マイコー雑記

行き来するもの書き留め場

「宗教心」に興味を持つ娘と「ユニタリアン・ユニバーサリズム教会」の礼拝を訪ねてみました

2017年04月03日 | 訪ねてみた

先週今週と、「ユニタリアン・ユニバーサリズム教会」の礼拝を、娘の1人と訪ねました。

 

訪ねたのには「3つの理由」があります

ひとつめには、娘の1人が「宗教心」に興味を持ち「みてみたいな」と言ったこと。ユダヤの思想に触れたり、仏教の座禅会や、お友達にキリスト教会の催し物に誘われついていっても、「この宗教に入りたい」という気持ちは今のところないそうですが、それでも、「人を超えた存在」について思うことのできる時や場に興味を持っているようです。

 

ふたつめは、日々の糧を得るためや、するべきリストをこなすのに日々走り回る中、しばし「人を超えた存在や愛や賛美」について話すコミュニティーと繋がるというのは、他の子供たちにとっても貴い体験だろうと、夫も私自身も思っているということ。

 

みっつめは、周辺の宗教団体について調べていて、「ユニタリアン・ユニバーサリズム教会」について、私自身、人類学的な興味を持ったこと。

元々、16世紀頃、ヨーロッパで始まった「ユニタリアン派」ですが、そこから派生した「ユニタリアン・ユニバーサリズム教会」というのは直接的には米国のボストンで20世紀後半に始まったようです。

『Wikipedia』によると、「『真実と意味についての自由で責任ある探求』を特徴とするリベラルな宗教」とのこと

「いかなる信仰を持つ人々も歓迎する」とし、信仰というのはあくまでも「個々の選択」という立場をとっています。それは、キリスト教、ユダヤ教、仏教、イスラム教などの既成の宗教への信仰もですが、不可知論、無神論者も含まれます。

 

「宗教的信仰」という「人の根幹部分」で異なる多様な人々が、「ひとつの信仰団体」として成り立つことが、一体どのように可能なのでしょう?

 教会のウェブサイトには「良心の宣言」とうたわれています。

 

 

長男は、「ユニタリアンってキリスト教の一派でしょ。どんな信仰でもありと掲げて、それでも最後は皆キリスト教に改宗して欲しいということじゃないのかな?」と。

調べ、直接出向いても、そうではないようですね。

 

 

 

毎週の礼拝は社会問題が扱われたり芸術仕立てになっていたり

1回目先週末は、教会のミサという場で、あれほど「社会的な問題」について熱く語る牧師さんをみたことがないと驚きました。人種差別などあらゆる社会的な不公平さに平和的に立ち向かう大切さを説き続けます。

優性学の歴史と現代の科学についてがテーマでした。米国の優生学支持の流れからヒトラーのホロコースト、そして現代の科学がどこまで人の遺伝子や命を操作することが許されるのかについて。

帰りの車でも、長女と話し合ってました。「じゃあ、妊娠中自分の子に障害があると分かったらどうする?」と。「どれほどの程度なのか、どういった障害かによるなあ」と長女。「ではその線引きはどう決めるのか」「後天的に障害を持つ可能性はいくらでもある」」「皆が当たり前のように遺伝子をより分けるようになった時、どんな社会になってしまうか」など。

答えがすぐに見つかることではありません。今後科学的にはますます「優性遺伝子」のみを残すことが可能となっていきます。だからこそ話し合っていきたいですね。

 

 

2回目今週末のメインのメッセージは、「内に戻り、自らを信じること」でした。

牧師さんの話と教会のメンバーによるミュージカルコラボレーション。

長女と、「なんでみんなこんなに歌って踊れてパフォーマーなわけ」と顔を見合わせてました。

教会メンバーには音楽家や絵描きさんやと、アーティストが多いようで、毎週の礼拝時には、教会の壁はアート作品展示で埋め尽くされます。

 

