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マイコー雑記

行き来するもの書き留め場

身近な「偉人」から学ぶ、子供に対しどんな人物を「ロールモデル」としているかに気づく大切さ

2016年05月21日 | ファミリーディナー

昨日のファミリーディナーでは、

これまで出会った方々についての話になりました。

 

実際に会ったことのある方や、身近な方が、

困難を乗り越え、自らのビジョンに向け歩き続けている姿を話すというのは、

子供たちにとって、かなりインパクトがあることなんですよね。

 

 

・ティーンの息子さんをドラッグの過剰摂取で亡くし、

同じような出来事が起こりませんようにと、

コミュニティー内でドラッグの予防更生活動を続ける知人。

 

 

・ホスピスケアで日々患者さんに接する中で、

不幸に浸っているには人生はあまりにも身近すぎると、

一切愚痴を言わなくなったという看護師の友人。

 

 

・手と足に奇形をもって生まれ、

正常の長さの指はふたつしかないにも関わらず、

ピアノを弾きこなす次女のコーラスの先生。

 

 

・子供さんを二人事故で亡くし、

常に二人の写真を持ち歩きながら

日々ぬくもり溢れる眼差しで生徒に接する小学校の先生。

 

 

・希望する大学をとことん落ち、

誰でも入れるコミュニティーカレッジで中国語を学んだ末、

中国の大学に留学し、その後中国のトップの大学院に入り、

米国に戻り、中国との架け橋としてビジネス界で活躍する知人Gさん。

 

そのGさんが、こんな話をしてくれたことがあります。

「私は、小中高のクラスでもそこそこの成績で、

私より頭のよい人なんてもちろんいくらだっていた。

 

でもね、自分がこれだと思うことを、ただ続けてきたんだよ。

 

トップの大学に入り、トップの企業に勤め、

社会のトップを走り抜けていく人もいる。

ちくしょーと思うだろうけれど、

あ、そう、だから、なに?ぐらいの気持ちでいいんだよ。

 

私は、私が好きなことを追求していく。

私は、私がよいと思うことにとことん取り組んでいく。

そうして進み続けているのなら、あの高校を卒業した時点で、

絶望して見上げていた高みに、立っている自分に気がつく日がくる」

 

 

子供たちに身につけて欲しいのは、

こうした困難を乗り越え歩き続ける姿勢なんですよね。

 

大学進学を前にする上の子たちにも、

Gさんの話は特に感じるものがあったようです。

結果、Gさんのようにトップに立つことがなくても、

そうして続けるならば、

日々暮らすための十分な糧を稼げるようにはなるでしょう。

 

子供に対し、

どんな人物を「ロールモデル」として示しているのか、

気づいていきたいです。

キラキラと輝く表向きな像だけでなく、

その背景に積み重なる、困難を描き出してやりたいです。

 

歴史上の偉人に学ぶことも多いですが、

こうして、周りにたくさんいる「偉人」に学んでいきたいですね。

 

今日はこれから、メリーランド州ボルチモアに出かけてきます!

それではみなさん、楽しい週末をお過ごしください!


子供たちと話し合った「自分を蘇らせるリフレッシュ法」

2016年05月14日 | ファミリーディナー

昨夜のファミリーディナーでは、

「自らを蘇らせるリフレッシュ法」について話し合いました。

みなさんにも、「これいいかも」というのが見つかったら幸いです!

'33 Ways to Feed Your Soul' より)

 


読書に没頭する時間を持つ

「ハッピーな人はより心臓病にかかりにくい」と研究報告したコロンビア大学の行動医学教授Karina Davison氏によると、「もし小説が好きで、それでも読む時間がとれない場合でも、15分でも読むと決めてみてください。毎日数分でも、真にリラックスして心から楽しむ時を持つことは、メンタル面によく、フィジカル面の改善にもなり得るんです」とのこと。

 

・誰かを許す

「許すことで軽くなる」と言ったりしますが、ワシントン大学助教授Ryan Fehrによる、こんな「えーホントー?」と思うような研究があるそうです!被験者を、「誰かを許した/許さなかった」グループに分け、ジャンプしてもらったところ、許したグループの方が、許さなかった被験者より、平均して高く飛べるようになっていたとのこと。Fehr氏曰く「許すことで、人は、力をより維持でき、ストレスを減退させ、仕事でもよりよいパフォーマンスをするようになるのかもしれません」こうしたことをアカデミックな研究にしてしまう学者に、チアーズ。

