マイコー雑記

行き来するもの書き留め場

『It Mama』寄稿:子どもの「~したくない!」と親の期待との葛藤時に試したい「3つの自問」

2018年06月19日 | 思慮あるしつけ(discipline)

こんにちは!

 

こちら米国東海岸、

夏休みが始まりました。

 

そして、日本への引っ越しまで、

2週間を切りました。

また、この家からホテルへ移る日まで、

あと1週間です。

 

長女と次女は、

一足早く、引っ越しの荷づくりを終え、

週末から、他州の親族の家へと発ちました。

 

二人が戻る今月終わりには

入れかわりで、長男が中米での一か月間のインターンへと発ち、

そこで、7人共に一つ屋根の下で暮らす日常は、

終わります。

 

あまりにも、

当たり前に感じていた、

7人一緒の毎日。

 

これから、

家族それぞれがのぞむ大変化を前に、

ウキウキと心は踊り、

と、同時に、

別れへの切なさが溢れ、

笑顔と涙がもつれあう日々です。

 

「強烈な感情」の渦巻く中、

とにかく、「今、すること」のひとつひとつに感覚を澄ませ、

一歩一歩、進んでいます。

 

 

みなさん、

子育てには、こうして、

いつか必ず、大きな節目が来るんですよね。

 

この家では最後になるかもしれない7人での食事中、

子供たちの顔を、一人一人眺めながら、

「この瞬間は、二度と、戻ってこないんだなあ」

そう、しみじみ感じ入りましたよ。

 

 

今、目の前で泣き叫ぶ姿も、

今、ふざけて笑い転げる姿も、

今の、この何気ない日々も、

二度と、戻ることはありません。

 

「限られたとき」と思うとき、

今この瞬間の貴さが、

迫ります

 

この、かけがえのない瞬間瞬間を、

できる範囲での最善をもって、

味わっていきたいですね。

 

 

 

 

さて、『It Mama』さんの記事では、

「寝たくない!」という幼児への対応についてまとめました。

 

ここでは、幼児の場合ですが、

こうして、

子供の「したい!したくない!」と親の期待がぶつかるときというのは、

自我の芽生える幼児時代からティーンまで、

何度も繰り返されることですよね。

 

親子といえども、

お互い、異なる思いと気持ちを持った人間同士ですから。

 

こうした葛藤時に、

常に、思い出したいのが次の3つの自問」です。

私自身、何度も何度も様々な場で試してきて、

その大切さを実感してますよ。

 

1.なぜ、この子はこうするのだろう?

2.私は、ここで何を伝えたいのだろう?

3.どうしたら、この子に伝わるのだろう?

 

 

例えば、幼児の「寝たくない!」については、

記事であげたように、次のように整理することできます。

 

1.なぜ、この子はこうするのだろう?

・生活リズムへの不適応

・暗闇や悪夢への怖さ

・自我の芽生えでとにかくイヤ!といいたい、

などなどが考えられますよね。

 

2.私は、ここで何を伝えたいのだろう?

私の場合は、「健やかな生活リズム」です。

 

 3.どうしたら、この子に伝わるのだろう?

記事では、1の理由別に、

それぞれの具体的対応案を紹介してあります。

興味ある方、ぜひどうぞ!

幼児の「寝たくない!」の理由は?親はどう対応する?

 

 

こちらにも、以前、まとめてあります。

『It Mama』寄稿:子どもに怒りをぶつける前に!思い出したい「3つの質問」&変化を起こせる可能性は日常に溢れている

親子の絆強まり共にステップアップ!感情をぶつける「反応」→より適切な「対応」を助ける「3つの質問」

 

 

 

以上は、幼児の具体例ですが、

では、他の事例ではどうでしょう?

 

例えば、

我が家の次男8歳の場合

最近、

「犬の散歩、行きたくな~い!」というんですよね。

 

1.なぜ、この子はこうするのだろう?

めんどうくさ~い。疲れた。他に楽しいことがいっぱいある。

 

2.私は、ここで何を伝えたいのだろう?

約束を守ること。助け合うこと(1人が背負うより分担)。

可愛くてしょうがない生き物と世話はセット

→喜びを享受するために責任を果たすこと

(子供たち、飼い犬が可愛くて可愛くてしょうがありません)

 

3.どうしたら、この子に伝わるのだろう?

・「行きなさい!」ではなく、例えば、

私:今日のあなたの散歩分担の1日2回はいつにする?

次男:サッカーに出かける前と夕飯の前かなあ。

私:そうよね、疲れちゃう前にいっておくといいよね。

などと、朝、話し合っておく。

 

・他の楽しいことに夢中になっているときは、

「約束した時間よ!」よりも、

「今、散歩行く?それとも、それが一段落してからにする?」と声をかける。

 

・「ちょっと~、行ってきてよ~」

と遠くから言葉を放つだけでなく、

こちらの取り組みを一旦小休止して、

近くに行って、目を見て一言一言思いを込めて話す。

 

などなどが、その子の心にも届きますね。

 

 

 

では、

教室での「ワークしたくない!」には?

 1. なぜ、この子はこうするのだろう?

心身が不安定、疲れているなどもありますが、

多くの場合、

「レベルやスピードや学習スタイルがその子に合っていない」が理由だと思います。

難しすぎる、簡単すぎる、興味関心の付け所も深め方も異なるなどなど。

 

 

2. 私は、ここで何を伝えたいのだろう?

学び、自ら試し、作り、それらをシェアすることの喜び。

これにつきるのではないでしょうか。

 

 

3. どうしたら、この子に伝わるのだろう?

カリキュラムや授業スタイルを工夫する。

画一的なすすめかたより、

プロジェクトや選択肢(早く終わったら本を読んでもいい等)を取り入れたり、

アシスタントやカウンセラーの助けをかり個別指導などなど、

可能な範囲で。

 

 

また、

同じような「~したくない!」が何度も何度も繰り返されるなど、

問題行動となっている場合は、

以下のようなことも、考慮したいです。

この子が目指してることって何なの?子供心理を読み解く方法紹介2&敏感な子と「困った行動」 

この子が目指してることって何なの?「困った行動」の背景にある子供心理を読み解く方法紹介1

『It Mama』寄稿:イヤイヤっ子との言い争いは大変…「パワーバトル」をかわす方法5つ&子育ては「服従させる」より「関係を築く」

 

 

 

 

 

 

これから、次男をサッカーにおろし、

1年間友人に預ける飼い犬に必要なもの、

東京のご近所さんへのお土産などをそろえ、

あとはとにかく、荷造りと掃除と、←亀の歩み

引き続き日本の業者さんとのやりとりです。

国をこえての引っ越し間近のごたごた吐露日記&目が回る忙しさにこそ大切にしたいひととき

 (・海外住所のクレジットカードが使えない。

・特に光回線や携帯電話simカードの購入は、

海外の登録電話番号では必須の電話確認ができない。

・相談窓口がフリーダイヤルのみで

海外から電話がかけられないメール受付や問い合わせフォームもなし。

などの理由で難航中)

 

こうして走り回る中、台所の荷造りしながら、

ずーと前に買ってあったパンプキンパイの元と生地を使わないと作ったものの、

オーブン入れる直前に、「あ、卵入れ忘れた!」と気づき。

そのまま卵を落とし、この状態から混ぜましたよ。

 ←今の我が家のごたごた状態を象徴

まあ、何とかなるもんですよね。

 

 

 

 

昨日は、自宅前で車から降りると、

近所のベトナム人家族のKちゃんとCちゃんと次男が、

「みてみて~!これなんていうクモだろう?」と駆け寄ってきました。

 

そこで、玄関前でリサーチ。

 

カニクモかなあ、緑の体は似てるけど、

前足こんなに長くないよねえ~。

え、毒があるのかな、あ、緑で小ちゃいのは、

どうも毒はなさそうだよねえ。

あ、これからな?あ、違うこれだあ!

何食べるんだろ?どこに住んでるの?

 

皆が遊びにいっても、

スクリーンにくぎ付けのkちゃん。

「リサーチってホントつまんないと思ってたけど、

なんか、すっごく楽しいものなんだね~」と。

 

自分で興味をもったことを、

興味を分かち合う仲間と深めていけたら、

それはやっぱり、楽しいですよね。

 

大移動までカウントダウンです。

それではみなさん、温もり溢れる日を!


『It Mama』寄稿:成長を妨げる!? ネガティブな子育てスタイルとママのNG行動3つ&内に「律」を築く

2018年06月12日 | 思慮あるしつけ(discipline)

こんにちは!

 

前記事から続けて投稿です。

国をこえての引っ越し間近のごたごた吐露日記&目が回る忙しさにこそ大切にしたいひととき

 

一昨日夜には、

「シニアウィーク」から長男が帰宅しました。

 

「シニアウィーク」とは、

高校を卒業したばかりの元高校生が、

旅先で、卒業を祝うというこちらアメリカの行事です。

 

この州では、

自宅から3時間ほどいったところにある海辺のリゾート町が恒例地となっていて、

「6月〇週目はどこどこの学区の卒業生が集まる」と決まっています。

 

今年は偶然、

2年前に1年間暮らした学区と同じ週だったらしく、

懐かしい友人たちとも再会できたようです。

 

 

出発当日、

足が不自由な友人君が、

手動のみで動く車で迎えにきてくれました。

 

男の子7人で借りた住居。

自分たちで買いだした一週間分の食物を、

友人君の車へと積み込みます。

 

「いってらっしゃ~い」と送り出したものの、

帰宅した長男の話を聞くと、

まあ、予想はしていましたが、

アルコールにドラッグ(大麻)に、

男の子も女の子も入り乱れ、

羽目外し過ぎの子で溢れていたようです。

 

そして、

町全体に警察官がかなりの人数動員され、

道で少しでも「よろっ」としようものなら、

すぐに尋問、ドラッグテストに連れていかれていたようです。

 

賃貸していた宿から立ち退きさせられた子、

逮捕され刑務所に収監され親が迎えにきた子、

急性アルコール中毒で救急病院に運ばれる子も

何人もいたと。

 

「とにかく、ワイルドだった…。

シニアウィークってさ、

大学のブートキャンプって呼ばれてるんだよね」

としみじみ長男。

 

「大学って、もう誰も止める人いないからね。

唯一頼りになるのは、『内の律』のみだよね」と私。

 

 

 

米国も今では、

ドラッグ(大麻)は、いくつかの州では合法ですし、

そうした州では、

ガソリンスタンドなどでも、簡単に手に入ります。

 

我が家の子供たちが通ったのも、

より守られた私立高校ではなく、大規模な公立高校でしたし、

ドラッグは、高校生の日常に行き渡っているという状況を、

アラスカ(大麻合法)でも、こちら東海岸で暮らした2つの異なる地でも、

身近に体験してきました。

身近に起こったドラッグ事件、米国の現状&高校生と話し合える関係を築いておくということ

 

オーバードーズで亡くなった子、

ドラッグ中毒のリハビリ施設に入る同級生もいました。

 

最初から、体験せずとも、

はっきりと線を引ける子もいます。

 

でも、これほど日常に身近にみられることですから、

好奇心も手伝い、体験を通し、失敗し、学び、

「あ、これは自分には必要ないな」と卒業できる子もいるものです。

我が家は、後者のタイプですね。

 

上の記事にも、

次のように書いてます。

 

”子供によって、「まず心配ない」という子ももちろんいます。

それでも、我が家のように、何というか、

友人関係に幅があり、ふざけるのが好きで、

時に「好奇心」や「チャレンジ心」が「ルール」を上まってしまうこともあるような子の場合、

よーく話をして、早いうちに少しずつ実際に痛い目に合っておいた方がいいんだろうなと思っています。”

 

 

 

これから、

家庭から離れた大海原に飛び出していく高校卒業生たち。

親身になって環境を整え、止める人もいない中、

あらゆる誘惑や厳しい状況にさらされることになります。

 

 

そうした中、

「内の律」が大切ですよね。

「これは、自分に必要ないな」

そう自ら選択できる「律」。

 

そして、

親元を離れるまでの子育てでの「しつけ=教え・学ぶ」とは、

こうした「内の律」を築く過程にほかならない、

私自身は、そう思っています。

 

(日本語の「しつけ」という言葉は、

確かに、これまでの脈々とまつわる意味が付随し、

なかなかイメージを新しくするのは難しいかもしれませんね。

ここでは、「しつけ」という言葉を、

英語の「ディップリン」の語源、

ラテン語での「教え・学ぶ」という意味で用いています)

 

それには、

「見つからなければいい」「怒られなければいい」でもなく、

また、思考停止で服従するのでもなく、

主体的に選択する姿勢を培っていくこと。

 

力で抑えられたものは、

いずれ、噴き出しますから。

 

子供たちに、

「内の律」を築く関わり方を、

心がけていきたいですね。

 

「しつけ」が目指すものとは?英訳は「discipline」だけれどニュアンスは随分違う

子育て生活で感情マックスになったときほど「しつけ(discipline)」の原点「教える・学ぶ」に立ち返る

ハイリーセンシティブチャイルドと「しつけ」、早い時期から内に「律」を育むHSC

万引きした6歳女の子の事例、「良心」からの「心理的感情的メッセージ」に気づくよう導くことで「内在化した律=モラル」が育つ

 

 

 

 

 

さて、ここから、

『ItMama』さんへ寄稿した記事について、

つづらせてください!

