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「HSP/HSCはギフテッド」とエレイン・アーロン氏:「敏感さ」という「ギフト」を生かす道のり

2019年03月13日 | ハイリーセンシティブチャイルド

こんにちは!

 

前回の記事で、

寄稿記事「親の喫煙により子どもが抱えるリスク」&ひといちばい敏感な子が背負うリスク

東ティモールの男性78.1%の喫煙率にたまげてたんですけれど、

こちらの厚生労働省の「たばこ情報」なる統計をみると、

日本も50年ほど前は、男性の喫煙率82.3%だったんですよね。

 

それが、平成になる頃には60%となり、

10年ほど前には40%となり、

今では30%以下と落ちてきているわけです。

 

日本の女性は、50年前の喫煙率も15.7%で

この統計によると、

2018年のWHOの11.2%とは少し数値が違い、

8.7%とのこと。

 

グラフをみても明らかなように、

女性はそれほど変わってないですが、

男性はこの50年で、劇的に変わってきたんですね。

 

こちらでお話した『ファクトフルネス』を思い出しますが、

ひといちばい敏感な子の成長事例 & 事実を「観る」ということ

「よくなっている」という事実を認め、

「よくなっていける」という希望を胸に、

問題に向かって、できることをしていきたいですね。

 

 

なぜこういう話をするかというと、

「子どものとの関り方講座」や「子育ちコミュニティー」でも、

男性パートナーとの関係が、

子育てでの大きな課題となっていて、

悩まれている方って少なくないのです。

 

実際、

「夫に子どもとの関わり方を説得するための、

客観的データ集を作ってほしい」、

というリクエストもいくつかいただいています。

 

「〇〇大学の研究といった権威付けがあったり、

客観的データなら取り入れる」

という男性も多いですからね。

 

とはいえ、いくら客観的データをみても、

「自分は怒鳴られて叩かれて育って、

今では社会的にも活躍してうまくいってるんだから、

子どもも怒鳴って叩いて教え込まないといけない」

ということを、頑なに信じているパートナーさんもいます。

 

こうした強固な思い込みを、

少しでもほぐしていくには

どうしたらいいんでしょうね。

 

みなさん、どう思いますか?

私も、考え、できる取り組みを続けていきます。

 

 

 

 

 

さて、今日は、

「ひといちばい敏感な子(ハイリー・センシティブ・チャイルド)」と

ギフテッドの特徴とされる「過度激動」について、

以前少し書いたのですが、もう少し踏み込んでみていきましょう。

「敏感な子」と「ギフテッド」に共通して見られる「感情の強烈さ」、「敏感さ」のポジティブ面を見出す


ちょっと長くなってます:

1.「HSP/HSCと過度激動は同じコンセプト。ゆえにHSP/HSCはギフテッド」とアーロン氏

2.  「敏感さはギフト」ってどういうこと

3.敏感さという「諸刃の刃」の扱いを心得る

4.HSP/HSCが自らのギフトに気づき、磨き続け、差し出していくために

5.「不登校」という言葉のない教育システム

ギフテッドや過度激動について

聞きなれない方はこちらをどうぞ:

ギフテッドについての記事

・過度激動と積極的分離について ← 私自身、それまで「やっかい」としか感じなかった子どもたちの「敏感さ」についてのとらえかたが、180度変わったコンセプトです。

 

 

1.「HSP/HSCと過度激動は同じコンセプト。ゆえにHSP/HSCはギフテッド」とアーロン氏

実は、エレイン・アーロン氏は、

こちらのニュースレターで、

「HSP・HSCと過度激動とは、全く同じコンセプトです。

過度激動がギフテッドの代表的な特徴とするならば、

HSP・HSCは、紛れもないギフテッドです」

としています。

 

では、なぜ、

アーロン氏は「ギフテッド」というコンセプトを、

表に出さなかった/ないんでしょう?

