マイコー雑記

行き来するもの書き留め場

2ヵ月半の夏休みが始まります!ひとまずのフォーカス

2016年06月11日 | お知らせ

何かを選択するときは、

それを選択することにより起こりうるネガティブなことを、

全て引き受けると覚悟を決めること。

すると、何が起こっても、力強く歩き続けていけますね。

 

 

今週から、夏休みが始まります!

その前に高校生組みは週半ばまで学期末テスト。

今学期を振り返り、よくやった!ということを祝うと共に、

これからに向けての改善点について話し合っています。

ポジティブもネガティブも、これからの糧に。

高校卒業まで、長男あと2年、長女あと3年です。

 

夏休みは、5人&近所の子達と揉みくちゃになりがら、

多文化プロジェクトはじめカリキュラムの充実、

そして新地に落ち着くことにフォーカスします。

 

これからどう展開していくのか、

自宅で教室など開くのか、どこか借りるのか、

出張ワークショップするのか、はたまたホームスクールをするのか

(今では張り切って毎朝小学校に通う次男ですが

「ホームスクールしたいなあ」という本人の気持ちは変わらないんですよね)

どこにどう落ち着くかによって、変わってきますが、

変化の過程にありながらも、

とにかくこつこつとカリキュラムを練っていきます。

 

またちょこちょこと報告させてくださいね。

 

子育てに取り組むみなさんの姿を想い、心の励みに。

一人じゃないと実感できることは、幸せですね。

感謝を込めて。

みなさん、よい夏をお過ごしください!

 


「自分への思いやり(セルフ・コンパッション)」研究紹介、このコンセプトに出合えたことに感謝する日々

2016年06月11日 | 自分への思いやり(セルフコンパッション)

「自分への思いやり(セルフ・コンパッション)」というコンセプト&実践が我が家に取り入れられるにつれ、子供たちをはじめ家族みな、その変化を実感しています。

自信をつけよう!自己肯定感を高めよう!とがちがちに力の入った状態から、すーと余分なものが抜け、自分のペースで地に足をつけ歩いていける、そんな気持ちです。

「敏感な子」や「完璧主義の子」や「不安感の強い子」などに、特に効果的です。

 

我が家では、引越しや学校が変わる等、これから再び家族にとっての大変化を迎えますが、こうした過渡期にも、その力を大いに発揮してくれます。このコンセプトに出合えてよかった、そう心から感謝する日々です。

 

 

それでは、「自分への思いやり(セルフ・コンパッション)」についての研究を、ざっと紹介します!

  (まずは’Treating Oneself Kindly When Things Go Badly Could Be A Key To Weathering Life's Challenges, Researchers Say ’より)


デューク大学教授Mark R. Leary氏率いた研究:

被験者に、

・ネガティブな体験を思い出す

・ネガティブなシナリオを想像する

・他者から叩き潰されるようなフィードバックを受け取る

・自身のタスクへの評価と同じタスクをする他者の評価を比較する

といった体験をしてもらいます。

そして、被験者の反応を、被験者の持つ「自分への思いやり(セルフ・コンパッション)」レベルと「自己肯定感」レベルと共に、調べていきます。

すると、以下のようなことが分かったといいます!

・「自分への思いやり(セルフ・コンパッション)」を持つ人々は、現実、記憶、想像でのネガティブな出来事に対し、ネガティブな感情を持つことがより少なかった。

・「自分への思いやり(セルフ・コンパッション)」は、ネガティブな体験への責任を受け入れさせるけれど、ネガティブな感情を中和する(counteract)。

・「自分への思いやり」を持つ人々は、ポジティブな感情を持っても、傲慢さやナルシズムや自己を強化するような幻想を持ちにくい。「自己肯定感」の高い人々が、ポジティブな感情を持つと、こうした状態に陥りやすい。

・自己肯定感の低い人が、他者から潰されるような評価を受け取っても、自身に思いやりをこめて向き合うことにより、自己肯定感が高い人と同じくらいの対応ができるようになる。

・「自己への思いやり」を持つ人々は、より出来事の成果や結果によることなく、自身を捉えることができる。それは、物事がうまくいこうが悪くなろうが、親切に受け入れる姿勢で自身に向き合うためであろう。

 

 

Leary氏曰く、「自己肯定感の低い人ほど、『自己への思いやり』をもつことが大切」とのこと。

自己肯定感が低くなりがちとされる「敏感な子」に接する中で、思い出していきたいですね(「ハイリーセンシティブチャイルドは低い自己肯定感に陥りがち」ってどうして?)。

またこの研究でも報告されてますが、以前の記事でも紹介したように、「自分への思いやり」といった姿勢は、「自己肯定感」を高めていこうとするよりも、「弊害」も少ないようですし、いいですよね。

「自己肯定感」と「自己への思いやり(セルフ・コンパッション)」との比較研究紹介

「自己肯定感」は効果的、けれど高めようとする方法によっては弊害を生み出す

 

 

2007年に発表されたこのLeary氏率いるこの研究には、「今後、自分への思いやり(セルフ・コンパッション)」について、そのネガティブ面も含め、より研究がすすむことを期待している」とあります。例えば、「『自分への思いやり』が将来改善しようという気持ちを萎えさせることもあるかもしれない」と。

その後の研究では、いやいや、将来改善しようという「やる気」に繋がるんです、と示す研究もいくつかあるようです。(Does Self-Compassion Mean Letting Yourself Off the Hook? より)

・過去の過ちや屈辱や失敗に対し、「自分への思いやり(セルフ・コンパッション)」を持つよう指導された被験者のほうが、起こったことに対し、人や出来事を非難するよりも、個人的な責任をより受け入る傾向にあった。

・「自分への思いやり(セルフ・コンパッション)」を持つ人々は、恥より罪の意識を持つ傾向にある。

(以前言及したんですが、心理学では、「恥」は、人としての価値に対するネガティブな評価といった全人格の否定につながりやすく、「罪の意識」は、言動が間違っていたという自責の念から、修復したいという気持ちにつながりやすい、とされています。)

・「自分への思いやり(セルフ・コンパッション)」を持つ人々は、より自らの誤りについて謝る傾向にある。

などなど。

 

またその他にも、「自分への思いやり」について、さまざまな角度から、研究が続いているようです!

http://self-compassion.org/the-research/


 

 

失敗や間違いなども深く深く響く「敏感な子」などは、もう十分自分の「至らなさ」を痛感してますから、必要なのは、厳しい批判ではなく、不完全さを包み込んでいく「思いやり(コンパッション)」なんですよね。そこから、再び立ち上がり、歩き続けていく力も湧き上がります。

 

さて、こちら、2ヶ月半の夏休みが始まります! 5人&近所の子達と日々もみくちゃになりながら、他者、そして自己への「思いやり(コンパッション)」を実践していきます!


