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この子が目指してることって何なの?子供心理を読み解く方法紹介2&敏感な子と「困った行動」

2018年02月10日 | 思慮あるしつけ(discipline)

今日は、こちらの記事の続きです。

この子が目指してることって何なの?「困った行動」の背景にある子供心理を読み解く方法紹介1

こちらの記事では、

教育心理学博士ジェーン・ネルセン氏が提示する、

子どもの「誤った4つの目標」の内、

「1.過度のアテンション」と

「2.パワーゲームに勝つ」を紹介しました。

 

この記事では

「3.復讐」4.諦め」を紹介しますね。

 

その前に、

ネルセン氏が提示するアドラー心理学に基づくコンセプトを、

もう一度さらっとまとめます。

 

子どもが根本的に欲していることは、

「自分は大切な一員」と感じられること。

 

そして、その欲求が満たされないと感じる時、

子どもは、何とかして「自分は大切な一員」と感じられるよう、

「誤った目標」を選択する場合がある。

 

そして大人が何を信じどう行動するかが、

子どもがこうした「誤った目標」へ突き進むのを

助長してしまう場合がある。

 

 

ネルセン氏の提示するこれら「4つの誤った目標」の仕組みは、

家庭でも教室でも、子供への対応を考える上で、

役に立つと実感していますよ。

 

皆さんも、

是非、省み、試しと繰り返し、

どうぞたくさんの発見をされてみてください。

 

それでは、3つ目と4つ目の「誤った目標」です。

 

3 子どもの「誤った目標」:復讐

大人が抱く感情:

痛み

残念

信じたくない

おぞましい 吐き気がする

 

(特に「おぞましい、吐き気がする」というのは、

「えっ、子どもにこんな感情を持つもの?」と思う方もいるかもしれません。

でも、子どもに接する大人側もそれまでの人生を通し

様々な好き嫌いや価値観を育んできてますし、

時に感情や自らの欲求をむき出しにする子どもに対し、

ふつふつとわいてきても何らおかしくない感情ですよね。

←少なくとも、私はありましたよ、こんな感情もったこと。)

 

そこで、

・「どうしてこんなこと私に対してできるわけ?」と思う。

・子どもの言動を個人的にとる。

・仕返しや応酬する。

と繰り返すとします。

 

そして、子どもが、

・仕返しする

・他者を痛めつける

・物を損傷する

・同じ行為をますます強化させるか、他の武器を選択する。

と反応するとします。

 

すると、子どもは、

「僕(私)はここに属していると思えない、

自分が痛いと思う分、他者にも痛い思いをさせてやる」

僕(私)は、好きに思われたり愛されることはない」

と信じるようになります。

そして、ますますその「誤った目標:復讐 」に向かって行動をするようになる、

というわけです。

 

そして、大人の次のような思いや気持ちが、

この「誤った目標:復讐」を達成しようという子どもの行動を

ますます助長します:

・私がアドバイスをする(あなたの言うことを聞くことなく)、なぜなら私があなたを助けてるから。

・あなたが必要としていることより、私は他者がどう思うかの方を心配する。

・他者を痛めつけてはだめだと教えるために、私があなたを痛めつけるやる。

 

子どもがこうした「困った行動」から暗に示していることとは、

僕(私)は傷ついてます。

僕(私)の気持ちを認めてください。

といいます。

 

 

4. 子どもの「誤った目標」:無能と思い込む

大人が抱く感情:

失望

絶望

成すすべがない

無能

 

そこで、

・諦める。

・手伝い過ぎる。

・あなたのすることなすこと信じられないと示す

と繰り返すとします。

 

そして、子どもが、

・ますます後退する。

・消極的になる

・改善がみられない

・反応がない

・試すことをやめる

と反応するとします。

 

すると、子どもは、

「僕(私)はここに属していると思えないから、

他者にも自分に何も期待しないよう納得させよう」

僕(私)は、役立たずで無能だ」

「どうせいうまくできないから、試したってしょうがない」

と信じるようになります。

そして、ますますその「誤った目標:無能と思い込む 」に向かって行動をするようになる、というわけです。

 

そして、大人の次のような思いや気持ちが、

この「誤った目標:無能と思い込む」を達成しようという子どもの行動を

ますます助長します:

・あなたが私の高い期待にこたえることを期待する。

・あなたのためにしてあげることが私の仕事。

・あなたを信じるなんて恐すぎる。

・あなたが人生の困難をこえていくことができるとは信じられない。

 

子どもがこうした「困った行動」から暗に示していることとは、

僕(私)のことを諦めないで。

僕(私)にスモールステップを示して。

(目標を自分にもできるように細分化して)

といいます。

 

 

前の記事に書いたように、

こうした「誤った目標」に突き進む状態から方向転換するには、

「子どもが暗に示していること」を念頭に、

より有意義な形で、子供が「自分は大切な一員」と感じられる接し方をすること。

 

そうした接し方例についても、

またまとめますね。

 

ひとまず今日はここで、

「ひといちばい敏感系な子」と、

これらの「4つの謝った目標」について考えてみませんか?

