goo blog サービス終了のお知らせ 

マイコー雑記

行き来するもの書き留め場

『It Mama』寄稿:「言うこと聞かないとおやつあげない!」はNG!? 罰以外にしたい3つのコト&次世代に伝えたい「しつけの方法」とは?

2018年01月30日 | 思慮あるしつけ(discipline)

罰というと、

「おやつあげないよ!」という軽めのものから、

身体を痛めつける体罰まで、「重さの範囲」があります。

 

研究として分かっているのは、

体罰は、長い目で見たら、

子どもの行為を改善する効果が全くないということ。

そればかりか、

親子関係を損なったり、

子どもの攻撃性を促進してしまったりと、

一生にわたって子どもにネガティブな影響を与えてしまうということです。(*)

 

そして、「体罰」は、その子が親になったとき、

子どもへ同じことを繰り返してしまうと、受け継がれる場合が多いといいます。

「子どもに言うことを聞かせるための他の方法」を身に着けてませんから。

 

 

では、「軽めの罰」ってどうなんでしょう。

 

例えば、

「静かにしないなら、帰るよ!」

「仲良くできないなら、もうお友達の家に来ないよ!」

「言うこと聞かないならおやつナシ!」

などなど。

 

私も、子育て初めのころ、

よく使ってました。

 

子どもが楽しみにしていたお出かけ前に、

「そうやって喧嘩するなら、

もう今日は出かけないよ!」と叫んだり。

 

こうした「罰」をついつい用いてしまうのも、

それ以外の方法が身についていないから、ですよね。

 

なぜなら、

私たちの親世代も、その前の世代から代々と、

「しつけの方法」といえば、

「罰・脅し・怒り・恥・報酬」がメインでしたから。

 

ですから、「言うことを聞かせなければ!」と思うなら、

こうした「罰」や、

「お化けがくるよ~」といった「脅し」や、

「恥ずかしいわね!」といった「恥ずかしめ」や

「キャンディーあげるから」といった「報酬」

を反射的にしてしまうわけです。

 

 

 

でも、しつけには、他の方法があるんですよね。

 

そして、それらの「他の方法」の方が、

親子関係も、家庭の雰囲気も、子どもの心面も、

断然、健やかになる、そう実感しています。

 

そして、

「敏感系の子」や「難しい性質の子」に必要な「思慮あるしつけ」とは、

まさに、これら「他の方法」を用いていくということ

そう思います。

 (「ひといちばい敏感な子」についての研究者エレイン・アーロン氏も、

「ひといちばい敏感な子」が幸せな人生を歩むには、

「思慮あるしつけ」が必要と唱えています。『The Highly Sensitive Child』より)

 

それら「他の方法」を、

繰り返し試すことで、

身体になじませ、身に着けていくこと。

 

是非、次世代には、

「罰・脅し・怒り・恥・報酬」以外の方法を、

受け渡していきたい、そう思いませんか?

 

そうして、

1人でも、「敏感系の子」や「難しい性質を持った子」が、

持てる力を発揮できるようになってくれたら、

そう願っています。

 

 

記事には、

「軽めの罰」が体罰の入口になり得ること。

そして、「罰・脅し・怒り・恥・報酬」以外の「しつけの方法」も3つ紹介してあります。

興味ある方、是非どうぞ!

・「言うこと聞かないとおやつあげない!」はNG!? 罰以外にしたい3つのコト

 

 

 

それで、

こうした「他の方法」を知ったとして、

でも、長年「罰・脅し・怒り・恥・報酬」といった方法がしみこんでますし、

忙しかったり、イライラしていたら、

そちらの方が、するすると出てくるものです。

 

でも、

「理想の方法」といった「理想」を持つことって、

その存在があるだけでも意味がある、

そう思いませんか?

 

 

「理想の方法」はストッパーになります

もし、

「罰は必要ないですよ。他に方法がありますよ」という

「理想の方法」を全く知らないとしたらどうでしょう?

 

昨日も私、

「しまった」な対応をして、

「理想は、こうじゃないよな」と思った出来事がありました。

 

――――――――

娘の1人が、

私の傍にきて、「は~」とため息。

 

「ああ、なんでこんなことしちゃったんだろう。あ~あ」と

わざと、私に聞こえるように言います。

 

私:なに?

娘:ああ、言ったらママ怒るだろうなあ。私もしまったと思ったもの。

私:なんなの?いいから言いなさいよ。

娘:ああ、でもなあ、ああ。

私:いいからさ、言って。じれったい。

娘:カレーを器に入れすぎちゃったから、鍋の中に戻したら、

ご飯まで鍋にボトボトボトって入っちゃったんだよね・・・。

 

そこで私、

「えーーー!ちょっとー!」と叫びながらキッチンへ行き、

「もおー、何なのよー!何時間もかけて出来上がったばかりなのにー!」と

鍋の中にばらばらになったお米をすくいながら、ぷりぷり怒ります。

 

ここで、「ストッパー」が効き始めました。

 

「あのさ、これから気をつけてね。

ご飯がついであるときは、戻さなくていいから。

他の子にあげるとかできるからさ」

と、少し落ち着いた声で。

 

しょんぼりして下を向き、

自分の部屋に向かう娘。

 

はにかみながら話してくれた娘の表情を思い出しながら、

うなだれ去る娘の背中をながめ、

「ジョージワシントンの桜の木」の話が浮かびましたよ。

 

「そうだよね。

しちゃったことを正直に告白した時は、

まず、よくぞ告白してくれたねと、

認めてあげるのがいいんだよね。

あと、一緒に鍋からお米をすくいながら、

今度どうしたらいいかを話し合ってみてもよかったよね」

などなど思います。

 

結局、しばらくして皆集まり、

他の子にカレーをつぎながら、

「〇〇(娘)が、ご飯、鍋の中に落としちゃったっていってくれたから、よかったわ。

じゃないと、この白いの何だろって思うよね」と私。

 

娘も、その頃には、

「ママ、もうやめて~」と笑いながら返してました。

 

 ーーーーーーーーーーーーーー

 

もし、

・子どもが何かしでかしたことを正直に告白したら、まずは告白した正直さを認める。

・失敗したら、一緒に解決策を考え行動する。

 

といった、「理想の方法」を知らなかったら、

私の場合、

「やることが山積みの合間に、

何時間もかけてコトコト作ったカレーを、よくも!」と。

怒りが、もっとエスカレートしていたでしょうね。

 

「理想の方法」とは、

たとえ完璧にできることはないとしても、

悪循環へと落ちていくのを止めるストッパーになってくれる、

子どもに向き合う毎日に、そう実感しています。

 

 

 

「理想の方法」は灯台のようなもの

例えば、

心身共にへっとへとの中、

理不尽な要求をつきつける子供に「しまった」と思う反応を連発してしまい、

疲労と自己嫌悪の真っ暗闇にしゃがみこんだとします。

←ありますよね、こんな日。

 

そこで、

「理想の方法」をもう一度、

思い出してみます。

 

「教えないと・分からせないと・納得させないと」といった「ないと」を少し横に置き、

ただただ、子どもと楽しむ時間を10分でも持ってみる。

 

そう思い出し、寝る前の10分、実行してみます。

 

真っ暗闇に、

この10分があるのとないのとでは、

随分と違ってくるのではないでしょうか。

 

「理想の方法」とは、

こうして、真っ暗闇にも、

「こちらだよ」と照らしてくれる灯台のようなもの、

そう自らの体験を振り返っても思います。

 

 

 

「理想の方法」が自らの首を絞めるときの処方箋

確かに、「理想の方法」が、

自らを苦しめる場合もあります。

 

「理想のようにできない」という罪悪感で自らを責め、

イライラして、余計にできなくなり、

ますますイライラする、という悪循環になってしまう場合です。

 

その処方箋は、

「少しでもできた」ことを認めていくこと、

これに尽きるのではないでしょうか。

 