ハイリーセンシティブな子を育てつつしみじみ思うこと、手遅れなんてありはしない

2016年06月08日 | ハイリーセンシティブチャイルド

先の記事に、ハイリーセンシティブチャイルドは、「生物学的に、環境の影響をより深く刻み込む」と紹介しました。

そのため、子供時代の接し方が、とても大切とされ、HSCに関わる人々は、その特性をより広く理解してもらい、注意喚起するための活動に、力を注いでいるわけなんですね。



とはいえ、「大人になっても、遅いということはないんですよ」、と心理学者エレイン・アーロン氏はいいます。「HSPは感情などにも敏感に反応しやすいですから、セラピーなどもより効果を発揮するんです」とのこと。(Highly sensitive people: a condition rarely understoodより)


昨今の脳科学でも、脳はいくつになっても変化できると分かっていますからね。いくつになっても、新しい回路を刻んでいけるはずです。

ですから、ティーンだろうが、ましてや小学生や中学生だろうが、「手遅れ」なんてことありません。気づいたときから、少しずつ変えられることを変えていきたいです。


 

 

「気づき」というと、私自身、見知らぬ人とは一切口をきかなかった娘の一人が幼児だった頃、「ホント、シャイなんですよねえ」と小児科医に伝えたところ、「シャイという言葉を本人の前で決して言わないでください」とぴしゃりと言われたのを、ありがたかったなあと思い出します。はじめの頃は、「?」だったんですが、少しずつ、(ハイリーセンシティブとシャイは全くの別モノなんですね、不要なネガティブイメージを背負わせない)といったことを理解できるようになっていきました。


また我が家ではほとんどの子達が、低学年の頃までは、学校の先生からも、「必要なこと以外話しません」と言われ続けていました。今朝も、スーザン・ケイン氏がHSCについて話すオーディオをつけていたら、三女が少し聞いて、「家にも誰かこういう子いた?ママはHSCだったの?」と言うので、「あなたたちみんな、小さなときは学校でも静かだったと思うけどなあ」と言うと、「私、キンダーのとき、○○ちゃん(大親友)としか話さなかったのよ」と言ってましたね。

 

それでも、先生方が、「前より話すようになってきました」→「より頻繁に手をあげるようになってきました」→「今ではおしゃべりですね」→「私語を慎むよう注意してやってください・・・」と暖かく見守ってくださったこと、その姿勢に、たくさん学ばせていただきました。

 

末っ子も、先月、これまでどうしても言えなかった「宿題を学校に忘れてできませんでした」を、先生に伝えられるようになったようです。

 

 

 

敏感な子達に接しつつ、しみじみ思うこと:


・周りの刺激に過度に反応し、慣れるのにも周りの何倍もかかるかもしれない、といった特性を理解し、尊重していくこと。


・同時に、「コンフォートゾーン」から足を踏み出し、「あ、自分にもできるかも、あ、結構楽しいかも、」という体験をさせていくこと。


・ぐさりと凹むことがあっても、「ああ、でもイヤなことばかりじゃないものね」と思えるような喜び溢れる体験を積み重ねていくこと。


・難しい場面を避けるのではなく、倒れても立ち上がることのできる気持ちや力を培うよう心がけていくこと。


心がけていきたいですね。



子育ては、ひとつ課題を越えれば、また次、と、終わりなき過程のようなもの。

毎日ホント、いろいろなことが起こり続けます。

肩の力を抜きながら、ひとつひとつを「成長の過程」であると信じ、

みなさん、できることをしていきましょうね。

今日もよい日を!


「ハイリーセンシティブさ」を司る遺伝子の特徴、より極端に環境から影響を受けやすい

2016年06月08日 | ハイリーセンシティブチャイルド

アカデミックなサイエンス分野では、「ハイリーセンシティブパーソン」という言葉は用いられないものの、「ハイリーセンシティブさ」について異なる言葉で表され、様々な角度から研究されています。

sensory-processing sensitivity 、Differential Susceptibility、Sensitivity to Context、 Vantage Sensitivity、psychobiological reactivityなどなど。

 

 

これらの研究での共通した理解というのが、「ハイリーセンシティブさというのは、気質的、生物学的なもので、ほとんどが遺伝学的に、その上に、妊娠期と出産前後期の環境によって決定される」というもの。

そしてこうした「ハイリーセンシティブ」を引き起こす、特定の「遺伝子変異(genetic variations)」というのも分かっているといいます。「 5-HTTLPR :the “short-short” of the serotonin transporter gene」と呼ばれるものです。

 (ここまで、http://hsperson.com/faq/when-i-look-for-studies-i-hardly-see-any/より)

 

 

 

この「5-HTTLPR」ですが、以前(「難しい性質」を持った子、「育つ環境」が「問題遺伝子」に勝る)という記事で取りあげたんですが、「long-long」,「short-short」といった配列の違いにより、性質への表れ方が以下のように変わるようです。

long-longタイプは、反社会的で攻撃的

short-shortタイプは、うつや不安感の強さ


以前の記事では、「 5-HTTLPRのlong-long」といった「難しい遺伝子」を持った人々は、子供時代、虐待やニグレクトなど恵まれない環境に育つと、より犯罪に走りやすく、それでも、温もりや愛情を注がれケアされるならば、全く犯罪を起こすことなく健やかに育つという研究を紹介しました。

この「生まれ育つ環境から、より極端に影響を受ける」というのは、HSCについてもよく言われることですね。

 

「5-HTTLPR」とは、「生育環境により大きな影響をうけやすい遺伝子」とされているようです。

「5-HTTLPR:the “short-short” of the serotonin transporter gene」とは、不安障害やうつの人々が共通してもつ遺伝子だそうですが、それでも、この遺伝子を持ちながらも、全く症状を表さない人がいるのはなぜか?という研究から、こうした遺伝子の特徴が明らかになったようです。

