まりっぺのお気楽読書

読書感想文と家系図のブログ。
ゆる~い気持ちでお読み下さい。

ポルトガル王アフォンソ3世妃 マチルデ

2010-05-01 23:48:06 | ポルトガル王妃
領地においてけぼり
アフォンソ3世妃 マチルデ2世・デ・ボロンハ


1202~1262/在位 1248~1253

マチルデのフランス名はマオー2世です。
母親のイーダから1216年にブローニュ伯を継承していました。

         

1223年にクレルモン=アン=ボーヴェ伯フィリプと結婚します。

フィリプはフランス王フィリプ2世の庶子でしたので
1226年に異母兄ルイ8世が亡くなると
摂政ブランシュ・ド・カスティーヨに反乱をおこしたりしました。
1235年に亡くなりました。

その後3年間、女手ひとつで領地を守っていたマチルデでしたが
1238年にアフォンソと再婚しました。

当時はイタリアのボローニャ大学で学んだ方々がエリートだったようで
高位聖職者となり王権を強化、ほぼ独裁に近い政治を行っていました。

貴族たちの不満が高まり、内乱の末、聖職者と教皇によって
兄サンショ2世が廃位され、アフォンソが1248年に即位しました。

王になったものの、後継者が生まれないことにアフォンソの焦りが募っていきます。
1253年、マチルデは50歳を超えてしまってますね…アフォンソはもう無理だろうと考えて
マチルデと離婚することにします。

当時マチルデはボローニャにいたみたいで、ポルトガルに行きたいと願い出ますが
聞き入れてもらえませんでした。

マチルデには、最初の夫との間に一男一女がいました。
ところが息子アルベルトは、なぜか継承権を放棄してイングランドに渡っていました。
娘ジョアンは嫁いでいましたが、こちらはお子が皆夭逝していたみたいです。

そんなわけでマチルデの爵位は、従姉妹のアデライデ・ド・ブラバントに継承されました。




              
若いにもほどがある花嫁
アフォンソ3世妃 ベアトリズ・デ・グズマン・イ・カステーラ


1242~1303/在位 1253~1279

ベアトリズはカスティーリャ王アルフォンソ10世と、愛妾マヨールの娘でした。

          

32歳で世継ぎがいないアフォンソ3世は、離婚したその年にベアトリズと再婚しました。
しかし彼女は11歳…いくら若い方がいいっていったって、あんまりでしょ?
子供なんか生ませたら可哀想じゃないの
さすがに長女が生まれたのは17歳ですけど…

ベアトリズは期待に応えて8人のお子さんを生んでいます(3人は夭逝)

(参考文献 デビッド・バーミンガム『ポルトガルの歴史』 Wikipedia英語版)
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『天と地との間』マーラーの5番的な・・・

2010-05-01 00:42:53 | ドイツの作家
ZWISCHEN HIMMEL UND ERDE 
オット・ルートヴィヒ

それも第4楽章ね! 読んでいたらものすごく頭に浮かんできてしまいました。
でも内容の関連性はまったく無いと思います。

静かに始まって、静かに進むうちに少しずつ、少しずつ盛り上がりを見せて
盛り上がりきったと思ったら、デクレッシェンド…静かに終わる物語でした。

市の名士であるネッテンマイル親方は、一風変わった暮らしをしています。
緑の鎧扉がある大きな家には、親方の兄の未亡人と息子たちが暮らし
親方は不便な廊下部屋で起居しています。

しかし、この家を支え動かしているのは紛れも無く親方で
母子三人は実の父親のように、それ以上に親方を尊敬し崇拝しています。
四人は緑の鎧扉の家で30年もそんな生活を続けています。

ここで物語は30年前の回想になります。

登場人物は、若き日のネッテンマイル親方、アポローニウス。
実直で誠実でおくてなアポローニウスが静かに想いを寄せるのは
花のように可憐な娘クリスチァーネ。
弟アポローニウスのためにひと肌脱ごうと言ってくれる頼もしい兄フリッツ。

はしょるけど…
結局フリッツが一生懸命になっても、クリスチァーネは脈がないみたいなので
アポローニウスは遠くへ奉公に出たのだけど
その間にフリッツとクリスチァーネが結婚してしまうのね。
ここまではよくある話よ…

6年後、頑固な父親に言われて帰郷することになったアポローニウスは
クリスチァーネを兄の嫁として好きになろうと誓いました。

でも帰ってみると雰囲気が変です。
クリスチァーネはアポローニウスを避けているようだし
フリッツはなるべくふたりを会わせないようにしようと必死みたいです。

もうわかりますよね? その先は概ね想像通りに進みます。
あくまでも善人で謙虚で崇高なアポローニウスと
虚栄の塊で軽薄で悪意に満ちたフリッツという
あまりにも解り易い対比が潔くて、読むペースが上がっていきました。

クリスチァーネの娘が亡くなるシーン、老父とフリッツの息詰まるシーン
アポローニウスとフリッツの対決などなど、読みどころも満載です。

フリッツ亡き後、なぜアポローニウスとクリスチァーネが結婚しないで
義理の姉と弟として暮らしいるのか…という説明にあたる後半部分は
ちょっと疲れを感じましたが、最後に山場の嵐のシーンが描かれます。

隅から隅まで勧善懲悪で、敬虔さと正直さが善であるというお話でして
現代にはそぐわないかもしれませんが、とにかく、行ったことも無い場所の、
見たことも無い人々の,目くるめく情景が鮮明に浮かぶ文章でした。
読書はこうでなきゃ!と思えた一冊です。

実はこの作家は知りませんでした。
ありがとう!岩波文庫のリクエスト復刊

天と地との間  岩波書店


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