マイコー雑記

行き来するもの書き留め場

『It Mama』寄稿:スポーツや芸術に影響!? 赤ちゃんから始められる「空間認識力」を伸ばす6つの方法、創造と革新の鍵?

2017年08月13日 | 空間認識力

空間認識力については、

こちらの記事

「天才児」研究でも言及「空間認識力とは学校では見過ごされるけれど実は人が持つ最大の未開拓な潜在力」?

でも紹介しましたが、

昨年発表された「学業が飛びぬけてできる子」を45年間追跡調査した研究でも、

「創造性と技術的革新力の鍵ではないか」と分かってきている「力」です。

「学業が飛びぬけてできる子」の中でも、空間認識力に秀でた子たちが、

実際の社会に出てから、優れた成果をあげたというのですね。

 

研究を率いたルビンスキー氏によると、空間認識力とは、

「最も大きく知られている未開発の人間の可能性なのじゃないかと思います」

「それでも、大学入学審査員の誰も、この『力』には着目していません。

そして、学校のテストなどでは一般的に見過ごされています」とのこと。

科学雑誌『Nature』の記事「How to raise a genius: lessons from a 45-year study of super-smart children(天才をどう育てるか:45年間の超賢い子どもの研究からのレッスン)より」

 

 

 

 

 

空間認識力とは、一昔前は、

野山を駆け回ったりと身体を思う存分のびのびと動かすことで、

自然と培われていた力ですね。

現代は、テレビゲームなどでも培えると示す研究もあるようです。

奥行きのある映像に見入り画面の中で動き回りますからね。

 

実際に身体を動かす体験と、

バーチャル体験で培われた力とでは、

同じなんでしょうか?

 

見ているモノを、

あらゆる角度から頭の中で回転させることができるといった

「空間認識力」のみについて言うのならば、

同じなのかもしれませんね。

 

ただ、

付随する体験の多さや豊かさという面では、

大きく違ってくるのではないでしょうか?

 

 

『It Mama』記事のタイトルに「赤ちゃんが空間認識力を伸ばす」とありますが、

とにかく、5感をフルに用いて「いじくりまわす」体験が違いを生むと、

記事に紹介した研究からも分かっています。

 

はいはい、よちよちと身の回りを探索し、

「おっ、こ、これはなんだ!」と目に留め、

触って、匂いをかぎ、舐め、振って叩いて音を聞く。

生活の中で、そうした体験がたくさんあるといいのですね。

 

以前書いたこちらの記事には、

家の中で赤ちゃんが探索できる工夫を少し紹介してあります。

赤ちゃんの発達を促す「身の回りのモノ活用術」、ママもほっとひといき

短い間であっても、

赤ちゃんが好奇心全開で1人もくもくと夢中になってくれたら、

なんといっても親こそ助かりますよね。

 

赤ちゃんって、好奇心の塊です。

 

きらりと光りカサカサと音を立てるお菓子の包み紙や、

床のカボチャの存在感やごつごつした表面にぎょっとして、

「こ、これは、いったいなんなのだー!」と

すいつけられるあの赤ちゃんの姿!

 

記事には、赤ちゃんから幼児、

そしてより大きな子どもでも用いることのできる工夫が簡潔にまとめてあります。

興味のある方是非どうぞ!

スポーツや芸術に影響!? 赤ちゃんが「空間認識力」を伸ばす6つの方法

 

「21世紀型スキル」や「21世紀型能力」の中核でもあり、

これからの時代にますます必要とされる力、

「創造性と技術的革新力」。

その鍵ともされる「空間認識力」び育ちをサポートしていきたいですね。

 

とはいえ、「に、21世紀型能力!」と肩に力を入れることもないんですよね。

思う存分身体を動かす時間をできる範囲で取り入れ、

時にスクリーンのゲームを楽しんだりもしながら、

日常生活のリズムの中で、記事にあげたような工夫など、

無理しすぎることなく心がけていく

それだけでも、違ってくるのではないでしょうか。

 

こちらにも空間認識力について書いてきた記事です:

http://blog.goo.ne.jp/managaoka/c/8210455885e4d4817e5b72fbd2ea8e41

 

さて、これからアニマルシェルターですよ。

スケジュールの合間に訪ねることが我が家のルーティンになってます。

日本はお盆ですね!