生育環境が特性に合い充実しているのならば、飛びぬけた能力を発揮しうる、それでも、乏しい環境に育つならば、逆にメンタルヘルス面の問題など、極端な表れをしやすいというんですね。

 

HSCの場合、過度に反応する神経システムへの気づきや理解とともに、温もりや愛情を注がれ育てられるならば、社会面やアカデミック面でも、より優れていくとされています。一方、「いちいち泣かない!」「しっかりしなさい!」「情けない!」「なんであなたは当たり前のことができなわけ」などと言われ続けるなら、大きくなるにつれ、「自分はおかしい」と感じ、うつや不安障害を引き起こしやすいというんですね。

 

 

こうした研究を知るにつれ、私自身、これまで出会ってきた子や人々について、同じように厳しいで育っても、影響を受けずたくましく生きていく人と、どんどん折れ曲がって難しくなっていく人、この違いはどうして生まれるんだろう?」、そう疑問に思っていたことが、より納得できるようになっていきました。

同じ環境にあっても、生物学的に、環境からより大きく影響を受け深く刻まれてしまう子供たちがいる、そう思い出していきたいです。


「成長型マインドセット」と「セルフ・コンパッション」、子供が能力を伸ばす最強セット

2016年06月07日 | 成長型マインドセット

今年の新年の挨拶に、「年を経るにつれ、子供たちが巣立つ前に身につけてほしいと願う内容も、シンプルになっていった」と書きました。

2016 年明けましておめでとうございます!心境状況整理&子供達へ伝えたいこと

そのシンプルに絞られていった中のひとつが、「成長型マインドセット」です。

マインドセット、やる気の持続

キンダー「レゴ祭」&「成長型マインドセット」を育む取り組み


 

「成長型マインドセット」とは、人の能力とは、筋肉のように、鍛えれば鍛えるほど、徐々に発達していくという考え方、

対して、

「固定型マインドセット」とは、能力とは、目や髪の色のように生まれ持ったものであり、変わることはない、という考え方です。

 

様々な研究が、前者の「成長型マインドセット」こそ、

子供が力を伸ばしていくための鍵と示しています。

 

それはそうですよね。

「やればやるほどできるようになっていく」と信じて物事に取り組んだ方が、

「どうせ能力は元々決まったものだし」と思いながら物事に取り組むより、

どうみたって、成長していきます。

 

また、「成長型マインドセット」持つことで、

失敗や間違いをそれほど恐れることなく、難しいことにも挑戦するようになるとされているんですが、

難しくても、たとえ失敗しても、、

「初めからすっとはできないかもしれないけれど、

取り組めば取り組むほどほどできるようになっていくんだ」

と思えるならば、再び立ち上がり、歩き続けていきますね。

その結果、ますます力もついていくわけです。

 

一方、「固定型マインドセット」を持つならば、

失敗する可能性のある物事へ挑戦することを恐れるようになりやすいとのこと。

「賢さ」や「できる」といったことも、「生まれつき」と信じているわけですから、

それらのイメージを失う恐れのあるチャレンジを、避けるようになるといいます。

それで、成長する機会を次から次へと失ってしまうというわけです。

 

 

 

それで、

この「固定型マインドセット」を「成長型マインドセット」へ、

昨日取りあげた「過度の自己批判」を「自分への思いやり(セルフ・コンパッション)」へと、

シフトさせていくこと

それが、子供がすくすくと育ち、「ハッピーに成功する鍵なんですよ」、

と心理学者Emma Seppala氏は言います。

 

この組み合わせパターンをもう少し詳しくみてみると、それがなぜか分かりやすいです。

困難や失敗を前にしての、それぞれの思考パターンを想像してみてください。

ざっとですが、以下のようになるのではないでしょうか:


1.「固定型マインドセット」と「過度の自己批判」のセット

能力は生まれつきで努力してもそうそう変わりはしないんだよね、ホントこんなにできない自分ってどうしようもないよ、自分に生きてる意味なんてあるんだろうか・・・。

 

2.「固定型マインドセット」と「自分への思いやり(セルフ・コンパッション)」のセット

能力は生まれつきで努力してもそうそう変わりはしないんだよね、ホントこんなにできなくて自分もきついよね、でもほら、世の中に完璧な人なんていない、一人じゃないんだよ。

 

3.「成長型マインドセット」と「過度の自己批判」のセット

鍛えれば鍛えるほど能力は高められるんだ、ああしまった、失敗しちゃった、何やんてんだ自分、何でこんなに努力してるのにできないんだ、何度やってもだめなんだから、こんなだめだめな自分になんてできやしないよ。

 

4.「成長型マインドセット」と「自分への思いやり(セルフ・コンパッション)」のセット

努力すれば努力するほど力はついていくんだ、ああしまった、失敗しちゃった、でも誰だって初めの頃からすっとできることなんてないんだ、よし今度どうしたら失敗しないかよく吟味してみよう、これも鍛えていく過程なんだ、頑張ろう。

 

こうみるとやっぱり、「4のセット」のような姿勢が最も成長するでしょうね。

 

 

Seppala氏は、アルベルト・アインシュタイン氏を例にあげ、説明しています。

アインシュタイン氏は、子供時代、話したり書いたりすることを学ぶのも遅く、

学校でも落ちこぼれ、あげく追い出され、チューリッヒ工科大学の入試では不合格となり、

大学を終えたときには、クラスで一人だけ、教師職を得られなかったといいます。

 

「もし、アインシュタインが、才能は生まれ持ったものだから、

いくら努力したってどうにもならないよ(固定型マインドセット)と信じ、

失敗や困難のひとつひとつに、「自己批判」ばりばりで自らを叩きのめしていたら、

途中で折れて進むのをやめ、これほど世界にインパクトを与える働きをすることはなかったでしょう」と。

 

これは「大天才」の例ですが、なにもこうした飛びぬけた能力ではないとしても、

同じようなことは、多くの子供たちにいえますよね。

 

アイシュタインの言葉としてしばしば引用される「失敗は成功への過程」というの、

「成長型マインドセット」がもろに表された言葉です。

 

 

子供たちが、

「固定型マインドセット」から「成長型マインドセット」へ、

そして「過度の自己批判」から「自己への思いやり(セルフ・コンパッション)」へとシフト できるよう

サポートしていきたいですね。

 

 

 

さて、引越し先物件、

夏休み中に引っ越すという目標期限が近づき、

動き回ってはいるものの、なかなか決まりません。

5人の小中高&夫の通勤条件&家の条件、

すべてジャストフィットするというハードルの、なんて高いこと!