 

それは、

「ギフテッド」としてしまうと、

世間から認められるような形をあらわしていない子や人が、

漏れてしまうことになるからといいます。

 

例えば、

テストで緊張して実力を発揮できにくい子や人、

難解な言葉に圧倒されてしまう子や人、

他の人がみていると力を発揮できにくい子や人、

深く処理するためスピードにのりにくい子や人。

 

こうした特徴がある場合、

明らかに、既成のIQテストや学力や第三者の観察といった「はかり」では、

その子や人の持っている力があらわれにくいですよね。

 

ですから、アーロン氏は、

「敏感さ(sensitivity)」といった特徴のみに着目することで、

「ギフテッド」というあらわれがあろうがなかろうが、

「敏感さ=過度激動」といったコンセプトを必要とするすべての人や子について、

言及しようとした、というわけです。

 

 

 

2.「敏感さはギフト」ってどういうこと

みなさんも、育児書などで、

「感受性の豊かな子に育てましょう」という言葉を

聞いたことがあると思います。

 

これは、

感受性の豊かさは、

能力面や情緒面の成長の源だからです。

 

例えば、

砂浜の貝殻にくぎ付けになって感動するなら、、

貝殻について、より深く知りたいと思ったり、

インスピレーションを形にしたいという気持ちが湧き上がるかもしれません。

そして実際に、貝殻について調べてみたり、絵を描いてみたりするかもしれません。

 

そうして、別の機会に貝殻に触れた際には、

貝殻に対する思い入れも周りとは異なるでしょう。

そして、こうした物事への向き合い方の積み重ねは、

何も感じず通り過ぎる場合とでは、

探究力、表現力、創造力などでも、大きな違いを生み出すはずです。

 

HSCや過度激動を持つ子というのは、

こうした感受性の強さを、

生まれつき持っている子達です。

 

 

また、モンテソーリ教育に、

敏感期というのがありますよね。

・モンテソーリ教育とシュタイナー教育はどう違う?


子どもは、

自発的な好奇心と興味をもって対象に食いつくときがあります。

それが、その子がその対象を通して最も伸びる時であり、

モンテソーリでは、それを「敏感期」と呼びます。

 

HSCや過度激動を持った子というのは、

言ってみれば、日々が「敏感期」に溢れているんです。

周りの物事に強烈に吸い付き続けますから、

つまり、「伸びしろ」だらけなんです。

 

 

3.敏感さという「諸刃の刃」の扱いを心得る

こうして、

「敏感さはギフト」というわけですが、

同時に、

物事を強烈に感じ続けていれば、

周りより疲弊します。

 

また、ポジティブなことだけでなく、

ネガティブなことも、

ひといちばい強烈に感じますから、

より大きな苦しみや痛みを、

感じるということもあるでしょう。

 

 

また、HSCやHSPの多くが持つとされる

5-HTTLPR(セロトニントランスポーター遺伝子:SERT)が短い型を持っている人や動物は、

遺伝子的に、環境からより大きく影響を受けるという研究が、

いくつか出てきています。

 

これらの研究によると、

この5-HTTLPRが短い型を持つ子や人は、

虐待など不適切な環境では、

ウツや不安症になる確率が通常より多くなるのですが、

温もりある適切な環境で育つならば、

心身共にひといちばい健やかに生き生きと力を発揮するといいます。



つまり、HSPやHSCというのは、

周りの物事に強烈に感じ入るため、

環境から受けとる利点と不利点にも、

より激しく影響を受けやすいんです。

  

ですから、

こうした「諸刃の刃」である「敏感さというギフト」を理解し、

自分が立ち上がれなくなるまで自分を責め、傷めつけ過ぎないよう、

力やスキルを培う関り方が大切です。

 

 


4.HSP/HSCが自らのギフトに気づき、磨き続け、差し出していくために

アーロン氏は、

冒頭のニュースレターの最後でこう言っています。

(パラフレーズ訳です)

 

「もし、あなたがHSPで、

子ども時代を振り返るなら、

どうしてこうなってしまったんだろう?と

不思議に思うかもしれません。

 

誰も、私のことを

ギフテッドと思わなかったじゃないと。

 

ウツや不安症やシャイさが、

あなたのギフテッドネスを覆っていたのかもしれません。

 

もしくは、自信や自己価値の意識に欠けていて、

あなたはあなたのギフテッドネスを、

他者を喜ばせることに用いたのかもしれません。

 

