指摘した。つまり北海道は日本の食糧基地としてだけではなく、世界の食糧基地としての可能性を秘めているとした。

 菅原氏、齋藤氏ともに、北海道の可能性について熱くエールを送っていただいたが、これまでも同種の話を何度も聞いた覚えがある。そうした声を励みとしてさまざまな実践・試みも聞こえてくるようになった。各分野において日本をリードする三人の方々からその可能性を示唆された北海道である。その声を励みにしてより本格的にチャレンジする人材・法人が現れてくることを道産子の一人として期待したい。

 

※ ブログが投稿できないと大騒ぎ(?)しましたが、どうやら旧来の姿に戻ったようです。ホッとしました。お騒がせしました。今後ともよろしくお願いします。