みなさん、よい夏の日を!

 

 

 

*記事には全く関係ないですが、

昨日、我が家からもそれほど遠くないバージニア州で起こった出来事。

心が痛むと同時に、どれほど、ネオナチやKKK勢力などに「否」を突きつけ、

今、彼らがこうして表立った活動をすることに、

より全体的視野から改善していかなくてはと考え動く人々がいるかも実感しました。

 

「ひとつの人種が最も優れている」という主張は、

あらゆる人種に囲まれ、どんな人種にだって

様々な能力を発揮する人がいるということを身近に日々体験する中で、

あまりにも現実からかけ離れた「作り事」であるかを実感しています。

 

そうした「作り事」を信じ、頼ってしまう人々の

経済的・教育的背景に取り組まずして、問題の解決はないですよね。

自分にできることを、できる範囲で、こつこつと。


「天才児」研究でも言及「空間認識力とは学校では見過ごされるけれど実は人が持つ最大の未開拓な潜在力」?

2017年04月18日 | 空間認識力

先日こちらにて

昨年話題になった研究「早い時期から突出した才能を示す子=天才児?に大切な8つのこと」は、結局どんな子にとっても大切ですよね

紹介した科学雑誌『Nature』の記事「How to raise a genius: lessons from a 45-year study of super-smart children(天才をどう育てるか:45年間の超賢い子どもの研究からのレッスン)」

の中で、「空間認識力(Spatial Ability)」について言及されています。

 

 

「早い内から飛びぬけた結果を示す子の中でも、

特に空間認識力が高い子ほど、

その後様々な分野で、突出した成果を生む」んだそうです。

 

 

今日は、この「空間認識力」について、改めてみてみましょう!

 

 

空間認識力とは人が持つ最大の未開拓な潜在力?

去年9月の『Nature』にその研究の解説が載せられた

「The Study of Mathematically Precocious Youth (SMPY):数学的に早熟な若者の研究」チームは、

1976年に、大学進学審査に用いられるSATの数学テストで、

「トップ0.5パーセンタイル」のスコアを出した13歳の生徒563人の空間認識力をはかり

18、23、33、48歳時と追跡調査したそうです。

 

「空間認識力をはかり」とは、

例えば、他の視点からみた物体同士を合わせる、

特定の方法で切った場合物体がどのように見えるかや、

様々な形の傾いたボトルの水量を当てるなどだそうです。

 

すると、空間認識力が、

創造性と技術的な革新に大きな役割を果たすと分かったとのこと。

 

数学的言語的に能力が際立った生徒の中でも、

同時に空間認識力が高い生徒のみが、

しばしば飛びぬけたエンジニアや、建築家や、外科医になったといいます。

 

研究を率いたLubinski氏曰く、

空間認識力とは、

人が持つ最大の未開拓な潜在力なのじゃないかと思います。

ところがですね、私の知っている大学審査に関わる人々の誰も、

この能力について考慮することはないんですよね。

そして学校のテストなどでも、一般的に見過ごされているんです」とのこと。

 

 


通常の学校環境では見過ごされている「空間認識力」

以上の研究は、

数学や言語能力で優れている上に、空間認識力が強い例についてですが、

「学校で見過ごされている」ということについては、

娘の1人が以前受けた「認知テスト」の結果に、

「空間認識力などの非言語論理展開能力が偏って強い場合は、

学校の成績に繋がらない場合がある」と書かれていたのを思い出します。

一筋縄ではくくれない「賢さ」を持つ子供達、凸凹と共に生きていくということ

 

これは、言語面の読み書きが弱い一方、空間認識力に優れる場合が多いという

ディスレクシアの人々もまさしくそうですよね。

周りが思いもよらなかったようなユニークなアイデアを思いついたり、

建築面や航空分野に強くなるともされています。

 

