まりっぺのお気楽読書

読書感想文と家系図のブログ。
ゆる~い気持ちでお読み下さい。

ハンガリー王聖イシュトバーン1世妃 ギーゼラ

2010-08-06 22:17:02 | ハンガリー王妃
自らも聖人になりそうだった初代王妃
聖イシュトバーン1世妃 ギーゼラ・バヨロルシャーギ


985頃~1065/在位 1001~1038

久々の王妃シリーズはハンガリーです。

ハンガリー王家は途中からハプスブルク家のものになってそのまま終焉を迎えましたが
けっこう古くからあった王国でした。

他のヨーロッパ諸国同様ローマ帝国の支配を経験し、5世紀にはフン族のアッティラ大王、
7世紀にアヴァール族に支配され、その後はフランク王国の支配下にありました。

897年にマジャール族のアールパード公が征服し、ハンガリーは大公国になりました。
1001年に王国となって、五代目にあたるイシュトヴァーンが初代の王として即位しました。

ギーゼラはバイエルン公ハインリヒ2世の公女です。

       

ハンガリー大公ゲーザは、西方への足がかりがほしくて公子イシュトヴァーンと
ギーゼラとの縁談を決めました。

ふたりには、少なくとも3人のお子様が生まれています。
ひとりは聖イムレ、王女アガサはエドワード・アジリングの妃になり
その娘がスコットランド王マルカム3世妃聖マーガレットです。
(アガサはキエフ大公ヤロスラフ1世公女説もあります)

聖人目白押しですが、ギーゼラも18世紀に列聖が検討されています。
しかし聖人にはなれませんでした。

ギーゼラは、改宗間もないハンガリーでキリスト教の布教に奔走し
夫イシュトヴァーン同様尊敬を集めていたようです。
しかし王の死後は国から出て行くように強要され、故郷バイエルンに戻りました。

次の王はよその家系ですからね…
影響力のある前王妃がいるのを嫌ったんだと思います。
どこの国も、王国ができたばかりの頃には争いや裏切りが渦巻いていたのですね。

ギーゼラはパッサウの修道院で余生を送り、そこで亡くなりました。
彼女の墓所は聖地となっているそうです。

(参考文献 加藤雅彦氏『ドナウ河紀行』 Wikipedia英語版)
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『死者のあやまち』少女は何を見たのかっ?

2010-08-04 01:23:21 | アガサ・クリスティ
DEAD MAN'S FOLLY 
1956年 アガサ・クリスティ

私がいつも『ハロウィーン・パーティ』とごっちゃにしてしまうこの作品、
これは私の記憶力の不確かさが原因で、全くの別物です。

ナス屋敷で開かれるガーデンパーティの余興 “ 犯人探しゲーム ” の筋書きを
ポアロの友人オリヴァ夫人が考えることになりました。

オリヴァ夫人の女の直感が働くのは、屋敷の人たちと打ち合わせしていた時です。
「誰かにあやつられているような気がする」… 彼女はそう言いました。
これが後々ポアロの推理に大きく影響してきます。

しかし犯人を探しまわる広大な敷地を持ってるというのがすごいっすね
庭園だけじゃなく、テニスコートにボート小屋に森まであるとは!

実はナス屋敷も代々の持ち主はフォリアット夫人なのですが、息子たちが戦死して
屋敷を維持しきれなくなり、大金持ちのスタッブス卿に売ってしまったのです。
でも屋敷を愛するフォリアット夫人はその後も門番小屋に住んでいます。
住み慣れた屋敷を手放すのは哀しいことね。
隣もユースホステルになっちゃって、もとは優雅な屋敷にバックパッカーが出入りするし…

さて、ナス屋敷のガーデンパーティーの日です。
死体役のマーリンがボート小屋で “ 本当に ” 殺されているのが発見されます。
その上、スタッブス卿の若くてあんぽんたんな妻ハティが姿を消してしまいました。
探しても見つからず、スタッブス卿はいらつくばかりです。

マーリンは小屋の窓から何か見てしまったのでしょううか?
ハティはいったい何処へ?

怪しいのはいきなりやってきたハティのまた従兄エティエンヌです。
ハティは彼を恐れていました。
ま、他にも怪しい人は目白押しなんだけど…
滞在客の中にはハティにふられた人もいりゃ
スタッブス卿を(LOVE方面で)狙っている人もいました。

ここからポアロはある人の言葉がいちいち気になります。
いなくなったハティも思っていたほどおバカさんではなかったみたいです。
ある人の素性はまったく判らないときている…
ポアロは次第に真相に近づいていきます。

ヒントはね…隣がユースホステルで当日はガーデンパーティーなのね。
パーティーの日には地主さんたちは庭園を解放するものでしょ?
やったことないからわかりませんけどねっ

この作品は、何人も死なないから映画化もされていない(と思う)し
印象が地味だけど、かなり面白いと思います。
些細な事柄がすごく上手く繋がっていってる気がするんですよね。
とても繊細に作り上がられているような感じです。
結末にも推理にも納得できた一冊でした。

読み進むにつれて謎めいていくストーリー
読んでみたいな!という方は下の画像をクリックしてね


コメント (3)
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