GERMINIE LACERTEUX
1865年 エドモン&ジュウル・ド・ゴンクウル(ゴンクウル兄弟)
愛情深い女性がそれ故に堕ちていく…というお話で
古今東西書かれているテーマだけに作家の力量が大きくものを言いますね。
あらすじは冒頭の1行で書いちゃったも同然なんですけど
もう少し詳しく…
幼いころから貧しい毎日を送り、14歳でパリに出てからも
辛い目に遭い続けてきたジェルミニィ(文中ヂェルミニィ)という女性が
横暴な父親のせいで何十年も酷な生活を強いられてきた
マドモアゼル・ヴァランドゥイユという老嬢に仕えていました。
で、はしょってくと
ジェルミニィは、熱烈に愛する対象が必要なのです。
それは近くの教会の懺悔僧でも、母を亡くした姪でもいいわけなんですが
よりによって、女を搾り取る道具のように考えている、遊び人の、ひとまわり下の
ジュピヨンを愛してしまうのでした。
それで、身を持ち崩し、借金をつくり、尊敬を失い…
さらには恩のあるマドモアゼルを裏切ることになります。
内容はほぼ全部書いちゃった…
ただ、良心とどう戦うか、どうやって堕ちていくかという経緯を読むことに
とても意義があると思いますので、このタイプの物語に興味があったら
ぜひ手に取って読まれてみては?
同じような感じの物語ですと、ゾラの『居酒屋』があります。
なんでもデビュー前の若きゾラは、この物語に大層感銘を受けたそうです。
『居酒屋』と比較すると本書の方がかなりマイルドな気がします。
物語の登場人物の半分以上に役名が無く、職業名や続柄で書かれていて
下々のお話という感じがよく表れています。
文中 “ 下層階級特有の ” とか “ ならでは ” という表現も多いんですよね。
なんかやな感じ… と思っていましたら
この物語、モデルがいたんですって! それも作者のごく身近に!!
ゴンクウル兄弟は、信頼しきっていた老女中が亡くなった後
彼女に裏切られていたことを知ったそうです。
その苦い経験がこの物語を生み出したのかもしれないですね。
裏切られた代償に書いてやるぞ!!って…
それとも彼女の中に、貧しく、人に仕える一生を送る女性の悲哀を見て
書かずにはいられなかったのでしょうか?
とりあえず、ずーっと騙していたんだから書かれても文句は言えませんね
ラストのマドモアゼルの行動は、ゴンクウル兄弟の思いを反映したものかしら?
そうだとしたら、少しは救われる結末なんですけどね…
1865年 エドモン&ジュウル・ド・ゴンクウル(ゴンクウル兄弟)
愛情深い女性がそれ故に堕ちていく…というお話で
古今東西書かれているテーマだけに作家の力量が大きくものを言いますね。
あらすじは冒頭の1行で書いちゃったも同然なんですけど
もう少し詳しく…
幼いころから貧しい毎日を送り、14歳でパリに出てからも
辛い目に遭い続けてきたジェルミニィ(文中ヂェルミニィ)という女性が
横暴な父親のせいで何十年も酷な生活を強いられてきた
マドモアゼル・ヴァランドゥイユという老嬢に仕えていました。
で、はしょってくと
ジェルミニィは、熱烈に愛する対象が必要なのです。
それは近くの教会の懺悔僧でも、母を亡くした姪でもいいわけなんですが
よりによって、女を搾り取る道具のように考えている、遊び人の、ひとまわり下の
ジュピヨンを愛してしまうのでした。
それで、身を持ち崩し、借金をつくり、尊敬を失い…
さらには恩のあるマドモアゼルを裏切ることになります。
内容はほぼ全部書いちゃった…
ただ、良心とどう戦うか、どうやって堕ちていくかという経緯を読むことに
とても意義があると思いますので、このタイプの物語に興味があったら
ぜひ手に取って読まれてみては?
同じような感じの物語ですと、ゾラの『居酒屋』があります。
なんでもデビュー前の若きゾラは、この物語に大層感銘を受けたそうです。
『居酒屋』と比較すると本書の方がかなりマイルドな気がします。
物語の登場人物の半分以上に役名が無く、職業名や続柄で書かれていて
下々のお話という感じがよく表れています。
文中 “ 下層階級特有の ” とか “ ならでは ” という表現も多いんですよね。
なんかやな感じ… と思っていましたら
この物語、モデルがいたんですって! それも作者のごく身近に!!
ゴンクウル兄弟は、信頼しきっていた老女中が亡くなった後
彼女に裏切られていたことを知ったそうです。
その苦い経験がこの物語を生み出したのかもしれないですね。
裏切られた代償に書いてやるぞ!!って…
それとも彼女の中に、貧しく、人に仕える一生を送る女性の悲哀を見て
書かずにはいられなかったのでしょうか?
とりあえず、ずーっと騙していたんだから書かれても文句は言えませんね
ラストのマドモアゼルの行動は、ゴンクウル兄弟の思いを反映したものかしら?
そうだとしたら、少しは救われる結末なんですけどね…