 

・自然の空気を呼吸する

英国エセックス大学スポーツ科学教授Jo Barton氏によると、5分間自然の中で過ごすだけでも、メンタルヘルスやムードを引き上げるとのこと。「散歩、ガーデニング、サイクリングをしてみてください、散歩は医者いらずになりますよ」とのこと。

 

・景色を変えてみる

毎日の繰り返しを少しだけズラしてみる。いつも通る道を変えてみるとか、新しい店に足を踏み入れてみるなど。ちょっと新鮮な気持ちを味わえますね。

 

・自分との対話を記す

キャリアコーチで著者のTama Kieves氏によると、「まずは自らの不安や不確定さなどを書き出して見ます。そして、親友や最愛の子供に向かって話しかけるように、自らの内にある最も思いやりと温もりのこもった言葉で、それらの不安に答えてみます。自らの内に穏やかさを見出すまで、対話を続けます。このテクニックは、不安に溢れ気がそれた状態から、自らの潜在的な力を明確にした自らの中心に戻してくれます」と。私自身書きながら、こんな体験をしているところがあるなあと思います。

 

・幼い子供の視線で世界を眺めてみる

好奇心に溢れ、全てが新鮮に見える目で。

 

・陽光の下でランチする

米国シアトルはどんよりと曇った日々が多く、うつや自殺率も高いとされているんですが、『シアトルのグレーをやっつける(Beating Seattle’s Grey』の著者Heather McAuliffe氏が、屋外と屋内の光を測ったところ、曇りの日でさえ、屋外の光の方が、ムードを引き上げる効果があるとのこと。「人は日々外の光にさらされることを必要としていると気づく必要があるんです。屋内やオフィスでは十分な光を得られないんですよ」とMcAuliffe氏。

 

・大好きな音楽に浸り、音楽に身体を揺らし合わせる

これはもう、確かにリフレッシュですよね。そんな気分じゃないときこそ。

 

・見返りを何も期待できない「よい行為」を定期的にする

カリフォルニア大学心理学教授Sonja Lyubomirsky氏率いた研究によると、学生に1週間に5つの親切な行為を6週間し続けるように伝えたところ、そ出なかった学生よりも、健やかさが高まったとのこと。それも、1日に一気に5つの行為をした方が、5つの行為を1週間中に広げるよりも、効果が大きかったのとのこと。見知らぬ人に共感を向けることで、オキシトシンレベルや寛容さが上がったというという研究などもあるようです。

 

・アートに浸る

ロンドン大学の研究によると、美しい絵画を見たときに人の脳に起こる変化を調べたところ、「アートは愛に夢中になっているのと同じくらいの喜びを与える」とのこと。

 

・詩に浸る

または、自ら書いてみる。自らの身体を通して流れる声を。

 

・30秒大好きなアロマを吸う

どのアロマにどんな効果があるかということもあるようですが、とにかく、大好きな香りを吸い込もうと深い呼吸をすることに、効果があるとのこと。(呼吸のパワフルさについては「「呼吸にフォーカス」や「幸せについての授業」や」でも紹介しました)。浅くて速い呼吸をスローダウンできます。ハンカチに香りをしみこませておいて、時々吸い込んでみるのもいいでしょうとのこと。

香り大好きな娘たち、これいいー!と飛びついてました。深呼吸にちょこちょこリフレッシュできていいですよね。

 

・人生をパイのように想像してみる

健やかなワークライフ専門家Samantha Ettus氏のアイデア。大好きなパイの種類を選び、1.6-7等分にスライスします。それぞれにキャリア、ヘルス、人間関係、子供、コミュニティー、友人、趣味などをイメージします。2.それぞれのスライスに、達成できる具体的なゴールを設定します。「今日子供と10分一緒に楽しむ時を持つ」など。3.過ごした時間やすべきだったことへの罪悪感でなく、達成できたことについて評価してみます。

これ、夫が、気に入ってましたね。パイを等分にスライスすることで、バランスを取り人生をオーガナイズしていくこと、そしてできなかったことばかりでなく、できたことを数えてみるのも大切ですね。

 

・感謝することを書き出す

5つ感謝することを日々書き出すことを習慣にしてみる。この効果はよく言われますね。我が家では、「5つ」とは決めてませんが、寝る前にひとりひとり口に出すようにしてます。

