マイコー雑記

行き来するもの書き留め場

ループ状の近所とその外の近所と 1

2015年08月30日 | 日常

・子供達が日々犬の散歩に出かけるたびに、

「あの角に新しく越してきた子達ね!」と声をかけてくださる方がちょこちょこいるようで、

昨日は、その中の一人の方が集まりに呼んで下さった。

息子さんの11歳の誕生日。

近所の方々も集まるからいい機会よと。

 

裏庭にこの日のためにレントしたという遊具がおかれ、

大人達はワインやビールを片手に盛り上がっている。

 

食材、洋服、文具、生活用品をどこで調達するか、学校の様子、近所の様子など

様々教えて下さる。

 

中に、近所の方がホストファミリーとなり、日本から高校留学しているという子も。

久しぶりにまとまった日本語での会話!

高校でも日常生活でも、日本人に全く会うことがないと。

こちらにきて学校や店やと走り回る中で、確かに東アジア系の方を見かけることがほとんどなかったなと思う。

 

皆さんのフレンドリーさ温かさに、感動しつつ帰宅。

子供達もこのループ状の近所をえらく気に入っているようなのだけれど、

その理由が少しわかったように思う。

 

先日は、

向かいのお宅のおじいさんの80歳の誕生日会だったという翌日、

おばあさんが風船やたくさん買い過ぎたという食べ物など差し入れてくださった。

 

 

・このループ状の近所を示すサインが掲げられた出入り口からすぐ傍のところには、

少し違った雰囲気の町並みがならんでいる。

ループ状の近所の集まりでも、「あのサインの外」というような言葉が使われていた。

屋外に衣服が並んで干され、ペンキのはがれた家屋、窓ガラスにガムテープがはってある家も。

居住しているのは、皆アフリカンアメリカンの方。

ちなみに、ループ状の近所には、昨日の集まりのように白人の方々が主でありつつアフリカンアメリカンの方々も居住。

 

どこへいくにも、この対照的な町並みを通る。

 

ある日は、黒人教会の神父が、広場を埋める人々に向かってラップのようなリズミカルな口調で説教していた。

昨夜は、盛大なお祝いがあったようで、何百人もの人々が通りに溢れ、遅くまで盛り上がっていた。

犬の散歩で近くまで行ったという長男が、「熱気がものすごかった」と。

 

アラスカでは体験したことがなかった境界のようなもの、それぞれ異なる雰囲気。

子供達もひしひしと感じているよう。

 


「マダニ」というもの

2015年08月29日 | 日常

こちらに来て勝手が違うことといえば、

買い物やら学校やら様々あるのだけれど、

その中でもまず大きかったのが、「虫」だった。

 

一年の大半、

虫に出会わない生活に慣れた私、

出会わないのが当たり前で育った子供達。

 

食べ物を置いておけばハエやアリがくるし、

大小様々なクモもあちらこちらに巣を張り、

カエルが道を行き、

セミや大きなハチやガがガレージに飛び込んで来る。

 

前に住んでいた方がキッチンの隅に置いていってくださったのが、

食べ物の上にかぶせる蚊帳や虫駆除スプレー多種、だった。

 

そんな虫の中でも、当初我が家で最大の注意関心恐れが向けられたのが、

マダニ(ticks)。

 

1975年のコネチカット州での事例から名づけられた「ライム病」など16近くの病原体を媒介するとされ、

東海岸や内陸北部を中心に年々被害が増加。

今では米国で年に30万人が「ライム病」の診断を受けているという。

マダニに噛まれても、抗生物質をなるべく早く呑むことで(24時間以内なら最もいい)ほとんどの場合ことなくおさまるのだけれど、

一生様々な症状に苦しむことも。知り合いで亡くなった方もいる。

 

マダニについて初めて身近に聞いたのは、

長男が2年前ペンシルバニア州でのサバイバルワークショップに参加した時。

注意喚起されていたにも関わらず、その参加者の一人の子がライム病にかかってしまった。

長男も体を這うマダニを2週間のキャンプ中1度見つけたと。

 

このマダニ、

その吸血の仕方がなんともいえない。

頭部をヒトや動物の体にのめりこませセメントのような分泌物で固める。

数日そのままでいることもいるという。

10分から2時間近くかけこの吸血箇所を探して体を這い回るのだそう。

「ふくらみのあるホクロから手足が生えたようなもの」を見つけたら、

ピンセットで頭部を残さないように抜き取り、密封してすぐに病院へ。

 

 

それでも、アラスカの熊のようなもので、

適切な対処法を知っていれば、そうそう恐れることもないのだろうなと思っていた。

住んでいる人々は、日常生活でさして気にもしていないのじゃないかなと。

 

ところが、この家を世話してくださったエージェントの方と話していると、

「ああ、マダニの被害は東海岸では頻繁にあるのよ。

この家も森に囲まれているし、子供達外に出たら、必ず体についてないか調べてね。

あなた達は髪が黒くて頭部は見つけにくいだろうから特に気をつけて。

私の夫もね、ライム病なの」

 

!!!