 

世界中の50年間の研究で分かっている

より健やかな子が育つされる「子育てスタイル」についてです。

 

上にあげた、

子どもたちの「内に律」を築く関わり方とは、

ここであげる、

「民主的子育てスタイル」といってもいいですよね。

 

とはいえ、

常に完璧に「民主的スタイル」であれるなんてこと、

ないですよね。

 

私も含め、多くの方が、

ああ、ちょっとコントロールし過ぎかな、

ゆるゆるし過ぎかな、

最近、忙しすぎてほったらかしになってたな、

そう子どもの様子をみ、自らを省み、

揺れながら、揺れながら、

少しでも、「民主的スタイル」に近くなるように調整していくものではないでしょうか。

 

その指標として、

これら4つのスタイルというのは、

とっても有効だと思いますよ。

 

It Mamaさんの記事では、

こうした4つの子育てスタイルについて要点を

簡潔に説明してあります。

興味ある方、是非どうぞ!

・成長を妨げる!? ネガティブな子育てスタイルとママのNG行動3つ

 

 

 

また、こちらの『オールアバウト』さんの記事では、

各スタイルについて、もう少し詳しく説明してあります。

・50年の研究で検証!4つのうち最も健全な子育て法とは

 

以下、その記事からの引用です。

自分が「どんなスタイルに傾き気味」かに気づく「指標」として、

用いていきたいですね。

 

引用始まり

――――

1. 消極的子育てスタイル
a. 駄々をこねたり泣き出すと、言い分どおりにする。
b. 好ましくないことをしても、機嫌を損ねるような口出しをしたくない。
c. 少しでも嫌がるならば、すぐに止めさせる。
d. いつも笑顔でいて欲しい。

2. 独裁的子育てスタイル
a. 子供に対し怒りを爆発させ、怒鳴る。
b. どうして?と聞かれると、「どうしてもこうしてもない!親の言うことを聞きなさい!」などと答える。
c. 親の期待に答えられないと、あからさまに批判する。
d. 親の望まない行為に対し、愛情表現を引っ込めるという形で罰を与える。
e. 好ましくない行為に対し、体罰を与える。

3. 民主的子育てスタイル
a. 子供が自身の気持ちや考えを表現することを励ます。
b. 親の意見とは違っても、話し合う機会を与える。
c. 動揺していたら、気持ちに寄り添ってやる。
d. リミットやルールの背景を説明し、子供自らが守るよう導く。
e. 何かをして欲しい時は、その子自身の意向や気持ちを考慮する。
f. 親が子供に期待することの理由を説明する。
g. 一緒に楽しむ時を持つ。

4. 無関心な子育てスタイル
e. 子供がいてもいなくても生活は何も変わらないと思う。
f. 子供は自分のことは全て自分でするものと思う。
g. 自分のことで頭がいっぱいで、子供について思う余裕がない。

―――――

引用終わり。

 

 

みなさん、

日々、揺れる自分に気づきつつ、

できる範囲で、「民主的な子育てスタイル」へと、

調整していきたいですね。

 

 

 

 

 

 

「シニアウィーク」では、

海の町から30分ほど離れたより静かな町に、

お友達と宿を借りていた彼女ちゃんと、

毎日、行動を共にしていた長男。

おそろいのヒッピー服。

 

彼女ちゃんの運転で帰宅しましたよ。

 

 

さて、

イットママさんのもう一つの新しい寄稿記事についても、

のちほど、紹介しますね。

 

それではみなさん、温もり溢れる日を!


『オールアバウト』寄稿:本当に正しい「叱らない育児」が上手くいく秘訣3つ&「叱る」でも「言いなり」でもない方法を身に着ける

2018年05月09日 | 思慮あるしつけ(discipline)

こんにちは!

 

『オールアバウト』さんの記事にて、

「叱らない育児」についてまとめました。

 

数々の育児本がヒットし、

日本中に広まった「叱らない子育て」は、

「叱らない」だけを忠実に守っても、

決して、うまくいかないですよね。

 

私自身、

いくつかの事例をみてきました。

 

そして、子どものことを思い、

一生懸命なお母さん方だからこそ、

その方々が悩む子育てを、

何とか楽にできないかと感じてきました。

 

記事にもあげましたが、

・子どもがやりたい放題で周りに迷惑かけてもただ見守る親

・手に負えないわがままっ子になり子育てがどんどん大変になる

・否定される体験がないため打たれ弱い子になる

といった、「叱らない子育てはうまくいかない」とされる状況は、

全て、叱らない子育ての「誤解」からきてるんですよね。

 

「叱らない子育て」は、

「叱ってはいけない」のではなく、

子どもへの関わり方を工夫することで

「叱らなくていい子育て」が実現しますよ、

ということのはず。

 

この「子どもへの関わり方を工夫することで叱らなくていい子育てが実現」が、

いつのまにか、

単に、「叱ってはいけない子育て」に置き換わってしまっているんですよね。

 

そして、叱ってはいけないからと、

ただただ「いいよいいよ」と

子どもの要求の言いなりになってしまう。

 

 

 

去年、私自身、

アドラー心理学に基づく「ポジティブなしつけ講座」にて、

「叱る」でも「言いなり」でもない方法というのを、

たくさん学んできました。

 

そして、18年間様々な子どもに接する中で、

ガミガミと叱る体験も通りつつ、

伝えたいことを子どもの心に届ける方法って、

「叱る」以外にたくさんあるよなあと実感しています。

 

記事には、

どういった「関わり方の工夫」をすることで、

「叱らなくていい子育てが実現」するのかを、

具体的に分かりやすく整理してあります。

興味ある方、是非どうぞ!

本当に正しい「叱らない育児」が上手くいく秘訣3つ

 

 

 

以下、「叱る」について綴らせてください。

 

「叱ってばかりの育児」は年を経ることに無理が溢れる

「叱ってはいけない」とだけ忠実に守る育児がうまくいかないと同時に、

「叱ってばかりの育児」も、決して、うまくいかないですよね。

 

子どもを導くために、

「叱る」ことに頼っていると、

子どもが大きくなるにつれ、

必ず、子育てが、きつくなっていきます。

 

子どもの方も、

叱られることに麻痺していきますから、

大人側も、

ますます「ショック度」をアップする必要が出てきます。

 

それで思春期にもなれば、

「で、従わなかったら、どうするわけ」と跳ね返され、

立場がひっくり返るか、

反抗しないとするなら、

その子は、抑えつけられたゆがみと共に、生気を失ってしまいます。

 

 

 

 「敏感な親」と「叱る」

敏感なお母さんが、子どもの凹む姿や心の激しい動きに耐えられず、

どうしても「叱ることができない」ということもありますね。

 

でも、ただ叱らないだけでなく

記事にあげたような「叱る以外」の工夫を心掛けるなら、

必ず、より良い方向へと向かっていきます。

 

 

 

「敏感っ子」と「叱る・怒る」

敏感っ子には、厳しく叱る必要はない、

といわれますね。

(『The Highly Sensitive Child』by Elaine Aronより)

 

敏感っ子は、1であっても、10や100に感じ、

相手の表情や言葉尻を感じ取り、

動きますから。

 

厳しく叱るというのは、

確かに敏感っ子にとって、

思考停止でただただ「恐い」という気持ちだけ残り、

何ら学ぶこともなく、必要以上に、強過ぎるのですよね。

 

 

我が家でも、特に下の2人は、

上の子と親のやり取りをずっとみてきて、

どういうことをしたら「まずい」かを分かっていますから、

私も、実はこれまでほとんど、「叱る」という必要がないんです。

 

それで、

本当にたまにですが、

私は、わざと「怒る」ということを

することがあります。

 

バンと怒って、さっと切りかえ、

「これぐらい、何ともないのよ」と示すんです。

 

学校や社会では、

理不尽に怒られることってありますから。

「こんなこと、どうってことない」といった気持ちを

培ってくれたらなと思ってます。

 

 

 

「叱る」は必要ないけれど「真剣に怒る」は大切じゃないでしょうか

よく子育て情報では、

「怒る」は、感情をぶつけること、

「叱る」は、教示すること。

「怒る」のではなく、「叱る」ようにしましょう。

ということが言われますよね。

 

誤解されずにお伝えするのは難しいかもしれませんが、

私は、家庭や教室で子どもに接しながら、

「叱る」は必要ないけれど、

「真剣に怒る」というのは、

大切だなと感じてます。

 

叱る以外の関わり方を工夫するよう心がけ、

叱らなくていい状態を整えていき、

それで、ここぞというときには、

「真剣に怒る」んです。

 

では、どんな時に真剣に怒るのかといえば、

私は、ひとつには、

「人の尊厳を踏みにじるとき」だと思います。

 

狭く乏しい物差しで他者を決めつけ、

見下したり、馬鹿にしたり、侮辱すること。

そうした態度には、

人として、「真剣に怒る」んです。

 

敏感な子ほど、

その真剣さに、はっとします。

 

 

小さな子には、

特に敏感っ子は、

おびえさせ過ぎないように、

あくまでも、その子の状態をよく観ながら。

 

それでも、ティーンにもなれば、

こちらも真剣勝負でいいんだと思います。

ここぞというときには、

本気で怒ること。

 

「叱る=教示する」のでなく、

人として対等に向き合う。

それが、「真剣に怒る」ということであり、

子どもが大きくなるにつれ、

たまにですが、必要になってくるのだと思います。

 

 

 

 

 

ほとんどのことは、

怒ったり叱ったりせずとも、

というより、怒ったり叱ったりしない方が、

その子に伝わります。

 

そして「真剣に怒る」のは、

ここぞという「最も大切なこと」に残しておくこと。

 

 

時間が迫るなか、するべきことが山積みだったり、

疲れて余裕がないと、怒りの沸点も低くなりますが、

そうした自分の状態に気づきつつ、

普段、「怒る・叱る」以外の工夫を、心がけていきたいですね。

 

 

 

スムージーに、ココナッツとバナナとチアシード。

長女が作ってくれましたよ。

 

みなさん、温もり溢れる日々を!


