L'ASSOMMOIR
1876年 エミール・ゾラ
時代はパリ万博前夜、華やかなる雰囲気に沸き立つパリです。
気のいいおじさんたちが集う、愉快な社交場が舞台のような印象の題名からは
想像もつかない、息苦しい作品です。
この物語はものすごくインパクトがあって、一気に読み終えたけど
再度読み直すことはないだろうと思っています。
“目を背けたい”というのが正直な気持ちかも。
主人公ジェルヴェーズを取り巻く、圧倒的な貧しさと、絶望的な不人情。
働き者で一度は這い上がった彼女も、ずるずると地獄へ堕ちていくことになります。
何もかも金次第の人たちを酷いと言うのは簡単だけど、自分だってそうでしょう?
まるで作者ゾラにそう問われているみたいで、心苦しくなりました。
貴族や大富豪は許せても、ちょっとした金を持つ隣人は許せないパリ下層の庶民たち。
親兄弟でも同じことで、ジェルベーズは夫の姉に忌み嫌われ
死に瀕してのも助けてもらうことができないし
親身にしていた人びとにも落ちぶれるたと同時に露骨に背を向けられてしまいます。
夫クーポーは酒浸りで死んでいまい、娘ナナは夜の街に消えてしまって
寂しいというには残酷すぎる末路をたどるジェルベーズ。
自業自得な部分は少なからずあるにしても、なんの保障もない当時の労働階級の
おかれた状況も、かなり厳しかったことが伺い知れます。
この物語の中で救いとも言える、心ある人は4人。
しかし彼らもジェルベーズを助けることはできませんでした。
でも、根っからの悪人である元夫ランチエは別として
他の貧しい人たちが、もっと貧しい人に救いの手をさしのべないからといって
悪人だと責めることができるかな?
それより、自分はどうだろう?やっぱり何もしないだろうな、と思うと
どんより沈まずにはいられない一冊でありました。
この物語の中には、それこそ貧しい人たちのエピソードが多々登場しますが
中でも私は、貧しさのために8歳にして死ななければならなかった
ラリーという女の子の最期がたまらなかったな・・・物語とはいっても。
1876年 エミール・ゾラ
時代はパリ万博前夜、華やかなる雰囲気に沸き立つパリです。
気のいいおじさんたちが集う、愉快な社交場が舞台のような印象の題名からは
想像もつかない、息苦しい作品です。
この物語はものすごくインパクトがあって、一気に読み終えたけど
再度読み直すことはないだろうと思っています。
“目を背けたい”というのが正直な気持ちかも。
主人公ジェルヴェーズを取り巻く、圧倒的な貧しさと、絶望的な不人情。
働き者で一度は這い上がった彼女も、ずるずると地獄へ堕ちていくことになります。
何もかも金次第の人たちを酷いと言うのは簡単だけど、自分だってそうでしょう?
まるで作者ゾラにそう問われているみたいで、心苦しくなりました。
貴族や大富豪は許せても、ちょっとした金を持つ隣人は許せないパリ下層の庶民たち。
親兄弟でも同じことで、ジェルベーズは夫の姉に忌み嫌われ
死に瀕してのも助けてもらうことができないし
親身にしていた人びとにも落ちぶれるたと同時に露骨に背を向けられてしまいます。
夫クーポーは酒浸りで死んでいまい、娘ナナは夜の街に消えてしまって
寂しいというには残酷すぎる末路をたどるジェルベーズ。
自業自得な部分は少なからずあるにしても、なんの保障もない当時の労働階級の
おかれた状況も、かなり厳しかったことが伺い知れます。
この物語の中で救いとも言える、心ある人は4人。
しかし彼らもジェルベーズを助けることはできませんでした。
でも、根っからの悪人である元夫ランチエは別として
他の貧しい人たちが、もっと貧しい人に救いの手をさしのべないからといって
悪人だと責めることができるかな?
それより、自分はどうだろう?やっぱり何もしないだろうな、と思うと
どんより沈まずにはいられない一冊でありました。
この物語の中には、それこそ貧しい人たちのエピソードが多々登場しますが
中でも私は、貧しさのために8歳にして死ななければならなかった
ラリーという女の子の最期がたまらなかったな・・・物語とはいっても。
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