 

少し調べてみると、年々被害は深刻。

地球温暖化で生態系が変化し、より北部でも被害がみられるなどマダニの生息範囲も広がったことや、

森林伐採で鹿が増えたことにも原因がある(ライム病を媒介するマダニはシカダニとも呼ばれシカから病原体をもらっているよう)とのこと。

 

しかも、温暖化で孵化や成長サイクルが変化し、

一ミリ二ミリほどの幼虫でさえ、病原体を媒介できるようになっているとも。

http://www.scientificamerican.com/article/global-warming-may-spread-lyme-disease/

 

オープンな身体部ならまだしも、

一ミリ二ミリが黒髪のなかにいたら、そうそう見つけられるだろうか・・・。

 

 

ライム病のほかにも、肉アレルギーを引き起こす症例を報告されているよう。

http://www.npr.org/sections/thesalt/2012/11/21/165633003/rare-meat-allergy-caused-by-tick-bites-may-be-on-the-rise

 

何年後かには、マダニへの抗体ワクチンなど様々発達し、被害もおさえられていくだろうとも言われている。

 

 

 

 

と、数日前、

シャワーを浴びて、ふとふくらはぎをみると、見慣れぬ黒い点。

よく見ると、ほくろでもなく、突き出している。

でも手足がないなあと思いながらも、長男に密封できるジャーと、ピンセットを持ってくるよう頼む。

「種ダニというのもいるらしいからね(のめりこむと手足が見えない)、ダニかもね。種ダニはライム病を媒介しないらしいけれど」と長男。

 

「頭部を残さないようにね、根元からね」と声をかけながら、

長男、ピンセットで黒い突起物を根元から抜こうとしてくれること5分ほど。

「とれた!」

ジャーに入れて。

長男:「動かないね。はがしても手足ないし。写真見ると小さくても手足あるみたいなんだよね(アイフォンで調べながら)」

私:「ね」

長男:「これって、ただのかさぶた・・・」

私:「みたいね・・・」

 

「かさぶたみたいなものをはがしたらダニだった」、

という体験者も多いようですが、

今回はどうも、本物の「かさぶた」だったようです。

 

他の子たちも、え、ダニ見つかったの?と、

わらわら「かさぶた」を見に集まってきました。

皆で笑い転げ。

 

神経質になり過ぎず、

できることを淡々としていけたらなと思ってます。

 

 

 

 


こちらの学区のギフテッドプログラム

2015年08月29日 | メモ

ギフテッド教育について。

 

この学区では、

高校:

オナーズ(通常のクラスより深くトピックについて学ぶ)、

アドバンスプレースメント(大学の初期授業と同じ内容。11年生12年生)

デュアルプログラム(大学との連携。大学の授業を高校卒業単位に振り替えてくれると同時に大学卒業の単位としても蓄積できる。16歳以上)。

インディペンデントスタディー(先生のメンターの下、独自の学習。12年生のみ)

 

中学:

環境サイエンス、医療、法・経済・歴史、メディア、創造的ライティングの中から1つ選び、

毎日1時間、通常のクラスから抜け、そのトピックについて深めるというエンリッチメントプログラム。

その他にも、数学には、「通常」と「アドバンス」の2クラスがある。

 

小学:

全校で、学年に囚われずその子のレベルにあった進み方ができるというリーディングと算数のプログラム。

「カリキュラムに子供を合わせるのではなく、カリキュラムを子供に合わせます。この学校で成功しない子はいません」

と胸を張る先生。

 

 

中高校生になる上3人(こちらは6年生から中学生)それぞれ、サービスを受けられることに。

16歳に満たない長男は大学授業を取ることができないのだけれど、来年からと考えているよう。

ホームスクールも念頭に入れつつ。

 

学校開始まであと3日。


買い物、ああアラスカサーモン

2015年08月29日 | 

他州からアンカレッジに越してくる人々が、

「田舎なのだけれど様々な種類の店がコンパクトに寄せ集まっていてとても便利」、

と口を揃えて言っていたのだけれど、

その意味がよく分かった。

 

ここではまとまった食料を買出しにいくのに往復2時間車を走らせる必要がある。

近くにも食材を売っている店はあるのだけれど、種類も少なく高め。

月1・2回の買出しに向け、あ、買い忘れ、がないよう、ショッピングリストを吟味する必要がある。

 

ちなみに、昨夜はやむなく近くの店でべらぼうに高めの「アトランティックサーモン」を購入。

アトランティックサーモンの野生は北大西洋生息だけれど、

養殖は世界中でされているんですね。

チリ産のアトランティックサーモン。

 

養殖魚の食感に味。

ああ、アラスカサーモンよ。


ノートパソコンを片手に登校する中高生

2015年08月27日 | 風景・旅

昨日、何度か学校側とのやりとりを通した末、

5人の学校手続きがひとまず落ち着く。

 

こちらは中学から、

なんと一人一台ラップトップパソコンが支給される!