「一気に完璧な理想へたどり着く!」なんてことを期待せず、

例えば、

「今日は、2回怒鳴ったけど、そこから持ち直して、子どもと楽しむ時間を持てた」

「怒りをぶつけたあげく、手を上げそうになったけど、他の方法を試そうと切り替えることができた」

「今日は子どもの『できている時』を3回認めてあげることができた」など、

少しでも自ら「できたこと」を認め、労うこと。

 

普段の子どもの関わりに、

「罰・脅し・怒り・恥・報酬」以外の「理想の方法」も試してみよう、

それぐらいの姿勢で進めるのがいい、そう思います。

 

 

 

 

「罰・脅し・怒り・恥・報酬」以外の「しつけの方法」を、

具体的に、様々な形で発信できたらなと思っています。

少しでも、生きやすくなる子が増えていくことを願いつつ。

 

 

 

 

また「カレー話」ですが、

ロボティックスに集まるティーン男子に、

「カレー食べる?」と聞いたところ、

インド系の男の子が、

「もちろんです。僕は、文字通りカレーでできてますから」と答えてくれましたよ。

確かに、インド系の方の多くは、毎日、カレーなんですよね。

 

ロボティックスなティーンたち。

 

さて、

これから次女と三女のランニング練習、

そして、長女がチアリーディングで痛めた膝のフィジカルセラピーです。

←次女の膝が回復と思ったら、長女ですよ。

セラピストの方に特定の筋力トレーニングを教えていただき、おかげさまで回復中。

必要な個所に筋肉をつけるって大切ですね。

 

みなさん、今週も喜び溢れる日々を!

 

 

(*)参考資料

Physical punishment of children: lessons from 20 years of research

Joan Durrant, PhD and Ron Ensom, MSW RSW


「難しい性質の子」ほど「思慮ある対応」が必要、私自身の「子育ち研究」の原点をつづらせてください

2018年01月26日 | 思慮あるしつけ(discipline)

これまで体験・リサーチ・発信を続け、

そして今も続ける中で、

「これだ!」と思う子どもの関わり方のポイントを、

より役に立てていただける形へとまとめています。

 

今日は、その原点をつづらせてください。

日々、この原点に立ち返り、

前への一歩一歩を踏み出していきます。

 

 

私の夫は、

南米の極貧家庭で生まれ育ち(毎日豆と米と、時に卵を食べて生きる)、

小学校低学年時に重度の学習障害と診断され、

何度も落第寸前のところ(小学校高学年で文章を、高校生で初めて本を読めるようになる)、

シングルファーザーだった父親が学校に頼み込み、

何とか高校まで卒業しました。

 

その後、18歳で米国へ移住し、

肉体労働や皿洗いをしながら、

誰でも入ることのできるコミュニティーカレッジで8年間学び、

周りの何倍もの時間をかけいくつか資格を取り、

自ら夢にみた専門職につきます。

←出合った当時も、

森で野宿しながら、山火事を消すクルーに呼ばれると加わるという、

ホームレスな生活をしていました。

 

一方、私は、

裕福ではないものの日本の中流家庭に育ち、

学業成績に優れていたわけではないものの大学院まで出してもらい、

運よく雇っていただいたアラスカの大学で講師をしながら、

メンタルを壊します。

 

 

少しずつ、自ら思い描いた夢を実現していく夫(今も驀進中)。

その隣で、少しずつ、日常生活さえ、ままならなくなっていく私。

 

 

夫にくらべるなら、何倍も恵まれていたはずなのに、

なぜだろう?

夫が持っていて、私にはないものとは、何なのだろう?

底を這うような日々に、そう問い続けました。

 

 

 

そんな2人の間に生まれた5人の子どもには、

様々な面で、凸凹がありました。

 

学習障害のディスレクアは、

一説には60%の確率で遺伝すると言いますし、

「不安感の強さ」や「感情の強烈さ」や「敏感さ」についても、

そういう親に育てられるとそうなりやすいということもあるでしょうが、

性質的にも、受け継ぐ部分があるのでしょう。

 

火がついたように泣いては止まらない͡赤ちゃん

こだわりの強い子

感覚過敏

癇癪持ち

ひといちばい敏感な子

完璧主義

学習面での凸凹…。

 

 

この子たちを、

何とか、この社会を生き抜ける子に育てたい。

 

私たち2人がそうであったように、

自らの凹面に打ちひしがれ、倒れる時もくるでしょう。

それでも、再び立ち上がり、進み続ける子に育ってほしい。

 

私たち2人がそうであったように、

至らなさから、周りに迷惑をかけるでしょう。

それでも、持てる力を発揮し、

少しでもその力を還元できる子に育ってほしい。

 

 

そこで、子育ての合間に手に入る細切れ時間に、

文献を読み漁り、片っ端からまとめ始めました。

そして、文字で理解したことを、

実際に試し、考え、また試しと繰り返してきました。

 

これが、私自身の、子育ち研究の原点です。

 

 

 

そうして見えてきたのは、

「難しい性質」の子には、

ポジティブなこともネガティブなことも、

まるで、虫眼鏡を通すかのように、

拡大して伝わりやすいということ。

 

つまり、

「難しい子」ほど、

より「思慮のある関わり方」が必要なんです。

 

 

そして、こうした関わり方とは、

結局、どんな子にとっても、役に立つのでしょうね。

虫眼鏡を通して細密に作られたものが、

虫眼鏡をはずして見ても、

より完成されたものと映るように。

 

 

 

 

こうした子育ち研究で得た知恵によって、

子どもたちがひとつひとつ課題をこえていく体験とは、

同時に、私自身が長い間引きづってきた課題を

ひとつひとつこえていく体験でもありました。

 

子どもが、

自らの凸凹面への向き合い方を、

少しずつ身に着けていくにつれ、

私自身、それらへの向き合い方を培ってきたのです。

今では、子供たちと共に、随分と楽になった自分がいます。

そしてそれは、今も続いています。

 

 

 

親は、

子どもの抱える問題に共に向かうことで、

共に成長していくのですね。 

 

子育ては、

親自身が抱えてきた問題を解決する機会を与えられている

そういうことでもあるのかもしれません。

 

その中には、

代々受け継がれてきたものもあります。

 

それでも、

今この目の前にある、

親子で抱える問題へどう向き合うか、

私たち一人一人は、選択する力を持っている、

そう思い出していきたいです。

 

 

 

 

これからも、

こつこつと、子育ち研究を続けていきます。

 

そして、私自身、

これまでの研究や周りの方々から多大なる知恵を受け取ることで、

少しずつ以前より改善できたように、

そんな「知恵の循環」に、少しでも還元することができたら、

そう願っています。

 

これからも、精進を続けますので、

みなさん、どうぞよろしくお願いします。

 

 

 

 

さて、今夜は高校生10名近くが

階下に泊まり込みでロボティックスです。

か、階下が、すごいことに・・・。

ティーン男子の10人分のお腹を満たすには、何がいいんでしょうかね。

明日は、勤務先の学校で習字ですよ。楽しみです。

 

みなさん、温もり溢れる週末を!


『It Mama』寄稿:ママの「~しなさい!」はNG?子が自ら考え行動できるようになる方法&子どもが欲するのは「自分は大切な一員」と感じられること?

2018年01月24日 | 思慮あるしつけ(discipline)

大晦日に最終の課題を提出した、

アドラー心理学を基にする「ポジティブなしつけ講座」を修了し、

認定講師となりました。

「子どもと親は対等」というアドラー心理学の言説について&「しつけの原点」とは?

