ヒトリシズカのつぶやき特論

起業家などの変革を目指す方々がどう汗をかいているかを時々リポートし、季節の移ろいも時々リポートします

猛暑日・熱帯夜が続く中で、身の毛もよだつ“怪談話”をお伝えします

2013年08月18日 | 汗をかく実務者
 日本列島各地では猛暑日・熱帯夜の記録を出し続けている地点が多数あり、蒸し暑い日々が続いています。こういう日々には、身の毛もよだつ“怪談話”を読んで、ぞっとする感覚を味わっていただきたいと思いました。

 今回の怪談は人類とインフルエンザの闘いについての話です。結論だけ早くいえば、今後15年ぐらいは、最悪のインフルエンザが流行しないという幸運を祈るしかないだろうということです。この事実は本当に身の毛もよだつ話なのです。

 1918年3月に、米国で“スペイン風邪”と後日、名付けられたインフルエンザに感染した患者が出始め、結果として患者数6億人、死亡者約5000万人(どちらも推定という人類史上、最大級の被害が出ました。以下の画像は当時の病院内のものです。



(余談ですが、米国などが主な被害地です。欧州でも感染患者が出ましたが、最大の被害地はスペインではありません)。人類の歴史の記録上、インフルエンザの“パンデミック”(pandemic)との遭遇でした。当時の地球の人口の3人に一人が感染した勘定になります。

 後述しますが、インフルエンザにはいろいろなタイプがあります。現在、恐れられているのは、“パンデミック”と呼ばれる、多数の死者が出る感染症になりそうなインフルエンザです。

 その“パンデミック”になる可能性では、2009年にメキシコで発生したインフルエンザウイルスH1N1型が話題になり、日本では「新型インフルエンザ」としての対応策がとられました。幸運にも“パンデミックにはなりませんでした。その後、2013年3月から、中国でインフルエンザH7N9型が「高病原性鳥インフルエンザウイルス」として注目されましたが、大きな被害には至りませんでした。幸運でした。この高病原性鳥インフルエンザウイルスは中国のどこかに潜み、進化しているとの説もあります。

 中国では、この高病原性鳥インフルエンザ対策として、ニワトリを多数殺し、日本でも鳥インフルエンザウイルスに感染したニワトリが発見されると、その厩舎にいたニワトリを処分しました。

 ニワトリが多数処分された理由は、当該のインフルエンザが“パンデミック”になるかどうかは、ある程度の患者がでないと分からないからです。

 さて、普通インフルエンザの対策として、秋から冬にかけて、インフルエンザ向けのワクチンを打ちます。混合ワクチンと呼ばれています。日本で、今年の冬にどんなタイプのインフルエンザが流行るかを予測して、その予測したタイプのインフルエンザのワクチンを混合して注射します。

 つまり、予測したインフルエンザのタイプとは異なるインフルエンザにはあまり効きません。

 ワクチン以外の対策として、「タミフル」などの抗ウイルス薬による処置もあります。しかし、2007年と2008年に北欧などで、タミフル耐性を持つインフルエンザH1N1型のウイルスが見つかり、世界中に拡散しています。つまり、抗ウイルス薬が効かないインフルエンザのウイルスが出現し、人類の未来に大きな脅威を提示しています。

 以上は、インフルエンザ制圧研究の世界的な権威である東京大学教授の河岡義裕さんから伺ったインフルエンザ制圧のレクチャー話のさわりです。実際には、学術用語を用いて正確に説明されたために、とても難しい内容でした。明日はもう少し、ウイルスの仕組みを説明します。とても怖い内容です。