『It Mama』寄稿:イヤイヤっ子との言い争いは大変…「パワーバトル」をかわす方法5つ&子育ては「服従させる」より「関係を築く」

2018年03月12日 | 思慮あるしつけ(discipline)

 

『It Mama』さんへ、

子どもとの「パワー争い(Power Struggle)」についてまとめました。

 

「パワー争い(Power Struggle)」とは、

参加する人々が、

勝つか負けるか、

従わせるか従うか、

抑えつけるか抑えつけられるか、

パワーを奪うかパワーを奪われるか、

そんな「二者択一」で頭がいっぱいになっている状態です。

 

子どもとの関係でも、

「パワー争い」になることってありますよね。

 

言うこと聞かせないと!

なめられたらいけない!

どっちが上か分からせないと!

大人側として、

こんな言葉や思いが、ぐるぐると頭の中をかけめぐっている状態です。

 

でも、子育って、

勝つか負けるか、どちらが上か下か、

じゃないですよね。

 

こちらが勝ったって、

頭ごなしに抑えつけ言うこと聞かせたのでは、

長い目でみて何かがその子の身につくわけじゃないですし、

子どもにしてみても、不平不満や歪みがたまります。

 

また、こちらが負けて子どもの言いなりになってばかりでも、

子どもの「やりたい放題ぶり」が増し、

親や教師もますます大変になるでしょうし、

何より大変な思いをするのは、結局は、その後の子ども本人です。

 

そうして、どちらが勝っても負けても、

長い目で見るなら、いいことなどありません。

 

 

これまで何度も、

家庭や教室やで「パワー争い」に揉まれながら、

しみじみ、そう思いますよ。

 

 

子育ては、

勝ち負けでなく、

いかに関係を築くか

そして、将来、

いかにその子が自ら道を切り開いていく力を育むか、

なはずですよね。

 

 

それには、

「パワー争い」にのらないこと。

これに尽きるのじゃないでしょうか。

 

1人で「争い」はできませんから、

こちらが土俵にのらなければ、

争いは成り立ちません。

 

『It Mama』さんの記事にも書いたのですが、

子ども思い通りにしてくれず、カチン、ムカッときたら、

「あ、綱引きの片側を渡されてる」と想像してみるといいです。

 

その綱の片側を握るなら、

綱引きの始まりです。

 

よ~いしょ!よ~いしょ!と、

どっちが強く引くか、引かれるか、

必死で勝ち負けを競い合う世界へ突入です。

 

 

 

 

 

 

じゃあ、「綱の片側を握らない」対応とはどんなものなんでしょう?

力まかせに従わせるのでもなく、

子どもの言いなりになりっぱなしでもない対応って

どういうものがあるのでしょう?

 

みなさんも、

様々試してこられていると思います。

 

整理してみませんか。

 

 

記事には、「5つの対応ヒント」を載せてあります。

ここでは、その中の4つをとりあげますね。

 

1.選択肢を示す

幼児から、状況によっては、高校生まで有効ですね。

 

例えば、

教室でスマートフォンを触ろうとする中学生。

 

「先生が持っておこうか、

それとも下で待ってるお母さんに渡す?

それとも、自分で鞄にしまっておく?」と聞きます。

 

「スマートフォン触らない!」と指示するより、

「自分で選択する」を通すと、

生徒もすんなりと協力しやすいですね。

←先週も、このままのやりとりをしました。

 

 

 

2.気を紛らわす/ 気持ちをきりかえる

記事にあげた「気を紛らわせる」の例は、

主に幼児向けですが、

こちらに紹介した「ポジティブなタイムアウト」もですが、

『It Mama』寄稿:すぐに叱るのはNG!? 「ポジティブなタイムアウト法」のススメ&子どもは孤立して嫌な気持ちでいっぱいの時に学びはしない

ヒートアップしてきたら、

一旦その場から離れて、お互いに気持ちを切りかえるというのは、

思春期でも、夫婦関係でも有効ですよね。

←夫婦でも、「何としでも勝ってやる~!」

と「勝つことが目的」になってる自分に気づくことってありませんか。

私は、あるんですよね。

勝ち負けを競い始めると、

話し合っていたはずの解決策もなんだかちぐはぐになりますね。

「効果的な解決策を練る」という目的を思い出し、

フォーカスしていきたいです。 

 


3.「パワーの使い方を導く」

記事では「シートベルト隊長」の例を載せました。

 

子どもの「勝つぞ!」と必死なパワーを、

より有意義に使うよう導くんです。

 

何かを担当してもらうといいんですよね。

権限をあげるんです。

 

例えば、

「ジャケット着たくない!」なら、

「今日はさむ~いから、出かける時、

みなが風邪ひかないように、

ジャケット忘れてないかチェックしてくれるかな?」

と家族みんなの分を点検してもらいます。

←わざとママの分、忘れておいて、

「ああ、よかったあ、

これで風邪ひかないですむわ~。ありがと~!」と感謝してみたり。

 

今の勤務先の学校でも、

学校ぐるみでこうした試みがされています。

 

集会の場で、どうしてもフラフラ、

おしゃべり、周りにちょっかいをかける生徒っています。

私自身も、大勢が集まる場では、

だいたい白昼夢でしたから、よ~く分かります。

 

こうした生徒たちに、

会場の切り盛りを手伝ってもらうんですね。

スクリーンにポインターを当てる係、

音響係、プロジェクターのページめくり係、

生徒に配るホルダーを抱える係などなど。

 

「びしっと静かに立ってなさい!」⇔よけいに反抗&おもしろがる、

と「パワー争い」に陥るよりも、

「パワーをより有意義に使ってもらう」んです。

 

家庭でも、

工夫してみてくださいね。

 

もともと、

反抗するパワーがある子たちですから、

お手伝いに大張り切りで助かっちゃう、

なんてこともあるかもしれませんよ。

 

 

 

4.話し合いで決めたことをボスにする

ママや先生が決めたことより、

話し合って決めたことを「ボス」にします。

 

こちらの家族ミーティングなどの場を定期的に設けるのもいいですよね。

家族ミーティング」という方法、「生きる力」を育む機会は日々の問題に溢れてますね

 

例えば、

こうした場で、

「宿題はいつするか」について話し合っておきます。

 

すると、普段のやり取りも、

「宿題しなさい!」⇔「分かってる」「あとで」「うるさいなあ」

ではなく、

「宿題はいつするんだっけ?」→「ああ、おやつ食べてから」

と確認する、ですむ場合もありますね。

 

うまくいかなかったら、

「どうしたものかねえ」とまた話し合い、

実践してみます。

 

 

話合ってルーティン表を作り、

「ボス」にするのもいいですね。

壁に、その子が作ったルーティン表をはっておきます。

←実際にその子が歯磨いてる写真や寝てる写真なんかを並べるのもいいですよ。

 

 すると、普段のやり取りも、

「歯みがきしなさい!」⇔「イヤ!」

「寝る時間!」⇔「まだ寝ない!」

ではなく、

「次はどうするんだっけ?」と聞く、

もしくは、表を指さすなどで済む場合もありますね。

 

 

特に思春期になると、

親の言いなりになりたくない気持ちを大きくなりますから、

話合いで自ら決めたことや、

統計や、社会的な事実を基に、

よりよくするにはどうしたらいいかなと「作戦を練る」といった向き合い方が、

いいなと感じていますよ。

 

ママはパワー争いの土俵から降りて、

「話し合って決めたこと」に間にはいってもらう、

それぞれの家庭なりに工夫して、

試してみてくださいね。

 

 

 

記事には、「パワー争い」にもつれこまない上の4つの対応について、

それぞれ、幼児向けの具体例や、

幼児から高校生まで使える「もう1つの対応ヒント」も載せてあります。

興味ある方、是非どうぞ!

・イヤイヤっ子との言い争いは大変…「パワーバトル」をかわす方法5つ

 

 

こちらにも、

この子が目指してることって何なの?子供心理を読み解く方法紹介2&敏感な子と「困った行動」

子どもが、「パワー争い」に勝つことが、

「自分の存在意義だ!」と「誤った目標」を持ってしまう仕組みを紹介してあります。

 

まずは、親や教師側が、子どもに対する、

怒り、挑戦されてる、脅かされてる、負ける、という感情に気づくこと。

そこから、

子どもとの「パワー争い」にもつれ込んでいくのを方向調整することができます。

 

 

 

 

週末は、

勤務先の学校で「ロックダウンドリル」がありました。

不審者が学校に侵入した際、

教室の鍵をかけ、電気を消し、ブラインドを下げ、

隅に固まってしゃがみこみ、解除されるまで静かにする、

という練習です。

 

全米の小中高で、

こうした訓練がされていますから、

生徒たちも現地校で何度か体験していて、

慣れたものです。

 

生徒達と暗い部屋にしゃがみこみながら、

実際に災難に合った子供たちやスタッフの方々を想いました。

そして、実際に起こったとしたら、

何がどこまでできるだろうと。

 

同じようなことが起こらないよう、

できることをしていきたいですね。

 

 

 

 

 

 

週末、次女が、全米陸上競技会に参加していたんですが、

「シニア部門で、76歳のおじいさんが、

200Mを裸足で走って一等になってたよ!」と

こちらのクリップをみせてくれました。

http://md.milesplit.com/videos/263129

37秒。あっぱれ。

会場、やんややんやの大歓声だったそうです。

 

春が近づき、

冬の間少し控えめだった子ども達のスポーツも、

週7日状態に。体力つけねばと、

今日は朝から「階段何度か往復走り」しましたよ。

←これって、結構な運動になりますね。

 

ワシントンDCの「植物園(United States Botanic Garden)」にて。

お茶の木と日本の風景。

 

みなさん、温もり溢れる日を! 


「家族ミーティング」という方法、「生きる力」を育む機会は日々の問題に溢れてますね

2018年03月06日 | 思慮あるしつけ(discipline)

週末は、勤務先の学校で、

桜餅づくりでしたよ。

 

ワシントンDC近辺は、春になると花に溢れます。

その昔、日本から届いた桜たち。

 ・ワシントンDCの「全米桜祭り」を堪能!桜に魅了された米国人&東海岸に根づく桜

裏庭に咲く花はもしかして桜?と調べてみたところ・・・

 ワシントンDCの桜まとめ&春に子供と楽しめる「花調べプロジェクト」

 桜に包まれた歴史的人物碑、アメリカ建国の原点にある言葉

 

 

去年、

生徒たちが学校の周りの桜の葉っぱを拾い、

梅酢につけておいたのだそうです。

 

桜の花は塩漬けに。

 

生徒がひとつひとつもち米を丸め、

飾り付け。

 

口中に広がる、

春の味。

 

全校生徒分。

 

桜を見上げ、

葉っぱを拾い集める生徒の顔が一人一人浮かび、

これまで食べたどんな桜餅より、

美味しかったです。

 

 

さて、今日は、

またひとつ、みなさんの「しつけのツール箱」に加えていただきたいことを

紹介します。

 

「しつけのツール箱」とは、こちらの記事で説明しましたが、

『オールアバウト』寄稿:しつけの悩み解決!子供の主体性を育む7つの導き方&伝統的しつけ以外の方法がつまった「ツール箱」

「ツールとしての基本を理解したら、

その場のその子の状況に合わせ、

ツールを手にする各々が、

主体的&柔軟に修正&なじませながら用いていく」

というコンセプトを基にしています。

 

*「しつけ」とは、

「知恵を教え・学ぶ」という意味で用いています。

「子どもと親は対等」というアドラー心理学の言説について&「しつけの原点」とは?