落ち着かない気持ちに気づきつつ、穏やかに、

引き続き過渡期の「不確かさ」を楽しみながら、進んでいきます。

過渡期ほど、親が穏やかに落ち着いていることの子供にとっての大きさを、

日々しみじみ感じつつ。

 

みなさん、今日もよい日を!

 

 

参考資料:『The Happiness Track』byEmma Seppala


「自己批判」を「自己への思いやり」に置き換えていく大切さ、敏感な子や完璧主義な子ほど

2016年06月06日 | 自分への思いやり(セルフコンパッション)

難しい状況でも、

立ち上がり歩き続けていける人、

折れて動けなくなってしまう人、

その違いは何かといえば、

「レジリエンス(跳ね返す力)」があるかどうかといえます。

 

ではこのレジリエンスはどう培われるのか?

さまざまな研究があるわけですが、その中のひとつに、

「自己批判」を「自己への思いやり(セルフ・コンパッション)」におきかえていく、

というのがあります。

 

失敗の後、「過度の自己批判」は、

一時的に立ち上がるためには効果的かもしれませんが、

長い目で見たら「弊害」が出てくるといいます。

 

たとえば、以前紹介したスタンフォード大学医学部の

 「コンパッションと利他主義のリサーチと教育センターのディレクターで心理学者Emma Seppara氏は、

その著書『The Happiness Track』の中で、

「過度の自己批判」はうつや不安障害を引き起こしやすいとし、

以下のような「弊害」をあげています。

 

1.「過度の自己批判」は失敗への不安感を増す

失敗への不安感が増すにつれ、

・よいパフォーマンスがより難しくなり

・すぐにあきらめるようになり

・貧しい決断をするようになります。

「カンニングなどの近道へ走ったり、ビジネス界では倫理的でない投資家を見過ごしたり、賄賂を許容したりしがち」とのこと。

失敗を回避するためなら何でもしようという姿勢ですね。

・また、本当にほしい物事を失わせるようになる、とも。

「この授業を取りたいけれど、失敗しそうだから、無難なものにしておこうなど。」

結果、自分が何をしたいのか分からなくなっていくんですね。

 

 

2.「過度の自己批判」は自らへの「ネガティブバイアス」を促進する

以前書きましたが(ネガティブなことに引きずられない、「ネガティビティー・バイアス」の緩和)、「ネガティブバイアス」とは、ポジティブ面よりネガティブ面にフォーカスして物事をみるヒトの性質です。人類が生まれて以来99パーセントの期間を占める狩猟採集時代、生存を脅かす危険に常に囲まれながら生き残るために、必要不可欠な性質だったとされています。確かに、岩で遊んだり岩のそばで休んだりと、「岩」に関係したどんなに楽しく心地よい体験をしたとしても「以前岩の後ろにライオンが隠れていたことがある」というネガティブな事実を覚えておかなくては、生き残ることはできなかったでしょうね。

そうした時代の名残から、物事をみると、99回よいことがあっても、1回の望ましくないことを、現代でもヒトはよりしっかり覚えているいる、というんですね。

心理学者のShelley Gable氏と Jonathan Haidt氏の研究によると、ヒトは、ネガティブ体験の3倍以上のポジティブな体験をしているにも関わらず、ネガティブな体験にフォーカスする傾向にあるといいます。

そこで、「もし、私たちがありのままに物事をとらえるとするなら、75パーセントの人生はだいたいうまく言ってるわけですから、人生をかなりポジティブに眺められるはずなんですよね」とSeppara氏は言います。

 

それで、「自己批判が過度」になるにつれ、自分に対してのこうした「ネガティブバイアス」が、より促進されるといいます。とにかく、自分のネガティブ面ばかりに目が行きフォーカスするようになるというんですね。

 

 

3.「過度の自己批判」は自分のポジティブ面を当たり前にとる姿勢を培う

批判ばかりに目が行きますから、それ以外は、通り過ぎるようになるといいます。どれほどポジティブでありがたい部分を持っていても、どれほどのことを成し遂げても、「欠けている」部分ばかりが目に付いてしまうんですね。

 

 

 

 

きついですよね。自分に対して全然フェアじゃないどころか、失礼過ぎますよね。

何よりも、こんな状態で、将来に向けすくすくと力を伸ばし発揮していけるわけがありません。

いずれ、行き詰まります。

 

敏感でネガティブ面も強烈に迫りくる子、

一点のしみがすべてを台無しにしてしまうように感じる完璧主義の子に、

「過度の自己批判」を、不完全さを包み込む「自己への思いやり(セルフ・コンパッション)」へと変えていくことの大切さを思います。

こういう子達は、少しの失敗にも、自らを残酷なまでにも吊るし上げがちですから。

自分を大好きで大切なお友達のように「思いやり(コンパッション)をもって扱うこと、

思い出させていきたいです。

そして周りの大人が、自ら体現していくこと。

 

難しい状況でも折れてしまわないレジリエンスを高めていくために、

実行していきたいですね。

 

 

HSPの親とHSCについても、

のちほど引き続きまとめていきます(週末ぐらいになるかもしれません)!

みなさん、今日もよい日をお過ごしください!