 

・マッサージする

ああ、リラックスですね。上の子達とマッサージし合うのもコミュニケーション&ほっとするひとときです。

 

・リフレッシュ法についても完璧主義を手放す

こうしてリフレッシュ法までも完璧にしようと思わず、15分が無理なら10分でも本読んでみようかな、ヨガクラスに行けないなら1つでもポーズをしてみる、1時間散歩が無理ならあの角まで散歩して見ようなど、できる範囲で。

 

・今何が起こっているかに気づいてみる

周りの音、匂い、動きに気づいてみます。頭の中に漂っている自分を、今この瞬間に立ち返らせます。

 

・星を見上げる

天文物理学者のNeil deGrasse Tyson氏の言葉:「宇宙にはどのビーチの砂粒よりも多くの星があります。地球が誕生して以来過ぎ去った秒より多くの星、そしてこれまで生きてきた全ての人間が発した言葉や音よりも多くの星があるんです。私が宇宙を見るとき、私は大きく感じます。なぜなら私たちがこの宇宙に生きているのではなく、宇宙が私たちのうちに生きていると思い出させてくれるからです」

 

・夢を持ち続ける

「身体が食物を必要とするように、魂は夢を必要としている。私たちの人生では、何度も夢が砕かれ望みが叶えられないという思いをする。それでも夢を見続ける必要があります」とブラジルの作詞家で小説家Paulo Coelho氏。

夢が原動力になってくれる、私自身もそう感じています。子供たちにも、何度倒れたとしても、夢を抱き続けて欲しいな、そう願っています。

 

 

さて、週末始まりの早朝。これから長女と次女とヨガレッスンです!

みなさん、よい週末をー!


「人には3種類ある」について話した夜、テイクばかりorやたらめったらギブになっていないか

2016年05月07日 | ファミリーディナー

昨夜のファミリーディナーは、

作家でペンシルバニア大学教授アダム・グラント(Adam Grant)氏による

『Give and Take: A Revolutionary Approach to Success』について。

2014年に出版されベストセラーとなり、各界から「読むべし」と賞賛された本です。

 

グラント氏は、人には以下の3種類あるとします:

1. Giver :与える人。差し出す人

2. Taker:テイクにしか関心がない人。自ら得るためだけに他者の努力を用いる人。

3. Matcher:1と2の間。

 

グラント氏が、様々な仕事や組織を調査したところ、

最も「成功」から遠い人というのが、

周りの役に立ちとても寛容な1のGiverの人々。

多くの時間やエネルギーを「差し出す」ことに用い、

燃え尽き、寛容さの利点をテイクする人々に搾取されてしまう。

 

ところが同時に、最も生産的で「成功」する人というのも、

周りの役に立ちとても寛容な1のGiverであるといいます。

 

 

 

では、この違いはどう生まれるのか?

 

グラント氏は、1のGiverが燃え尽き底辺に押しやられていくのは、

ひとつには、「いい人」や親切であることと、

役に立つということを区別できないからだとします。

多くのGiverが、温もり溢れ親切で常に歓迎しなければならないと考えてしまうと。

 

もうひとつには、多くのGiverが、自分自身の興味関心を失ってしまい、

自己犠牲の利他主義になってしまう

それでも聖人やマザーテレサのように、

それを維持できる人はほとんどいないわけです。

 

Grant氏によると、「成功するGiver」には、

次のような「習慣」があるといいます。

 

・選択する

全ての人々の全ての要求を常に助けようとしない。

「もしどんな人々を助けるかと分類するなら、

Takerを見極めていくことです。

寛容で公平な人々を助けていく」と。

 

・時間管理

自らの仕事を終えるために、受付窓口を閉める時間を持つこと。

助ける時間を設定し、

自らのゴールや野心を妥協しないようにすること。

 

・専門性を持つ

他者を助けるために、

得意で自身が楽しめるひとつかふたつの方法にフォーカスする。

そうして最もエネルギッシュに効果的に影響を与えることができる。

広すぎる範囲を設けていると、相手の皿の上で、

気が逸れ疲弊してしまう。

 

・「強さ」のメインテナンス

自分が弱っていたら与えることなどできない。

まずは「自らに酸素マスクをつけてから、相手を助ける」。

他者を助けるためにも、自分のケアの大切さを知る

やたらめったらではなく、

自ら惹きつけられるゴールやビジョンと統合させ、

相手を助けていく。

それが最も自ら力みなぎり、結局は相手を助けることにもなる。

 

