家族で食事をすることについて、改めてまとめ中です。
「ファミリーディナープロジェクト」の創設者の一人でハーバード大学医学部教授のAnne Fishel氏の記事より、
家族そろって食事をするメリットについて:
・夕食時の会話は、本の読み聞かせより、語彙力を高める。研究者が、夕食時の会話と本の読み聞かせを比較したところ、幼児は、「珍しい単語(最も基本的な3000語以外)」を、夕食の会話から1000語、本の読み聞かせから143語学んだとのこと。
・学業成績と夕食を家族で共に食べているかは密接に関わる、といくつかの研究が示しているようです。
学齢期の子供の場合、学校で過ごす時間や習い事や宿題にかける時間より、家族と共に食事をしているかの方が、その子の学業成績を予測できるという研究や、
週に5回から7回家族と共に食事するティーンは、週に2回より少ないティーンより、2倍成績がいいと示す研究、など。
・より栄養バランスのとれたヘルシーな食事をとるようになる。そして、それはティーンになっても、成人してからも続くと分かっているそうです。
・喘息を引き起こす可能性が低い。これは、不安感の低下と子供の身体の状態をチェックできる機会が増えるからではないかとのこと。
・テレビを見ながらの夕食は、肥満に繋がりやすいと示す研究は、米国だけでなく、スェーデンやフィンランドやポルトガルでも報告されているようです。
・たばこ、アルコール、マリファナ、暴力、摂食障害、性的活動など、ティーンが「問題行動」を起こす率も、低くなると分かっているようです。
・5,000人以上のミネソタ州のティーンを対象とした調査では、鬱や自殺願望を低めるとのこと。
・「インターネット上のいじめ(cyberbullying)」にあった子供達が、定期的なファミリーディナーにより、跳ね返すことができたという報告もあるよう。
・ニュージーランドの研究では、ファミリーディナーの回数の多さは、青年期のポジティブなムードと関連しているとのこと。他の研究でも、家族と食事を定期的にするティーンは、そうでないティーンより、将来に対しよりポジティブな見方をすると分かっているようです。
(それぞれの研究の詳細については、原文記事に載っています。)
こう見てくると、家族そろって食べるのは、子供にとって、頭と体と心にもいいんですね。
あと、「親は、コントロールしようとしたり厳しくあるよりも、温もりをもってその場に心を込めている必要がある」と筆者のFishel氏が言うように、ただ揃って食べるというより、姿勢や雰囲気も大切にしていきたいです。
食事中って、好き嫌いや行儀なんかを、「正す機会」ともなるわけですが、そればかりにならないよう気をつけていきたいですね。ハイリーセンシティブな子は、食べ物や匂いへのこだわりがあったり、親のその日の雰囲気にも敏感だったりしますから、向き合う側も「きー」とならないよう一呼吸おいていきたいです。不安感も低くなる、という研究もあるようですから、大いに「家族で食事」時間を活用して、ゆったりほっとできるひとときにしてやりたいです。
とはいえ、親も夜仕事する必要があったりと忙しいですし、子供も今は習い事や部活だと走り回っている家庭も多いでしょうし、我が家もですが、なかなか毎日家族そろって夕食というのは難しいです。
ということで、「週に一度は必ず揃って、あとはなるべく一緒に座る」と決めているんですが、それぞれの家庭にできる範囲で、調整していきたいですね。
あと食事も、凝ったものである必要がないというのは、「ファミリーディナーの工夫」としてよく取りあげられることです。30分以内でばばっとできてしまうようなシンプルさでいいんですよね。でないと、スケジュール立て込む日常に組み込むの、難しいですから。
文化人類学でも、「食べる」という行為は、身体を満たすためだけではなく、とても「社会的」なものと捉えられています。
ネイティブアラスカンの「家族」の家に初めて滞在した際、親族の名前をいただき、「家族」として迎え入れられたんですが、その時儀礼をしてくださった「父」が、「マイコは、私達の食べ物を私達と共に食べたからね」と言っていたのを思い出します。
メリットいっぱいの「家族でそろって食事」、できることから、工夫していきたいですね。
ということで、工夫についても、まとめていきたいです!
ハイリーセンシティブチャイルドについても、
書きたいことが次から次へと溢れて溺れそうな状態なんですが、
こつこつと続けていきますね。