 

米国でロングセラーとなっている『ポジティブなしつけ』の著者で

7人の子どもさんを持つ教育心理学博士ジェーン・ネルセン氏が主宰するこの講座、

こちらのブログでも何度もとりあげている

小児精神科医ダニエル・シーゲル氏のアイデアも多く取りあげられていて、

とても共感し、その効果を納得するものでした。

 

学んだことを今後も深め続け、

より日常に落とし込み、

これまでのリサーチや体験と合わせ、

活動していきますね。

 

 

子どもに接する毎日が、

育んできた知識や知恵を

試行し、分析し、改善する機会ですね。

 

そうした日々には、

「取り返しのつかない失敗」はなく、

ただ、「親子で成長する過程」があるだけ

そう思い出していきたいです。

 

 

 

この『It Mama』さんの記事へは、

子どもの主体性を培う言葉がけについて、

具体的な一例をまとめました。

 

子どもは、

「自分はこの場で必要とされる大切な一員」と感じられる時、

主体的、意欲的に、

協力するようになります。

 

そしてアドラー心理学では、

この「自分は大切な一員(belonging and significance)」と感じられることこそ、

子どもが根源的に求めていること、

そうとらえるんですね。

 

みなさんも、 

子どもたちを見ていて、

確かに、そうだなあと思いませんか?

 

自分はこの家で、大切な一員と思われている、

自分はこの教室の中で、大切な一員としてみなされている、

そう子供たちが感じられる時、

子どもは自らすすんで協力的となり、

「困った行動」も減っていきます。

 

 

記事では、

言葉を発する前にちょっと気を配ることで、

確かに変化が生まれると私自身も実感している

「主体性」「考える力」「問題解決力」を育む言葉がけを紹介しています。

興味ある方、是非どうぞ!

ママの「~しなさい!」はNG?子が自ら考え行動できるようになる方法

 

 

記事で紹介した、

「指図から質問へ」といった言葉がけですが、

家庭はもちろん、

教室でも、確かに効果があります。

 

例えば、

現在勤務先の学校にて、

ベテラン先生の教室を手伝っていたときのことです。

 

席を立って、後ろのクッションに寝そべる生徒に

ベテラン先生がいいました。

「〇〇君、今何したらいい?あなたは、自分でよく分かってるのよね」

それだけ言って、授業を続けます。

 

すると、〇〇君、

しばらく寝そべってましたが、

いそいそと席に戻ります。

 

「席に座りなさい!」といった「指図」ではなく、

こうした「質問」を用いる時、

子どもが受け取るメッセージとは、

「あなたならできる」といった信頼なんですよね。

 

 

 

また、

先週のみたらし団子づくりでは、

こんなことがありました。

 

白玉粉に水を混ぜて、コネコネと丸め始める生徒達。

ボールにこびりついた白玉粉を取りやすいようにと、

スパチュラではがして差し出す私。

 

一段落して、ベテラン先生の傍へいったところ、一言。

「私はね、大まかにどう作るかを説明した後は、一切手を出さないのよ。

中学生なんだから、もう何でも自分たちでできるじゃない?」

 

がつんと、きましたよ。

 

思わず、「まさしくです!」と叫んでました。

 

「本当に、そのとおりです・・・。

生徒たち自身で試行錯誤した方が、

より思い出になるでしょうし、

料理のスキルも身につますよね」と私。

 

頷きながら微笑むベテラン先生。

 

「大人が手を出し過ぎる」といった態度から子どもが受け取るメッセージとは、

「あなたならできる」の逆で、

「あなたにはできない」なんですよね。

 

 

 

「言葉がけ(指図→質問)」や「態度(手伝い過ぎない)」を通し、

「あなたならできる」というメッセージ伝えていくこと。

それは、

子どもたちが根っこのところで欲っしている、

「自分はこの場で必要とされる大切な一員」という気持ちを満たすことになる。

すると、子どもは、より主体的に協力するようになり、

その場での「困った言動」も減っていく。

 

この流れを覚えておきたいです。

 

また違った側面からも、

このテーマを表現し続けていきたい、

そう思っています。

 

 

メモ:

「自分はこの場で必要とされる大切な一員じゃない」

子どもがそう感じるとき、その子は、様々異なる方法で、

この欲求を満たそうとします。

 

好ましくない行為をわざとして注意を引く、

パワーゲームに勝つ

他者や自分を傷つける

そして、欲求を満たすこと自体を諦めてしまう場合もあります。 

 

上の反抗期君のような場合は、

「席につきなさい!」「ちゃんと座りなさい!」と「指図」され続けることで、

「先生に従わずきーきーと特別なアテンションを向けられるクールな自分」

といった「間違った方法」で、

「自分は重要な一員」という欲求を満たそうとしてしまう場合もありますね。

← これは私自身、クラスに入り始めた当初、はまってしまったサイクルです。

気づくことで、生徒君たちの雰囲気も、がらりとかわりました。

 

反抗期の中学生君たちを相手に、

その対応加減を学んでいますよ。

 

 

 

飼い犬リオの足跡。

次女撮影

こちら雪も落ち着き、今日は日中15度近くまで気温があがりましたよ。

 

みなさん、温もり溢れる日を!

 

 


『It Mama』寄稿:親バカもほどほどに!褒めすぎると「失敗を恐れる子」になる!?&褒める代わりに何ができる?

2017年12月22日 | 思慮あるしつけ(discipline)

ここ数か月、

心理学者ジェーン・ネルセン氏の「ポジティブなしつけ」講座で学んできました。

 

ネルセン氏はご自身を「アドレリアン(Adlerian」とし、

「ポジティブなしつけ」講座も、

「アドラー心理学」を実用的に子育てに生かせる形にしたものです。

 

 

ネルセン氏は、以下の5つつを「ポジティブなしつけ」の基準としています。

 

・親切(kind)でありつつ、きっぱりとしている(firm)。

 

 ・子どもが、所属感、自身の重要性、繋がりを感じられるよう助ける。

 

 

・長い目で見て効果的。

 

・社会的スキル&ライフスキルを教える。

 

・子どもがいかに自分が能力を持っているかを発見し、

自身の力を建設的に用いることを助ける。

 

 

 

具体例や、親御さんとできるゲームなども満載で、

これまでの私自身のリサーチや体験と照らし合わせつつ、

興味ある方々にお伝えしたい気持ちでいっぱいです。

こつこつと、まとめていきますね。

 

 

 

ここでは、「褒める」についてを取りあげます。

 

「褒める」については、

私自身も、これまでリサーチを基にまとめてきています。

・『オールアバウト』子供の為にならない!5つのNGな褒め方とは?

 

そして、体験を通しても思います、

「褒め方」によっては、確かに、ネガティブに働き得るなと。

 

 

 

ネルセン氏が問題にするのは、

「褒める」ことは、結局、

子どもの主体性を育てることにはならないのじゃないか、

ということです。

 

「褒められたい!」が、

その子の言動の動機になってしまい、

内から湧き上がる好奇心や関心といった「内発的動機」が損なわれてしまう

というんですね。

(←「褒める」は、「報酬」と同じように「外発的動機づけ」として働く、

という研究にも、私自身、上の『オールアバウト』の記事で言及しています)

 

それで結局、「褒められないならしない」と、

せっかく取り組んでいたことが長く続かないこともありますし、

自分が本当に何をしたいのか、

分からなくなってしまう場合もあるだろうというわけです。

 

 

「褒め殺し」という日本に昔からある言葉って、

本当に、「褒める」が「もろ刃の刃」になり得るということを、

よく表してますね。

 

 

 

また、私自身も様々試し、考え続けてきて、

ネルセン氏の著書にもあるんですが、

「褒める」って、やはりどうしても、

上から下へ向けて、上が思うような型にはまるよう促す視線、

といえるのではないでしょうか。

「対等な関係」じゃないんですよね。

 

 

だからといって、「褒めないでおこう」というより、

次のように、子どもを「励まし」てあげたいです。

 

心から感動を伝える  「うわあ、あなたの選んだ色合い鮮やかで素敵!」

認める        「難しい問題なのに、最後まであきらめなかったね!えらいなあ」

励ます        「これだけ練習したし、あとは全力でぶつかっていこうね」

感謝する       「静かにしてくれてありがとうね」

 

普段から、たくさん、

心から感動を伝え、認め、励まし、感謝してあげたいですね。

 

子どもの気持ちも落ち着き、

自己肯定感も高まり、

健やかに生き生きとする、

そう実感しています。

 

 

 

記事では、

こうして、「褒める」時に思い出したいこと、

そして、「褒める」代わりに、

認め、励まし、感謝することについて、

コンパクトにまとめています。

 

興味ある方、是非どうぞ!