「スピリッチュアリティーというのは、社会的な問題から目をそらさせ、心地の良い殻の中に閉じこもるためではなく、周りの状況や問題をより観るためのものです。

それらの問題に、『恐れなく立ち向かう』ための力を得る源なのです」と牧師さん。

私自身、とてもしっくりくる言葉でした。

 

礼拝の後は、同じ教会の建物で行われるキリスト教やユダヤ教の勉強会や、仏教の座禅会などへと興味のあるテーマへ好き好きに分かれていきます。

イスラム教会とのランチ会も定期的に、ヨガクラスも毎週行われているようです。

 

 


集まる人々の様子

既成の宗教のみではどうもしっくりとこない、それでも資本主義や日常の雑事といった枠組みだけでは十分と感じない人々。

とはいえ、「不可知論者」も「無神論者」も歓迎ですから、「宗教心」だけでなく「人減の尊厳」といった、「人の根幹にあるもの」を信じる方々の集まりといった様子かもしれません。

皆さん、生き生きと人生を謳歌されている様子が伝わります。

 

 

 

 

米国では、大統領も「神」という言葉を用いますし、どれほど小さな町にも必ず教会があり、現代の日本に比べ、「宗教心」を持つことがより自然な雰囲気が溢れています。

そんな中、こうした「不可知論」「無神論」も含む「多様な信仰を持ちつつ社会問題に向き合おうとする宗教」というのも、選択肢として素晴らしいことだなと思いました。

 

元のユニタリアン派以来の信者さんには、芸術家から政治家からフェミニストや社会活動家まで、各界で活躍した人々も多くいるようです。

https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_Unitarians,_Universalists,_and_Unitarian_Universalists

 

 

「立ち止まる娘」のジャーニーを、共に楽しみながら、見守っていきたいなと思っています。

その子が「立ち止まること」こそ個性が伸びていく契機ですね、自分で道を見出す力があると信じてやりたいです

みなさん、今日も良い日を!


「トーストマスターズ」、課題は違えど改善したいという気持ちは同じ

2015年11月18日 | 訪ねてみた

昨夜は長男をNPO活動に送り、

ちょうどその近くで行われていた「トーストマスターズ・インターナショナル」のミーティングをのぞいてみた。

メンバー同士、パブリックスピーキングを磨き合う非営利団体。

あらかじめ用意したスピーチから、その場でトピックを与えられる即興スピーチまで、

皆さんユーモアに溢れ、笑い転げた1時間半だった。

 

「ハッピーな出来事スピーチ」では、来月英国を旅するのだけれど、オックスフォードのトーストマスターの例会に参加してみるつもり、世界中126ヶ国にクラブがあるから、旅しながらも色々な集まりをのぞくことができて嬉しい、といったものから、お母さんが脳卒中で先週初めに入院したけれど幸い何の後遺症も残らず回復しているといったシリアスなものまで。話に聞き入った。

即興スピーチは、「授賞式での感謝のスピーチ」という設定。「最もゴキブリが多いホテル賞」、「最も秀でた犬の糞つかみ装置発明賞」などめちゃくちゃな賞の受賞に、ウィット散りばめ真面目な表情で感謝を述べるメンバーの方々。

即興ディベートでは、30分映画と4時間映画、一輪車通勤とカープール通勤どちらが良いかをプロモーションという設定。

 

休憩時間にメンバーの方々と話す。

普段人前で話す仕事だけれど身体が震えるのを何とかしたい、要点をなかなかうまくまとめられず脱線してしまう、赤面する、人前に立つ不安感を何とかしたい、アドリブが苦手、そうおっしゃる皆さん。

もう、ホント全然皆さんそんなように見えなくて。リラックスしまくって話しているように見えたのだけれど。

 

壇上に向かう皆さんの

心の中で何度も何度も自らを奮い立たせる声が、

少し聞こえるような気がした。

 

 

 