「ちきりん『学校は不利な人をより不利にする場所』 イケハヤ『まだ不登校で消耗してるの?」について思う

2016年06月06日 | 子育て全般

「ちきりん『学校は不利な人をより不利にする場所』 イケハヤ『まだ不登校で消耗してるの?」より。

 

この記事にあるちきりん氏の本はまだ読んでないのですが、

「学校に行くことで、不利な立場がより不利になっている」という視点、

興味深いですね。

 

確かに、

「この人たち、世界中どこだろうと、生き抜いていくだろうなあ」

と思う知り合いの中には、

経済状況や社会的地位は様々ですが、日本でもこちらでも、

ホームスクールしていたり、アンスクールしていたりという家庭があります。

学校そのものに、何の期待もしていないんですよね。

 

今の学校を大学まで出たからといって、

「生き抜く力」が育つとは思えません。

テスト的なスコアをあげるスキルは高まるでしょうが、

考える力や感じる力は、弱めてこそフィットするとさえ思えます。

 

じゃあ、もともとは社会を駆け昇る力をつけるための

「リカバリーの場」だったはずの学校が、

今は逆効果になり得るだなんて、一体どうしたらいいんでしょう。

 

ひとつには、

べらぼうに高いインターナショナルスクールや留学などだけでなく、

ホームスクールや、フリースクールや、寺子屋的なグループや、

「雲の学校」や、「静かな学校」など、

子供の特性に合った多様な学びの場が増え、

今の「オーソドックスな学校」のみに頼らないでいいという状況が、

より一般化し充実していくことでしょうね。

イケダ氏の言うような、「親と働きながら」学ぶというのもそのひとつですね。

 

また、「不登校」についていえば、

そうして今の「学校」がもつ「絶対的な力」がより分散されるにつれ、

今の「不登校」家庭も、親子でこれほど苦しむことなく、

こっちは合わないから、じゃ、あっちを試してみよっかと、

さらりと歩き続けていけるようになります。

周りの大多数が「当たり前」に通う中、

受け入れ先がほとんどないなんてきつすぎます。

「この学校」へ行くか行かないかだけの選択だなんて。

朝日デジタルの記事に思う、多様な学習スタイルを選べる教育システムでは「不登校」なんて存在しない

ちきりん氏の記事に思うこと、「学校で無駄に過ごす」から「多様な選択肢のある」システムへ

 

 

多分、今よりは多様化するだろうイケダ氏世代の子育ても、楽しみですね。

 

今後、さまざまな学びの場の試みが増え、

より手軽にアクセスできるようになること、

切に願っています!

 


親がHSPで子供がHSCであることのメリット、大変ながらも貴い体験の積み重ねですね

2016年06月05日 | ハイリーセンシティブチャイルド

ただでさえ毎日ぎりぎり状態で世界を体験しているところ、

同じようにいっぱいっぱい状態の子供のサポートをする。

自らをHSPとするエレイン・アーロン氏の手記を読んでいても、

HSPにとって子育てというのは、かなり大変なことなんだなあ、

というのが分かります。

 

感情をぶちまける子供と四六時中顔を突き合わせ、

ひとつひとつの発露が強烈に突き刺さり、

子供の言動や仕草のひとつひとつを読み取り、

子供に接する自分の態度のひとつひとつに思いをめぐらせ、

こんな風に振舞うこの子はこれから大丈夫なのだろうか、

自分がこんな風に接してしまったら、

のちのちこの子は大変なことになるんじゃないかと不安感は高まり。

しかも子育て中は、自ら息を吹き返す頼みの綱「一人の時間」も、

そうそう手に入りません。

 

アーロン氏、息子さんがまだ小さかったころ、

台所に玩具を散りばめ、自分は冷蔵庫の上!で、

本を読んだり書いたりと「自分の時間」をとるようにしていたといいます。

囲いをして玩具を与えておいたらすぐに飽きてしまうけれど、

台所を自由に行き来できるようにしておけば、

少しまとまった時間一人で遊んでくれんたんですとのこと。

高いところからなら、端々まで目が行き届きますしね。

 

それでも、アーロン氏をはじめ、HSPでありながら、子育てを通し、

かけがえのない体験を積み重ねることができたという声が、

いくつか紹介されています。

 

たとえば、

「子供をもつまで引きこもりがちな私を、

世界に存在し続けるよう強制してくれた。

そしてそれは、人生が変わる体験でした」

子供という存在は、より多様な人と合い、より多様な出来事へと連れ出してくれます。

私も子供という存在がなかったら、どうしてただろうと思うことがありますが、

もっと観念的な世界のみに生きていたでしょうね。

 

「子供は師なのだと学んだ」

自分を育てることなくして、子育てはまわっていきません。

そして子育てに大切な「過保護過干渉強制と突き放し無関心の間を行き来するバランス」とは、

まさしく自分を育てるバランスでもある、そうつくづく思います。

 

 

それでは今日は、HSPがHSCを育てるメリットをざっとまとめます。

 

1.子供の体験を理解できます

子供が場や人に慣れるのに時間がかかるのも、服のタグが気になるのも、相手の表情に感じ入るのも、映画の効果音が低くなったとたん部屋から逃げ出すのも、感情レベルでよーく分かるんですよね。

 


2.HSPやHSCといった特性の不利点への現実的な対処法を持っている

ずっと付き合ってきた特性ですから、この特性を持ちながら、どうハッピーに生き抜いていけるかを伝えていけますね。また、子供に伝え用という気持ちから、自らがハッピーに暮らすスキルを磨き続ける動機も高まります。


 

3.自分を好きになることで子供の自己肯定感を上げることができる

「HSPやHSCにとって、自己肯定感を高めることは容易ではありません。それでも、あなたがセンシティブである自分を尊ぶことができるとき、子供は、そうした解毒剤を、息を吸うようにすっと取り入れていきます」

確かに。自らに根ざす特性を忌み嫌うのではなく、誇りにさえ思うなら、その特性を受け継ぐ子供も自信を持てますね。

 

 

4.HSCが熟考する質問の答えを知っていたり、考え込む気持ちがよく分かる

大きくなるほど、会話もできるようになりますからね。同じような興味や深みをシェアでき、楽しいでしょうね。

 

 

5.調度いい声のトーンや言葉の強さを持っている

「センシティブな人は、より小さな声で穏やかに、声のトーンや質問や、沈黙の用い方に注意深くコミュニケートしがち。仕草や、ニュアンスや、ヒントも理解できます。ですから、良くも悪くも、互いに思うことをとてもよく理解できるんです」

長々と言葉で表さなくても、表情や、一言で伝わる場合も多いですね。

我が家の場合は、人数も多く、常にその時の気分も様々な人間が入り交ざりますから、周りに行きかうトーンや言葉がその時の自分に「調度いい」といかない場合もよくあります。「ちょっと今の僕・私にはきつ過ぎる」と感じるようなら一人になれる、そんな空間が大切かなと感じています。

