ヒトリシズカのつぶやき特論

起業家などの変革を目指す方々がどう汗をかいているかを時々リポートし、季節の移ろいも時々リポートします

日本経済新聞紙朝刊の社会面の記事「安易なバイト 疑って」を拝読しました

2013年08月21日 | 日記
 2013年8月20日発行の日本経済新聞紙朝刊の社会面に、見出し「『安易なバイト』疑って 振り込め詐欺加担・覚醒剤運び屋」という記事が載っています。

 日本経済新聞紙の電子版の記事の見出しは「『安易なバイト』疑って 警視庁、若者に注意呼びかけ」です。



 社会面の同記事によると、インターネットの掲示板のアルバイト募集に「弁護士の手伝いで書類や荷物を受け取るだけの簡単な仕事です」という募集があり、ある若者が試しに1日だけ働いてみた。すると、これは振り込み詐欺の“受け手”の仕事でした。この若者が被害者の元に現金を受け取りに行って、警視庁の捜査員に逮捕されたと伝えます。

 警視庁犯罪防止対策本部によると、今年の1月から6月の半年間に、こうした“特殊詐欺”に関わったとして、若者417人が摘発されているとのことです。まさに、うまい話には気をつけろです。

 この結果、警視庁は東京都内の大学に担当者を派遣し、こうした犯罪に巻き込まれないように注意を呼びかける講義を始めたそうです。

 以下は、この記事の背景を想像した話です。きちんとした検証データはありません。最近は、若者の2人に一人が大学に進学します。大学に入学したものの、親がリストラされるなどの影響によって、大学生が自分で生活費を稼ぐ必要がある、あるいは大学を卒業したものの、希望の企業に入社できず、非正規雇用の仕事に就いたなど、自分で生活費を補う可能性を持つ若者が増えています。

 要は、若者の親の世代の貧富の差が激しくなっています。子供の大学・大学院の学費が出せる親と、ほとんど出せない親に別れています。こうした貧富の差が大きくなると、子供はアルバイトをせざるを得なくなり、つい“安易なバイト”の罠につかまる可能性も出てきます。

 実際に、「海外旅行して稼げる仕事」と聞いて応募したら、「覚醒剤の運び屋」だったケースは笑えません。もし、外国で覚醒剤所持で捕まると、死刑になる可能性もあります。

 価格競争が激しい、日本の外食産業は、相対的に賃金の安い若者の従業員で支えられています。実際に、大学生のアルバイトを多数雇っています。大学生の内に社会経験をするなどの幻想の下に、マニュアル通りに働くことを求められます。

 最近は奨学金制度や銀行の教育ローンが発達し、比較的簡単に奨学金などが借りられます。ところが、大学院までの学生の期間に、奨学金や教育ローンを借りると、社会人になった途端に、借金が数100万円を背負う人生が始まります。この負債が大きいことも問題になっています。

 大学生の親世代の貧富の差の拡大は、さまざまな社会問題を浮かび上がらせ始めています。日本の国民は、社会保障を政府に頼る“大きな政府”を求めています。しかし、この社会保障を政府に求める“大きな政府”はほころびが出始めています。

 日本の国の借金が、6月末で1008兆6281億円となり、初めて1000兆円の大台を超えたと、財務省が発表しました。この国の借金の増加を少しでも防ぐために、70歳から74歳の医療費窓口負担を2割負担に引き上げる骨子を、安倍晋三内閣は明日にでも閣議決定し、秋の臨時国会に同法案を提出すると、8月20日発行の読売新聞紙朝刊の一面の記事は伝えています。

 日本の国の借金増加をどう防ぐのか、国民の貧富の差をどう和らげるのかなど、難題が山積しています。