「私は英語でより自然にコミュニケーションできるようになりたいんです。

それがどんな場であっても。」

そう話す私に白髪の女性が、

 「素晴らしく話せるように見える人も、改善する余地は果てしなくある。

それぞれ抱える課題は違うだろうけれど、

一つ一つ克服して良くしていきたいという気持ちは、皆一緒なのよ」と。

 

皆さんそれぞれ抱えるチャレンジがあって、

それらを改善したいとこうして動かれているんだなあと、

大いに励まされた夜だった。

 

 

 

 

それにしても、

事前に用意できるスピーチは何とかなるかもしれないけれど、

即興で英語人前スピーチというのはまだちょっとハードル高いなあと。

 

ひとまず、

日々身近に話しかけてくださる方々、

以前は一言返しておしまいだったところ、

会話を繋げる努力をしてみる。

放課後スクールのスタッフ会議や、

様々な集まりなどでより多く発言する。

質問できる場では必ずいくつか尋ねる。

引き続きそんな努力を積み重ねていきたい。

 

そう姿勢を変えて以来、

確かに身の回りの様々なことが随分と変わってきたように思う。

 

そして最近つくづく思うのは、

相手がどんな文化背景を持っていようと、

心と心が触れるような交わりにはそれほど関係ないということ。

今では、関係を築く上で、

相手がどの国出身ということを、

以前ほど大きく感じない自分がいる。

 

アラスカでわいわいと日本の友人達と過ごし、

こちらにきて以来、日本語を話す機会がない・・・、

そう途方に暮れた時期もあったけれど、

今できることを積み重ねることで、

色々な扉が開いていく、

そんなことを感じている。


HERRS工場見学

2015年10月14日 | 訪ねてみた

昨日は三女三年生の遠足補佐。

ペンシルベニア州のお菓子会社「HERRS」の工場見学。

 

20世紀半ば、

小さな車にポテトチップスの袋を積み、

 近所に手渡しで売って回った始まりから、

 やがて工場が建てられ、

 今では25種類のポテトチップスなどのお菓子が、

米国東海岸とカナダの28州で売られている。

 

順調に規模を広げていた1951年には、

工場が全焼し、全てを失い、

また一から築き直したと、

映像の中の故創業者が語っていた。

 

今では子供が事業を受け継ぎ、

家族三世代が切り盛りするHERRS。

 

一時間のガイド付き無料工場ツアーを週5日公にオープンし、

小学校へのお土産にと段ボール何箱ものお菓子をいただいた。

コミュニティー活動に活発で地域に根差したアットホームな雰囲気。

 

今後、店の棚に並ぶお菓子の中に、

HERRSのものを見つけたら、

手に取ろうかな、そう思わされるような一日だった。

 

その商品を手に取る理由には、

品質や値段の上に、

こうしたパーソナルな気持ちも影響するのだなあ、

そんなことをしみじみ思った。


日本人女性とのランチ会

2015年10月14日 | 訪ねてみた

一昨日は20人以上の日本女性が集まるランチ会に参加。

 

こちらに来て以来、初めて出会う日本の方々!

 

これまで異国の地で夫さんに大切に大切にされてきたんだろうなあというお姫様のような方や、

私が養ってあげるからといった勢いで駆け抜けて来られたんだなあという方や、

様々な方と話しができ、とても楽しかった。

 

皆さん一時間以上離れたところに暮らしてらっしゃるので、

そうそうお会いするとはいかないのだけれど、

ああこの地で、それぞれ頑張ってるんだなあと思うと、

元気が出る。

 

 

 

ひとつ驚いたのは、「テレビに出てたでしょ!」と何人かに言われたこと。

 

一人の方は、「どうしたら出られますか?とっても出たいんです」と目を輝かせて話に来られ。

まっすぐな積極性が、何ともすがすがしかった。

夢が叶うといいね。

 

 

 

来年の夏には、同じ州内での引っ越しも考えているのだけれど、

あちらこちらの地域や学校の様子なども教えていただけた。

ひとまず根を落ち着ける場というのを、模索していきたい。