「ディスレクシアの人々の強み」については、

こちらに『Scientific American』の記事を紹介してあります。

・ディスレクシアの強み、我が家を振り返って

 

 

 


「空間認識力」って、鍛えられるんですよね

こうした今の教育現場ではほとんど認められてはいないものの、

実は科学や数学分野でも成功への鍵ともされるこの「空間認識力」。

 

生物人類学者グエン・デワー氏は、こちらの記事にて、

「空間認識力って鍛えることができると多くの研究が示してるんですよ」

としています。

 

デワー氏曰く、

「子どもには、生のデータが必要です。

形やモノの表面を触って感じ、『実地・実践・直接参加(hands-on)』で、

モノを探索する必要があるんです。」

 

また「9ヶ月までに、乳児の空間認識力に差が出ることが分かっています。

メンタルに回転させる能力にすぐれた乳児は、

モノを触り探索するということに、より時間をかけた子なのです。

他の実験も、hands-on体験が、

乳幼児の空間を通して物体を捉える能力を改善すると示しています」とのこと。

 

 

 

こちらにも、空間認識力の男女間の差や、他にも様々な研究や、鍛え方等をまとめてあります:

http://blog.goo.ne.jp/managaoka/c/8210455885e4d4817e5b72fbd2ea8e41


またこちらは、それらをコンパクトにまとめたものです:

『オールアバウト』数学や科学に強くなる!子供の空間認識力を高める方法

興味のある方、是非どうぞ!

 

 

 

教育現場でも、机上の平面プリントだけでなく、

実際にモノを触って探索したり、

工作など何かを「作〔創)ったり」という機会がもっと取り入れられるといいですよね。

それが、ひょっとして、「人がもつ最大の未開拓な可能性」を、掘り起こすことになるのかもしれません!

『虹色教室』のブロック講座とか日々のレッスンとか、ホンと参加したいですよ)

 

また、「空間認識力」の大切さがもっと考慮されるようになり、

たとえ学校の成績が凸凹でも、

創造的にモノを操る力を持った子達が、より認められるようになったらいいですよね。

 

いいですよねいいですよねと、希望は膨らみますが、

私にできることを、こつこつとしていけたらなと思ってます! 

 

 

さて、今日はワシントンDCに出かけてきます。

みなさん、ポカポカな春の日を!


女の子の可能性を広げる玩具会社「ゴルディー・ブロックス」、昨日娘の誕生日プレゼントに購入してみました

2016年04月03日 | 空間認識力

以前、女性エンジニアのデビー・スターリン氏のテッドスピーチ(日本語版)

を紹介したのですが、

スターリン氏の創設した玩具会社「ゴルディー・ブロックス(GoldieBlox)」

その後、何度か「ベスト玩具賞」を受賞したりと、

すっかり玩具業界にその位置を確保しているようです。

 

ちなみに、このテッドスピーチの内容とは:

スタンフォード大学でエンジニアを学び、

自分がいかに男性に比べ空間認知力が劣っているかを痛感したというデビー・スターリンさん、

その理由の1つを子供時代、男の子と女の子に与えられる玩具の違いに見出します。

どの店の玩具セクションを見ても、

女の子のコーナーはピンクに彩られ、人形やままごとセットが並び、

男の子コーナーはレゴや車など、組み立てたり動かしたりして遊ぶものが並んでいる。

小さな時分から、これほど違う遊びをしていたら、

それは育まれる能力も違ってくるだろうと。

そしてスターリンさんは、

女の子用のエンジニア力を鍛える玩具を作り、流通させようと試みます。

 


昨日立ち寄った大手本屋の玩具セクションにも、

「ゴルディー・ブロックス」の玩具がありました。

昨夜は三女の誕生祝いだったのですが、 

プレゼントにと、ひとつ小さなものを購入してみました!