親バカもほどほどに!褒めすぎると「失敗を恐れる子」になる!?

(ちなみにタイトルは、毎回、市場エキスパートの編集者さんが知恵を絞ってくださいます)

 

 

 

最後に、

「心からの感動を伝える、認める、励ます、感謝する」といっても、

上に書いた具体例をみても、

中には、日本語では、「褒める」という言葉でくくってしまえる場合もありますよね。

 

巷にあふれる「子どもをたくさん褒めてあげましょう」といったアドバイスは、

私自身、雰囲気的にもポジティブな方向性で好きなんですが、

心から感動を伝え、認め、励まし、感謝する、

といった言葉を念頭におくと、

私自身がそうであったように、整理しやすいのじゃないでしょうか。

 

 

 

さて、明日から冬休み突入です。

賑やかに過ごしますね(←主に家族だけですが)。

 

去年のホリデイシーズンに記した「気づき」:

「あなたって素晴らしい(you are wonderful)」と何の根拠もなく抱きしめる「非日常」なひとときを

 

ホリデイシーズンの街に溢れる「差し出す喜び」、「~すべき」のコアに思い出していきたいですね

 

『オールアバウト』へ「人生を楽しむ鍵!感謝の気持ち持つ子に育てる方法」をまとめました

 

きらびやかなホリデイシーズンの陰で倒れこむ家族がいないよう「分担」していきたいですね

 

兄弟姉妹間、親子間、そして自分に対しても気をつけたい「人格批判」→「恥の意識」→「改善困難」

 

子どもへのホリデイ・プレゼント何にした?という質問&年明けへのカウントダウン!感謝を込めて

 

 

 

先週は、南米チリのひいおじいさんが、

103歳!の誕生日を迎えましたよ。

 

その昔、イタリアから南米へ移民。

今でもかくしゃくとし、

数年前まで、毎日歩いて事務所に向かい仕事をしていたそうです。

74歳で後妻さんとの間に14人目の末っ子誕生。

義祖父101歳の誕生日!大海を眺めるような気持ちを大切にしたい

 

みなさん、人生まだまだこれからですね。

ハッピーホリデー!


『It Mama』寄稿:子どもに怒りをぶつける前に!思い出したい「3つの質問」&変化を起こせる可能性は日常に溢れている

2017年12月14日 | 思慮あるしつけ(discipline)

暖冬だったこちら米国東海岸も、

ここ1週間ほどは雪が舞い、

氷点下の日々が続いています。

 

みなさん、

内の中心から溢れる温もりを身体中に行き渡らせ、

気持ちぽかぽかと温かく過ごしましょうね。

 

 

さて、本題です。

 

突き上げる感情をそのままぶちまける「反応」より、

相手に対しより適切な向き合い方を選択する「対応」を増やしていくこと。

 

これは、今回の『It Mama』さんの記事にもつづったように、

子育て生活で実践していきたいことですが、    

記事にある怒りをぶつけるのを防ぐため

だけではないですよね。

 

この、

「刺激→反応」ではなく、

「刺激→選択→対応」の、

「選択」部分にこそ、あらゆる「変化の可能性」がある、

そう思いませんか?

 

刺激→反応と、

既に出来上がった回路をなぞるだけならば、

それまでの生い立ちや環境の中で刷り込まれてきたことを、

オートパイロットで「再構築」しているだけです。

 

生い立ちに「痛み」を持つ人、

自分がされた子育てを、

次世代には伝えたくないと思う人、

そうした人ほど、「刺激→反応」の間にワンクッション、

「選択」をはさんでいきたいです。

 

 

でも、

怒りや悲しみを「こんな感情をもったらだめだ」と否定したり、

抑え込むわけではありません。

 

「ああ、私むちゃくちゃ怒ってる」

「ああ、私は悲しくてしょうがないんだな」

そう突き上げる感情に気づくだけでも、

「ワンクッション」が挟まります。

 

感情を持つことと、

それを行動に移すこととは、

全く違います。

 

ワンクッションはさみ、

その場で最も大切なことに、

立ち返っていきたいですね。

 

この「その場で最も大切なこと」を整理するのを助けるのが、

『It Mama』さんの記事で紹介した、

「3つの質問」です。

 

どうぞ、試してみてください!

 

何度も何度も何度も繰り返す内に、言葉だけではなく、

より感覚的に実践できるようになっていきます。

興味ある方、是非どうぞ!

 ・子どもに怒りをぶつける前に!思い出したい「3つの質問」

 

 

ちょっと、話が飛ぶようですが、

この

「刺激→反応ではなく、

刺激→選択→対応」について、

私自身いつも浮かぶのは、お2方の言葉なんです。

 

 

1人目は、第二次世界大戦時の

ユダヤの強制収容所を生き残り、

後に心理学者として「意味」についての研究やカウンセリングを生涯続けた

ヴィクトール・エミール・フランクル氏の言葉:


刺激と対応の間にスペースがある。

そのスペースにこそ、私たちが対応を選ぶことのできるパワーがある。

私たちの対応にこそ、私たちの成長と自由がある。

(Between stimulus and response there is a space.

In that space is our power to choose our response.

In our response lies our growth and our freedom.)」

 

 

 

 

そして、もう一人が、ミディエーター(ネゴシエーター)として活躍し、

世界中いくつもの扮装を回避させた

文化人類学者のウィリアム・ユーリー(William Ury)氏の言葉:


「人は、そろそろ感情的反射的な反応を繰り返すことから卒業し、

反応する前に一呼吸置き、

平和的な解決を意識的に選択する方向へと向かう時ではないだろうか」
 

 

他者との関係の中で、

「反応する前に一呼吸」。

自分と相手を含めたより広がりのある視野の中で、

「意識的に」対応を選択していくこと。

 


世界中のいくつもの難しい紛争場面に取り組みながら、

個人レベルでも国レベルでも、平和的解決に至らない葛藤はないと信じている

というユーリー氏の言葉は、大きな希望を与えてくれます。

 

関連記事:

・『靴下にはそっとオレンジを忍ばせて』「望みのコア」を理解しようとする

 ・『ユア子育てスタジオ』子供達自身で葛藤解決、「ミディエーター」という係りがあるのっていい

(ユーリー氏の働きに、

「アブラハム道」運動というのがあります。

イスラム教、ユダヤ教、キリスト教共通のルーツ、

アブラハムの一生をたどる道を歩くことにより、

互いの理解や絆を築こうという試み。

「ナショナルジオグラフィック・トラベラーズマガジン」で、

2014年の世界のベストトレール1位に。)

 

 

 

 

世界平和と壮大な話になりましたが、

目の前の「刺激と反応」の間に選択をはさみ、

「刺激→選択→対応」としていくこと。

 

子どもとのこの日常の瞬間瞬間にも、

変化を生み出すことを選択できる力を、

私たちは持っている。

 

そう思うと、見慣れた日常が、

何だかちょっと、より鮮やかなものとなって

見えてきませんか?

 

「刺激→反応」と、

これまでに刷り込まれた回路をオートパイロットでなぞる引力を、

えいやと飛び出してみます。

 

それは、何も大それたことではなく、

目の前の、カチン、イラッを行動に移す前に、

ワンクッションはさんでいくということ。

選択の自由を謳歌し、

「対応」していくということです。

 

それが、今、私たちにできる、

ひとつのことではないでしょうか?