知恵を前にするなら、

教える側も学ぶ側も対等であると思い出していきたいです。

 

 

 

定期的に「家族ミーティング」を開くという方法

去年学んだ「ポジティブなしつけ講座」では、

「家族ミーティング」を週に1度など定期的に開き、

日頃の課題や、その解決策について、

子ども達と一緒に話し合う機会をもつといいですよ、

と提案されていました。

 

我が家でも、

家族が直面する問題について、

子ども達と話し合うことは、

子ども達の生活全般に向き合う意識が変わってくるなあと実感しています。

 

例えば、

「キッチンの流し台に

カップがすぐにたまるよねえ。

1人が洗い続けても追いつかないし、

どうしたらいいかな」と話し合いのテーマを提案。

 

→「飲んだ人がその都度洗うことにする」

「カップは1日1人1個使うことにする」

「私は今日このカップって誰のか分かるようにテープか何か貼って名前を書いておくといい」

「家族のメンバーそれぞれのカップを用意する。そしたら分かりやすい」

などなど、

家族皆でアイデアを出し合い、

皆で決めたアイデアをしばらく試し、

うまくいかないようならまた話し合いと繰り返していきます。

 

 

また子どもの問題は、

子ども本人に聞いてみるといい場合もありますよね。

 

例えば、

朝なかなか起きないという「問題」も、

親があれこれ悩むのもですが、

「なかなか起きれないことがあるけど、

どうしたらいいと思う?」と話し合ってみます。

 

「二度寝しないよう、起きて動くのを見届けて欲しい」

「水をかけて欲しい」

などなど、

我が家もいろいろ言ってましたが、

その後も、

「なんで起こしてくれなかったの!」「起こしたわよ!」

というやり取りを何度か経、

「うまくいかないよねー」と話し合った末、

今は、「自分でアラームをかけて起きる」

と落ち着いています。

そして、「そもそも起きれなくなるまで夜更かししない」、

とより自覚するようにもなりました。

 

こうして話し合いを続けることで、

「1日1人1カップね」や、

「自分で起きなさい」と親がただ決めて示すより断然、

子どもも、より自主的に遂行しようとしますし、

「自分は問題を解決する力を持っている」と、

「当事者意識」をより持つようになりますよね。

 

そして、

・問題を見出す力

・考え工夫する力

・自分で決めたことを実行する力

・うまくいかないことを省み試しと繰り返す力

・チームワーク

といった将来親元を離れても、

とても大切な力も、

少しずつ少しずつ培われるのじゃないでしょうか。

 

 

我が家の場合は、

これまで「定期的に」とは

なかなかいってないんですけどね。

「できるときに」でも、随分と違ってきますよ。

 

でも確かに、普段起こる問題について、

「じゃあさ、そのこと、

今週の家族ミーティングで話し合おうか」と提案できたり、

毎週のミーティングで、

「最近何か気になることある?」と皆で考えてみたりするのって、

家族が共に暮らしていく中で、

とてもいいなあと思いますよね。

 

 

 

子どもの発達段階に合わせ話し合う内容は選択する

我が家の場合は、

8歳から18歳と子ども達の年齢が離れていることもあり、

皆で話し合う場と共に、

個々や上の子達とだけ別に話し合う場も必要と感じてます。

 

例えば、

ティーンの子たちが持ち寄る問題によっては、

小学生の子たちにはまだ適切でないものもあります。

 

また、

『The Highly Sensitive Child』の著者で心理学者のエレイン・アーロン氏は、

「『敏感な子』は、

相手の気持ちを理解し聞き役にもってこいなため、

ついつい大人側も、

その子がまだ向き合う準備のない相談事を打ち明けたりして、

負担を大きくさせ過ぎないようにしましょう」

とその著書で言っていました。

 

これも、よく分かります。

 

基本的に、

解決に向け、その子が自分で何かが「できる!」

と実感できる課題を提案していきたいですね。

 

 

 

みなさんの家庭には、

今、どんな課題・問題がありますか?

 

我が家のここ最近の話し合いテーマ

最近の我が家では、

主に以下のテーマについて、話し合いの最中にあります。

・引っ越し

・東京での暮らし

・長男と長女の進路

・長女の膝(半月板損傷)

・飼い犬の日本入国困難

・近所に住む問題行動を持つ方

・なぜ我が家は片付かないのか

 

この中の、

・長女の膝(半月板損傷)

・飼い犬の日本入国困難

・近所の問題行動を持つ方

・なぜ我が家は片付かないのか

について、以下、つづらせてください。

 

 

・長女の膝(半月板損傷)

氷道での転倒、チアリーディング部の練習、

そして見習い中のフィジカルセラピストとのトレーニング過程を経て、

起こった出来事です。

(どの出来事が決定的だったのか特定は不可能)

 

3人の医師と、ベテランのフィジカルセラピストに診てもらい、

周りの体験談もいくつか聞いてまわり、

長女との話し合いを重ね、

結局、今週末に、手術することが決まりました。

 

一時は、「手術してもしなくても、

30年後頃には必ず関節炎になるし、

激しいスポーツも一生できない」と言われ、

家族で、重い日々を送りました。

 

ここ2か月ほどの一連の出来事を通して、

セカンドオピニオン、サードオピニオンを聞くことの大切さを

長女自身、骨身にしみて実感したようです。

 

今回手術を担当して下さる医師は、

「『30年後には必ず』なんて誰も言うことはできない」と、

具体例もいくつか示して下さり、

「技術は進歩し続けている」とも伝えて下さいました。

また今後、

42キロマラソンに勝つためための集中トレーニング

といったレベルのスポーツは無理だけれど、

あとはほとんど大丈夫とのこと。

 

同時に、手術のリスクについて、

年齢が低いほどリスクも低いといった

現実的な確率も説明してくださいました。

 

同じ症状でも、その医療者が、

どれほど患者の側に立ってくれているのかは、

伝わってきますね。

リスクについても、あいまいに伝えられるのと、

実際の事例やデータを示されるのとでは、

患者の心理面やプラシーボ的な効果も違ってきます。

 

そんな話を、長女としてきました。

 

長女本人、今では、

信頼できる医師と出合うことができ、

とても前向きです。

 

全身麻酔とはいえ、1時間ほどの手術。

その後はすぐに帰宅で、

2日後の週明けには登校もできるだろうとのこと。

我が家では、長男の事故以来の手術です。

キャンプ、アクシデント

←30メートルほどの崖から落ち奇跡的に命が助かりました。

 

悲しい出来事は、できるなら起こって欲しくないです。

それでも、もし、起こってしまったとするなら、

あとは、皆で寄り添い、話し合い、励まし、

その中での最善を見出していく、

それが「できること」ですね。

 

一連の出来事を通し、「敏感さん」が、

自称HSPの長女の成長、「これをしたい!」という意欲が壁を突き抜けさせる

つらい思いをしながらも、

「とにかく、できることをしよう」と進み続ける姿勢を

学んできたなあとしみじみ思います。

 

本人、「手術当日まで登校したい」とのこと。

体調を整えていきます。

 

 

 

・飼い犬の日本入国困難

米国(ハワイ等ぞく)から日本へのペットの入国は、

マイクロチップ挿入、狂犬病注射2回、

血清検査、その後180日間待機し診察と認定証の発行と、

7か月から8か月かかります。

 

去年8月に家族となって以来、

今では我が家の末っ子のような位置づけになっている飼い犬と

一緒に日本へ行くことができないという事実は、

子ども達にとって、そして私にとっても、

それはそれはつらいものでした。

 

泣き続ける子もいて、

どれほどこの飼い犬が、

私たちの生活に喜びと温もりを与えてくれていたかを思います。

 

幸い、米国の犬大好きな親族が、

手続き期間を終えるため米国から出られない飼い犬を、

喜んでみてくれることになりました。

 

今は、皆で話し合いを続けながら、

長男が日本を訪ねてくる年末に一緒に連れてくるか、

(12時間以上の犬のみの飛行が可能な航空会社はないのですね)

それとも、あちらこちら長時間移動するよりも、

親族の広々とした家や庭のある環境でゆったり1年間過ごした方が、

犬にとっては幸せなのかもしれないね…、

という話し合いにもなっています。

 

「飼い犬の幸せ」という話をしながら、

「でも、リオ(飼い犬)のいない私の幸せはどうなるの?」と涙目の子。

「しばし離れる」と思い出しては、

しくしく。

 

「アメリカでは、元気に暮らしている犬達なのに、

なんで、こんなに長い時間、検査にかかるの?」と、

「国によって異なる法律」といったことについて、

子ども達、考えさせられてもいるようです。

 

情報を集め、話し合いを続け、

最善と思う方法を見つけていきます。

 

 

 

・近所の「問題行動」を持つ方

すぐご近所に、

家の前で大きなハンマーを手に叫びながら家具を壊していたり、

立ち話の内容を聞いて大声で割って入ってきたり、

「車の中においておいた財布がなくなった!

最近この地区は危険になっている」と周りの家のドアをたたいて回るなど、

「少し変わった方(20代男性)がいるなあ」という認識はありました。

そして、ご近所さんからも、この方について話を聞くこともありました。

 

そこへ先日、

少し離れた地区に住む娘の1人のお友達Aちゃんが、

お母さんの運転で家まで娘を送ってきてくださったときのこと。

 

去年、AちゃんがBちゃんの家を訪ね遊んでいたところ、

Aちゃんの後をつけたとされるそのご近所の男性が、

Bちゃん家のガラス窓を叩き、銃を片手に外へ出るよう促したため、

それ以来、裁判所の決定で、そのご近所の男性は、

AちゃんとBちゃんに一定の距離近づいてはいけないことになっているとお聞きしました。

 

そこで、

上3人(14,16,18歳)の子ども達と話し合いました。

 

これまでいい加減だった施錠を家も車も心掛けること。

そのご近所の男性と接点を持たないようにすること、

いざというときについてなど。

 

下2人(8、10歳)の子には、詳しくは言わず、

知らない人についていかないなど、

安全面について確認。

 

ここらあたりは、

安全な地区と名が通るほどで、

米国では珍しく、子供たちのみで歩きまわる姿もみられます。

我が家の下の子達も、

暗くなるまで裏の森や家の前で近所の子たちと遊ぶ毎日です。

 

コミュニティーとしてオープンに助け合えたらと思いつつも、

家族を守る現実的な安全対策も必要ですし、

難しいですね。

 

スーパーで銃を手軽に買えてしまうアメリカ社会。

 

相次ぐ銃乱射事件によって、

今、銃規制についての議論を通し、少しずつ現実的な動きも生まれています。

銃を手に取るまでのハードルが高くなることは、

確かに、全ての問題解決には到底なりませんが、

それでも、事件数を減らすことには必ずなりますよね。

(世界140国以上の銃規制と銃乱射事件の件数を比較した結果、

反比例するというデータもあるようです)

 

子ども達、

そしてご近所さんたちと、

話し合いを続け、できることをしていきます。

 

 

 

・なぜ我が家は片付かないのか

上の子たち3人、特に週末になると

よく知るお友達宅に泊まることも多いです。

こうして、モデルハウスのようなお宅で過ごす時間が多くなるにつれ、

家族ミーティングでもたびたび話題になるのが、

「この家をどうやってすっきり整理整頓&素敵にするか」です。

 

子ども達によって、

「課題」としてあげられるのが以下です。

 

・家具や色々なモノがマッチしてない

我が家は、

「何にもなし」からの始まりでしたから、

家具から何からもらいものだったり、

引っ越す知り合いからやすーく買ったりとして

徐々に徐々に生活らしくなっていきました。

エキソサイズする次男と次女

 

このチグハグな持ち物は、ひとつひとつが、

これまで歩いてきた道の証のようなもの、

そう子どもたちに話してます。

 

冷蔵庫のちぐはぐのマグネットも、

子どもが作ったり、

思い出深いお土産。

 

 

・モノが多い

7人家族ですからね、

それぞれが持ち寄り、

モノが増えます。

 

購入前の家                    すっかり生活感溢れる今

   

 

ですから、引っ越しは本当に良い機会。

 

最近は、とにかく劇的に、

必要なものを絞っていこうと実践中です。

 

今は、

何でもデジタルに保存できるのが

ありがたいですね。

 

 

・飾りがない

確かに、何もないです。

子ども達曰く、

こういう絵や(購入前の家)

壁飾りがあると(購入前の家)、

絶対違ってくるとのこと。

 

自分たちで描いたり、

作ったりしてみたら?