「時に声を荒げての怒鳴りあいも起こるでしょう、それでも、互いにそれを望んではいません」

よく分かります。我が家も、ときに声を荒げてのいい合いになりますが、お互いに、好きじゃないんですよね。「同じ内容、こんな興奮して声を荒げなくても、話し合えたよね」とティーンの子達と、しみじみ言い合うことがあります。

 

 

6. 食べ物や、美学や、レジャーをどう過ごすかについて興味や趣向をシェアできる

「世代によって好みは変わってきますが、多分あなたとHSCは、様々な面の好みに、より同意するでしょう。」

ハイリーセンシティブな人は、目新しい食べ物をどんどん取り入れるより、同じ種類のシンプルなものを毎日繰り返し食べるのを好む、というような記述をいくつか目にするんですが、そのため、HSPの親とHSCが食べ物についてもめることも少ないとのこと。レジャーは、刺激にあふれた場を飛び回るより、ゆったり本を読んだりビーチを歩いたりとすることを互いに好むということのようです。

美については、我が家で言うなら、身の回りのあちらこちらに美を見出し、うっとりと感じ入る時を共有できるのは、嬉しいですね。

 

 

のちほど、「HSPの親がHSCの子育てで気をつけたいこととは?」

についてまとめていきますね。

みなさん、新しい週、よい日々をお送りください!

 

参考資料:『The Highly Sensitive Child』by Elaine N. Aron  P. 90- 96


親が非HSPで子供がHSCの場合、注意したいこと&アドバイス

2016年06月04日 | ハイリーセンシティブチャイルド

 非HSPがHSCに対して注意したい6つのこと&アドバイス

(『The Highly Sensitive Child』 (by Elaine N. Aron)より)

 

1. HSCが異なる体験をしていると信じるのが難しい

「『フリをしているんだろう』『アテンションが欲しいんだろう』などのみ考え、その子が全く違った世界の捉え方をしているということが理解できない。また『私だったらこうする』とのみ考えがち」

もしHSCのめがねをかけて周りを眺めるなら、「こんな捉え方があるなんて!」、と驚きでしょうね。

 

アドバイス:

・理解するためにあらゆることをしてみる

「HSCにどのように世界を知覚しているか聞いてみる、HSPの知り合いに尋ねてみる、HSCを持つ様々な親と話してみる。服のタグが気に入らないのは、肌がアレルギー反応を起こしているのと同じような感覚なのだろうなど想像力を用いる、など」

この子は違うように世界を見ている、という前提に立つと、より適した動き方をしていけますね。

 

・カウンセリングを受けてみる

HSCや気質に詳しい専門家に相談してみる。


・経験豊富で理解のある先生に聞いてみる

他の子に比べてその子はどうか、どう対応したらいいかなど。


・HSCの行動を説明するために、なじみのある、熟成した、複雑で、現実主義的な動機に飛びつかない

HSCという特性は、比較的新しいコンセプトですからね。既成の対応法では、十分でない、または不適切ということもあるかもしれません。


・あなたが子供時代楽しんだことを子供も楽しむとは期待しない

「ああ、これが楽しめないなんてなんて可愛そうなんだろう」そんな気持ちもするかもしれませんが、その子からみれば、「こんなに楽しいのにママやパパにはわからないんだなあ」ということもあるでしょう。

 

・背中を押しすぎない

「背中を押す必要があるときもあります。それでも本当にその子がそこで踏み出した方がいいときのみ」とのこと。

より敏感に感じているその子の目線に立ち、「ここぞ」というときに押してやりたいですね。

 

・自分の子供時代がどれほど素晴らしかったかと示すことで、HSCにうらやましく思わせたり、自分は劣っていると感じさせない

「サマーキャンプではしゃぎ、チームスポーツで活躍した思い出など、HSCが興味を持つよう、自分の体験の素晴らしさを説きたくなるかもしれません。それでもそういったことを、ひどい体験と感じるHSCもいるもの」

その子は、全く違った楽しみや喜びを持ちうると、思い出すこと。

 

 


2. 忍耐を失う

「大胆に話し一旦停止することなく行動に移すような親にとって、そうでないHSCに対して忍耐強くあるのは、時に難しいです」

逐一、まずは立ち止まって観察して、という姿、じれったく感じるかもしれません。それでも、すぐに介入したりあきらめたりせず、ちょっと待ってみるという姿勢、これは、どんな子供にも重要だと思いますが、HSCはこの「待つ時間」がより長かったりする、そう覚えておきたいですね。

 

アドバイス:

・忍耐力をつけるよう取り組む

「HSCを育てるには忍耐が必要。10までゆっくり数えるようにうする、誰もいない部屋でフラストレーションをあらわすなど」

大変ですが、子育て以外のことについても役立つトレーニングになるかもしれません。

 

・質問しても答えが返ってくるまで忍耐強くある

「答える気があるのか不確かな場合は、まだ考えているのかを尋ねてみます。痺れを切らしせき立てるような姿勢は、逆効果」

外は静かにみえても、内面では活発にずーと考え続けているかもしれません。せきたてられると、内面の議論の最中を一気にまとめることになり、焦ってしどろもどりになることもあるでしょう。

 

・決心させるときには適度な時間を与える

「もし充分な時間を与えられなかったり、忍耐強くできないようなら、質問しない」とのこと。

時間が限られている場合は、「どう思う?どうしたらいいかな?」などのオープンクエスチョンでなく、選択肢を与えるのも手ですね。

 

・もし何か新しいことを試させたい場合は、慣れる時間を十分持つ

「もし時間がなく、あなたも慣れさすのをサポートする気分じゃないのなら、新しいアクティビティーを提案しない」とのこと。

新しいことをさせるときは、この一連の過程について心構えしておくといいですね。

 

・物理的な安全性を確保するためにより忍耐強く取り組む

「鍵が閉まっているか何度か確かめる、災害や事故への対策、予定通りの時間にその場につくなど、HSCが持ちやすい不安感を和らげるため、より忍耐強く注意し行動する必要があるかもしれません」

確かに、HSCが「大丈夫」と思うのには、そうでない子の何倍もの取り組みが必要になるかもしれません。

 



3.あなたの声は大きすぎあなたの言葉は強すぎるかもしれない

普段当たり前に用いるトーンや言葉も、この子には強すぎるのかもしれないと思い出してみるといいです。微妙なニュアンスや、細かな意味まで吸収しますから。

「特に、HSCが深い気持ちを話すときは、より穏やかに話すこと。明るい光に慣れていない深海魚を海の底から連れ出してくるような配慮で」とのこと。

 