 

 

このインタビュー記事では、

グランド氏、「もしもう一度この本を書くとするなら、

テイカーをどうギバーへと変えていけるかということにフォーカスしていきたい」と言っています。

そしてそれには、行動を変える機会を与えていくことが、ひとつの方法だとしています。

行動を変えていくことで、様々新たに気づき、価値観も変わっていくことがあると。

 

こちら米国では、ボランティアワークなどが、大学入学審査にも重視されるなど、

高校生の生活にも組み込まれているわけですが、

ひとまずのモーティベーションがどこにあるかはさておき、

まずは行動を積み重ねること自体に、意味があるのかもしれませんね。

 

 

 

子供たちと、

テイクばかりのテイカーになっていないかと、

自らを省みていきたいね。

そして、何を差し出せるのか、何を差し出したいのかと自らに問いつつ、

1日は24時間身体は1つということを思い出し、

差し出す行為を、できる範囲で日常生活に取り入れていきたいね。

そんな話をした夜でした!

 

 

 

さて、週末早朝。今日は、バージニア州に足を伸ばす予定です!

みなさん、楽しい週末をお送りください!


「罪の文化」と「恥の文化」、信頼を損ねる言葉を用いないということ

2016年04月16日 | ファミリーディナー

昨夜は週に一度のファミリーディナー。

キャンドルに火をともし、

一週間を振り返り感謝し、

グレープジュースで乾杯!

 

食事をしつつ、

まずは、「罪と恥」ついて、

そして、「人の悪口をいうこと」について、

ざっと話し合いました。

(‘The Power of Shame’ by Jonathan sacksを参考に)

 


「罪と恥」について

文化人類学者のルース・ベネディクトは、

第二次世界大戦終戦前に書かれた『菊と刀』の中で、

欧米を「罪の文化」

対して日本を「恥の文化」

と定義しています。

 

「罪の文化」とされる欧米では、

「神」や「神」によってもたらされたとされる宗教的戒律によって、

行動の善悪が導かれます。

人は、それらを守れないことに対し、

「罪」の意識を抱きます。

「律」というものが、

自身が抱く「神」という感覚や宗教的規範を基に築かれています。

 

一方、

「恥の文化」とされる日本では、

周りの人々がどう思うかといった周りの目によって、

行動の善悪が導かれます。

人は、それらにそぐわないことに対し、

「恥ずかしい」という意識を抱きます。

「律」というものが、

世間の目を基に築かれています。

 

これが、ルース・ベネディクト氏の論です。

 

私自身、日本で生まれ育ち、欧米に暮らす中で、

この違いを肌で感じます。

 

まあ今では欧米でも一般的には随分と宗教性が薄くなり、

「宗教的戒律に対する罪」というより、

「良心に対する罪」といった方がしっくりくるかもしれません。

(良心の基にあるのは根深い宗教的感覚ではあるでしょうが)

 

それでも日本ほど「周りの目」というものが力を持っていないというのは、

日常的に感じます。

良くも悪くも、「周りがどう思おうと、私が良いと思うのだから良い」

といった姿勢がいきわたっているんです。

 

 

 

「人の悪口」について

「罪の文化」とされる欧米、

その宗教的背景の基にあるユダヤの教え中でも、

「人の悪口を言う」などの「悪のスピーチ(evile speech:lashon hara)」のみは、

「恥」に訴えるような、とても社会的な罰を受けるとされています。

 

ユダヤの聖典に「象徴的」に表現されているのは、

建物、家具、服の表面が順にはがれていき、

それでも改めないならば、しまいには、本人の皮膚がはがれていき、

「穢れている」と指を指され、集団から隔離される、というもの。

(フロリダのビーチでの日焼けで

今、子供達の身体中あちらこちら皮膚がはがれているんですが、

皆で、これって・・・と苦笑しつつ)

 

このSack氏の記事では、それはなぜか?

と何千年もかけ議論されてきた内容が少し説明されています。

 

ひとつには、言葉というのは、人類学的にも、

人と人とを繋げ集団を強めるために進化してきたもの。

 

ところが「人の悪口」とは、

人と人との繋がりを弱め互いの信頼関係を損ねることで

集団を弱めることになる。

こうした言葉の持つ性質ゆえ、

「罪の文化」としては例外的に、

言葉に関する問題には、

「恥」に訴えるような制裁が与えられるとのこと。

 (細かくみていくと「人の悪口」についても、例外は色々あるようですが。

例えば、だまされそうになっている人を助けるためなど。)

 

 

異なる文化の考え方を掘り下げていくことで、

はっと気づかされることがあるね、

そんな話を家族でした昨夜でした!