と話してますよ。

 

毎日、出ては戻ってくる「家」という場を、

整理整頓された素敵な場にしよう、

そうした熱意を、

できる範囲で形にするよう工夫していきたいね

そんな話し合いをしている今日この頃です。

 

 

 

 

 

社会問題にも関わるシリアスなことから、

日常生活に至るまで、

日々出合う「問題」について子ども達と話し合い、

解決に向け実践していくことは、

子どもにとって、「現実世界の中で、

どう自分なりに工夫し暮らしていくか」を体験する貴い機会ですね。

 

みなさん、ひとつひとつの問題を、

是非、これからを生きる子供たちが力を培う機会へと

生かしていきたいですね。

 

「生きる力」を育む機会というのは、

こうして日々起こる問題に溢れている、

そう実感しています。

 

 

 

 

さて、これから、

米国再入国許可証の発行手続きです。

365日以上米国外へ滞在する可能性があり、

米国永住権保持を希望する場合は必要となるんですね。

日々、国間、学校、住居や車の賃貸、保険関係等、

それはそれは様々な手続きが続きますよ。←テツヅキで目が回ります

おかげさまで、長女と次女の高校入学も認められ、

次は住居の決定です。

 

週末、

次男参加の誕生日会を待つ間、

三女と散歩。

 

みなさん、残りの週、温もり溢れる日々を!


『It Mama』寄稿:すぐに叱るのはNG!? 「ポジティブなタイムアウト法」のススメ&子どもは孤立して嫌な気持ちでいっぱいの時に学びはしない

2018年02月26日 | 思慮あるしつけ(discipline)

こちらの記事に、

中流家庭に過酷な米国の大学学費状況を赤裸々に&大学進学の現状を通し子育てについて思うこと

米国で3人のお子さんを育てるゆきさんからコメントをいただきました。

私自身、今、身近に、日々いくつものケースを見聞きしていることですから、

言いたいことも溢れ、コメント返しも長くなっています。

 

言いたいことのひとつは、

「大学進学へも、もっと様々な道筋ができるといいですよね」

ということ。

 

18歳までに、周りから認められる輝かしい業績を形にできる子もいれば、

より時間をかけて伸びていく子もいます。

特に、凸凹があったり、学習障害など発達障害がある場合は、

大器晩成型の子も多いです。

情緒面に目を向ける大切さ&遅咲きの子

 

私の夫の例でも、

40年以上かけて伸び続けていますよ。

今回の日本行きも、またひとつ夫の夢が叶った結果です。

重度ディスレクシア&恵まれない環境に育った夫に学ぶ3つのこと、「落ちこぼれ代表」からの挽回

 

 

 

超難関大学は、その名門ぶりを競い続けるでしょうが、

コメントをしていただいた記事にもあげたパデュー(Purdue)大学のように、

「どれほどの学生を不合格にしたかよりも、

どれほどの学生の力を引き出し育てたか」を目指す大学が増えていくこと。

このPurdue大学、世界的にも工学分野では日本の東大京大をぬきトップ40位に入っています。

全米だとハーバードなどのあらゆる超難関大学をぬき8位。

(ランキングはフォーカスすることによって変わることを考慮しつつ)

 

また、勉強したいことが絞られているのならば、

ユタ大学のゲームデザイン、コロラド大学ボルダー校の宇宙航空学、

コロラドスクールオブマインの石油工学など、

入学はそれほど難関でなくても、

大学に入ってから世界トップレベルの技術や力を身に着けられる大学を

考えてみるのも方法ですよね。

 

他にも、

誰でも入れるコミュニテーカレッジから大学へ編入

(かなりの学費セーブにもなります)、

学部はより簡単に入れるところで学び、大学院をより充実した大学へ進学

就職してから企業に学費をだしてもらい大学院進学など、

18歳で手にする「結果」は、単なるスタートでしかない

そう思える道筋が、これからもどんどん増えていきますように。

 

みなさん、長い目で見て、

子どもたちを励まし、応援していきましょうね。 

 

 

 

さて、

この『It Mama』さんへの記事には、

みなさんの「しつけのツール箱」に加えていただきたい

「ひとつの関わり方」を紹介しましたよ。

 

「しつけのツール箱」とは、こちらの記事で説明しましたが、

『オールアバウト』寄稿:しつけの悩み解決!子供の主体性を育む7つの導き方&伝統的しつけ以外の方法がつまった「ツール箱」

「ツールとしての基本を理解したら、

その場のその子の状況に合わせ、

ツールを手にする各々が、

主体的&柔軟に修正&なじませながら用いていく」

というコンセプトを基にしています。

 

*「しつけ」とは、

「知恵を教え・学ぶ」という意味で用いています。

「子どもと親は対等」というアドラー心理学の言説について&「しつけの原点」とは?

知恵を前にするなら、

教える側も学ぶ側も対等であると思い出していきたいです。

 

 

欧米で最も用いられているしつけ法「伝統的なタイムアウト」 

「タイムアウト」というのは、

「体罰」が表向きには推奨されなくなる中で、

欧米で、最も用いられてきた「しつけの方法」です。

 

米国での子育てを通し、

これまで様々な教育現場や個々の家庭の集まりなどで、

「伝統的なタイムアウト」の場面に、

幾たびか出合ってきました。

そして、今でも出合います。

 

私自身は、

「好ましくない行為」をした子をその場から引き離し、

「タイムアウト」の椅子や場所と決めた場で、

何分間か(主に年齢分:2歳なら2分、4歳なら4分など)1人にしておく、

といったルールを日常生活に取り入れることに、

何となく違和感を感じ、我が家では用いることがありませんでした。

 

とはいえ、親子でかーとなると、

「部屋に行って落ち着いてきなさ~い!」と、

子どもをその子の部屋へ送ることはありましたから、

まあ、似たようなことはしていたわけですが。

 

 

「タイムイン」との出合い

そして、まだ長男が小学校へ上がる前の頃、

プレスクールで長年先生をしていた友人と

「タイムアウト」の話をしていたときのこと。

 

「この園でも、する先生としない先生がいるけれど、

私は、タイムアウトが必要となるような場面ほど、

その子はアテンションや温もりが必要だと思うのよね。

だから、私はしないの」と。

 

その言葉に、びりびりとしびれ、

「なるほどなー」と思いましたよね。

 

友人、問題を起こす子を、

ぎゅっと抱きしめたり、膝にのせたりしながら、

「タイムイン」してました。

 

その当時はまだ、

「タイムイン」という言葉が聞かれることもなかったわけですが、

「タイムイン」とは、

こちらのブログでも何度も紹介している

小児精神科医のダニエル・シーゲル氏が提案したものです。

 

以前、タイムアウトとタイムインについて書いた記事です:

『ユア子育てスタジオ』・「罰」を用いない子育て、「タイムアウト」から「タイムイン」へ

(思えば、この2014年の「タイムイン」についての記事が、

ダニエル・シーゲル氏のコンセプトに触れた始まりだったんですよね。)

 

この『ユア子育てスタジオ』の記事で引用したシーゲル氏の言葉です:

親は「タイムアウト」の代わりに、「タイムイン」の時間を考えてみるといいですよ。部屋の隅に立たせるよりも、一緒に子供と座り話したり慰めたりして愛情を深める時です。小休止をはさみ、自身の行為を省みるというのがどういうことなのか落ち着いて話し合う時というのは、とても価値のあるものです。特に小さな子供にとっては、こういった「自身を省みる姿勢」と言うのは、「孤立の中」ではなく、「人との関係の中」で創られていきます。長い目で見た子育てにとって、(タイムアウトよりも)より効果的で報いのあるものとなるでしょう。“

 

特に小さな子供にとっては、こういった「自身を省みる姿勢」と言うのは、「孤立の中」ではなく、「人との関係の中」で創られていきます。”

まさしく!と思いませんか?

 

 

『It Mama』さんの記事にも書いたんですが、

「頭冷やして反省しなさい!」とその場から引き離され、

じっと座らされるなり立たされるなりし、

1人静かに「ああ、自分がわるかったな…」と思う子が、

どれほどいるでしょう?

 

かえってその子の中に渦巻くのは、

怒り、悲しみ、悔しさ、恥ずかしさ(見せしめ的な場合は特に)、

分かってくれない、仕返ししてやろう、今度は見つからないようにしよう、自分はだめだな

そんな気持ちや思いではないでしょうか。

 

 

「ポジティブなタイムアウト」とは?

そうして、去年学んだ、

アドラー心理学を基にした「ポジティブなしつけ講座」で、

「ポジティブなタイムアウト」という方法に出合ったんです。

 

「ポジティブなタイムアウト」とは、

「罰」として「タイムアウト」を用いる「伝統的なタイムアウト」ではなく、

本来の「小休止を挟んで気持ちを切り替える」にフォーカスし、

そして、子どもと愛情を深める「タイムイン」の要素を取り入れたものです。

  

その根幹にあるのは、

子どもは、嫌な気持ちでいっぱいな時より、

いい気持ちの時に、より「学ぶ」ということです。

 

私たちの内には、

例えば、子供が「好ましくない行為」をしたとき、

学ばせるために痛い思いをさせないと

そんな気持ちが深ーく根付いていると思いませんか?

私自身、自分でも驚くほどですよ。

 

でも、どうでしょう?

本当に、その方が学ぶんでしょうか。

 

それは、子どもにとって、

今度は、痛い思いをしたくないからしないでおこう、

見つからなくて、痛い思いをしないならオッケー、

といった学習ではないでしょうか。

つまり、知恵を学んでいるわけじゃないんですよね。

 

気持が切りかわり、落ち着いたところで、

「何が、どうして、よくなかったのかな?」

「今度は、どうしたらいいかな?」と話し合ってみること。

子ども自身が「自分で考え行動している」と感じている状態こそ、

「知恵を学んでいる」ということ。

つまり、長い目でみて、その子を支える力となっていく、

18年間様々な子どもたちに接する中で、しみじみとそう思っています。

 

 

記事には、「ポジティブなタイムアウト」の具体的な方法

分りやすく説明してあります。

興味ある方、是非、読んでみてくださいね。

そして、どうぞ「しつけのツール箱」に加えてみてください。

すぐに叱るのはNG!? 「ポジティブなタイムアウト法」のススメ

 

 

「タイムアウト」は、

こちらの教育現場でも、たびたび用いられます。

 

一昔前は、日本でも、

生徒を廊下に立たせたりと、

罰としての「伝統的なタイムアウト」が用いられていましたね。

 

アラスカでも、こちら東海岸でも、

例えば、教師が何度か注意しても聞き入れず、

授業自体が進まなくなってしまう場合など、

「タイムアウト」が用いられています。

 

カウンセラーや他の先生などが来て、

その子を別室へ連れていき、話し合ったり、

他のクラスの活動に加わったり、

とにかく、その場を離れます。

 

「罰」として、教室から連れ出すというより、

向き合う側も、声を荒げたり、感情的になることなく、

「小休止をはさみ気持ちを切りかえ自らを省みることを促す」という姿勢で、

たんたんと、生徒が落ち着くよう接します。

 

生徒も、

場を離れることで、より自分の行為を客観的に眺められ、

学校スタッフ皆が、

自分のことを気にかけてくれるとも感じるのか、

落ち着いてクラスに戻ってくることが多いですね。

 

こうした対応が、

カウンセラーなどの担当者がいたりとシステムとしてあると、

どうしても一斉に同じことをせざるを得ない学校という集団も、

よりスムーズにまわっていきやすいと実感しています。

 

 

 

 

―――――――

週末は、勤務先の学校に、

日本語の幼稚園の園児と親御さんと先生方が訪ねていらして、

工作をしたり、学校の生徒が園児に日本語の絵本を読んであげたりと、

合同活動がありましたよ。

幼稚園の先生方の、凛とした温かいたたずまいに、

何だかはっとして、みとれてしまいました。

 

ワシントンDCの『アメリカン・インディアン国立博物館(National Museum of the American Indian)』にて。

かご作り。

体験型展示っていいですね。

 

さっき、裏の森を走り終えた彼女ちゃんと長男。

(←学校が終わると毎日のように一緒に走ってエキソサイズしてます)

キッチンの椅子に座ってニコニコと見上げながら話しかける彼女ちゃんに、

長男がポリッジを作ってあげてました。

こんな風に、キッチンが使われる日がくるとは…。

 

みなさん、温もり溢れる日々を!