そうして、

あなたは、あなたの創造性や何かをマスターする熱狂性を抑えつけ、

人々があなたを好きであることや嫌われないようにすることに

用いてきたのかもしません。

 

それとも、あなたはずっと怒っていて、

あなたのギフトをただただ『難しい人』であることに

用いてきたのかもしれません。

 

何があなたのギフテッドネスをブロックしてきたとしても、

私は、あなたがギフテッドだと知ることによって、

あなたが、あなたのギフトを前へと押し出すことを望んでいます。

 

ですから、どうぞお願いです。

もしそれが助けになるのならば、

あなたの敏感さをギフテッドネスと同じだとしてください。

私はそれを全面的にサポートします。

 

私も含め、誰も、

定義を所有などしていないのですから。」

 

 

定義や分類は、

その子や人が、自身を理解し、

より伸びていくために活用するもの、

私もそう思います。  

 

アーロン氏は、

HSCの性質や関り方への理解が広まることで、

より力を発揮できるHSPが増えていくだろうと

希望を持っています。

 

そして、元々、

HSCの著書を書いたのも、

苦しんでいるHSPがあまりにも多いため、

子ども時代からの環境や関わり方が大切だと思ったためだとしています。

 

私自身、未熟ながら、

少しでもその助けになりたいと思っています。

 

敏感な子について執筆するのも、

敏感さゆえに、生きづらさを抱える子や人が、

自身を理解し、より楽に、力を発揮できるようになってほしいという願いからです。

 

我が家も、

たくさんの課題にぶつかってきましたから。

 

 

 

5.「不登校」という言葉のない教育システム

アーロン氏の著書の訳者で精神科医の明橋大二氏は、

こちらの記事で、

「原因不明の不登校の80%がHSC」としています。

 

私自身、日本に来て以来、

様々な不登校・引きこもりの青少年に出会ってきました。

 

社会は多様です。

多様な集団がありますし、

日々の糧を稼ぐ方法も多様です。


「売る」のが合わないなら、

「作ったり」「修理すれ」ばいいんです。

「書く」のが嫌なら、「奏でれ」ばいいんです。

日本のシステムが合わないなら、

飛び出せばいいんです。

でも、

そうした社会に出るまでの知識や知恵を培う方法って、

どうしてこれほど、画一的なんでしょう。


何度かこのブログにも書いたのですが、

私達家族が16年間暮らしたアラスカ州には、

「不登校」という言葉がありませんでした。

 

「通常の学校」に合わないならば、

「違う選択肢」を試せばよかったんです。

モンテソーリ教育、シュタイナー教育、壁のない学校、

プロジェクトメインの学校、ネイティブアラスカン語や日本語やドイツ語で終日授業をする各イマ―ジョン学校、

権威や秩序を重んじる伝統的な学校、ギフテッドプログラム、そしてホームスクールなど、

実に様々な選択肢がありました。

 

しかもそれらすべて公立ですから、

家庭による費用の負担は、税金を納める以外ありません。

ホームスクールなど、年20万円ほどの補助金さえ出ました。

 

そこでは、「近所の学校」に合わないからといって、

「“普通”のことさえできない」といった罪悪感や自己否定も全く必要ありませんでした。

「こっちが合わないから、じゃあ、あっちを試そうか」といった、

ただただ「前向きな選択」があるだけでした。

 

悩む時間とエネルギーを、

その子により合った場で伸びていくことに、

費やすことができたのです。

 

 

みなさん、

人や子どもの個性が多様であるとするなら、

こうしたシステムの方が、至極自然だとは思いませんか?

 

そして、教育というのが、

多様な社会で力を発揮することを目的とするならば、

こうした多様なシステムこそ、

理にかなっていると思いませんか?

