マイコー雑記

行き来するもの書き留め場

我が家の子供たちの特徴整理、何度倒れても立ち上がり歩き続ける力を培うために

2015年12月29日 | 中学・高校

我が家の子供たちの特徴を少し整理してみたい。

5人それぞれ異なるけれど、中にはこういう特徴を持った子がいる:

 

・不安感の強さ:特に幼少時代、眠る前や見知らぬ場など。上の子を見ていると成長するにつれマイルドになっていく。多分私の影響も大きいのだろうけれど、私自身今ではどこから境を超えてしまうのか、どう対処したらいいのか自分なりに分かっているので、見違えるように楽になっている。マインドフルネスは「扁桃体」を落ち着かせるともMRIなどを用いた研究から分かっているけれど、「落ち着く、リラックスする」という意味が、私自身ようやく体感として分かるようになったのだと思う。

 

・強烈な感情:これは程度の差こそあれ、5人全員に見られる。「彼にとって触れることは強打 音は騒音 不運は悲劇 喜びはエクスタシー 友達は愛する人 愛する人は神 失敗は死」by Pearl Buckの詩を生きているような。苦しみと喜びに溢れた日常。1人になる時間やダウンタイムが大切。

 

・夫の家系に見られるディスレクシア?: 通常の学習には今のところ表れていないのだけれど、テストの種類によっては微妙な凹となって表れる。それでもほとんどの子が本好き。自分からあまり本を読むことがない子が一人(少しでも辻褄が合わないと止めてしまったり、強烈なイメージが浮かぶのが嫌と)、スペルが苦手な子が一人。

 

・記憶の凸凹が大きい:こんなことも覚えているの?!と、こんなことも覚えていないの?!の差が大きい。これが学業面で凸凹に表れることも。興味関心がないことはなかなか覚えられない。

 

・完璧主義:特に2人に見られる。「オールオアナッシング」の間を生きていく方法を身に着け中。

 

・音や匂いへの過敏:音は幼少時のみ。匂いは大きくなっても娘たちの間で続く。

 

・直観的:何となくできてしまうのだけど、なぜできるのか分からない。思考するほど、できなくなることも。

 

・相手や自分の微妙な心の動きに敏感: 昨日は、TVスクリーンに映る人をジョークにして笑ったあと、そんな自分の心の基には嫉妬心やコンプレックスがあるんじゃないかという話をしていた。怒っているときの自分は、まるで自分でない誰かが自分をコントロールしているかのようなど、心の動きについての話をする。色やイメージ的な言葉を用いることも多い。

 

・友人関係:今回の引っ越しでも感じたのだけれど、どこでもスムーズに溶け込み、それなりにお友達もできているよう。ただ、特に女の子ほど「合わせる」という面が多いのか、お友達の前と家でとの顔の差が大きい。一人でいる時のほっとした様子が印象的。「親友」と呼べる子はアラスカ時代の1人か2人なのかなと。長男が好きになる子は昔から一貫していて、「ユーモアと優しさのある子」なんだなと思う。好きになると思い入れも強くとても大切にする。

 

 

 

「隠れディスレクシア」のため?か凸凹があり、強烈な感情や過敏さが見られ心の微妙な動きにも関心があることから、自らの凹が強烈に迫り、すぐにあきらめたり、自分はダメだと思うことも。強みにフォーカスしスキルを磨き、自信をつけ気持ち的にも引き上げていく、同時に「弱み」への具体的対処法を身に着けていくこと。

 

あと2年もすれば、順に高校を卒業し、それぞれの道を歩いていく子供達。

 

長い目で見て、

何度倒れても立ち上がり「歩き続けていく力」を培うサポートをしていけたら、

そう思う。

 

さて、

今日はこれから長男をレスリングのトーナメントに降ろし、

残り4人と様々プロジェクト。

それぞれ個性を持つお子さんに関わる方々を、心の力に。

 


進化と淘汰

2015年12月29日 | イメージ

一昨日は、ワシントンDCのスミソニアン国立自然史博物館で、

 人の進化の歴史を追った展示室を家族で歩き回った。

 進化というのは、環境に適応できない人々が淘汰されてきた歴史でもある。

 人を含めた生物は、進化と淘汰の間を刻々と歩き続けている。


家系に受け継がれるディスレクシア、満遍なくできなくたって時間がかかったっていい

2015年12月27日 | 中学・高校

昨夜は、南米チリの義父家族とスカイプ。

夫が6歳の時に離婚した義父は、

その後夫より3つ年上の女性と再婚し、

4人の子供がいる。

20歳長女、18歳次女、16歳長男、14歳三女、

下の2人が家の長男長女と同じ年!