アドバイス:

・HSCに話すときは、常にトーンダウンするよう心がける

話す前に、一呼吸おいてみます。

 

・誤解されるようなからかいやジョークを避ける

これは以前も少し書きましたが、その冗談が楽しめる年齢か性質かをみていきたいですね。

 

・「正す」ことが必要な場合も、小さな声で始める

遠くから大声より、近寄って耳元で言った方が、通じますね。これはHSCでなくても。

 

・従わないからといって恐ろしい結果をもって諭さない

「その葉っぱに触らないようにって言ったわよね。どうして触ったの?その植物を口に入れたら死んじゃうのよ」

HSCにはむちゃくちゃ効き目があるでしょうが、「恐い」という感情が強烈に残ります。

 

・どんな考えを大きな声で表すかを気をつける

「HSCはネガティブな感情も過剰な力をもって受け取ります」

感情や思いを表してやるのはHSCにとって大切。それでもHSCには強すぎるかもしれないと思い出し、内容や表し方を選んでいきたいですね。

 

・あなたが話しすぎてHSCがついていけなくなり沈黙してしまわないよう気をつける

「あなたが既に他のことについて話し始めていても、HSCはあなたが話したことについて考え、自分はどう答えようと考えているかもしれません」

その子の様子を見て、その子が考えて表すことのできる沈黙のときをはさんでやりたいです。

 

 

 

4.あなたはHSCを退屈だと感じるかもしれない

「HSCは、奇妙で、深く、ユーモアにあふれた洞察を持っています。それでも、窓からずっと外を見ていたり、読書していたり、静かなときを好みます。絶え間ない会話というものを期待できないかもしれません。またHSCが新しいことを試すのを待つのは退屈でもあります」

自分が常にゴーゴーイケイケタイプだと、確かに退屈に見えるかもしれません。

 

アドバイス:

・子供がようやく慣れ楽しみ始めたころには自分はそのアクティビティーに飽きているかもしれないと予想しておく

慣れるペースが全く違いますから、こういう状況も起こります。我が家も、見知らぬ場で子供たちがようやく慣れ楽しみ始めたころ、帰る時間、ということがしばしばありました。あらかじめ予想しておくと、フラストレーションもそれほど感じませんし、時間もよりとるようにするなど調整できますね。

 

・イヤフォンつきのCDプレイヤーなどを用意する

「長旅などでも絶え間ない活発な会話は期待できないでしょうし、自分で楽しむ方法も用意しておくといい」とのこと。

私も「読み物」を必ず用意してます。自分も自分なりに楽しんでいると、子供も、自分のペースでのびのびと楽しめることもあります。

 

・あきらめる前に、話したり一緒に何かしたいかを聞くようにする

「一緒に楽しみたいけれど、そうでなくてもハッピーよという姿勢を示す」とのこと。

この子はどうせのってこないしな、と思っても、声をかけておき、いつでもママOKよ、と知らせておくといいですね。そのうち、やってみようかな、と寄ってくるかもしれません。

 



5.子供に拒否されていると感じるかもしれない

「ずっと一緒にいたり、身体的に触られるよりも、一人でいたがることもあります。大きくなるにつれ、家の外の人にはよりフレンドリーであるとも感じるかもしれませんが、これは必要に迫られてしている場合もあるもの。一人でいたがるのは、あなたの前ではより自分であれると安心しているからです」

親がいつも一緒にいたいタイプだと、より感じるでしょうね。その子のニーズを観察し、一人のダウンタイムを大切にしてやりたいです。

スキンシップについては、読んでいて、ハグやキスが日常的なこちらの家庭では、日本に比べ、より強く感じるだろうなあと思います。

 

アドバイス:

・単にプライバシーのある静かなダウンタイムが必要なのだと思い出す

「私のこと気に入らないんだ、といったように個人的にとらない。あなたより、一人静かな時間が必要と思い出すこと」

たっぷり一人になったら、出てきます。

 

・一緒にアクティビティーをするときもその子のニーズを満たすことに喜びを見出す

「HSCはあなたに合わせ、一緒のペースで走り続けようとするかもしれませんが、無理をしすぎて体調を壊したり、悪夢を見たり、寝られなくなったりということもあるもの。その子が本当に必要とすることを満たしてやることで、その子はよりハッピーになり、あなたと一緒にいることにもより喜びを感じます」

繰り返しのルーティンや休憩やダウンタイムを、自分が必要とする以上に、たっぷり与えるようにします。

 

・疲弊や刺激過多のサインを読み取るようにする

「ブレークダウンする前に気づくようにします。それはあなたが疲れるよりもずっと前に起こるかもしれません」

そうすることで、子供が一緒に何かをすることを拒否することもより少なくなるでしょう。

 

・詮索しない

「興味を示しつつも、主張しすぎないように」とのこと。

アーロン氏のHSCの息子さんは、夜になると、堰を切ったように話し始めることがあったといいます。その日体験したこと、思っていること、感じていること。こちらからつつきまわすと、より殻にこもることもあるもの。そばにいるよと示しつつ、待つのがいいですね。

 

・穏やかに、ジャッジのない姿勢でアプローチし続ける

「身体的な愛情表現や接触、また会話することを好まないこともあります。肩をぽんとたたくというほうが、ハグやキスよりよい場合もあります。話すよりも、何か一緒に創るなどプロジェクトをしたほうが話しやすかったりします。」

あれこれ聞かず、一緒に何かをするというのも、いいですね。ただ、料理したり、散歩したり、何か創ってみたり。そうした一緒に行動することを通して、自分の思いや気持ちをぽつぽつと表したりしますね。

 

・事前に聞く

「ハグしてもいい?手を握ってもいい?お休み前のキスをしようかなど。突然触り、驚かせないように」とのこと。

夜寝る前や、送り迎えとの時など、習慣化しておくのも、サプライズがなくていいです。


・よりリラックスしたときを待つ

「にぎやかなアクティビティーが終わったばかりなど、話し始めたりゆったりハグしたりとする前に、落ち着く時間が必要なことも多いです。接触を避けているというより、より自分であれると安心しているととらえてみます。」

興奮を冷まし、余韻に浸りとする時間をもたせてやります。

 