 


熱意熱狂を生かしていくために、とティーンと話した夜

2016年04月02日 | ファミリーディナー

昨夜はいつものようにパンを練り、

ファミリーディナー。

 

「熱意、熱中、熱狂(enthusiasm)」について。

'The Dangers of Enthusiasm'  by Jonathan Sacksを参考に)

 

「エンスージアズム(enthusiasm)」というと、

パッション溢れ何かに取り組み、

教師やリーダーなども「エンスージアズム」をもつことで周りを導くことができる、

といった今日では「ポジティブな言葉」として用いられます。

 

それでも「エンスージアズム(enthusiasm)」という言葉は、

元々、「とりつかれている」というような

「ネガティブな言葉」として用いられていたといいます。

 

18世紀のスコットランドの哲学者デイビッド・ヒューム氏も、

「宗教が間違ってしまう時というのは2つあり、

ひとつは『superstition(迷信)』を通して、

もうひとつは『enthusiasm(熱狂)』を通してである」と言っていたり。


enthusiasm(熱狂)は、自らを神聖化し、自らを聖人としてしまう。

いかなる儀礼や決まりや規律よりも自らの方が優っているとしてしまう」とも。

 

決まりなどは、「普通の人」にとってのものであり、「私たち」のものではない。

我々は「神」によってインスパイヤーされているのだから、私達はより知っている。

そこで、大いに間違ってしまうと。




この記事の筆者Sacks氏は、

行動経済学者&心理学者ダニエル・カーネマン氏の

「速くそしてゆっくり考える(thinking fast and slow)というコンセプトをあげ、

エンスージアズム(enthusiasm)」のバランスを取る大切さを説明します。

 

速く考える脳とは、感情や不安への反応を司る「大脳辺縁系(limbic system)

ゆっくり考える脳とは、論理的で、思慮のある、長い目で見た結果を考えられる「前頭前野(prefrontal cortex)」。

これらのバランスを取ることで、

エンスージアズム(enthusiasm)」をよりポジティブに生かしていけると。

 

 

ティーンの脳の特殊性とは、

10歳ころから始まる情緒面を司る「大脳辺縁系(limbic system)の成長、

25歳ころまでかかる論理性を司る「前頭前野(prefrontal cortex)の成長、

といったアンバランスさにあると科学的に説明されるのを思い出します。

(ユア子育てスタジオ「ティーンの脳って何がどう特殊なの?新しい関係を築くために

つまり、

情緒面が劇的に活発化するなかで、

論理性や長い目で見た思慮などが追いつかない状態

 

ティーンと日々接しながら、

まさしく!とうなずくことしきりです。


長男の場合、最近では、「ホバークラフト作り」に没頭状態。

 

のめり込み過ぎて、睡眠時間も削られ、

これで、ラクロス部などもしてますから、

身体を労わる大切さを説く日々です。

 

「熱意熱狂」溢れるティーンたちと、

脳の機能を思い出しつつ、

「熱意熱狂」をポジティブに生かしていこうね、

そんな話をした夜でした!



さて来週は、

夫の異父妹の結婚式に出席するため、

週の半ば過ぎから家族でフロリダの予定。

今週末は、その準備です!

みなさん、楽しい週末を!

 


「生きる意味」を見出すのを助け続けた心理学者、「したい!」と「人生が期待するもの」が合わさるとき

2016年03月19日 | ファミリーディナー

 

昨夜はファミリーディナー。

アウシュビッツ強制収容所を生き延びた心理学者ビクトル・フランク氏の著書

Man's Search for Meaning」を参考に。

 

フランク氏は、

周りの人々が次々に亡くなっていくアウシュビッツという極限的な状況で、

「生きる力」を失わなかった人々とは、

「生きる意味を見出した人々」としています。

 

フランク氏は3年間のアウシュビッツ生活の中で、

周りの人々に「生き続ける意味」を見出すのを助けることで、

「生きる力」を回復させたといいます。

 