 

今の“通常の教育システム”で、

すくすくと伸びて行ける子はいいんです。

 

でも、そうでない子もいます。

これは、親の育て方とかそういう問題じゃなくて、

実際に青少年に会うと分かりますよ。

「こういう子達が、

今の学校システムに合うわけがない、

違う場で伸びていってほしい」と

思わされる子っているんです。


 

昨今、以前よりは、

HSCへの関心が広がりつつあります。

東京では、フリースクールや異なる学びの場の試みが増えつつあります。

今後、ますますHSCへの理解が深まり、

多様な学びの場が築かれていきますよう、心より願っています。

 

私自身、理解を広めるために、

そして、「社会のほころび」を強烈に感じ、

「割を食っている」親子が少しでも楽になり、

力を発揮していけるために、こつこつとできることを実行していきます。

 

 

 

 

ーーーーーー

こちらに載せた、

ひといちばい敏感な子の成長事例 & 事実を「観る」ということ

アメリカ東海岸に暮らす長男が、

週末の旅の写真を送ってくれましたよ。

 

電車とスケートボードで、

ニュージャーで大学生活する友人に会いに。

その後、バスでニューヨークへ。

クレイグズリストで自転車を25ドル(約2500円)で購入し

ニューヨークを行き、

フェリー乗り場まで。

フェリーでボストンに着き、大学生活する友人と会い、

早朝4時の電車で帰宅。

翌日、救急隊員の仕事だったそうです。

 

みなさん、

世界に出るなら、多様です。

場は日本だけじゃないです。

外に出るなら、日本の改善していきたい面もですが、

日本の良さも、またよく見えるでしょう。

 

 

 

 

最後に、

6月まであと4回を予定している

「ひといちばい敏感な子講座」への感想の一部紹介です。

 

E.M.さん

「小1の息子について、思い当たることばかりで、今、周囲にも恵まれて問題という形では出ていないので、敏感な子ではないのかと思っていましたが、やっぱり敏感な子だったと再認識できました。日々の習慣になっている眠る前のママと2人きりの時間や、私が家で「おかえり」と待っていることが、彼にとって私が思う以上に大事な”充電場“だったと気づきました。彼について、彼の本当のところを掘り起こせるように、でも彼だけに集中し過ぎないように、生活していきたいと思います。」

 

N.R. さん

「ひといちばい敏感な子、三人の孫にも当てはまることがありました。『健やかに力を発揮できるよう育つ9つの鍵』を思い出しながら、育てていきたいと思います」

 

K.E.さん

「子どものことをより客観視できました。安心して自分の気持ちを出せる環境を作りたいと思います。」

 

S.N.さん

「日々の自分の子どもへの対応を考えるいいきっかけになりました。小6の長男は、敏感な子というのとは違うのかなーと思っていましたが、あてはまることが多く、そういう面からもサポートしてあげたいと思いました。扱いにくさや育てにくさばかりにフォーカスしないよう、気を付けたいです。」

 

I.Y.さん

「いつもありがとうございます。日本語の情報が限られている中、ブログや講座でいろいろな情報をシェアしていらして、ものすごく感謝です。調べると膨大な量なので、まとめて教えてらして、忙しいママさんたちに、本当に役に立っていると思います。色んな人や専門家と話しましたが、5人のお子さんを育てる方の体験は貴重です。」

 

本出版決定への感謝を込めて、

『ユア子育ちスタジオ』会員費用をディスカウントさせていただいてます。


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それではみなさん、温もり溢れる春の日を!


寄稿記事「親の喫煙により子どもが抱えるリスク」&ひといちばい敏感な子が背負うリスク

2019年03月11日 | ハイリーセンシティブチャイルド

こんにちは!

 

人と人との触れ合いが、

創り出していくものに、

感動する毎日です。

 

出会い、話し合うことで深まり、

そうして生まれるひとつひとつの変化に、

感謝です。

 

これからも、

少しでもより良い変化を生み出せますよう、

できることをコツコツと続けていきます。

 

 

 

さて、今日は、

週末に掲載された『オールアバウト』さんへの寄稿記事:

「子どもの前でタバコ…親が喫煙する家の子どもが抱えるリスク」

について、思いをつづらせてください。

 

今回、機会をいただき、

リサーチしてまとめることを続けながら、

「子育て全般の課題にもいえることだなあと、

しみじみ思っていました。

 

 

以下、記事から広がるあれこれ5点です。

 

1. 日本の喫煙率って世界的にみてどうなの?

