ヒトリシズカのつぶやき特論

起業家などの変革を目指す方々がどう汗をかいているかを時々リポートし、季節の移ろいも時々リポートします

パナソニックの2013年第2四半期の純利益がよくなったとの記事を拝読しました

2013年08月02日 | 日記
 2013年7月31日から8月1日にかけて、日本の大手電機メーカー各社は2013年第2四半期の連結決算内容を公表し、事業再建の足がかりになる成果をある程度は出した企業が相次いだとの印象を与えました。

 各社ともに、1万人規模の大幅リストラを実施し、人員削減や工場再編などのリストラ効果がいくらか出てきたとも見ることができます。

 日本の大手電機メーカーの中で、パナソニックは2013年7月31日に、2013年第2四半期(4月から6月まで)の連結決算内容を公表し、純利益(米国会計基準で)が1078億円と、最近の中ではいい値になったそうです。

 このことを伝える8月1日の日本経済新聞紙の電子版の見出しです。



 8月1日発行の日本経済新聞紙朝刊の中面に掲載された「パナソニック純利益1078億円」の記事は、「売上高は1兆8245億円と1%増え、本業の儲けを示す営業利益は642億円と、66%増えた」と伝えます。ただし、今回の純利益の大幅増加は「年金制度変更に伴う一時金798億円を営業外利益に計上した特殊要因」と解説します。

 液晶テレビや液晶パネル事業では用途拡大に努めたものの4月から6月までの第2四半期は115億円の赤字だったし、携帯電話機事業も同54億円の赤字、半導体事業も同38億円の赤字でした。さらに、デジタルカメラ事業は販売台数が前年同期比で約60%の低減と、よくありません。その一方で円安要因によって業績向上の要因があるとの姿勢です。

 パナソニックは今期にリストラなどの構造改革費用として1200億円を投資する計画ですが、第2四半期には43億円しか投資していません。未来への投資が少ないことに不安を感じます。

 ミクロ的には、パナソニックは2013年7月30日に「ReRAM(抵抗変化型メモリー)を混載したマイコンを、業界に先駆けて2013年8月から量産する」と発表しました。抵抗変化型メモリーは、記録素子のストレージ・クラス・メモリー(SCM)やNAND型フラッシュ・メモリーなどを代替する新しい次世代メモリー(記憶素子)です。世界中の半導体メーカーが競って開発を進めている中で、パナソニックが量産化の先頭に立ったことは明るいニュースです。この結果、電池で駆動させているポータブル機器のメモリーが一新する可能性があります。

 7月30日には、パナソニックの社内ベンチャー会社であるアクティブリンク(京都府精華町)は、人間の身体に装着して力作業を補助する装置「パワーアシストスーツ」を改良し、質量が約30%軽い30キログラム前後の試作機を開発したとのニュースが報じられました。2017年からの量販を目指すそうです。

 アクティブリンクは2003年に、パナソニックの社内ベンチャーとして設立し、当初は土木作業などの補助装置向けパワーアシストスーツの開発を目指しました。2013年4月には、アクティブリンクは、三井物産と資本・業務提携すると発表し、三井物産から約20%の出資を受けました。

 このアクティブリンクのパワーアシストスーツの事業内容を数年前にいくらか拝見した際には、研究開発に集中していて事業計画が未熟と感じました。今回は、事業計画と事業戦略がまとまり、前進する兆しができたことを示唆するような記事です。

 パナソニックでも、他社が持っていない独創的な事業の芽が育ち始め、いくらか明るい兆しが出てきました。

 韓国の大手電機メーカーのサムソン電子(Samsung Electronics)は、2013年第2四半期の決算内容が史上最高額を上げたとの事実に関係なく、パナソニックなどの日本企業は独自技術に裏付けられた独自事業の開発に専念してもらいたいと感じています。