例えば、

ある女性は、「他の国で待っている子供に会うため」、

ある男性は、「一巻を書き終えた『旅行記』の次の巻を書き続けるため」

そうした「生き続ける意味」を見出すことで、

極限的な状況でも「生きる力」を持ち続けたと。

 

「何が本当に必要かといえば、人生に対する態度を根本的に変えることなのです。私たちが人生に何を期待するのかは問題ではないんです。それよりも、人生が何を私たちに期待するかなのです。それを、私たちは自ら学び、絶望する人々に伝える必要がある。私たちは人生の意味を問い続けるのを止める必要がある。代わりに、私たちは毎日そして毎時間、問われているというように考えてみてください。私たちの問いは、おしゃべりや瞑想の中に成るのではありません。そうではなく、正しい行為や行動の中に成るのです。人生とは、究極的には、個々人に次から次へと与えられる問題に対する正しい答えを見出し、タスクを満たすという責任をとることなのです」

Man's Search for Meaning,Frankl, V., Beacon Press, 2006. p. 77.

 

ビクトル氏は、アウシュビッツを生き延びた後、

心理学者になり、セラピーを通し、

クライエントが「人生の意味を見出す」ことを助け続けたんですね。

 

 

人生始まったばかりの子供達、

あれもしたいこれもしたいと夢に溢れ。

この自らの「したい!」と

人生が何を私たちに期待するか」が合わさり、

自らの道を築いて言ってくれたら、

そう願いつつ。

 

 

さて今週末は、夫の出張にぞろぞろ家族でついていき、一泊です。

みなさん、よい週末をお過ごしください!


普段から思い出したい「多くの親が犯す3つの間違い」

2016年02月27日 | ファミリーディナー

昨夜はファミリーディナー。

週に一度ちょっとゆったりと夕食をとりながら、

哲学や科学やバリューや宗教心などについて話す時。

 

「結婚」や「家族」について話をすることもあるのだけれど、

昨日は、9人の子供の父親で世界的に活躍した経営コンサルタント故スティーブン・コビー氏が提唱した

「原理(principle)を中心にすえた家族のリーダーシップ」について

(”The Seven Habits of Highly Effective Family”より)。

 

こちらでは、特に高校生にもなると、

様々な面で「リーダーシップ」が重視され、学ぶ機会が出てきます。

長男も、NPO活動で随分と学んできているよう。

 

「リーダーシップ」というのは、

「誰かの示す方向についていくだけ」か、

「自らも周りに方向性を示しサポートしていく」のか、

という立場の違い。

 

このコビー氏の掲げる「原理」、

親として、

「自らも子供や家族に方向性を示しサポートしていく」上で、

覚えておきたいことだと思っています。

 

 

コビー氏は、親の「リーダシップの原理」として「4つの役割」を示しています:

1.体現(Modeling) 自らモデルとなり示す。

2.支える(Mentor) 愛情を注ぐ。感情面を支える。

3.整える (Organizing) 構造を整える。スケケージュールを立てそれらを遂行できるようにするなど。

4.教える (Teaching) 言葉で説明して伝える。

 

 

そして、「多くの親が犯す間違い」として3つあげています。

この3っつ、普段私自身、「あ、そうだったそうだった」と思い出し、

まさしく!と実感してます。

 

 

間違い1:ひとつの役割だけで十分だと思う

「体現」すればよし。

「愛情かけれ」ばよし。

「きちんと整理整頓し生活を整えれ」ばよし。

「言葉で説明して伝えれ」ばよし。

 

そう落ち着いてしまいがち。 

でも本当に、どれかひとつだけじゃ、回っていかないんですよね。

 


間違い2:順番を間違える

「体現」することなく「言葉だけで示し」ても、

「愛情をかける」ことなく「きちんと生活が整理整頓されて」いても、

なかなかサポートしていくことはできない。

 

1.体現

2.愛情

3.整理整頓

4.言葉で教える

 

樹木の根っこから幹、枝、葉が生い茂る、というような順番を思い出す。

根っこの「体現」がなかったら、幹である「愛情」がなかったら、樹木は倒れます。

 


間違い3:一度で十分と思う

この前、「体現」しといたから。

昨日、「愛情」たっぷりかけといたからね。

一週間前に、「スケジュールきちんと組んどいた」から。

さっき、「言っておいた」から大丈夫。

 
ついつい、そう思うものなのだけれど、

一度「体現」したからって、さっき「言った」からって、

すっと身につきなんてしないんですよね。

子育てって、もうホント、終わりなき繰り返し。

 

 

 

この原理、「家族」だけでなく、

様々な「リーダーシップ」の根幹として、

覚えておきたいね。

 

そんな話し合いをした夜でした!