『オールアバウト』寄稿:しつけの悩み解決!子供の主体性を育む7つの導き方&伝統的しつけ以外の方法がつまった「ツール箱」

2018年02月16日 | 思慮あるしつけ(discipline)

『オールアバウト』さんのこの記事では、

このブログでも何度も紹介している小児精神科医ダニエル・シーゲル氏が提案する、

子どもを導くポイントをまとめました。

 

シーゲル氏の提案の根幹にあるのが、

「まずはコネクト、それから導く(connect, then Redirect)」です。

そして、

去年学んだアドラー心理学に基づくジェーン・ネルソン氏の「ポジティブなしつけ講座」でも、

「正す前に、コネクトを(Connection before Correction)」が合言葉になっていました。

 

私自身、これらの言葉に出合い、

それまで漠然と大切に思っていたことが、

ストンと整理できましたよ。

 

子育ての基本中の基本として、

行き渡るといいなあと思っています。

 

たとえどれほど、さまよっても、

「ここに戻ってくるんだよ」という「灯台」のような位置づけになるといいですね。

子育てでの灯台について:『It Mama』寄稿:「言うこと聞かないとおやつあげない!」はNG!? 罰以外にしたい3つのコト&次世代に伝えたい「しつけの方法」とは?

 

 

オールアバウトさんの記事では、

「導く」「正す」時のポイントについてまとめたんですが、

まずは、その前の「コネクト」について、

もう一度、さらっとなぞってみますね。

 

こちらにもまとめてあります。

・わがままっ子に効果的!? 「しつけより優先すべき」たった1つのコトって?

 

「しつけないと!」と思う局面って、

親子で感情が高まっている時が多いですよね。

 

それでも、感情が高まっている時って、

脳的には、「考え・想像し・記憶する」部分が、

より原始的な「強い感情・衝動・反射」部分などに乗っ取られている状態というんですね。

ですから、

しつけの本来の目的「知恵を教え・学ぶ」なんてことは不可能とのこと。

 

そこで、まずはとにかく落ち着こうよ、ということなんですが、

子どもが落ち着くために最もパワフルなのが、

「コネクト」といいます。

日本語だと、この場合、

「つながりを確認する」というような意味です。

 

これは、私自身、ほんとそうだよなあと思うんですが、

みなさんも、これまでの体験からそう思いませんか?

 

では、どうつながりを確認するか?

・気持を受け止める

「時間かけて一生懸命作ったポスター、

最後のマーカー部分で枠からはみだしちゃって、

そりゃあ、やり切れないよね」

←まさしく昨日、泣き喚く子に言いましたよ。

 

・スキンシップ

抱っこ、背中トントン、

触れるのを嫌がったら、

「ママ抱っこ(ハグ)したいから、待ってるね」がいいですよ。

 

・温もりのあるまなざし、態度、声のトーン

目の前でエビぞりになっている時に、

「そんなのやってられない」こともありますが、

まあ、なるべく、できる範囲で、穏やかな調子で。

けんけんしても、火に油を注ぐだけですから。

 

などなどがありますね。

 

また、親が落ち着くには、

安全が確認できるような状況なら、

親が「タイムアウト(その場を離れ一人になる)」するのもいいですよね。

 

そして、「まあ、怒ってもよけいひどくなるだけだし、

しかも、怒ってその場はおさまっても、

長い目で見たら何かを学んだわけにはならないだろうし、

これも、よりよくなる機会しよう」

そんな気持ちでいると、感情マックス状態も、

ふつふつとおさまっていくのではないでしょうか。

 

本当に、ひとつひとつの問題は、

「ああしたらどうだろう、こうしたらどうだろう」と考え行動することで、

その後、よりよくなるための機会でしかありませんから。

 

 

ということで、

親子で落ち着いたら、

いよいよ「しつけ=知恵を教え・学ぶ」とき。

 

ここから、こちらの記事に紹介した「7つの方法」も活用していただけます。

興味ある方是非どうぞ!

しつけの悩み解決!子供の主体性を育む7つの導き方

こちらにも、以前「REDIRECT(導く)」について、

ざっとまとめてあります。

『It Mama』寄稿:わがままっ子に効果的!? 「しつけより優先すべき」たった1つのコトって?&敏感っ子にも大切な「思慮あるしつけ」の基本

 

 

 

こうして、

様々なポイントや方法を

「こういうときはこれを使ったらどうかな」

「いや、こちらの方が合ってるかな」と

試し、考え、試しとしながら、

子どもに関わる一人一人が「しつけの(知恵を教え・学ぶ)ツール箱」のようなものを

作っていくといいのだろうなあと思っています。

 

「ツール箱」を手にしているとイメージすることで、

「こういうときはこうしなきゃ」ではなく、

「こういうときは、どのツールが合ってるかな?」と、

目の前の子を観ながら、自ら試し考えと、

より主体的に子どもに接していけるのではないでしょうか。

 

どんな状況にも「万能なツール」があるわけじゃなく、

その時のその子に合ったツールがあるだけなんですよね。

 

長い目で見て健やかに子どもが育つツールを充実させていくこと、

長い間しみついた伝統的な「罰・脅し・辱め・報酬」以外のツールを充実させていくこと、

みなさんも、一緒に考え、試しとしていきませんか?

 

私自身、こつこつと、

みなさんの「ツール箱」を膨らませていけるような情報を、

発信していきたいなと思っています。 

 

 

さて、

こちらは今日は小中高半日で、

3連休突入です。

 

勤務先の先生方との集まりにて。

ごちそうになった手作り羊羹。

抹茶の上にクランベリーソースが素敵。

40代、50代、60代の先生方。

その生きざまに、様々感じ入りました。

 

『虹色教室』の奈緒美さん『Follow Your Bliss』のTamakiさん

シアトルで長年幼児教育に関わるEさん『遊びのアトリエ』レオさん、Tomoeさん、

そしてワーキングママさん、ぽんみかんさんなど虹色教室に通う親御さんたちとも、

集まれる方々で、週に1度、チャットを続けています。

毎回、気づきに溢れ、今では「心の調整場」のような位置づけになっています。

 

その中で、奈緒美さんがおっしゃった、

「人生は評価されるものではなく、味わうもの」という言葉が、

先日お話をした60代の先生方の生きざまとも重なり、

心の奥に響き続けています。

 

次から次へと評価を手にする子どもたちと接する日々にも、

そして、これからの自身の人生を考える上でも、

思い出していきたい言葉です。

 

みなさん、温もり溢れる週末を!

 


この子が目指してることって何なの?子供心理を読み解く方法紹介2&敏感な子と「困った行動」

2018年02月10日 | 思慮あるしつけ(discipline)

今日は、こちらの記事の続きです。

この子が目指してることって何なの?「困った行動」の背景にある子供心理を読み解く方法紹介1

こちらの記事では、

教育心理学博士ジェーン・ネルセン氏が提示する、

子どもの「誤った4つの目標」の内、

「1.過度のアテンション」と

「2.パワーゲームに勝つ」を紹介しました。

 

この記事では

「3.復讐」4.諦め」を紹介しますね。

 

その前に、

ネルセン氏が提示するアドラー心理学に基づくコンセプトを、

もう一度さらっとまとめます。

 

子どもが根本的に欲していることは、

「自分は大切な一員」と感じられること。

 

そして、その欲求が満たされないと感じる時、

子どもは、何とかして「自分は大切な一員」と感じられるよう、

「誤った目標」を選択する場合がある。

 

そして大人が何を信じどう行動するかが、

子どもがこうした「誤った目標」へ突き進むのを

助長してしまう場合がある。

 

 

ネルセン氏の提示するこれら「4つの誤った目標」の仕組みは、

家庭でも教室でも、子供への対応を考える上で、

役に立つと実感していますよ。

 

皆さんも、

是非、省み、試しと繰り返し、

どうぞたくさんの発見をされてみてください。

 

それでは、3つ目と4つ目の「誤った目標」です。

 

3 子どもの「誤った目標」:復讐

大人が抱く感情:

痛み

残念

信じたくない

おぞましい 吐き気がする

 

(特に「おぞましい、吐き気がする」というのは、

「えっ、子どもにこんな感情を持つもの?」と思う方もいるかもしれません。

でも、子どもに接する大人側もそれまでの人生を通し

様々な好き嫌いや価値観を育んできてますし、

時に感情や自らの欲求をむき出しにする子どもに対し、

ふつふつとわいてきても何らおかしくない感情ですよね。

←少なくとも、私はありましたよ、こんな感情もったこと。)

 

そこで、

・「どうしてこんなこと私に対してできるわけ?」と思う。

・子どもの言動を個人的にとる。

・仕返しや応酬する。

と繰り返すとします。

 

そして、子どもが、

・仕返しする

・他者を痛めつける

・物を損傷する

・同じ行為をますます強化させるか、他の武器を選択する。

と反応するとします。

 

すると、子どもは、

「僕(私)はここに属していると思えない、

自分が痛いと思う分、他者にも痛い思いをさせてやる」

僕(私)は、好きに思われたり愛されることはない」

と信じるようになります。

そして、ますますその「誤った目標:復讐 」に向かって行動をするようになる、

というわけです。

 

そして、大人の次のような思いや気持ちが、

この「誤った目標:復讐」を達成しようという子どもの行動を

ますます助長します:

・私がアドバイスをする(あなたの言うことを聞くことなく)、なぜなら私があなたを助けてるから。

・あなたが必要としていることより、私は他者がどう思うかの方を心配する。

・他者を痛めつけてはだめだと教えるために、私があなたを痛めつけるやる。

 

子どもがこうした「困った行動」から暗に示していることとは、

僕(私)は傷ついてます。

僕(私)の気持ちを認めてください。

といいます。

 

 

4. 子どもの「誤った目標」:無能と思い込む

大人が抱く感情:

失望

絶望

成すすべがない

無能

 

そこで、

・諦める。

・手伝い過ぎる。

・あなたのすることなすこと信じられないと示す

と繰り返すとします。

 

そして、子どもが、

・ますます後退する。

・消極的になる

・改善がみられない

・反応がない

・試すことをやめる

と反応するとします。

 

すると、子どもは、

「僕(私)はここに属していると思えないから、

他者にも自分に何も期待しないよう納得させよう」

僕(私)は、役立たずで無能だ」

「どうせいうまくできないから、試したってしょうがない」

と信じるようになります。

そして、ますますその「誤った目標:無能と思い込む 」に向かって行動をするようになる、というわけです。

 

そして、大人の次のような思いや気持ちが、

この「誤った目標:無能と思い込む」を達成しようという子どもの行動を

ますます助長します:

・あなたが私の高い期待にこたえることを期待する。

・あなたのためにしてあげることが私の仕事。

・あなたを信じるなんて恐すぎる。

・あなたが人生の困難をこえていくことができるとは信じられない。

 

子どもがこうした「困った行動」から暗に示していることとは、

僕(私)のことを諦めないで。

僕(私)にスモールステップを示して。

(目標を自分にもできるように細分化して)

といいます。

 

 

前の記事に書いたように、

こうした「誤った目標」に突き進む状態から方向転換するには、

「子どもが暗に示していること」を念頭に、

より有意義な形で、子供が「自分は大切な一員」と感じられる接し方をすること。

 

そうした接し方例についても、

またまとめますね。

 

ひとまず今日はここで、

「ひといちばい敏感系な子」と、

これらの「4つの謝った目標」について考えてみませんか?