ラップトップを片手に登校する子供達。

 

「紙でのやりとりをどんどん減らしていくことになっているんです。

重いバックパックを背負う子供達の風景も、

その内ノートパソコン一つを片手に、

という光景に変わりますね」

と学校の担当者の方。

 

学校からのお知らせや成績表も全てネットを通して。

グーグル掲示板などで自宅からもクラスメートとディスカッション。

 

他州に比べ教育に力を入れているとされる州。

毎年全米の公立学校比較でトップ州の一つとしてランキングに並ぶ。

 

今日の夕方は夏休み明けに向けてのオリエンテーション。

子供達それぞれ、担任の先生方やクラスメートに会う予定。

来週の学校開始、子供達も楽しみにしている。

 


ひとまずホワイトホース

2015年08月11日 | 風景・旅

現在北カナダ最大の町ホワイトホース。

荷物整理しながらと進んでいたら、予定から随分遅れ、この調子では東海岸到着までに16日間ほどかかってしまう。

今日からちょっと強行軍の予定。

 

こんな2台で走行中。

トラックでカヤック積んだもう一台を載せたトレーラーを引き、

もう一つの車で家財道具を積んだトレーラーを引き。

 

もうとにかく道中の景色に圧倒されっぱなし。

心が広がる感。

基本的にはキャンプしたり、

こんなテントに泊まったり。

しかし内陸部、蚊がすごかった。

こんな感じ。

by 次女の日記

ジーンズの上からも刺され。

 

国境を越え。カナダ!

 

・米国国境からカナダに入ると途端に道が悪くなる。

工事中の範囲が続き穴だらけ。

ひっぱっているトレーラのタイヤが吹き飛ぶんじゃないかと思ったけれど、

おかげさまで無事通過。

 

・国境は人間が作ったもので、大自然にとっては全く関係なし。

それでも、植生や山の雰囲気はカナダに入ると変わる。

丸みを帯びて優しい。

アラスカの風景には猛々しさがある。

 

・よく言われるけれど、カナダに入ると人の雰囲気も変わる。

子供の感想:

前を行く人が先に建物に入ると、

ドアをずっと開けていてくれたり、

レジの人やお店の人も、

皆ニコニコして優しく親切。

小さな一つの町に1日2日滞在しての感想ですが。

 

 

ホワイトホース、27,000人近くの人口ともなると、

こんなものもスーパーで発見。

 

キューピーマヨネーズ。

 

フランス語も町に飛び交っている。

さて、旅は続きます。

ひとまずここまで無事に来られ、感謝!


真っ白な根

2015年08月07日 | 雑感

16年暮らした地を離れるというのは、

樹木を根っこから引き抜くようなものなのかもしれない。

 

初めて日に照らされる根は、

突然の温度湿度の違いに驚き、

吸い上げる栄養素もなく途方に暮れている。

 

柔らかな布に包んでやろう。

アラスカの土を入れて。

 

新地の土に埋められ、

やがて再び、根を伸ばし始める日まで。

 

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この地に暮らせたこと、感謝をこめて。

それでは、行ってきます。

皆様の夏の日々のまぶしさを想いつつ。


少しずつ少しずつ実感していこう

2015年08月07日 | 雑感

今日はトラックに倉庫の荷物を積む。

 

朝、おにぎりと、

(もう一つあった「しそ」の列一気になくなる)

今年摘んだブルーベリーで作ったというジャムをいただく。

 

昼過ぎから初め、

これはかなり夜遅くまでかかるねと、とにかく運び続けていると、

サプライズで友人二家族が手伝いに!

 

みるみる片づき、

休憩タイム。

お、おわった!

最後の最後まで、ありがとー。

 

いなくなるのが信じられない、アラスカを出るのが嘘みたい、そう言いあいながら。

まるで来週また会うかのように別れた。

 

何年もの間、あまりにも近くにいるのが当たり前で、

子供達も一緒にいるのがあまりにも自然で、

いつものようにケタケタふざけ合っていると、

遠く離れるということがどうしても信じられない、信じたくない。

 

多分ショックがあまりに大きすぎるから。

少しずつ少しずつ実感していこうと思う。


ヴィゴツキー氏の「足場作り」

2015年08月06日 | メモ

社会心理学者ヴィゴツキーの提唱した考え方「足場作り(scaffolding)」。

 

戸棚の上の皿を取るのに、

初め5段必要だった踏み台も、3段、1段、いずれは必要なしと、子供は成長していくもの。

いつまでも踏み台をそのままにせず、

踏み台なしで「取りなさい!」と言い放つのでもなく、

その時のその子にあった踏み台を用意していくこと。

 

ヴィゴツキー氏曰く、子供の発達にとって、周りの大人がどう「足場作り」をしていくかが重要と。

日々思い出していきたいこと。 

 

ヴィゴツキー氏はこうして、ピアジェに比べ、周りの大人によるその子への関わりが発達に大きな影響を与えるという見方をした。