 

 

いまこの瞬間にも、

断ち切ることも、つなげることもできる、

私たちには、選択する自由と力が与えられている。

思い出していきたいですね。

 

 

さて、8日間のハヌカが始まりました。

 

・去年の様子:8日間のハヌカ始まる!内から外へ向かう光

ホリデイシーズン到来です。

・ホリデイ 2014、「3つのストーリー」を胸に

 

みなさん、温もり溢れる日を!


『It mama』寄稿:ママに「ダメ!」と言われた時、子どもに起こる3つの反応って?&その反応を「回避」または「抜ける」方法

2017年11月17日 | 思慮あるしつけ(discipline)

「ダメ!NO!」と頭ごなしに詰め寄ることについては、

我が子、そして、様々な子供さん生徒さんに接する中で、

効果がないばかりか、「関係がこじれていく元」にさえなると実感しています。

 

この『It Mama』の記事でもあげましたが、

早急に飛びついて止める必要がある状況というのは、

確かにあります。

 

例えば、道路に飛び出すとか、

お友達が傍にいるところで長い棒をぶんぶん振り回すとか、

ストーブや扇風機に手を伸ばすなどなど、

相手や自分がケガをする危険がスグ目の前に迫っている場合です。

 

でも、そうした場合以外では、

「ダメ!」と頭ごなしに言う必要ってないんですよね。

 

そして普段「ダメ!」を多用していないと、

こうした「いざ」というときの「ダメ!」の効果も絶大になり、

危険な目に合うことも、よりスムーズに回避できます。

 

 

「ダメ!」と言われた時に起こる原始的反射

この『It Mama』さんの記事では、

「ダメ!」と頭ごなしに言われた時、

子どもに起こる反応についての

小児精神科医ダニエル・シーゲル氏の説明を紹介してあります。

 

それは、

「ファイト・フライト・フリーズ(戦う・逃げる・固まる)」という反射反応です。

 

確かに、教室などでも、

もし、「ダメ!」と頭ごなしに言うのならば、

生徒の内に、ふつふつと反抗心が沸き上がりますし、

無視したくなったりとやる気も低下、

敏感っ子ならば、思考停止で固まりますね。

家庭でも、同じです。

 

「ファイト・フライト・フリーズ」とは、

人類が誕生以来99%の期間を占める「狩猟採集時代」に培われた

ヒトの持つ「より原始的な機能」とされています。

 

ライオンやカバといった猛獣に囲まれ暮らす中、

(カバって私もすごく意外だったんですが実は獰猛だそうですね!)

生き残るために、発達した機能なんですね。

 

猛獣を前に、

戦う! 一目散に逃げる! 死んだふり!と、

生死に関わる状況の中で刻み込まれたより本能的な反応。

 

こうした原始的な反射機能は、

「本当に危険な時」以外の場面で、

発動させる必要はないわけです。

 

例えば、

野菜食べないとダメ!

肘をついて食べたらダメ!

靴をそろえないとダメ!

といったことに、

生死をかけた反射反応を発動させる必要はない。

 

 

ストレスの原因は 「ファイト・フライト・フリーズ」しっぱなしの日常にある?

ちなみに、

ストレスの原因とは、

現代人は、生死に関わらないことにまで

やたらめったら「ファイト・フライト・フリーズ」状態を起動させっぱなしだから、

といった説もあります。

(ハーバード大学医学部教授で心理学者のRonald D. Siegel氏の

‘The Science of MIndfulness: Research- Based Path to Well -Being’ The Great Courseより。

こちらにより詳しくまとめてあります:『ユア子育てスタジオ』「ストレス」のルーツ、脳の進化とこれから

 

例えば、

コンピューターがフリーズした!

交通渋滞に巻き込まれた!

締め切りに間に合わない!

SNSのイイねの数がショック!

といった「生死には全く関係のない」ことにまで、

逐一「ファイト・フライト・フリーズ」反射してしまい、

ストレスが増大しっぱなしというんですね。

 

現代の病院を訪ねる人々の80%が「ストレス」を理由としているという調査もあるようですが、

明らかに生きるか死ぬかの危険にさらされることの少ない「平和な先進国」に、

ストレスに関する疾患が増大している現状。

 

「リアルな死」が日常から遠ざかって見える現代、

だからこそ、人々は、日常の雑事にまでもやみくもに、

「ファイト・フリーズ・フライト」反射!と混乱してしまっているのかもしれせん。

 

 

 

高性能な火災探知機=敏感っ子」と「ファイト・フライト・フリーズ」反射

 「ファイト・フリーズ・フライト」状態では、

側頭葉内側の奥にあるアーモンドの形をした扁桃体(amygdale)が活発になり、

アドレナリンの生産が活性化されるといいます。


扁桃体は、情動反応の処理と記憶において主要な役割を持つとされ、

物事が危険かどうかを察知する役割を担っています。

 

この「扁桃体」といえば、

エレイン・アーロン氏の著書『The Highly Sensitive Child』 でも、

「ひといちばい敏感な子」は、

この「扁桃体の感度が抜群(すぎる)」とされています。

 

「マジョリティーが通り過ぎる小さく見えること」にも、

逐一危険信号が発動してしまうわけです。

 

アラームが鳴りっぱなしで、休まる暇なしな、

「鉱山のカナリア」であり「高性能な火災探知機」である敏感っ子。

「敏感な子」が自らの特性とうまく付き合うために本人に伝えるストーリー

私自身、子ども時代を振り返り、よーく分かります。

 

では、こうした特性を持つ子が

「ダメ!ダメ!」攻勢を受け続けたらどうなるでしょう?

 

「ファイト・フライト・フリーズ」へ振り切れ状態、

ストレスマックス限界超え、

ではないでしょうか。

 

「敏感っ子」たちが、学校の教室などで、

頭ごなしに叱りつける教師の傍で、

たとえそれが自分に向けられたものでなくとも、

耐えられなくなって疲弊していくのも、

こんな仕組みがあるのかもしれません。

 

敏感な子であるほど、

「ダメ!」と頭ごなしに詰め寄る「以外の方法」を

実践していきたいですね。

 

 

 

記事には、「ダメ!」をどんな文章に言い換えられるかの

具体的なアイデアを載せてあります。

私自身、用いる中で、その効果を実感していますよ。

 

「ダメ!」と言いたくなったら、

「ここで、戦う・一目散に逃げる・固まるは本当に必要?」と見据え、

できる範囲で、文章を組みなおしていきたいですね。

 

興味ある方是非どうぞ!

ママに「ダメ!」と言われた時、子どもに起こる3つの反応って?

 

 

ちなみに、「マインドフルである」ためのトレーニングとは、

実はこの「ファイト・フライト・フリーズ」に気づき、

反射反応に突き動かされたまま「行動」へとなだれ込む前に、

一呼吸はさむ練習でもあるんです。

 

マインドフルネスのストレス低減の効果が、

様々な研究を通して認められているのも、

このためなんですね。

 

長くなりますので、こちらの記事に、

ストレスの原因となる「ファイト・フライト・フリーズ」しっぱなし状態から抜けるトレーニング紹介

私自身、その効果の大きさを実感しているトレーニングを紹介しました。

 

是非お試しあれ!

 

子犬と落ち葉 by 次女

 みなさん、今日もよい日を!


『It Mama』寄稿:わがままっ子に効果的!? 「しつけより優先すべき」たった1つのコトって?&敏感っ子にも大切な「思慮あるしつけ」の基本

2017年11月08日 | 思慮あるしつけ(discipline)

このブログでも何度も取りあげている

小児精神科医ダニエル・シーゲル氏の提案する「しつけ」についてを基に、

『It Mama』さんの記事をまとめました。

 

心理学者エレイン・アーロン氏も、

「ひといちばい敏感な子(HSC)」の子育てで最も大切なことの一つとして、

怒鳴りつけたり、厳しい罰を与えたりとすることのない、

「思慮あるしつけ」をあげています。

「喜び溢れる敏感な子」を育てるための「4つの鍵」&「認知のゆがみ」にも気づかせていきたいですね

 

シーゲル氏の提案する「しつけ」は、

私自身、まさしく「思慮あるしつけ」だと思っています。

 

 

「しつけ」の原点である

「教え・学ぶ」に立ち返り、

はたして、今、

この子は学ぶ状態にあるのか?