アメリカで暮らすと、

日本などのアジアやヨーロッパでの、

喫煙への寛容さに驚きます。

 

日本では、何といっても、

自動販売機で買えますしね。

 

こちらのWHO(世界保健機関)による2018年版のデータによると

現在、日本の喫煙率は、こうなっているようです:

男性 33.7% 70位  

女性 11.2% 55位     

 

ちなみに、先のアメリカは、

男性 24.6% 104位

女性 19.1% 39位

 

そして、喫煙率一番は、どこだと思いますか?

男性が東ティーモール 78.1%

女性がモンテネグロ 44%

だそうです。

 

チャート見ながらたまげてたんですが、、

男性喫煙率80%近くって…。

しかも女性喫煙率6.3%という男女差なんですよね。

まあ、文化的なものでしょうね。

ちょっと調べてみたいです。

 

 

チャートを見ていると、

東ティモール程ではないものの、

全ての国において、男性が女性より喫煙率が高いわけですが、

特にアジア圏では、より男女差が大きいのも特徴です。

 

例えば、フランスは、

男性も35.6%と喫煙率高いですが、

女性も30.1%だったりします。

女性喫煙率44%で1位のモンテネグロも、

男性喫煙率47%です。

 

一方、

日本は、男性が女性の3倍の喫煙率ですし、

韓国も、男性が女性の6倍以上。

 

こうした男女差の大きい地域では、

多分、男性と女性の生業や

「男(女)はこうあるべき」といった区別が、

よりはっきりしている、

ともいえるのでしょうね。

 

 

 

2.不必要なリスクを子どもに背負わせない

「喫煙ってよくないですよ」という説に対してよくあるのが、

「いやいや、80歳までタバコ吸ってて、元気でぴんぴんしてる人知ってるよ!」

といった返しじゃないでしょうか。

 

私の身近にもいます。

夫の祖父は、90歳まで喫煙者でした。

そして、3か月前に104歳の誕生日!を迎えました。

しかも、子ども時代イタリアから移民して以来、

大気汚染が深刻で喘息率も高いとされる南米チリの首都で暮らしています。

(・義祖父101歳の誕生日!大海を眺めるような気持ちを大切にしたい

 

 

でも、こうした事例は、

あくまでも「例外」なんですよね。

 

統計的には、明らかに、

喫煙者の方が、疾患を抱えるリスクが増します。

そして、記事にまとめてますが、

「二次喫煙」「三次喫煙」の害についてのデータも

続々と出ています。

 

ですから、

身近な事例がうまくいっているからといって、

そうした「いらんリスク」を、

子どもに背負わせないこと。

 

それが、未来を担う子どもを取り巻く大人ができることの一つでしょう。

 

 

 

3.子どもは親の表面的な「言葉」より、実際の「行動」から学びます

記事で紹介した研究のひとつに、

「喫煙についてティーンにどう話すと、

ティーンが喫煙をしなくなるか?」

といったものがあります。

 

頭ごなしに「吸うな」と説教するなら、

その6か月後にティーンが喫煙する率が上昇したそうです。

 

そうではなく、

親が親自身の喫煙体験について話したり、

もし禁煙できないのなら、その葛藤について話すなどした方が、

ティーンはより喫煙しなくなったとのこと。

 

子どもは、「偽善」を見抜きます。

表面的な「いい・悪い」より、

「行動」で示し、

親の気持ちや思いを話し合った方が、

心に届きます。

 

私自身も、痛感してきましたよ。

 

 

4.目指したいのは「従う力」でなく「自分で考え判断する力」を培うこと

記事であげた「初めの一本を吸わない運動」をされている医師の土井たかし氏は、

日本の青少年に「アクティブ・ラーニング」を用いたアプローチをされているそうです。

 

それは、土井氏が、様々調べ、試す中で、

頭ごなしに「吸うな!」といった一方通行の教育では、

子どもの身にはつかないと思ったからだそうです。

 

そこで、

タバコの成分の理解から、タバコを取り巻く社会状況までを、

青少年と話し合うことを通して、

「初めの一本を吸わない」ことについて、

考えてもらう活動をしているとのこと。

 

 

 