 

 

「ゴルディー・ブロックス」のウェブサイトにはこうあります。

私たちのゴールは、女の子たちに『組み立て(building)』させること」

「私たちのストーリー+組み立てセットは、女の子たちの強い言語スキルを感化し、

若い発明家が組み立て驚くべきものを創りだすのに必要なツールを与える一方、

空間スキルに自信を持つことを励まします」

「ストーリー+組み立てセット」とあるように、

全ての玩具は、

以下のような決まったキャラクターが織りなすストーリー、

を基にしているようです。

 

ゴルディー・ブロックスターリン氏がモデル):メカニカルエンジニアの女の子

ルビー・レイルズ:ソフトウェアエンジニアの女の子

バレンティーナ・ボルツ:ガジェット好きの女の子

リー・グラビティー:計算と物理が得意な幼馴染の男の子

そして、犬、猫、金魚、ピンクのイルカ

 

ストーリーに基づいて玩具を組み立てつつ、

こうした女の子のエンジニアという

「ロールモデル」に親しむというわけですね。

 

ショートビデオもこちらでみられるようです。

http://www.goldieblox.com/pages/bloxtown

ひとつひとつが短いので、

日本の子供達も、英語の勉強になるかもしれませんね。

 

昨日購入したものは、

ナチョスという名前の犬が乗る、

遊園地の乗り物を創るというもの。

 

すぐに作りたがった三女ですが、

夜遅かったので「明日ね」ということに。

 

世界的にも、エンジニア業界は、

86パーセントが男性で、14パーセントが女性」とのこと。

子供時代に触れる玩具が変わることで、

こうした数値に変化が出るのかもしれませんね。

 

子供、そして大人ひとりひとりの、

力を発揮できる分野や選択肢がより広がっていくということ、

頼もしい動きですね!


日常生活で手軽にできる空間認識力を高める働きかけ4つ

2016年04月01日 | 空間認識力

「空間認識力」を高める働きかけについて、以前まとめたものをざっとおさらいです。

生物学者グエン・デワー氏のまとめを参考に


1・普段の言葉がけに少し気を配り空間認識を高める語彙を用いる

 空間認知を促す語彙を豊富に用いることで、子供の空間認識力が高まるとのこと。 

例えば、
 
心理学者Jeffrey Loewenstein氏と Dedre Gentner氏による3歳児への実験:
 
三つの棚のある白い本箱と青い本箱を見せます。
白い本箱を見せながら、
 
1つのグループには、「このカード、ここに置くね」
もう1つのグループには、「このカード、真ん中の棚に置くね」
 
と言いながら白い本箱の真ん中の棚にカードを置きます。
 
次に目を閉じるように言い、カードを青い本箱の真ん中の棚に置きます。「白い本箱と同じところにカードを置いたからね」と伝え、目を開けて探すように言うと、先に「このカード、ここに置くね」とだけ聞いたグループは、青い棚にカードを見つけることが難しかったと言います。
 
 
また、心理学者Shannon Pruden 率いる研究チームが、生後14ヶ月以上の52人の幼児がどのように親と交流するかを調査したところ:
 
形:丸、三角、視覚
サイズ:大きい、小さい、高い
空間的特徴:ゆがんでいる、カーブしてる、角
 
といった、空間認知を表す言葉を豊富に用いていた親の子供の方が、46ヶ月後に空間知能をはかるテストをしたところ、高いスコアを示したとのこと。親によって5語から525語までと、その語彙数の差はとても大きかったと言います。
 
 
なるほどな、と思いますね。
 
「そこのあれさ、あっちのそこらへんに持っていって」そんな言葉よく言ってるなあ、と我が身を振り返りつつ。(笑)
 
変わりに、「その長方形の箱の上に置いてある3センチぐらい厚みのある本、あなたの左斜めにある楕円形の葉っぱが曲線を描いて垂れ下がる観葉植物の隣にあるあなたの背丈と同じ120センチほどの本棚の3番目の右端に置いてくれるかな」
 
こんなように子供時代から話しかけられていたら、確かに空間認知力も育まれるでしょうね。こう書いてるだけで私の場合ちょっと目がまわったりしますが。できる範囲で楽しみながら今からでも心がけてみようかなと思いますね。
 
 
 
 