私は教えられる状態にあるのか?

そう「気づいて」いくこと。

 

とてもシンプルなことですが、

感情が爆発する渦中には、とにかく、

「こんなこと止めるよう何としてでも教えないと!諭さないと!」と思い、

まくしたてたり、怒鳴りつけたりと、

互いの感情の油に火を注ぐようなことをしてしまうもの。

←私も、何度ぼーぼーと燃えてきたか。

 

でも、感情マックス状態に、

いくら「考え、想像し、記憶して」欲しいと思っても、

「ヒトの脳の機能」からみて、難しいといいます。

 

つまり、感情マックス状態の子供は、

いくらこちらが向き合おうが、何も学んじゃいないわけです。

恐い、悲しい、むかついたといった気持ちが残るぐらいかもしれません。

←これは、特に「強烈な感情」を持ち、

「フライト・フリーズ」しやすい敏感っ子には、

まさしくではないでしょうか。

 

子供が癇癪を起したり、感情が爆発しているところ、

まずしたいのは、親子で気持ちを落ち着けること。

 

すると、

「考え、想像し、記憶」することができるようになります。

こちら側が伝えたいことも、

その子の心に届き、育んでいくことができます。

つまり、「学ぶ」ことができるようになるんですね。

 

 

この子供の気持ちを落ち着けるのに最も有効なのが、

「コネクトする(つながる)」こと。

 

「まずは、子供の気持ちを受け止めましょう」

といったことは、

昨今は、いろんな育児書にも書いてありますし、

私自身も、子育て&様々な子供に接する中で、

その大切さを、実感してきました。

 

それでも、

このダニエル・シーゲル氏の「しつけ」についての著作を読み、

「それがなぜなのか」をすとんと理解することができましたよ。

 

悲しかったね、嬉しかったね、悔しかったね、辛かったね、

そう子供の気持ちを受け止めてやることで、

子供は、相手と「コネクト」できたと感じ、

落ち着いていくんですね。

 

 

まずは、親子で感情を落ち着ける

子供の感情が落ち着くために最も効果的なのが「コネクトする(つながる)こと」

そこからいよいよ「しつけ=教え・学ぶ」ができるんですね。

 

*親が落ち着くためには、

こちらにまとめた

子どもの「好ましくない行為」を前に流れる「効果音」に気づく、過去でも未来でもない今のその子に向き合うために

も効果的です。芋づる式に、過去へ未来へとつなげていかない。

←シーゲル氏はマインドフルネスのインストラクターでもあるんですが、

著作には、マインドフルであることのエッセンスが、

「マインドフルネス」という言葉を一切用いず、実用的に込められています。

 

 

シーゲル氏は、この「しつけの流れ」を、

「コネクト(つながる)、それから、リデレクト(REDIRECT:再び導く)」とし、

リディレクトのポイントとして、

頭文字をとり、以下のように提案しています:

 

Reduce words  言葉を減らす

子どもの「好ましくない行為」を前に「言葉を減らす」って大切ですね、サイレンスの力

 

Embrace emotions  感情を包み込む


Describe, don't preach  描写する、説教しない

 

Involve your child in the discipline  しつけに子どもを含む(子供自身のアイデア生かすなど。自分で決めたことはより守ります)


Reframe a no into a yes with conditions No!を条件付きのYesに言い換える

精神科医の提案する「考える脳を育むしつけ」、「NO!」と言いたくなったら文章を組み立てなおす


Emphasize the positive  ポジティブ面を強調する

 

Creatively approach the situation  創造的に状況にアプローチする

「ユーモアが学びを促進」という研究紹介、「余裕なし」と感じる時こそ「遊び心を用いた創造的な対応」を


Teach Mindsight tools 「マインドサイト」を教える

最後のこの「マインドサイト」とは、

シーゲル氏の提案するコンセプトですが、

とても簡単にいってしまうと、

「自分の気持ちを分り、相手の気持ちに思いをはせ、着地点を見出す」

といった姿勢です。

 

自分ばかりでもなく、相手ばかりでもない、

確かに、このバランスがとれると、

人間関係もよりうまく回っていきますよね。

 

シーゲル氏は、「マインドサイト」についてのみで、

一冊本を書いているのですが、子育ちにとっても、

「マインドサイト」を身に着けていくのって、

とても有効だと思います。

 

基本は、「あなたはどう思う?どう感じる?

じゃあ、〇〇ちゃんはどう思ってるかな?感じたかな?

じゃあ、あなたも〇〇ちゃんもハッピーになるにはどうしたらいいかな?」

ということを繰り返し話し合い、実践していくんですね。

 

 

 

記事には、

具体的な「コネクト(つながる)」の方法も、

コンパクトにまとめてあります。

興味ある方、是非どうぞ!

わがままっ子に効果的!? 「しつけより優先すべき」たった1つのコトって?

 

コネクトし、

「教え・学ぶ」ことのできる状態を整えること、

「思慮あるしつけの基本」として、

日々、思い出していきたいですね。

 

思慮あるしつけについての記事:http://blog.goo.ne.jp/managaoka/c/d6ebcb27543935dd7b115bb487f2136c

 

 

 

さて、明日から義母が一週間ほど訪ねてきます。

心身ともに、夫婦で、チャレンジング。心を整えていきます。

ブログが追いつきませんが、

できる範囲で、こつこつといきますね。

 

 

週末、早朝6時半に出発して他州でのサッカーの試合へ。

ところが2時間走って到着間近に「雨天中止」の知らせ!

主催者のミスで、知らせるのが遅れてしまったとのこと。

ということで、トレールに止まり止まり、

帰宅しましたよ。

こうしたこちらの方々のミスへの対応に、学びますね。

しっかり謝った後は、

周りも引きずらず、切り替え、「次へ!」といった雰囲気。

 

紅葉にみとれます。

次女撮影加工。

 

みなさん、温もり溢れる日を!


問題行動溢れる生徒たちが生き生きと自主的にまとまり始める!M先生の姿勢に学ぶ「子育ちサポート」の秘訣3つ

2017年07月29日 | 思慮あるしつけ(discipline)

放課後スクールでアートサイエンスと算数のクラスを担当していた時のことです。

こちらにも書きましたが、

ネガティブにもポジティブにも感化されやすい「敏感な子」、「問題児」扱いされていたS君

生徒達が育つ環境も、

日中の学校で過ごす様子も、

かなりチャンレジングでしたから、

先生方も、日々、頭を抱えること続きでした。

教室内で激しい殴り合いの喧嘩が起こった後、

「もう無理です」と任期途中で辞めていかれる先生もいました。

 

そんな中、

時々手伝いや先生方の指導にこられていたM先生という方がいました。

50代の女性のベテラン先生で、日中の学校でも生徒の間で大人気の先生です。

 

M先生が生徒達に接し始めると、

明らかに、生徒達の様子が変わり始めます。

一人一人の表情が、よりリラックスして生き生きとしたものとなるのです。

 

M先生の姿勢は、もちろん教室内でもですが、

家庭の子育てでも、とても参考になります。

 

 

 

M先生の傍で過ごし気づいたことをまとめてみますね:

 