 

ひといちばい敏感な子と「4つの誤った目標」

敏感な子は、

「触れることは強打

音は騒音

不運は悲劇

喜びはエクスタシー

友達は愛する人

愛する人は神

失敗は死」

by Pearl Buck

といった「打てば響きすぎる面」がありますよね。

 

周りの空気や、相手の感情、

また相手の少しの仕草や言動をも強烈に感じ取るところがあります。

 

そしてこうしたことが、敏感な子は、

環境によって、良くも悪くも大きく作用されやすいとされる理由ですよね。

敏感系であるほど、生い立ちによって、

その後の人生が、大きく分かれやすい、

そのために、敏感な子への関わり方について多くの人々に知ってもらう必要があると

心理学者もエレインアーロン氏も言っていますね。

 

 

こうした特徴を持つ敏感な子ですから、

例えば、

それほど敏感でない子なら、

より時間をかけて陥いる上のような「4つの誤った目標」サイクルにも、

敏感系の子は、

より勢いよく転がり落ちていくようなところがあるのではないでしょうか。

 

つまり、

敏感な子ほど、

接する側が、不安感からすぐに手を差し出していれば、

よりすぐに、しかもより強烈に「1.過度のアテンション」を目標としがちで、

 

接する側が、怒りから「なめられてたまるか」と反応すれば、

よりすぐに、しかもより強烈に「2.パワーゲームに勝つぞ」と突き進み、

 

接する側が、残念な気持ちからその子のニーズより周りの目を気にしてばかりいれば、

よりすぐに、しかもより強烈に「3.復讐してやる」と信じ込んでしまい、

 

接する側が、諦めからその子を信じる姿勢を示さないのなら、

よりすぐに、しかもより強烈に「4.自分は無能だ」と思い込むようになる。

 

私自身、敏感な子達に接してきて、

「まさしく」と思います。

 

 

では、どうしたらいいのでしょう?

 

まずは、接する側が、

自らの感情と、その感情から自らどんな行動を起こしているのか、

そしてそれらに、その子がどう反応しているかの仕組みに気づいていくこと。

 

そして、

「してしまったこと」に悩む時間やエネルギーを

前へ前へと「よりよい対応」を築くことに注いでいくこと。

敏感な子にとって、これこそが、とても重要で効果的だと思います。

 

前へ前へとポジティブを築いていくのなら、

「してしまったこと」も、いつしか、

強烈に迫るポジティブさの波に流れていきます。

なぜなら、敏感系の子は、

ネガティブも、そしてポジティブも共に、

強烈に感じるからです。

この子って、ハイリーセンシティブなのかなあ?という思いがちょっと整理される説明

ネガティブにもポジティブにも感化されやすい「敏感な子」、「問題児」扱いされていたS君

ハイリーセンシティブさには「よい面」もある!心理セラピストがまとめる6つの利点

 

例えば、

イライラして小言ばかり言っているのならば、

「するべきリスト」を横に置いてただ楽しむ時間を10分でもとってみること。

 

怒りにまかせ「なめられてたまるか」と抑え込もうとしているのならば、

家族会議で話し合い、一緒に決めたことを「ボス」にしてみること。

 

人の目を気にして残念なあまり子どもに意地悪してしまうなら、

ママ友と距離を取り、その子の気持ちに耳を傾け、解決策にフォーカスしてみること。 

 

絶望して「あなたにはどうせ無理」と手を差し出しているのならば、

その子が「できた!」と感じられるスモールステップを積み重ねてみること。

 

 

みなさん、

「してしまったこと」に凹むのはとても自然なこと。

でも、凹みながらも、前に、前にと、前のめりで、

「よりより対応」を積み重ねていきましょうね。

 

すると、子どもたちは、必ず、

より良い方向へと、向かっていきます。

 

 

 

(ああ、自分はこの子に対しこんな感情を持ってるな、

そうしてこんな行動をとってるな、

それで、子どもはこんな反応をするようになってるなと気づく。

 

そう繰り返していると、

「ああ、今、私は、この子にこんな気持ちを持ってる」、

そう自らの感情に気づく時点で、

「あ、そうそう、はまらないでおこう」と、

1から4までの「誤った目標」に突き進むサイクルから

方向転換していくことが、以前よりはできるようになっていきますよ。

完璧からほど遠くても、「以前よりはできる」ことが大切なんですよね)

 

 

さて、

明日は、勤務先の学校が終わったら、

先生方と料理や飲み物を持ち寄っての集まりです。

学校外でお会いするのは初めてですから、楽しみです。

 

数日前は、MRIの結果、娘の1人に膝の手術が必要と診断され、

幸い、手術自体は30分ほどですむとても簡単なものらしいのですが、

第二、第三オピニオンを聞いて回り、情報収集中です。

周りもネットも異なる意見が溢れていて、

同じ症名でも、状態も条件も少しずつ異なりますし、

できることを積み重ね、最善の道を見出していきます。

 

下の子たちが、夕飯のメニューを作ってくれましたよ。

 

みなさん、温もり溢れる週末を!

 

参考資料:『Positive Discipline』by Jane Nelsen


『It Mama』寄稿:「ダメ!」と言っても聞かない子には、どうしたらいいの?&「優しさとブレなさ」ってどう両立する?

2018年02月06日 | 思慮あるしつけ(discipline)

今回寄稿した『It Mama』さんの記事のテーマは、

「優しくありつつ、ブレない(Kind and Firm)」

です。

 

言葉で書くと、何だかペラっとした感じなのですが、

これは、

去年学んだアドラー心理学に基づく「ポジティブなしつけ」講座でも、

子育てする上で心がけたい基本的な姿勢として何度も紹介されていて、

私自身、その奥深さを探求し続けてます。

 

 

優しさと、ブレなさってどう両立する?

子育てって、

「優しくあるぞ」と思うなら、

ダメなことにも「いいよいいよ」とブレがちで、

「ブレないぞ」と思うなら、

「ダメなものはダメ!」と頭ごなしに厳格過ぎる、

そんな極端に振れがちと思いませんか?

 

そうして、

子どものやりたい放題に振り回されヘトヘトになるか、

もしくは、我慢も限界と爆発か、

または、小言や叱ってばかりの自分に嫌気がさすか

のどれかになってしまったり。

 

 

私もそうした、

「優し過ぎかな、厳し過ぎかな」の間を、

何度も何度も行き来してきましたし、

今でも、迷います。

 

それでも、以前よりは少しずつ、

「なるほどねえ」と感覚をつかめるようになり、

自分なりに、

「あ、優しくあっても、ブレないって可能なんだ・・・」と、

ストンと納得した体験を書き留めたのが、

こちらの記事でした。

『ユア子育てスタジオ』・全部飲む!「条件づけ」と「無条件の愛情」

 

兄姉分の飲むヨーグルトも、

「全部ひとりで飲みたい!」と癇癪を起した次男。

 

「したい!」がかなえられなくて、

ムカッとする、やりきれない、悲しい、悔しい

といった子どもの気持ちに寄り添うこと。←優しさ

 

同時に、その子の「したい!」が、

もし、その子のためにも、周りにとってもよくない、またはできないことならば、

その子の要求を呑む必要はないんですね。←ブレなさ

 

そして、

「わがままいわないの!」とガミガミしたり、

「そんなわがままいうなら、

もう2度と飲むヨーグルト買わないからね!」

と意地悪する必要もないんです。

 

抱っこしたり、背中をトントンたたいてあげながら、

その子がやり切れない気持ちに向き合い、

乗り越えていくことに「お供」するようなイメージで、

傍にいてやります。

 

 

それは、

英語の「しつけ」の原点を思い出す時、

とらえやすいのではないでしょうか。

 

しつけは、

親の言うことに従わせるためではなく、

「知恵を教え・学ぶ」ためのもの。

 

親は、

子どもが知恵を身につけていくのをサポートするのであり、

知恵を前にするならば、親子というのは、

ある意味「対等な同志」のようなものといえるかもしれません。

 

そうして、子どもは、自分のやり切れない気持ちに

ママが寄り添ってくれたなあと感じながら、

結構、自分なりに、ネガティブな気持ちをのりこえ、

「皆で分けようね」といった「知恵」を受け入れるようになるんですよね。

 

*(ちなみに、「しつけ」でいう知恵とは、

「集団で幸せに暮らすための知恵」といえますね。

1人なら、何をしてもいいわけですが、

人間は1人では生きていけない生物です。

ですから、小さな頃から、

いかに集団の中で個と周りが幸せになれるかの知恵を身につけていくのが「しつけ」、

私はそう理解しています。)

 

 

今、我が家でも3人のティーンと向き合い、

そして、勤務先の学校でもプレティーンやティーンたちと過ごしていますが、

この「優しく、ブレない」というのは、

幼児からティーンにとっても、

大切な姿勢だなあと、しみじみ感じています。

 

子どもたちが、

その大人に、知恵を敬う「芯=ブレなさ」を感じるとき、

そして、それでも、優しさと親切さと尊重をもって接してもらえると感じられる時、

互いの関係は、よりよいものとなっていきます。

 

言うは易しですが、

私自身も、精進していきますね。

 

 

『It Mama』さんの記事には、

以上のようなことが、具体的にかける言葉例も含め、

コンパクトに分かりやすく紹介してあります。

興味ある方、是非どうぞ!

・「ダメ!」と言っても聞かない子には、どうしたらいいの?

 

 

 

さて、

「ブレる」ことについて、

もう少し考えてみませんか。

 

ブレる背景にある気持ち

「いいよいいよ」と言ってしまう時って、


1.優しいママでありたい

2.めんどくさい、癇癪起されたらやっかい

3.子どもの悲しい反応を見るのが辛い、癇癪への恐れ

4.子どもがハッピーでないことへの罪悪感


だいたい、こんな気持ちが背景にあると思いませんか?