2.日常生活の様々な場面で空間認知を促す質問をする

「このバッグに今日買ったもの全部収まると思う?」とスーパーのレジで。
 
「シーツをどちら向きにしたらベッドにぴったりかぶさるかな?」と寝室で。
 
「このパン切ったらどういう形になるかな?」と台所で。
 
「この靴紐、次は穴の上から入れるのかな、下から入れるのかな?」と玄関で。
 

頭の中でどうなるか描いてみてと、視覚化するよう促すのも助けになるとのこと。
 
 
 

 3.地図を用いて遊ぶ

3-4歳くらいになると、地図を理解するようになるといいます。地図帳を見たり、壁に貼り眺めてみたり。家の間取り図を作り、いくつかの場所にモノを隠し、地図にマークをして探しに行くといったゲームも楽しいですよね。

 
 

4.カメラを使わせる

様々なアングルから写真を撮ることで、3D認識力が高まるとのこと。ひとつの物が、角度によって様々形に移り変わる様子を、撮影した写真を見ながら話し合い楽しみます。ありがたやデジカメ時代ですね。←フィルム時代に育ちましたから。

 

 

こう改めて載せ、なるほどーとうなづきつつ。

できる範囲でチョコチョコ取り入れていきたいですね。


空間認識力とディスクレシアについて家族で話した夜、その後ゲームを楽しんで

2016年03月26日 | 空間認識力

昨夜はグランマの飛行機が遅れ8年ぶりの再会とならず、

急遽いつも通り家族でファミリーディナー。

 

空間認識能力について、こちらに書いてきたことなど、

ざっと子供達に説明。

「トレーニングによって、改善する」という研究をいくつか示すと、

俄然やる気になってました。

 

やっぱり、

「能力は生まれ持って決まっている」より、

「鍛えることでできるようになっていくんだねー」

と実際の改善例などを示される方が、やる気も高まりますよね。

 

 

ディスレクシアを持つ人々は、

空間認知力に長けた人が多くいるともされるよねという話にもなり。

ディレクシアについてこれまでまとめたもの:http://kosodatekyua.com/category/dyslexia/

 

「中学校の時の英語の先生が、ディスレクシアだったのだけれど、

複雑な鏡文字がかけたり、切り絵とかも得意だったんだよね。

紙を複雑に折っても、どこを切ったらどういう形になるか分かるの」と長女。

 

「エンジニアや建築関係や航空関係で成功する人々も多くいるっていうね」

という私の言葉に、


小学低学年時に「重度ディスレクシア」と診断され、

今は航空関係で働く夫、

「でもね、読み書きは何をするにも必要になるわけだからね、

パパみたいに、この子はディスレクシアだからって、

外国語の勉強を全て免除されたり、

どうせ無理だからと教えてもらえなかったりというのでは、

その子のためにならないんだよね。

確かに周りより学ぶのに時間がかかるわけだから、

じっくり気長に付き合ってやれるような環境があるといいんだよね」

 

長女

「中学校のあの先生も、今では日々言葉を教える英語の先生。

読んだり書いたりできるようになるものなんだよね。」

 

「周りの何倍以上もの努力や工夫が必要だけどね。

でもね、不可能じゃないんだよ。

だからね、あなたたちもね、何かをしたいと本当に心から思うなら、

たとえ大きな障害があるように見えても、進んでいくんだよ。

 

社会に出るなら、

あなたたちが人の何倍もの努力をしてきたかなんて何ら考慮されることもない、

ただそれが『できるか/できないか』だけ。

 

でもね、本当にこれだと思うことならば、

その地点に立つために必要な弱みの改善に対しても、

周りの何倍もの努力や工夫ができるようにもなる

 

 

 

 

 

食後は、こんなアクティビティーも。

A4の紙一枚から「底なし三角錐(triangular pyramid)」を作れる?


「あー、これ3年生の算数の先生が教えてくれたー」と次女。

まずは、正方形に切り。

次女は左、長男長女は右(スリットを入れて)、

のような方法で作ってました。

 


 

 

その後、5人で「Make "N" Break」ゲームで盛り上がってました。

カード通りに積み木を組み立てるのを競うゲーム。

上の子達には、

これのもう少し難しいバージョンがあったらいいかもしれないですね。

小学校時代に遊んだ思い出が溢れたようです.