ひとつには、昨日こちらに書いた、

子どもに接する日々に覚えておきたい「基本中の基本」、こつこつ実践することで確実に変化が生まれますよ

1. いい時やできている時を、こまめに認める

とにかく、生徒対のいい時やできている時を見出すのが、それは見事でした。

好ましくない生徒の言動をたしなめたりとしたすぐ後でも、

できていれば決して当たり前と通り過ぎず、

「あら、静かにワークに取り組んでるわね!I love that!」と認め、

溢れる笑顔で喜びます。

 

この切り替えの見事さ。

どんな「問題児」であろうと、

「この子は”いつも”~する」といった「思い込み」にはまりこむことなく、

アップテンポにするすると「今起こっていること」にフォーカスしていきます。

 

その子に対する「思い込み」をどんどんぬけていくというのは、

大きいです。子どもは、「大人の頭の中」などこえて、

今この瞬間も成長し続けています。

 



2. 普段、生徒と共に体験し感情を共有している

とにかく、エネルギッシュで感情表現に溢れていました。

生徒と一緒になって喜び、はしゃぎ、ふざけて笑い転げます。

 

そして「しなさい!」と

上から目線で言い放つことがないのに、

生徒達は、M先生のことを見上げ、言うことをききます。

 

生徒と普段、感情を共有し、気持ちを通わせている、

生徒が、「自分達の気持ちを分かってくれる」と感じていることが大きいのでしょうね。

 


3. 言葉を意識的に用いている

そして、最後が、

「用いる言葉が違う」ということです。

どんな言葉を用いるかを、とても意識されています。

 

例えば、

こちらは心理学者ジェーン・ネイルソン氏の「ポジティブしつけ」のワークショップの様子ですが、

生徒の側に立つとき、かけられる言葉によって、

どんな気持ちになり、どんな行動をしたいと思うかが

分かりやすく表されています。

 

 

休憩時間で校庭に出る前にジャケットを着るのを忘れないのよ!

→休憩時間に校庭出たとき暖かくあるためには何を着たらいい?

 

もし時間内にこのワークが終わらなかったら休憩時間も教室で終わるまでしなさい!

→休憩時間が始まるまでにこのワークを終えるにはどうしたらいいかな?

 

教室を出る前にプリントをしまって、本を棚に入れて、きれいにしなさい!

→教室を出る前に周りをきれいにするためには今どうしたらいい?

 

なぜサリーみたいに静かにできないの!

→誰が静かにできるかな?先生に見せてください。

 

ぐずぐず文句を言うのを止めなさい!

→どうやって話したら、先生にあなたの言っていることが理解できるだろう?

 

誰が始めたの!

→2人でどうやってこの問題を解決できる?

 

あなたは私語のために今まさに赤いカードを渡されたんですよ!

→他の子達が静かにしている時に邪魔しないために同意したことは何だっただろう?

 

 

「前者の言葉がけ」で子どもが感じるのは、

怒り、反抗心、全然協力したくない。

 

それでも「後者の言葉がけ」では、

リスペクトされている、自分が手綱を握っている、協力したいと気持ちがわきあがる。

 

ワークショップでは、そんな話し合いがされています。

 

 

指示や命令するより、

その子自身で何ができるかを考え、動けるよう導いていくんですね。

 

M先生は、用いる言葉のひとつひとつに、

こうしたことを意識してらっしゃいました。

 

 

命令口調、上から目線に言い放つのみでは、

反発心も溢れます。

また、言われて従うだけならば、思考停止状態、

命令や指示がなければ動かない動けないともなり得ます。

「質問」を活用し、その子の頭と心が動いているかを見ていきたいです。

子供を1人の人として扱う「リスペクト」を基本に据えて。

 

 

「子育てに正解なし」は正解ですが、

それ以前に、知っておくと良い「基本」というのも確かにある、そう思います。

私自身、学び、実践&失敗してきたこと、そして今も学び続けていること、

まとめていけたらなあと思っています。

 

 

こちら土曜日朝、これからぞろぞろとアニマルシェルターです。

←周辺、10件以上回ってますよ。

みなさん、よい週末を!


子どもの「好ましくない行為」を前に「言葉を減らす」って大切ですね、サイレンスの力

2017年05月04日 | 思慮あるしつけ(discipline)

子ども達のスポーツの練習は、練習場の確保状態や天気によって、

時間や場所もちょこちょこ変わります。

そこで日々友人とテキスト等でやりとりし、

互いの都合に合わせ、どちらが「送り・迎え」するかを打ち合わせてます。

 

昨日は、

「ママがランニングの練習場に降ろして、

Hさん(友人)が迎えにいくことになったわよ」

と告げたところ、

 

「え~、走った後、家の車で帰ってきたいんだよね」

と娘の1人が不機嫌に。

 

1時間半程走って疲れきったところ25分ほど車に揺れるのですが、

他者より我が家の車の方が、気兼ねなくゆったりできるということでしょうね。

 

それでも、夕食の準備やあれやこれやの雑用にと走り回り余裕のない中、

「何言ってるの」と、ちょっとカチンとくる私。

 

「もしHさんの助けがなかったら、

ママがあなたたちを降ろして、

そのまま20分走って長男をNPO活動に降ろして、

そこから20分走って次男をサッカーに降ろして、

そこから30分かけてランニングの練習場に戻り、20分ほど駐車場で待った後、

30分かけて次男のサッカーへ迎えに行き、

皆を家に降ろしたら、30分かけて長男を迎えにいくことなるのよ。

分担できることがどれだけありがたいか。

Hさんとの分担がなかったら、全部の活動をするなんて不可能じゃない。

文句より、『Hさんありがとう』でしょうが!」

と言いかけます。

 

そこを、深呼吸。

カチンときて、ぎゅっと力の入った身体の箇所を、

吐く息と共に緩めます。←マインドフル

 

「まあ、疲れた後、家の車の方がゆったりできるよね。

でもさ、もしHさんの助けがなかったらどうなると思う?」

とだけ聞いてみます。

 

その日の活動予定を話した後ですから、

私が言葉にしかけたような「具体的シミュレーション」もできたようです。

 

しばらくして、

「あー、ホンとHさんのおかげで、助かるね。

じゃなかったら、ランニングだってできないよねー」

と、心からほっとする様子で言ってみます。

 

これで十分、娘の頭の中も整理できたようです。

 

私が「責め口調」でぶつぶつと言葉を並べたなら、

「感謝させられてる」といった気持ちにもなったでしょうが、

娘自らが考え想像した後は、

「あ、ありがたいな」と素直な気持ちが湧き上がった様子でした。

 

 

 「言葉を減らす」大切さ

「言葉を減らす」というのは、

何度も取り上げているダニエル・シーゲル氏のしつけについての著書にも出てきます。

(『NO-DRAMA DISCIPLINE』by Daniel J. Siegel & Tina Payne Bryson  P. 170-175)

 

私もそうなんですが、往々にして、「言い過ぎる」んですよね。

 

著書の中で、こんな具体例があげられています:

お父さんが息子に向かって

「学校の課題に責任を持つのはとても重要なことだ。なぜなら今努力を注いだことは将来への習慣を築くことになるだろう。本当に、このことは何度強調しても足らないくらいだよ。よい習慣は本当に大切なんだ。そうした習慣は高校へと引き継がれ、そして大学へ、そしてお前のキャリアへ、結婚生活へと引き継がれていく。だからね・・・」

息子君は、はじめの文章の後くらいからは、もう上の空。

 

ああ、ホンと分かります、この状況。

いいこと言ってるんですが、

相手は聞いちゃいないです。

 

実は、夫も時にこのタイプ。

子どももですが、私もしばしば白昼夢に旅だっていきます。←子どもと同じ

私の場合は、耳からの情報がなかなかとどまらないということもあるんですが。

 

著者曰く、

「子どもは特に大きな子ほど、自分がした誤りを分かっています。

誤りについての長い講義ほど、望まないものはありません」とのこと。

 

確かに。

 

そしてより小さな子について、

「何がOKで何がOKでないのかをよく分かっていない幼児ならば、

なおさら、言葉を減らすことが大切です。

幼児は長い講義なんて聞くキャパシティーを持っていません」と。

 

ああ、子育て初めのころ、

まるで大きな子に話すかのようにとくとくと説教をしていた自分を思い出しますよ。

 

 

著者は

「幼児の好ましくない行為に向き合う際の4ステップ」を示しています。

 例えば、お母さんを叩いた娘ちゃんの例です。

 

ステップ1:行動の背景にある感情に言及し認める

イライラしているのね。待つことは、難しいこともあるよね。

 

ステップ2:行動に言及する

叩かれたら痛いのよ。

 

ステップ3:他の選択肢を与える

ママの身体に優しくしてね。

 

ステップ4:次へ

よし、外へ行って、あのミミズたちがまだ歩道にいるか見てみよう!

