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私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

琴似工業高校定時制演劇部 感動!アゲイン

2015-07-25 22:17:51 | ステージ & エンターテイメント
 演ずるものは変わっても、脚本の素晴らしさは色褪せず、演ずる者たちもまた真摯に舞台に取り組む姿が感動を呼んだ。全国高校演劇大会の出場を前に、琴似工高定時制演劇部の演技は再び私に大きな感動を与えてくれた!
 

                  

 本日の投稿は当初別の原稿を用意していた。しかし、今夕(25日)ポルトホール(中央区南1西22)で公演された琴似工高定時制演劇部の舞台「北極星の見つけかた」は、私に再び大きな感動を与えてくれた。その感動が冷めないうちに文章に残したいと考えた。
 
 高校の演劇大会の仕組みは外部の人間からすると少し不可解に思える。
 というのも、北海道大会は昨年11月に行われ、そこで琴似工高定時制演劇部の「北極星の見つけかた」は定時制演劇部として46年ぶりとなる最優秀賞を獲得し、全国大会のキップを手にしたのだ。しかし、その全国大会は今年の7月末に行われるという。つまり、昨年11月に最優秀賞を獲得した最高学年の生徒は卒業してしまい全国の舞台には立てないという矛盾が発生してしまうのだ。
 琴似工高定時制演劇部の場合も12名のキャストのうち、実に7名が卒業してしまうという大ピンチを、新入部員を獲得することでなんとか乗り越えたということだ。

 私は今年3月にオリジナルメンバーでの最後舞台を観劇して、それこそ大感激したことを鮮明に記憶していた。(その時の投稿はコチラ)

          
          ※ 今年3月の卒業公演を演じ、作ったオリジナルメンバーです。

 「北極星の見つけかた」のテーマは、左手に麻痺が残るナツキを中心にストーリーが展開する。ナツキだけではなく、定時制に通う生徒たちにはそれぞれがさまざまな事情やハンディを抱えた者たちが集っていた。そんな彼らが全日制に通うヒロとの出会いで、ヒロにも悩みがあることを知り、彼を応援し、ヒロが輝いてくれことを願いエールを送る。そのエールはまた自分たちも輝こう!という気持ちを新たにした一瞬だった。(私の勝手な解釈もかなり入ってはいるが…)

 脚本を書いた鷲頭環教諭は、生徒たちの個性をそのまま舞台に生かす「当て書き」という手法で脚本を書き上げたという。だから3月に観たオリジナルメンバーのキャストたちは、自分を演じていたこともあり、観ている者から見ると非常にハマった感じであった。
 しかし、今日の舞台ではほとんどの役を違うキャストが演じていた。なのに観ている私には何の不自然さも感じさせなかった。それは、指導する顧問の力、演ずる生徒たちの真摯な姿勢が私にそう感じさせたのだと思う。特に主演のナツキを演じた進藤莉奈さん(彼女は部長でもある)の演技はナツキになりきって好演していた。彼女の健気さを感ずるセリフに多くの人がグッときたのではないだろうか…。

          
          ※ 今夕の舞台を演じ、全国大会でも演ずる新メンバーです。

 高校生の演劇にこれほどの力があるとは…。琴似工業高校定時制演劇部恐るべし。
 次作もぜひ観劇したい思いだ。
 おーっと、その前に7月31日から滋賀県彦根市で開催される全国高校演劇大会において、新メンバーが思う存分演じてきてくれることを心から願いたい。