さて、これから長女次女とヨガレッスン、

その後、DCに桜を見に行ってきます。

満開だそうです!

みなさん、春の日差しに包まれ、よい週末を!

 


「STEM分野での活躍に繋がる空間認識力は工作など『組み立て体験』を通して高められる」を示す研究まとめ

2016年03月25日 | 空間認識力

男の子方が、女の子より空間認識力が高いとされるわけですが、

それは、社会的経済的に上流・中流家庭でより顕著のこと。

低所得家庭では、性による能力差が見られなかったといいます。

研究者によると、経済的に裕福であるほど、高価な組み立て式の玩具に接する機会が多く、

それらの玩具で遊ぶことを励まされるためではないかとのこと。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16262766

 

男の子の方が、空間認識力に長けているというのは、

「テストステロン」というホルモンが関係しているともされるわけですが、

この研究によると、生後、

何かを組み立てるアクティビティーを体験することが大きいというわけですね。


男女間の空間認識力の差は、

「生来のホルモン」によるものか、

はたまた与える玩具の違いといった「文化的な刷り込み」か。


男の子はテストステロンのせいか組み立て式の玩具により興味を持ちやすくはまりやすい(生来)、

そして周りもどんどん奨励する(文化的)、

という両方の要素が組み合わさっているのじゃないのかなと、

我が家、そしてこれまで接してきた子供達を見て思います。


まあどちらにしても、

生後どんなアクティビティーを体験するかということは大きいわけですね。


経済状況に関係なく、何かを組み立てる体験のできる場、

「放課後スクール」のような活動の貴さを思います。

 

 

 


以下、生物人類学者グエン・デワー氏による、「何かを組み立てるアクティビティー」というものが、

いかに空間認識力を高め、STEM分野(科学、テクノロジー、エンジニアリング、数学)での成果に繋がるか、

についての様々な研究のまとめです。

("Can Lego bricks and other construction toys boost your child’s STEM skills?"より)

 

・MITのメディアラボのエンジニアTiffany Tseng氏曰く、

「レゴは、物理的なモノとコミュニケートするアイデアへのよい導入になりますね。

モノを組み合わせ、引き離しとすることで、

私はモノがどう働くのかということに興味を持ったのです。

そして大学に入るころには、エンジニアに成りたいと分かっていたんです」

 

・ある調査では、STEM分野で高い成果を収めた人々は、

平均的なアメリカ人よりも、実践的なクラフトや趣味についての広範囲な体験を持っているとのこと。

例えば、木工、メカニックス、電子機器を用いた活動など。

一生を通してこうした活動に従事する人は、

特許を認可されるような発明品を生み出す傾向にある、とのこと。

 

2008年に発表された研究では、

ブロックを使って特定の構造を組み立てるといったアクティビティーが、

IQテストの空間認識能力部分のスコアを押し上げるとのこと。

また日ごろ何かを組み立てる遊びは、広い範囲で好影響を与えると。

 

・ノースキャロライナの年長と小学一年生を対象にした研究では、

45人の生徒を二つのグループに分けます。

一つのグループには、何かを組み立てるアクティビティーに従事する放課後プログラムに参加させます。

レゴや、Wikki Stixや、様々なブロックなど多様な材料を用いて、与えられたデザインをコピーするといった内容。

もう一つのグループには、こうした組み立て式のアクティビティーをしないプログラムに参加させます。

セッションを28週間続けた後では、

「何かを組み立てるアクティビティー」に従事するプログラムに参加した生徒は、

数学的力、空間的推理力、実行機能などを著しく高めたとのこと。

 



こうして「組み立て体験」を通し空間認識力を鍛えることが、

STEM分野で能力を発揮することに繋がると示す研究は多くあるわけですが、

学校では、何かを組み立てるというアクティビティーってほとんどしませんよね。

学校以外の場で、遊びを通してなど、

「組み立て体験」を楽しむ機会を作ってやりたいですね。

 