 

1.優しいママでありたい

「いいよいいよ」でないのなら、

「ダメ!」と頭ごなしにガミガミいったり意地悪するしかない、

そんな両極端の選択だけじゃない、そう思い出したいです。

 

子どもの要求をそのまま呑まずとも、

子どものネガティブな気持ちに寄り添い、

優しく、親切で、子どもを尊重する親であれること。

このことを理解し、体験していきたいです。

 

 

2.めんどくさい、癇癪起されたらやっかい

忙しくて疲れて余裕がないという自分の状態に気づいていること。

すると、「普通の状態」ではしないようなことを、

ついしてしまうのも、より防ぐことができます。

 

 

3.子どもの悲しい反応を見るのが辛い、癇癪への恐れ 

4.子どもがハッピーでないことへの罪悪感

 

私自身、

子どもがネガティブな気持ちを表すことや癇癪への

自分自身の恐れや罪悪感が、

結局は、子どもの癇癪を長引かせていたのかもしれないなあと

思うことがあります。

 

でも、

子どもには、子供自身に、

ネガティブな気持ちを乗りこえる力があるんですよね。


そう信じられるようになった時、

「ブレる」ということも、減っていったんです。

そして、今でも、子どもがネガティブを爆発させたり癇癪を起すことはありますが、

以前より、それらが長引くことが減っていきました。

 

 

「優しく、ブレない」と同時に実行したいこと

「優しく、ブレない」というのは、

葛藤するその場では、

必ずしも子どもの要求を呑まずとも、

子どもの「やりきれない気持ち」に寄り添うわけですが、

それ以外の時にも、子どもとの関係を築く接し方をしていくことが、

大切になります。

 

関係の土台があるからこそ、

葛藤を共に乗り越えていけるわけです。

 

ひとまず、忙しい毎日にも、

次のようなことを心掛けると、

とても効果的と実感してますよ:

 

・10分でも「するべきリスト」を横に置いて、

目をみて話を聞いたり、楽しんだりする時間をもつこと。

 

・朝起きた時、別れる時、迎えの時、

目を見て、心をこめて、できたら楽しそうに、

「おはよう、いってらっしゃい、おかえりなさい」と言うこと。

 

・寝る前にハグし、その日どんなに難しいことがあったとしても、

「大好きよ。あなたって素晴らしい」と心から伝えること。

 

これだけでも、随分、違ってきます。

 

 

 

また、「ポジティブなしつけ」の本に紹介してあった

具体例も載せておきますね。

(『Positive Discipline A to Z』by Jane Nelsen, Lynn Lott, and H. Stephen Glennより)

――――――

家族会議で、

「来週〇〇へドライブするけれど、

車の中で喧嘩を始めたらどうしたらいい?」と話し合います。

 

子どもたちも含め、いろいろなアイデアが出た中から、

「喧嘩をしたら、車を道路脇に停めて、おさまるまで待つ」と家族皆で同意。

 

さて、出発。

案の定、喧嘩が始まります。

 

静かに、脇に車を停めるパパ。

パパもママも、

「おさまるまで待ってるからね」とだけ言い、

雑誌や本を読み始めます。

 

楽しみにしている目的地へ行けないと、

喧嘩を止める兄弟姉妹。

――――――

 

ガミガミも「もう帰るよ!」もなく、

ただ、自分たちで決めたことを尊重し、遂行する親。

 

この場合は、

こうして、「家族会議」という事前の働きかけがあったからこそ、

「優しく、ブレない」もより効果的ですよね。

 

定期的に家族で話し合う場を設けたり、

アクティビティーの前に、家族で話し合うというのも、

確かに、とても効果的な「しつけ(教え・学ぶ)の方法」ですね。

 

 

 

 

 

ブレない必要があることを見極める大切さ

「ブレないブレない」と連呼してきましたが、

「これって、本当にブレない必要があるの?」ということって

たくさんありますよね。

 

基本は、

周りや自分を傷つけることはブレない必要がある、

そう私は思いますが、

あとは、臨機応変に柔軟さをもって対応していきたいですね。

 

上の次男の「飲むヨーグルトの件」も、

あの場ではブレない方が、次男にとってより良い学びになったなあと思いますが、

もう少し下の年齢だったり、体調が良くない場合などは、

他のもので気をそらしたり、兄姉に頼んでみたりと、

対応するのもありですよね。

 『It Mama』・「魔のイヤイヤ期」がない文化にある共通点って?

『オールアバウト』「イヤイヤ期」の対応を見直してみませんか?

 

 

またティーンにもなれば、

互いの主張を突き合わせ、

交渉を通して、着地点を見つける姿勢も大切です。

 

そうして普段、柔軟な対応を心掛けていると、

「ここはブレられない」というときに、

子どもたちも、「あ、これは交渉の余地なしなんだな」と、

より納得しやすいのではないでしょうか。

 

 

 

「優しく、ブレない」について、

是非、共に、試し、省み、また実践しと続けてみませんか。

いろんな発見が溢れると思います。

 

 

さて、仕事原稿の後に、

この子が目指してることって何なの?「困った行動」の背景にある子供心理を読み解く方法紹介1

の続きを書きますね。

 

ふと気づくたびに脱力させてくれる飼い犬。     

 

カメラを向け、起きても、

こうです。

みなさん、温もり溢れる日々を!


この子が目指してることって何なの?「困った行動」の背景にある子供心理を読み解く方法紹介1

2018年02月02日 | 思慮あるしつけ(discipline)

今日は、

「子どもの行為の背景」について、

アドラー心理学を基にした「しつけ」についてのロングセラー本の著者、

そして教育心理学博士でもあるジェーン・ネルセン氏らの解釈を紹介しますね。(*)

 

私自身、試し、省み、また試しとしてきたなかで、

「確かに、使える場合も多い」と思っています。

 

こちらにも書きましたが、

『It Mama』寄稿:ママの「~しなさい!」はNG?子が自ら考え行動できるようになる方法&子どもが欲するのは「自分は大切な一員」と感じられること?

アドラー心理学では、

子どもが根本的に欲しているのは、

「自分は大切な一員(belonging and significance)」と感じられること

とします。

 

これって、私自身、

家庭であっても、教室であっても、

そうだよなあと感じてるんですが、

みなさんも、そう思いませんか?

 

それほど問題を起こすこともなくハッピーにその場にいる子たちは、

「自分はこの場で大切な一員」と満たされていて、

問題を起こす手のかかる子は、

この「自分はこの場の大切な一員」という気持ちが、

何らかの理由で満たされていない、

子どもたちを見てきて、確かに、そんな面があるよなあと思います。

 

自分はこの場に属せない、

自分はこの場で必要とされていない、

自分はこの場で邪魔にさえ思われている、

子どもたちは、そう感じる時、

何とかして、

「自分は大切な一員」という気持ちを満たそうと、

「誤った目標」に向かって突き進んでいきます。

 それが、「困った行動」となって表れるんですね。

 

その仕組みを、ネルセン氏は、

大人が抱く感情を基に、

こんなように解説していきます。

 

 

1. 子どもの「誤った目標」:過度のアテンション

 

大人が抱く感情:

子どもの行動にイライラする、不安になる、罪悪感を感じる

 

そこで、

・細かく注意する。

・子どもができることもしてあげる。

と繰り返すとします。

 

そして、子どもが、

一旦困った行動を止めても、何度も繰り返す

一対一で向き合うと困った行動を止める

と反応するとします。

 

すると、子どもは、

「特別なアテンションを受ける時だけ自分は大切」。

「あなたが僕(私)のことで忙しくしている時だけ自分は大切」

と信じるようになります。

そして、ますますその「誤った目標:過度のアテンション」に向かって行動をするようになる、

というわけです。

 

そして、大人の次のような思いや気持ちが、

この「誤った目標:過度のアテンション」を達成しようという子どもの行動を

ますます助長します:

・あなたが困った様子を見るより、私がしてあげた方が楽。

・子どもがハッピーでないと罪悪感を感じる。

・失敗は学びの最高の好機なんて実践できない。

・あなたが残念な気持ちを乗りこえていけるとは思えない。

 

子どもがこうした「困った行動」から暗に示していることとは、

僕(私)に気づいて。

僕(私)を有効に巻き込んで。

といいます。

 

 

 

 2.誤った目標:パワーゲームに勝つ

 

大人が抱く感情:

子どもの行動にムカッとする、挑戦されてる、なめられてる、負かされると感じる

 

そこで、

・争う

・子どもの言うとおりにする

・このままではすまないわよ、正しくありたいと思わせてやる、

と繰り返すとします。

 

そして子供が、

・より強烈な行動をとる

・反抗して従わない

・親や先生が動揺し困ると、勝ったと感じる

と反応するとします。

 

すると、子どもは、

・自分がボスでコントロールできて誰も自分のボスにはならないときだけ、自分はこの場に属している。

・あなたは私に「~させる」ことはできない。

と信じるようになります。

そして、ますますその「誤った目標:パワーゲームに勝つ」に向かって行動をするようになる、

というわけです。

 

そして、大人の次のような思いや気持ちが、

この「誤った目標:パワーゲームに勝つ」を達成しようという子どもの行動を

ますます助長します:

・私がコントロールするのであって、お前は私の言うことをするんだ。

・お前にどうするべきか教え、説教し、お前がしないときは罰をあたえることが、

お前がよりよくなろうとする意欲を高めるために最高の方法。

・お前の力を、より役に立つ形で貢献することを教えるのは大切じゃない。

 

子どもがこうした「困った行動」から暗に示していることとは、

僕(私)に手伝わせて。

僕(私)に選択肢をちょうだい。

といいます。

 

 

 

「誤った目標に突き進む 」からの方向転換の鍵

こうして、大人自らの、

イライラ、不安、罪悪感、怒り、なめられるといった感情から、

子どもの行動の心理を紐解いていくんですね。

 

私自身も、初めのころは、「えっ?」と思ったんですが、

繰り返してみる内に、へ~、ふ~ん、なるほどね~、

と何度も何度も思いましたよ。

 

そして、家庭でも、教室でも、

子どもたちへの対応を考える上で、

役に立っています。

 

 一回、目を通して身につけられものでもないですから、

何度か、読み、省み、試しとしてみてくださいね。 

 

自分は今、

子どもに対し、どんな感情を持っているのでしょう?

そして、どう行動しようとしているのでしょう?

 

すると、

こうした「誤った目標」への連なりに気づき、

方向を変えていくことができるかもしれません。

 

方向を変える鍵は、

上にあげたような、

「困った行動」を通して子どもが暗に示していることを念頭に、

その子が、より有意義に「自分は大切な一員と感じられる」接し方をすること。

 

それには、まず、自分の感情に気づき、

自分がどんな行動をとっているのかに気づくことです。

例えば、

イライラから、こまごま注意し続けている。

不安感から、先回りをして手を出している。

怒りやなめられては困るという気持ちから、何としてでも従わせようとしている。

といった行動に気づきます。

 

そして、大人自らの行動を変えていきます。

また詳しく、書きますね。

 

そして、あともう2つ「誤った目標」が提示されてるんですが、

今日は時間切れです。

 

ひとまず上の2つについて、

是非、試してみてくださいね。

 

 

 

 

さて、明日は勤務先の学校で、

簡単ディベートをします。授業準備完了。楽しみです。

家庭でも楽しいですから、また報告しますね。

 

今日は夕方から、

長男たちロボティックスティームが泊まりで他州です。

 

昨夜は、長男、友人宅にてその準備で、夜中に帰宅したんですが、

朝、「どうやって戻ってきたの?」と聞いたら(←ごめんね、ママ寝落ち)

「We walked」とだけ答えて、またスヤスヤ。

 

「We?」と思いながらも、朝ごはんや弁当作ったりとバタバタし、

ふと階下の部屋にいくと、

昨夜は使わず空のはずのベッドに「とても長い人」が横たわっていて、

思わず、「う、うわああっ!」と叫んで、起してしまいましたよ。

 

真夜中、お友達と2人で歩いて戻ってきたようです。

昨日はそのお友達、誕生日だったんですよね。

ロボット三昧、そして真夜中の散歩(氷点下40分)で18歳。

ああ、青春ですね。

 

10歳離れの兄弟。

 

みなさん、温もり溢れる週末を!

 

(*)参考資料:『Positive Discipline』by Jane Nelsen