 

5年ほど前、皆で1ヶ月ほど遊びに来たことがある(「夏の訪問団 2010」)。

子供9人の暮らし!

普段親戚から離れて暮らす我が家の子供たち、

特に上の子達にとっては、

今でも忘れられない大切な思い出。

 

スクリーンに映るすっかり大人っぽくなった4人の子。

義父も4人の様子を時々教えてくれる。

国でトップの大学に入り生き生きとしたお姉ちゃん、

学業面で困難を抱える他の子達。

 

義父、夫(「落ちこぼれ代表」の夫の歩み、「私」にはいくつもの層がある)と続くディスレクシア。

ディスレクシアの遺伝率は、

一説には60パーセント近くという。

ディスレクシアは「代々家系が背負うもの」ともいわれている

 

我が家の長男が小学生時代も、

2年生の先生に「彼の手書き文字がやっと読めるようになってきました」と言われ、

4年生の先生には手書きの文章でのスペルミスの多さに「これは家系的なものですね」と、

5年生では「ピリオド忘れが多いで賞」をいただいた。

小さな頃から読書が大好きで、読解なども得意な方なのだけれど。

スペリングもクイズなどになると、できなさが目立たない。

 

我が家には、

「隠れディスレクシア」(「隠れディスレクシア」、その特徴と対処法」)という形で表れているのかなと思う。

通常の学業に支障をきたすわけではないのだけれど、

「あれ?」と思うようなところがある。

 

義父の4人の子達、

皆ユニークで賢い。

 

義父の再婚相手は40代でカナダで博士号を取り、

今はチリに戻り、大学教授として活躍している。

子供たちは、小さな頃からアカデミックな環境に囲まれてもいる。

 

それでも、学業にはそうした賢さは表れない。

それが、ディスレクシアの苦しみ。

知能的には、人並みだったり人並み以上でありながら、

本人や事情を分かった周り以外は、誰もそうとはとらえない。

義父の長男君は、一年近くうつにかかり、回復中。

 

 

 

 

私自身、この身近に脈々と流れる「ディスレクシア」を通して、

「知」というものを考えさせられるようになった。

今では、「勉強ができない」という言葉の意味を、

全く違った気持ちでとらえている。

 

ディスレクシアを持つ人々の中には、

際立った特殊な能力を持つ人々もいるけれど、

たとえ「際立って」いないとしても、

適した分野や職種などがある。

 

とにかく、「得意」を伸ばしていくこと、

「得意」で「弱み」を引き上げられるように。

そうして自信をつけていくと共に、

自身の「弱み」を分析し、

補うための具体的スキル(スペルチェックを必ずする、キーボードを用いる、

読むのにかける時間を周りの倍にしてスケジュールに組み込む、オーディオを用いるなど)も身につけつつ。

 

「満遍なくできる」で勝負する必要もない。

周りと同じペースで進まなくたっていい。

どれだけ時間がかかったって、何度倒れたって、

顔を上げ立ち上がるたびに、メンタル力も倍増していくんだから。

 

うつになって高校が一年遅れた義父の長男君、

パイロットやエンジニアを目指すと言っていた。

長女ちゃんもエンジニア志望なので、

昨夜は我が家の長男と3人で将来会社を作ろうかなんて盛り上がっていたり。

 

あなたたちの未来はね、果てしなく広がっているよ。

 

「ディスレクシア」についてこれまでまとめたもの:http://kosodatekyua.com/category/dyslexia/


アンダーアチーブメントの側面&三大要素

2015年12月25日 | メモ

アンダーアチーブメントの分析&対処に用いられるのが、

以下の3つの側面:

1.学校

過度の欠席、進むペース・カリキュラム・学習スタイル、友人関係、教師の理不尽な態度や期待、

2.家庭

情緒的サポートがない、オーガナイズされていない、教育方針の一貫性のなさ、教育の重要性が強調されていない、過度のコントロール、過度の自由

3.特性

乏しいメンタルヘルス、情緒不安定、自己評価の低さ、完璧主義、失敗の恐れ、うつ、学習障害(ディスレクシア ディスグラフィア、ディスカリキュラ、ADD,ADHDなど)

 

 

こうした側面から、

アンダーアチーブメントの「三大原因」とされるものを見ていく。

一.学業への「やる気」の消失

二.学習環境が適していない

三.学習障害

 

多くの場合、いくつかの要素が絡み合っているとされている。

 

対処法の鍵は、

個別の状況を分析し、個別の対処法を築いていくこと。

確かに、原因もこれだけ様々なところ、

「ひとつの万能な方法」なんてないだろう。

「ユア子育てスタジオ」の方へもまとめていきたい。

 