与える玩具や遊びの幅を見直すことで、性別に関わらず空間認識力を伸ばす

2016年03月23日 | 空間認識力

胎児期の子宮内でのホルモン「テストステロン」の量により、

男女間での差が生まれる、とされる空間認識能力

 

2015年に発表された研究では、

42人の成人女性に、テストステロンを与えたところ、

なんと!空間認識力が改善したとのこと。

 

とはいえ、テストステロンをわざわざ体内に取り入れなくとも、

空間認識力は、

メンタルに図形を回転させる練習してみたり、

ビデオゲームを用いたトレーニングなどで、

改善すると示す研究もいくつかあるようです。

 

例えば:

・心理学者David Tzuriel 氏率いる研究チームによると、116人のイスラエルの小学1年生に、3Dのイメージを操るプログラムを用いてトレーニングをしたところ、8週間後には男子と女子の差が消えたと。(http://www.parentingscience.com/spatial-intelligence.html

心理学者Jing Feng 氏率いる研究チームによると、10時間、銃をうったりといった3Dアクションビデオゲームをすることで、大学生の空間認知力が改善された。その中でも女性の方が改善度が高く、5ヵ月後までその効果が続いたと。「10時間」でこんな結果が出るんですね!

 

 

 

 

空間認識能力には、性別によって生まれ持った差があるわけですが、

こうしたある程度の「トレーニング」により、その差は減少する。


ということで、

子供時代に与える玩具や遊びの幅を見直してみるのも、

性別に関わらず空間認識力を伸ばしていくために

できることのひとつですね。

 

こちらの玩具売り場をのぞいても、

女の子セクションは、ピンクに彩られお人形やおままごとセットに溢れ、

男の子をセクションは、車や組み立て式の玩具がずらり。

これってある意味、女の子は、

「トレーニングの機会」を逃しっぱなしとも言えるかもしれません。

 

ホルモンによる生まれつきの好み、

ということはあるわけですが、

大好き!なものをたっぷり楽しむ機会を与えつつ、

同時に、あまり自らは興味を持たないものにも触れさせてみる。

 

また、「女の子なのに」「男の子なのに」、

といった姿勢や言葉で、

その子の可能性を狭めてしまわない。

 

昨日も紹介したような、

「組み立て式玩具を最大限生かすヒント」

なども、男の子も女の子も楽しめる要素満載で、

遊びも広がっていいですよね。

 

 

 

さて、今日は学校半日で、1週間の春休み(短い!)の始まりです!

グランマが訪ねてくる予定です。

30代から大学に入り、教員として働きつつ、

60代で教育学博士号を修得したグランマ。

子育てや女性の生き方などについて、

インタビューしてみますね!

 


子供の空間認識能力を伸ばす「組み立て遊び」を最大限生かすヒント

2016年03月22日 | 空間認識力

昨日の続きですが、

数学・科学分野で重要な役割を持つ空間認識力は、

積み木などの組み立て式の玩具や、ビデオゲームなどによって、

高められると示す研究も多くあります。

 

子供時代に自然の中を転げまわって遊んでいる内に、

自然に身につくとされる空間認識力ですが、

そういった機会にはなかなか恵まれない現代の子供達。

こうした屋内アクティビティーを、

日常生活に取り入れていくのもひとつの方法ですね。

 

なおビデオゲームのメリット・デメリットについては、

以前まとめたのですが、

オールアバウト:「ゲームが子供に与える真の影響は?親の取るべき対処法

ユア子育てスタジオ: メディアとうまく付き合うライフスキル

そのデメリットを分かりつつ、うまく付き合っていきたいです。

 

 

組み立て式の玩具や何かを組み立て創るアクティビティーなどが、

いかに空間認識能力を高めるか、

そして科学数学分野での成果と結びつくかを示す研究は、

こちらの生物人類学者グエン・デワー氏のサイト記事に、多くまとめられています。

‘Toy blocks and construction toys: A guide for the science-minded’ 

何かを組み立てるアクティビティーは、プレスクーラーから、青年期まで空間認識力を高めるために有効とのこと。

 