 

 

 

さて、週末初めの早朝、

これから少し原稿に向かい、

その後は長女と次女とヨガ、

そして食材買出し(食べ盛り含めた7人分、かなりのエキソサイズ)です!

 

みなさん、楽しい週末をー!


インスピレーションを支えるもの、創造的な仕事の背景には確固としたルーティンがあるという話

2016年02月20日 | ファミリーディナー

昨日は週に一度のファミリーディナー。

パンを練り、皆ちょっとオシャレして、テーブルもキャンドルで飾り。

 

昨日の話題は「インスピレーションを支えるもの」について。

・ベートーベンは、毎朝夜明けとともに起床し60の豆でコーヒーを作った。毎朝正確に60あるか数えて。それから机に向かい、午後2時から3時まで作曲。次に長い散歩。途中アイデアが浮かんだら書き留められるよう鉛筆と楽譜を持参して。夕食の後は、必ずビールを飲み、パイプをふかし、遅くても10時には就寝。

・昼間は郵便局で働いていた英国の作家アンソニー・トロロープは、毎朝5時に起きられるよう馬丁を雇い、530分には机に向かう。それから時計を見ながら15分に250語綴るようにし3時間書く。そうして16の本の他に、47の小説を書き上げた。もし、小説をその朝の3時間内に書き上げてしまえば、すぐに新しい紙を手に取り、新しい小説を書き始めた。

・哲学者のイマニュエル・カントは、起床も、コーヒーを飲むのも、講義するのも、食べるもの、歩くのも、全て、時間通りだった。近所の人々は、カントが玄関のドアを開け、グレーのコートとスパニッシュ杖を持って現れるたび、正確に午後330分だと知った。

"Daily Ritual: How Great Minds Make Time, Find Inspiration ,and Get to Work" by Mason Curreyより)

 

「創造的な仕事の背景には、確固とした日々のルーティンがある」っていうことだね。

これらは、それが、極端なコントラストとなって現れている例。

 

この本には150近くこうした例が載っているわけだけれど、全て、発明者、開拓者、先駆者など、新しいアイデアや新しい表現方法を生み出した人々。

道のないところに、道を創った人々の生活が、毎日毎日同じことを繰り返すルーティンから成っていたというのは、面白いね。

 

はっとしたアイデアや、創造的なインスピレーションを形にしていくには、何十年もこつこつと向き合い続ける必要がある。一夜にして成り立つわけじゃないんだよね。

私たちにみたいに手に取る側としては、そうした背景が全然見えないわけだけれど。

ついついはちゃめちゃな生活になりがちな我が家にとって、インスパイヤリングな話し合いでした!

 


なんで「神様」を囲う必要があるの?と子供、「差し出す」場としての寺院

2016年02月13日 | ファミリーディナー

昨夜はファミリーディナー。

 

週に一度、哲学や、科学や、バリュー、宗教心などについて、話し合う時。

我が家は今のところ、宗教組織には属していないのだけれど、

宗教的テキストを用いることも多い。

 

 

米国では、どの街を訪ねても、必ず、いくつもの教会に出合う。

子供達のお友達にも、キリスト教徒やユダヤ人の子がたくさん。

 

『神様』というものがそれほど偉大で、

どこで何をしていようが、常に見守っているとするならば、

どうして、こうした建物で囲い、ここに『神様』がいる、

ということにしないといけないんだろう?

 

先日、子供の一人が、そんな疑問を口にしていた。

 

そこで昨夜は、

キリスト教会ほど数は多くないけれど、寺院を持つユダヤ教の観点から、

話し合ってみた。

 ( 'The gift of giving' by Lord Jonathan Sacks を参考テキストに)

 

 

確かにユダヤでは、

「『神様』は建物ではなく、ひとりひとりの内に宿る」と考えられている。

 

それでも! とラビLord Jonathan Sacks氏曰く、

「グランドキャニオンなどの壮大な風景を毎日見ていたら、

『畏敬』といったような気持ちも自然と湧くかもしれないけれど、

そうした気持ちって人は往々にして忘れてしまうもの。

だから、建物は、そうした気持ちを定期的に思い出すためにある」と。

 