参考資料:

‘Meeting the needs of gifted underachievers – individually!’ 

by Smutney, J.  

http://www.davidsongifted.org/db/Articles_id_10442.aspx

‘Gifted Underachievement: Root Causes and Reversal Strategies’ by Alexander R. Pagnani

http://www.giftedstudy.org/newsletter/pdf/underachievement_handbook.pdf


「佐藤ママ」さんに思うこと、日本の子育てバランス

2015年12月25日 | 雑感

昨夜、知り合いから少し話を聞いたので、

「佐藤ママ」さんについて。

著書を読んだわけではないので、

「印象どまり」の話なのだけれど:

 

1.家庭に全身全霊注ぎたいという意志。

2.専業主婦をしつつ、

3.その上教育にお金をかけられるという恵まれた環境。

4.教師という職を通しての知識体験知恵の蓄積。

 

これらが合わさって、

こうした「世間の目を引く結果」として現れているのだろうと思う。

これら全ての要素が整ったケースってそうそうない。

 

メディア的には「ご本人が何をしたか」が取り上げられるわけだけれど、

「手持ちのカード」が全く違う中で、

同じような道を築くというのは難しい。

 

「いい」と思うものを自らの子育ての参考に程度で。

私としては、

「夫と子供達が分かってくれれば私はそれでいいんです」

とおっしゃる言葉に集約された「子供への向き合い方」を学びたいなと思う。

多分そこに、世間体や自らの「所有物」といったものを超えた、

子供さんへの向き合い方があったのじゃないかなと思う。

 

もうひとつは、

こうした○○大学に合格!スポーツで金メダル!といった

「とてもオーソドックス」かつ「極端」な子育て話以外の、

「子育てロールモデル」のようなものが、

日本でも流行ることがあればなあとも思う。

 

米国で大議論を巻き起こした「タイガーママ」へのカウンターパンチとして、

「イルカ親」についての著書がベストセラーとなったように。

そうしたら日本の子育ても、

もう少し「バランス」がとり易くなるのかもしれないなと。


日々思い出したい「ピンクの像を思うな!」

2015年12月25日 | 覚えておきたい言葉

子育てをしながら思い出していきたいことに、

「ピンクの像を思うな!」というのがある。

 

 

そんなところにごみを捨てない!

より、

ごみはどこに捨てる?

ゴミ箱あちらにあるよ。

 

ゲームばっかりしない!

より、

今日の予定は?

 

 

そちらに行くな!

より

あちらよ、と示す。

 

「ピンクの像を思うな!」

と言うならば、

ピンクの像が浮かぶもの。

 

「白い像!」

と言うならば、

ピンクの像は浮かばない。


アート三昧冬休み!苦しいけど楽しいんだろうなあと

2015年12月25日 | 日常

アート三昧の冬休み&ホリデイ!

アクリルペイント。

長女14歳

次女11歳

自分の部屋でも、

次男6歳

長女と次女、

ストリング・アート。

これらの釘にカラフルな糸を張っていく。

 

クリスマスデザート!by 次男&三女

 

 

我が家の場合アートは、

うまくできない!思うように表せない!葛藤と向き合いつつ、

「形」を築き続けていく体験の積み重ねのようなものかもしれない。

 

うぎゃーと癇癪、うわーんと部屋へ駆け込んで泣きじゃくる、

なんてドラマもしょっちゅう。

 

それでもしばらくして、

再びいそいそと向き合い。

そんな兄弟姉妹の様子を見ながら、

自らを見つめなおしたり。

 

アートって苦しい、

でもむちゃくちゃ楽しい、

子供たちを見ていて、

そんな気持ちなのだろうなあと思う。


21世紀に求められる子育てスタイル?タイガー親、クラゲ親、イルカ親のバランス

2015年12月22日 | 覚えておきたい言葉

欧米で子育てについて話したり資料に目を通したりとしていると、

必ず出合うのが「子育てスタイル」というコンセプト。

以前何度かまとめたのだけれど

(オールアバウト:http://allabout.co.jp/gm/gc/451504/

ユア子育てスタジオ:http://kosodatekyua.com/category/kosodatestyle/)、

簡単に言ってしまうと:

 

1.独裁的子育てスタイル(authoritarian): 過度にコントロール   

2.消極的子育てスタイル(permissive): 過度に放任 

3.民主的子育てスタイル(authoritative): 子供の自主性を大切にしつつリミットも設ける     

 

50年近くの研究を経、

「1」と「2」についてはその弊害が多く指摘され、

「3」が最も子供にとって健やかなスタイルとされている。

 