この記事の中で、組み立て式の玩具は、空間認識能力やモータースキルを高めるだけでなく、

遊び方によっては、創造性や、現実社会での問題解決力として必要となる「拡散的思考」、

また社会性や、言語能力を高めるともされています。

 

 

 

 

以下、デワー氏による「組み立て式の玩具を最大限生かすヒント」です:

 

・自ら参加することにより子供を引き込む

どう創るか見せてやったり、自ら組み立てるのを楽しむ姿を体現。

 

・付随するキャラクターやグッズを用いて「ごっこ遊び」を促す

キャラクターの暮らす建物や用いる乗り物を組み立てたり、街を広げてみたり。

言語面の発達にも繋がるとのこと。

 

・ストーリータイムと繋げる

本を読んだりストーリーを話した後、物語の世界をモノを用いて再現し組み立ててみる。

ごっこ遊びを促進することにもなる。

 

・チャレンジングな組み立てタスクを与える

自由に組み立てるのも重要だけれど、

テンプレートと同じものを組み立てるといったアクティビティーからも多くを学ぶもの。

写真や絵や図解を用いてみたり。

 

・他の子と協力し合って組み立てるのを励ます

一緒に何かを作り出すことで、社会性が育まれる。

 

・ファンタジーも価値ある遊びの側面と思い出す

組み立てるアクティビティーというと、

実用的なエンジニア能力を発達させるとったイメージがあるけれど、

遊び方によっては、様々な能力を育むことに繋がるんですね。

 

 

この記事をまとめながら、「虹色教室」を思います。

まさしく、子供の能力を伸ばしていくために、

理にかなった場なんですよね。

主宰者未来奈緒美さんの感性、そして働きに、

改めて脱帽です!

 

私自身、

民族服を着たり、音楽やアートに触れたり、

家屋や旗や料理や民芸品を実際作ってみることで、

多様な文化への理解を深めるとともに、

こうした「作り出す」体験を通し、

S.T.E.A.M(科学、テクノロジー、エンジニア、アート、数学)能力の促進、

ということも目指せたら、そう思っています。

 

こつこつカリキュラムを練っていきます!


空間認識力の大切さ、子供時代に身体を用いて体験することで鍛えられる力

2016年03月21日 | 空間認識力

「空間認識力」について、改めてまとめ中です。

 

空間認識力とは、物体の状態や関係を、三次元空間で把握し認識する能力。

二次元の地図を見て、地形の構造を把握できるような力ですね。

 

空間認識力は、日常生活で身体を動かしたり、

野や山や海や様々な地形や風景を知覚しつつ駆け回っていれば、

自然と身につく能力とされています。

 

子供時代に、机上のプリントなどに向かい続けるよりも、

実際に身体を使って体験することの大切さとは、

三次元空間で、自分と自分に相対するモノの中で動くことにより、

こうした「空間認識力」を発達させるため、

ということもひとつにあるんですよね。

 

 

 

空間認識力は、

人類誕生以来これまでの99パーセントの期間を占める狩猟採集時代には、

外敵からの距離を知覚し身を守るために欠かせなかった能力。

 

現代でも日常生活のそこかしこで役に立つわけですが、

科学、テクノロジー、エンジニアリング、数学での成果を予測する重要な指標ともされています。

 

・「数のセンス」と空間的思考は密接に繋がっていて、早期の空間認識力により、その後の数学でのパフォーマンスを予測できる。

・幼い頃から空間的関係を視覚化できる子は、小学校でも算数により強くなる。

・中学生で物質をメンタルに回転させることが得意な子は、科学の分野で成果を上げる傾向にある。

・早期の空間認識力によって、その後の「読むスキル」を予測できる。

http://www.parentingscience.com/spatial-intelligence.htmlより)

といった研究もあるようです。

 

 

 

また、

性別によって、生まれつき空間認識力には確かに違いがあるようです。

女の子の方が空間認識は苦手気味と。

これは「テストステロン」というホルモンによって起こるとされているんですが、

それでも子供でも成人してからでもトレーニングによって、

性差によるこうした能力の違いは減少する、または無くなるという研究もあるようです。

しかも短期間で劇的に改善するとのこと!

 

まとめていきますね!