 

建物は、『神様』のためではなく、人のためなんだね。

 

 

それで、そうして建物に集まって何をするかというと、

「差し出す(giving)という行為」とSacks氏は言う。

お供えして、収入の○パーセントを貢献し、ボランティアに励み、

そうした「差し出すという行為」を通してこそ、「神」を近くに感じられると。

 

なぜなら、「神様」は、

宇宙の始まり、そして命の始まりから、

ずっと「差し出し続けている存在」だからというんだよね。

だから、「差し出す」という行為は、「最も神に似た行為」だと。

 

 

 

 

量子空間での変動によって宇宙が生まれ、

遺伝子コードの中の情報によって人間の身体が、

脳の電子的な信号によって人のマインドが成り立っているわけだけれど、

こうした宇宙や人の命の背景に、

それらを『差し出し続ける存在』があると信じるなら、

確かに、

感謝の気持ちも湧き上がって、

自らもこれだけ与えられている分、差し出したいなと思うかもしれないね。

 

 

ママは、日本で育って、キリスト教やユダヤのように、

確固とした「神様」のイメージを持ってはいないのだけれど、

あなた達の命や、皆がこうして暮らせていることを思う時、

感謝の気持ちがひしひしと湧き上がってくる。

これって確かに、それらの背景に「差し出し続ける存在がある」という前提を、

心の内に抱いている、ともいえるのかもしれないなあ。

宗教や文化によって、「差し出し続ける存在」のイメージって変わってくるんだよね。

 

 

 

 

日々どれほど「差し出されているか」を思い出し、

自らも「差し出す」ために集まる場が、

街角にいくつもあるというのは、素晴らしいことだね。

 

教会や、寺院に通うということは、今のところないのだけれど、

普段から、「差し出す」ということ、思い出し、見習っていきたいね。

 

 

 

子供達、

こちらの社会で、教会に囲まれ成長する中、

自分なりの立ち位置を見つけていってくれたらなと願いつつ!

 

 


どんなストーリーを語っているのかに気づいていこう、最もパワフルなストーリーとは?

2016年01月16日 | ファミリーディナー

昨夜のファミリーディナーは、

「ストーリーの力」について話し合った。

 

耳を澄ますなら、

自ら繰り返しているストーリーがある。

それは、自分に力を与えるものなのか、

それとも、自分の力を萎えさせるものなのか。

 

何を自分に向け語っているのか、気づいてみる。

 

自分の歩みを止めるストーリーばかりになってないか?

見直してみるなら、

必ず、「こうも語ることができるじゃない?」というストーリーがある。

 

例えばスティーブス・ジョブスが、

「親に捨てられた」というストーリーを、

「育ての親が自分を愛することを選んだ」というストーリーで置き換えたように。

 

 

 

また米国の作家 Bruce Feiler氏は、

ベストセラーとなった「The Secrets of Happy Families.(ハッピーファミリーの秘密)」の中で、

「家族のためにできる最もシンプルで最も重要なたった一つのこととは、強い家族のストーリーを築くこと」というようなことを言っている。

「家族のストーリーを知るものは、人生をよりコントロールでき、自己評価もより高く、家族の機能というものをより成功的に信じるようになる」

というエモリー大学の研究報告を引用しつつ。

 

ストーリーは、「共に共有」することで、自分を超え、自らを周りと結びつけるものとなる。

家族のストーリー、世代をさかのぼった家系のストーリー、それらを語ることで、

文脈の中で、自分が誰かをとらえるようになる。

 

そして家族や家系を超え、

最も共有されるパワフルなストーリーが、

「神話」や「聖書聖典」。

 

 

 

そんなことを話しながら、

家族のストーリー、夫と私の家系のストーリー、

神話や聖書のストーリーについての話に花が咲き。

 

力の湧き上がるストーリーを語っていきたいね。

 

 

 

 

ちなみに、「最も力を与えるストーリー」とは、

やはり、失敗したり、うまくいかないことに囲まれ、

打ちひしがれ、地を這うようにしながらも、

再び歩き出し、その度にどれほど大きくなったかというストーリーなのだろうなと思う。

ユダヤの共有するストーリーが、勇ましい王様やうっとりするような貴族ではなく、「奴隷」で始まるように。

 

どんなストーリーを自分に向け、

子供に向け、

そして他者に向け語っているのか、

気づいていきたいなと思う。