ヒトリシズカのつぶやき特論

起業家などの変革を目指す方々がどう汗をかいているかを時々リポートし、季節の移ろいも時々リポートします

トヨタ自動車が「カローラ」のハイブリッド車モデルの生産を始めました

2013年08月25日 | イノベーション
 トヨタ自動車の生産子会社であるトヨタ自動車東日本(本社は宮城県・大衡村)は、2013年8月23日に「カローラ」シリーズのハイブリッド車(HEV)となる「カローラアクシオハイブリッド」「カローラフィールダーハイブリッド」の生産・出荷を始める“ラインオフ式”を開催したと、新聞紙やテレビなどが報道しました。

 このラインオフ式は、当初の量産開始計画より6週間も早く実施したそうです。



 トヨタ自動車東日本は2012年7月に東北地方の自動車の生産拠点として再編された生産子会社です。以前の、関東自動車工業、セントラル自動車などを合併してつくられました。

 2013年8月6日に、トヨタ自動車は乗用車などの「カローラ」シリーズにハイブリッド車(HEV)モデルを追加すると発表しました。

 現行の「カローラ」シリーズは2012年5月に国内販売の新型モデルを発表し発売しました。搭載するエンジンの一つに1.3リットル型を採用し、従来の慣行を破って“サイズダウン”を実施したことが話題になりました。

 2012年5月に国内販売された新型モデルは「カローラ」シリーズは、1966年に生産・販売を始めた「カローラ」の11世代モデルです。日本の乗用車普及を牽引した代表車種です。トヨタ自動車の販売チャンネル(ディーラー)の一つであるトヨタカローラ店で販売されています。

 現在、「カローラ」シリーズと表記される理由は、「カローラ」ブランドだけでセダン系からワゴン系と幅広い乗用車のモデルを展開し販売しているからです。一時は、スポーティー系までも展開し、「カローラ」シリーズだけでさまざまなタイプの乗用車を販売していました。トヨタ自動車の中に、「カローラ」というフルラインモデルを展開する自動車会社を持っている感じでした。それだけ、「カローラ」ブランドの乗用車などが売れたからです。

 今回も、「カローラ」の11世代モデルを国内販売した時点から、わずか1年3カ月でハイブリッド車(HEV)モデルを追加しました。セダン系「カローラアクシオ」とワゴン系「カローラフィールダー」では、「想定以上にハイブリッド車を求めるユーザーが多かった」(トヨタ自動車)からだそうです。

 開発期間が短い理由は、ハイブリッドシステムにはハイブリッド車「アクア」のものを「最小限の変更で採用した」(トヨタ自動車)からです。

 乗用車などの「カローラ」シリーズは、日本を代表する乗用車です。しかし、「カローラ」というブランドは「おじさん・おばさん」ブランド化しています。購入者の多くが日本の乗用車普及期のオーナーの方々になっています。この「おじさん・おばさん」ブランド化を少しでも遅らせるために、テレビコマーシャルに木村拓哉さんを採用して、若々しさをアピールしています。

 トヨタの「カローラ」シリーズのライバルといわれた日産自動車の「サニー」は既に廃止されています。ミニライバルといわれたマツダの「ファミリア」も既に廃止されています(商用車のバンタイプに一部、名称が残っています)。それぞれ一時は、その会社を代表する乗用車ブランドでしたが、「おじさん・おばさん」ブランド化し、若者が購入しないとのブランドイメージ調査結果によって、廃止されました。

 この点でトヨタ自動車の「カローラ」シリーズは異なる動きをしています。ただし、よくみるとセダン系は「カローラアクシオ」、ワゴン系は「カローラフィールダー」」と、サブブランド名をつけてイメージを変えようとしています。

 実は、「トヨタ」自動車というブランドイメージもいくらか「おじさん・おばさん」ブランド化しています。時に、米国などでは、この傾向を強めています。そのブランドイメージを払拭するために、2012年4月6日からスポーツカー「トヨタ86」が国内で発売されましたた。トヨタブランドのスポーツカーの復活として話題を集めました。

 さまざまな理由によって、確立したブランド名を大切にするトヨタ自動車と、イメージが古くなったブランド名を変えていく日産自動車とマツダのブランド戦略の今後を見守りたいと思います。ホンダ(本田技研工業)のブランド戦略も目が離せません。