 

ひといちばい敏感な子と「4つの誤った目標」

敏感な子は、

「触れることは強打

音は騒音

不運は悲劇

喜びはエクスタシー

友達は愛する人

愛する人は神

失敗は死」

by Pearl Buck

といった「打てば響きすぎる面」がありますよね。

 

周りの空気や、相手の感情、

また相手の少しの仕草や言動をも強烈に感じ取るところがあります。

 

そしてこうしたことが、敏感な子は、

環境によって、良くも悪くも大きく作用されやすいとされる理由ですよね。

敏感系であるほど、生い立ちによって、

その後の人生が、大きく分かれやすい、

そのために、敏感な子への関わり方について多くの人々に知ってもらう必要があると

心理学者もエレインアーロン氏も言っていますね。

 

 

こうした特徴を持つ敏感な子ですから、

例えば、

それほど敏感でない子なら、

より時間をかけて陥いる上のような「4つの誤った目標」サイクルにも、

敏感系の子は、

より勢いよく転がり落ちていくようなところがあるのではないでしょうか。

 

つまり、

敏感な子ほど、

接する側が、不安感からすぐに手を差し出していれば、

よりすぐに、しかもより強烈に「1.過度のアテンション」を目標としがちで、

 

接する側が、怒りから「なめられてたまるか」と反応すれば、

よりすぐに、しかもより強烈に「2.パワーゲームに勝つぞ」と突き進み、

 

接する側が、残念な気持ちからその子のニーズより周りの目を気にしてばかりいれば、

よりすぐに、しかもより強烈に「3.復讐してやる」と信じ込んでしまい、

 

接する側が、諦めからその子を信じる姿勢を示さないのなら、

よりすぐに、しかもより強烈に「4.自分は無能だ」と思い込むようになる。

 

私自身、敏感な子達に接してきて、

「まさしく」と思います。

 

 

では、どうしたらいいのでしょう?

 

まずは、接する側が、

自らの感情と、その感情から自らどんな行動を起こしているのか、

そしてそれらに、その子がどう反応しているかの仕組みに気づいていくこと。

 

そして、

「してしまったこと」に悩む時間やエネルギーを

前へ前へと「よりよい対応」を築くことに注いでいくこと。

敏感な子にとって、これこそが、とても重要で効果的だと思います。

 

前へ前へとポジティブを築いていくのなら、

「してしまったこと」も、いつしか、

強烈に迫るポジティブさの波に流れていきます。

なぜなら、敏感系の子は、

ネガティブも、そしてポジティブも共に、

強烈に感じるからです。

この子って、ハイリーセンシティブなのかなあ?という思いがちょっと整理される説明

ネガティブにもポジティブにも感化されやすい「敏感な子」、「問題児」扱いされていたS君

ハイリーセンシティブさには「よい面」もある!心理セラピストがまとめる6つの利点

 

例えば、

イライラして小言ばかり言っているのならば、

「するべきリスト」を横に置いてただ楽しむ時間を10分でもとってみること。

 

怒りにまかせ「なめられてたまるか」と抑え込もうとしているのならば、

家族会議で話し合い、一緒に決めたことを「ボス」にしてみること。

 

人の目を気にして残念なあまり子どもに意地悪してしまうなら、

ママ友と距離を取り、その子の気持ちに耳を傾け、解決策にフォーカスしてみること。 

 

絶望して「あなたにはどうせ無理」と手を差し出しているのならば、

その子が「できた!」と感じられるスモールステップを積み重ねてみること。

 

 

みなさん、

「してしまったこと」に凹むのはとても自然なこと。

でも、凹みながらも、前に、前にと、前のめりで、

「よりより対応」を積み重ねていきましょうね。

 

すると、子どもたちは、必ず、

より良い方向へと、向かっていきます。

 

 

 

(ああ、自分はこの子に対しこんな感情を持ってるな、

そうしてこんな行動をとってるな、

それで、子どもはこんな反応をするようになってるなと気づく。

 

そう繰り返していると、

「ああ、今、私は、この子にこんな気持ちを持ってる」、

そう自らの感情に気づく時点で、

「あ、そうそう、はまらないでおこう」と、

1から4までの「誤った目標」に突き進むサイクルから

方向転換していくことが、以前よりはできるようになっていきますよ。

完璧からほど遠くても、「以前よりはできる」ことが大切なんですよね)

 

 

さて、

明日は、勤務先の学校が終わったら、

先生方と料理や飲み物を持ち寄っての集まりです。

学校外でお会いするのは初めてですから、楽しみです。

 

数日前は、MRIの結果、娘の1人に膝の手術が必要と診断され、

幸い、手術自体は30分ほどですむとても簡単なものらしいのですが、

第二、第三オピニオンを聞いて回り、情報収集中です。

周りもネットも異なる意見が溢れていて、

同じ症名でも、状態も条件も少しずつ異なりますし、

できることを積み重ね、最善の道を見出していきます。

 

下の子たちが、夕飯のメニューを作ってくれましたよ。

 

みなさん、温もり溢れる週末を!

 

参考資料:『Positive Discipline』by Jane Nelsen


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