 以下、精神科医Shimi Kang氏の著書(*)を参考に少しまとめてみると:

 

1.独裁的子育てスタイル(authoritarian)

「ヘリコプターペアレント(上空に飛びまわり何かあればすぐに着地できる)」

「芝刈り&雪かきペアレント(障害物を全て事前に刈り取る)」

「バブルラッパーペアレント(どんな小さなショックや残念なことからも守ろうとする)」

など様々な呼び方される過保護、過干渉や、

過スケジュール、過プッシュなど「タイガーママ」とも呼ばれる子育てスタイルは、

「1」の範疇。

 

Kang氏は、メンタル面に問題を抱える青少年を多く診てきて、「1」の弊害を実感しているとのこと。そして、「子育ての成功」とは何かと問う。一流大学入学?周りが目を見張る成果? 「レジメ的」にトップの医学生が、患者への思いやりに全く欠け、周りのスタッフとのコミュニケーションもとれず、インターンの時点で不合格となった例などをあげながら。

(ちなみに「タイガー親」という呼び名を行き渡らせるきっかけとなったイェール大学法学教授Amy Chua氏の二人の娘さんも、ハーバード大学とイェール大学へ進学。個人的には、Amy Chua氏の場合、両親共にアイビーリーグの出身&教授でもあり、そうした大学に進学するのが、ある意味「自然」ともいえる環境、中国とユダヤ(ハズバンド出身)のバリューも大切にされていて、メディア的には「ピアノの練習中できるまでトイレに行かせない」などスパルタ面が強調されるけれど、そうした一側面だけ周りが真似したとしても、「弊害」しか生まれやしないと思う。

 

 

2.消極的子育てスタイル(permissive) 

 Kang氏は、「2」のケースを「クラゲ親」と呼ぶ。骨がないと。

「アタッチメント子育て」(「アタッチメント育児が教えてくれる繊細さ」http://kosodatekyua.com/2014/04/attachmentsensaisa/参照)に過度に入れ込むことで、

親子の絆を傷つけるのじゃないかという不安から、

子供がやりたい放題するのを許しがちになるケースもみてきたと。

「アタッチメント子育て」は確かに、

共感力を養い内の安心感を育てるのに有効だけれど、

母親への「するべきリスト」満載

(母乳育児、赤ちゃんを出来る限り身体にくっつけておこう、添い寝など)で、

厳格に遂行しようとするなら罪悪感や燃え尽きを促進する面があるというのも、

よく分かる。

 

 

 3.民主的子育てスタイル(authoritative)

それで、Kang氏は、「3」のイメージとして、

「イルカ親」というのを提示している。

イルカのように遊び心に溢れ、賢くありつつ、他を気遣うことができ、

自主性がありつつも衝動を制御でき、集団が暮らすためのルールを尊重することもできる。

POD(イルカの集団の呼称)という言葉で大切なポイントを覚えておくといいと:

P = Play and exploration(遊び探索)

O = Others, including a sense of community and contribution(他者、コミュニティーのセンスと貢献)

D = Downtime, including the basics of regular sleep, exercise and rest(睡眠時間、エキソサイズ、休憩時間などダウンタイム).

 

 

また、

「ハイアチーービングで無残な子、

ローアチービングでハッピーな子の、

どちらかを選ぶ必要はない。

賢くありつつハッピーで、競争心がありつつ律もあり、実用的で情熱に溢れ、スキルがあり地に足がついていて、安全で独立心があり、やる抜く力がありつつ斬新、得意とする分野で優れつつコミュニティーの一員でもあり、野心に溢れつつ利他的、であることはできる。」と。

 

確かに、その両方でありえるんですよね。

 

そして21世紀に鍵となる要素として:

創造力

クリティカル思考

ソーシャルスキル

ポジティブキャラクター

とてもアンバランスな世界で順応してバランスを取っていける能力

を挙げている。

それらを培うのが、「3の子育てスタイル」=「イルカ親」だと。

 

 

 

子育ての鍵は「バランス」。

それはきっと誰もが感じていることなのだと思う。

ではベストなバランスをどうやって見出すのか?

 

それは刻々と変化し続ける子育て生活の中で、

Kang氏の言うように、

その都度「親自身の直感」を大切に、

その子その子に向き合いつつ、

見出していくものなのだろう。

 

ああ内のタイガーが荒れ狂ってる、

ここのところゆるゆるクラゲ気味だなあ

そう自らに気づきつつ、

その都度着地点を見出していきたい。

 

(*)参考資料:”The Self-motivated Kid “   by Shimi Kang., M.D.