親として目指したいのも、

その子が自分の頭で考え、

より適切な行動を選ぶ力を育むことですよね。

 

見ていないなら「する・しない」だったり、

ただ「従う」ことを目指したいわけじゃないです。

 

「子どもとの関り方講座」でもお伝えするのですが、

それには、親は、子どもに言うことを聞かせるといった立場ではなく、

問題を前に、共に考え、工夫し、解決する同志のような立場で、

子どもに関わっていきたいです。

 

そうして、

親子の間に、話し合える関係を築いていくこと。

こうした関係づくりは、幼少期から、

その子の発達段階に合わせ、実践していくことができます。

 

また子どもの年齢が高くなるほど、

記事にあげたような客観的な研究データや統計も、

話し合いを深める資料として、親子の間にはさみ、

存分に活用していきたいです。

 

 

 

5.とても敏感な子は身をもって警鐘を鳴らしてくれる?

『The Highly Sensitive Child』の訳者で精神科医の明橋氏は、

つい先日2月20日に出版された著書『何か他の子と違う?HSCの育て方』の中で、

こんなことを言っています。

 

「HSP・敏感な人がいることによっても、私たちは何らかの恩恵を受けているわけです。

芸術的な才能がある。環境問題や環境の変化、大気汚染、添加物に敏感で、

身をもって環境の悪化に警鐘を鳴らしてくれる、そういう存在でもあります。」

 

ひといちばい敏感な子は

有害な化学物質などにも、敏感な場合があるということは

あるのかもしれませんね。

 

だとすると、

喫煙、二次喫煙、三次喫煙などにも、

より敏感ということもあり得るんですよね。

 

家の子達の場合は、化学物質というか、

匂いに敏感なので、

はるか遠くのタバコの煙を察知し、

鼻をおさえます。

そして喫煙者の傍にいると、如実に気持ちが悪くなってます。

 

 

また、明橋氏は、

「ひといちばい敏感な子が生きづらい社会とは、

実は、多くの人が生きづらい社会」といいます。

 

敏感系な子は、

物事をひといちばい強烈に感じ、

拡大鏡を手に周りを眺めているような子たちですから、

確かに、大多数が気に留めないような「社会のほころび」にも、

立ち止まるようなところがあります。

 

以前紹介した

「不登校の子は割を食っている」のも、

まさにそうですね。

精神科医清水將之氏へのインタビュー記事、「不登校」とは今の学校が「おかしいと疑問を持つ子が割りを喰っている」状態という指摘に納得

私自身、日本に来てから様々不登校の青少年と出会う中、

このことを実感しています。

 

 

敏感な子どもたちが、

「身をもって警鐘を鳴らしてくれる」

ということがないよう、

喫煙状況はじめ、様々な環境を見直し、整えていきたいです。

 

 

記事では、「二次喫煙」や「三次喫煙」について紹介し、

喫煙が、子どもの、身体、情緒、認知面に与える影響についての研究をまとめてあります。

そして、親として何ができるかを提案してあります。

 

興味ある方、是非、読んでみてくださいね。

「子どもの前でタバコ…親が喫煙する家の子どもが抱えるリスク」

様々なインプットをしてくださった編集者さんに感謝です。

 

 

 

 

 

最後に、

講座の方もあと3か月となりました。

縁あります方と、共に変化を生み出せますよう、

全力を尽くします。

 

以下、講座への感想メールです。

ーーーーー

今日は素敵な講座をありがとうございました。

真意子さんのあたたかな雰囲気でリラックスして学ぶことができ有意義な時間でした。

 

講座の後、アドラーを学んでた時と同じ感覚が久々に蘇って、息子との時間が昨日までよりも愛おしく楽しくて穏やかでした。この感覚からちょっと離れてたんだなと感覚として体感できたことも良かったです。

 

かなり忘却の彼方へ行ってしまっていた、どう反応するかは自分で選べるんだということを思い出させてもらいました。イーッとなったとき実践してみます。

 

話し合いに救われている参加者さんもとても心に響きました。

素敵な時間をありがとうございました。

ーーーーー 

 

本出版決定への感謝を込めて、

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春By 次女

 

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