・他の方法で愛情を表すのを励ます

「メモを渡したり、プレゼントだったり。ひとつひとつに喜び感謝を表してやりましょう。」

確かに。その子に心地いい表現方法がありますね。

 

・スキンシップをあきらめない

「あきらめるのではなく、軽く短くしましょう」

よりカジュアルに日常に散りばめていきたいです。

 

・あなたと性別が違うなら「年頃」ということもあるもの

ホルモンの関係で、性的なことにもより敏感になりやすいもの。

「言葉でないサインも含め自分の行為は全く性的でないと明確であること」

 


6.意図せず子供の敏感さを利用していると気づくかもしれない

「HSCに待たせたり、いい子でいさせたり、自分の問題や何を必要とするかを伝えるのは容易いこと。そしてHSCはだいたいその通りにしようとするもの。いい子で、ヘルプフルで、賢く、成熟した子供だからといって、家族の中でもその子ばかりに負担がいっては、フェアではありません」

一部の子だけが重荷を背負ってやしないか、気づいていきたいです。家庭もですが、学校などの集団行動でも、こういうことが起こるんですよね。

 

アドバイス:

・HSCを親友やカウンセラーとして用いようとする人に注意する

「一般的にHSCはいい聞き手で、共感力も高いため、友達だけでなく大人も、問題や秘密や不安を打ち明けたりするもの。それでも境界を設けていいのだと教えていきます。時に話題を変えるだけでも十分だったりします。力を吸い取られたり、重荷に感じ、どうしていいか分からない場合は、あなたに話にくるようにと伝えておきます。」

自分がつぶれるほど他者の問題を抱え込んでしまわないよう、スキルや姿勢を身につけさせてやりたいですね。

 

・許可なく子供の能力を自慢しない

「ほとんどのHSCは周りから注目を集めるといった高い刺激をあまり好みません」

あまり人目にふれないところでこつこつと溜め込んで、十分でより確実になったところで、少しずつ表す、そんなペースがいいんでしょう。

 

・家事はその子がフェアと感じるように分担

調査によると、家事というのはたとえ平等に配分されていても、それぞれが70%は自分がしていると感じる!のだそうです。

「それでもHSCの子は、不満を口にせず、言われたとおりにすることも多いため、一人ばかりに負担がいきつつも、実際のところが知られないままになることもあります」と。シンデレラみたいなんですね。

我が家では、子供たちの間で、「何で私だけいつもこんなにしなきゃいけないの!」という言葉が時々行きかってます。「あれ、あなたたちってHSCじゃなかったっけ?」とも思いますが、こうしてあからさまに表してくれると、分かりやすくはありますね。シンデレラになってやしないか、みてやりたいです。

 

 

 

敏感になるところと全然気にならないところって、

非HSPとHSCであろうと、HSPやHSC同士であろうと、程度の違いはあれ、異なることもありますね。

どちらにしても、

その子を理解しようとし、その子にとっての健やかさをみていく姿勢を、大切にしていきたいです。

 

 

では、HSPの親とHSCというケースでは、

どういったメリットがあり、

どういったことに注意したらいいとされるのか、

のちほど、まとめていきます!

 

さて、こちら週末早朝。

今日は午後からこの家にインスペクションが入るので隅々まで大掃除です。

午後は再びぞろぞろと引越し先物件の内見。

 

それではみなさん、引きつづき楽しい週末をお過ごしください!


親が非HSPで子供がHSCであることのメリット

2016年06月04日 | ハイリーセンシティブチャイルド

子供の性質と自分の性質が、

よく似た場合、または、異なる場合、

それぞれ、メリット、そして注意したい点があります。

 

これは、

自分とその子は、同じように世界を体験しているか、

それとも、同じ世界にいながら、全く異なる体験をしているか、

といった違いともいえます。

 

とはいえ、たとえ互いに「似ている」とはいえ、

自分とは異なる一人の人ですから、

細かな違いはあり、全く同じということはありえません。

 

親がHSPであってもなくても、

時に、子供の側に立って、

その子のメガネをかけてみる、

そんな姿勢が大切なのでしょうね。

「子供のメガネをかけてみる」)

 

それでは今日は、

「親がHSPではなく、子供がHSCの場合」について、

そのメリットと注意点を、

『The Highly Sensitive Child』 (by Elaine N. Aron)より、ざっとまとめます!

長いので、2回に分けますね。

 

ちなみに、

大人のHSP診断リストはこちら: HSPの自己診断リスト

子供のHSC診断リストはこちら:

どういう子供が「ハイリーセンシティブチャイルド」なのか

「どういう子がハイリーセンシティブチャイルドか?」を見分ける最新バージョン「DOES」

 

 


非HSPの親がHSCに対してもつメリット


1. より冒険へと導ける

「チームスポーツやさまざまなアクティビティーなど、非HSPの親は、HSCの子をより新しい体験や新しい場へと連れ出し体験させようとします」

その子のコンフォートゾーンを踏み出させる機会をより頻繁に与えられますね。HSCが背中を押されるような瞬間を必要とするとき、最高な存在となりえます。

 


2. 地に足の着いたバランスを与えられる

「不安、怒り、悲しみなどの感情に子供が圧倒されていても、それらを共に感じる度合いが強烈過ぎないため、より動じず子供を落ち着かせることができます。」

子供の感情に一緒に引きずられることなく、「こちらよ」と示すことがよりしやすいでしょうね。

 

 

3. 声をあげて子供を守る構えがよりできている

「たとえば、祖父母が突然ハグしてキスするのを、刺激的過ぎると圧倒されるHSCを前に、はっきりと説明することができます。HSPの親ならば、面と向かって声をあげるのを躊躇するかもしれません。」

確かに、その子が慣れるのに適したペースや状況を、どんな相手や状況であろうと、より声を上げて整えることができるでしょう。

 

 

4. あなたは何を考えているかをそれほど躊躇することなく表すことができるためHSCを安心させることができます

「HSCは、本当は怒ったり動揺していても、表さない親を心配する必要もないでしょう」

親が内に溜め込まない分、子供も、こういっているけど本当はこう思っているんだろうななど、親が表に現わす以上に、親の顔色を伺ったりとする必要がありません。

 

 

それでは、つづいて、非HSPがHSCに対して注意したいこと&アドバイスです! →こちら