 

エッセンスを簡潔に真摯に伝え、

あとはぐだぐだぐだぐだと言い続けないで、

次へ移る。

 

この「引きずらずに次へ移る」というの、大切ですね。

私もどれほど引きずってきたか・・・。

引きずりすぎて、全く関係のないその後の行動にまで、

「ほらまたしようとしてる!」と同じ行為を見出そうとしたり。

 

次へ移る。

子どもだって、いつまでも「できない子、だめな子」と見られたくないんですよね。

よくなれるチャンスをすみやかに与えてやりたいです。

 

 

著者はこんなことも言っています。

「もし私達が何をして欲しくて何をして欲しくないか伝え続け、何度も何度も繰り返していたら、子ども達は遅かれ早かれ、聞くことを止めるでしょう。対照的に、私達の声をセーブし、私達が本当に気にかけることのみに言及し、話すことを止めるのならば、私達の用いる言葉は、より重みを持って捉えられることになります。」

 

沈黙こそ、パワフル、そう思います。

大人が沈黙しているその「間」に、

子どもが自らの内面を探り、その子自身で答えにたどりついたりするもの。

 

ここぞというときに声を発することで、

その「自らの内面の探索」を、助けてやりたいですね。

 

また、

「もし問題によりたっぷり向き合う必要がある場合は、

質問をし、返ってきた答えを聞いてやりましょう」とのこと。

 

質問することで、言われっぱなしから、自らの頭を動かし始めますね。


自分の思いを出し切ったかより、

子どもの思考や感情が動いているかを観ること。

我が家も心がけていきます!

 

みなさんの子育てにエールを送りつつ。

それでは、今日もよい日を!


「ユーモアが学びを促進」という研究紹介、「余裕なし」と感じる時こそ「遊び心を用いた創造的な対応」を

2017年03月17日 | 思慮あるしつけ(discipline)

状況やその子の性質性格も様々ですから、

「しつけ=教え学ぶ」方法も、

多様であるのが自然。

 

「好ましくない行為」をしたら、「いつも」、

叱りつけたり、罰を与えたり、部屋に送ったり、タイムアウトするというのは、

変化し続ける状況やその子の状態を思うとき、

確かに「的外れ」ですよね。



「遊び心やユーモアを用いて創造的に向き合う」という対応

 米国でベストセラーとなったしつけ本『No Drama Discipline』by Daniel J. Siegel & Tina Payne Bryson が紹介する

こうした「多様な対応の仕方」の中に、

「遊び心やユーモアを用いて創造的に向き合う」というのがあります。

 

例えば著書にある例:

「カーシートに今すぐ座りなさい!!!」

も、時には、

「お願いだから、あのカーシートに座らないでね。

だって、あなたの想像のお友達ジミー・ジマリーノが

もうちゃっかり座っちゃってるもの」

と言ってみる。

 

一気に、子どものムードもシフトし、

くすくす笑いながら、車に向かうかもしれません。

 

 

 

とはいえ、とてもとてもそんな気分になれないことってありますよね。

日々の生活をまわしていくだけでいっぱいっぱい。

頭の中も、「するべきこと」や「気がかり」でいっぱいいっぱい。

そんなギリギリのときに、「カーシートいや!」なんてもう、

「ジミー・ジマリーノですって?ふざけないでよ」となります。

 

私自身も、しょっちゅう、そんな状態になるわけですが。

 

「でもね」と、著書のシーゲル氏とブライソン氏は言います。

「以下のオプション1と2を比べてみてください」と。

 

以下『No-Drama Discipline Workbook』よりーーーーーーー

 

オプション1子どもの行為にどう対応するかについて、クリエイティブである。その時費やしたいと感じる以上の努力が必要になるけれど、遊び心や可笑しさは、ムードをシフトさせ、「ドラマ」を早く終わらせることできます。そして、関わる皆が、楽しむという結果になる。

 

オプション2「しつけ」なければという場面が生み出した、パワーの奪い合いなどのバトルを続ける。パワーの奪い合いで子どもに「勝つ」までぶつかり続ける。このオプションは、たいていより時間やエネルギーを必要とし、しばしば「繋がり」を損ない、感情を傷つけることにもなります。

 

ーーーー引用終わりーーー 

 

確かに、

「そういうわがまま言うなら今夜のデザートなし!」とか、

「もう二度とあなた連れて買い物来ないから!」とか、

あげく、がつん!と叱りつけ、羽交い絞めにして無理やりカーシートにのせるなら、

確かに、「時間やエネルギーも必要とし、繋がりを損ない、感情を傷つける」

ことになるのかもしれません。

(← とはいえもしそうなっても、後の対応によっては、修復も断然可能ですし、

「繋がり」も「雨降って地固まる」となる可能性も十分あると、

私自身の体験から思います。)

 

振り返っても、

「今、そんなこと言ってられないし、やってられもしない」と頑なに思うときこそ、

実は、「遊び心やユーモアを用いて創造的に対応する」というのが、

効果的だったりするんですよね。

 

ふ~と深呼吸して、クリエイティブにユーモアもって向き合ってみる、

すると、親子でほぐれて、

また違った角度から物事を眺められたり、

問題に対しても、解決へ向けての新しいアイデアが出てきたりするようになります。

 

 

 

ユーモアは子どもだけでなく赤ちゃんでさえ「学び」を促進するという研究紹介

「ユーモアや笑いが、子どもの学びを促進する」についての研究は、

こちらの記事’How laughing leads to learning’にも紹介されているように、多くあるようです。

 

確かに笑うことで、気持ちもリラックスしぎゅっと固まった身体もほぐれ、

相手との繋がりも強まり、学ぼうという気持ちも高まるのって、

分かりますよね。

 

こうして子どもを笑わせることで認知力などの学び率が高まる、

ということは分かっているわけですが、

では、赤ちゃんはどうだろう?という研究もあるんですね。

 

心理学者Rana Esseily 氏率いる研究チームによると、

まずは、18ヶ月の赤ちゃんを2つのグループに分けたそうです。

そして、届かない距離にある玩具を道具を用いてとり:

 

1のグループには、玩具を手に取った後、普通に遊んでみせ、

2のグループには、玩具を手に取った途端、ふざけて落としてみせます。

 

すると、2のグループの半数の赤ちゃんが、「笑った」と。

(ああ、あの赤ちゃんの声出して笑う様子を想い、

思わず微笑んでしまいます。)

 

そして、実験者の仕草を笑わった赤ちゃんの方が、

大人の示す動作を自分自身で繰り返すことにより成功するなど、

「より学んだ」とのこと。

 

Esseily 氏曰く、

「ポジティブな感情やユーモアを通して実験者とよりよく結びつくことが、

脳のドーパミンレベルを上昇させ、学びを促進するのではないか」

とのこと。

 

 

ティーンから赤ちゃんまで、

「対応の仕方のひとつ」として、

「遊び心やユーモアを創造的に用いる」というの、

思い出していきたいですね。

 

特にティーンとの接し方も、

生活の端々にユーモアや遊び心を挟むことの大きさを日々実感してます。

 

それではみなさん、楽しい週末を!