マイコー雑記

行き来するもの書き留め場

『It Mama』寄稿:すぐに叱るのはNG!? 「ポジティブなタイムアウト法」のススメ&子どもは孤立して嫌な気持ちでいっぱいの時に学びはしない

2018年02月26日 | 思慮あるしつけ(discipline)

こちらの記事に、

中流家庭に過酷な米国の大学学費状況を赤裸々に&大学進学の現状を通し子育てについて思うこと

米国で3人のお子さんを育てるゆきさんからコメントをいただきました。

私自身、今、身近に、日々いくつものケースを見聞きしていることですから、

言いたいことも溢れ、コメント返しも長くなっています。

 

言いたいことのひとつは、

「大学進学へも、もっと様々な道筋ができるといいですよね」

ということ。

 

18歳までに、周りから認められる輝かしい業績を形にできる子もいれば、

より時間をかけて伸びていく子もいます。

特に、凸凹があったり、学習障害など発達障害がある場合は、

大器晩成型の子も多いです。

情緒面に目を向ける大切さ&遅咲きの子

 

私の夫の例でも、

40年以上かけて伸び続けていますよ。

今回の日本行きも、またひとつ夫の夢が叶った結果です。

重度ディスレクシア&恵まれない環境に育った夫に学ぶ3つのこと、「落ちこぼれ代表」からの挽回

 

 

 

超難関大学は、その名門ぶりを競い続けるでしょうが、

コメントをしていただいた記事にもあげたパデュー(Purdue)大学のように、

「どれほどの学生を不合格にしたかよりも、

どれほどの学生の力を引き出し育てたか」を目指す大学が増えていくこと。

このPurdue大学、世界的にも工学分野では日本の東大京大をぬきトップ40位に入っています。

全米だとハーバードなどのあらゆる超難関大学をぬき8位。

(ランキングはフォーカスすることによって変わることを考慮しつつ)

 

また、勉強したいことが絞られているのならば、

ユタ大学のゲームデザイン、コロラド大学ボルダー校の宇宙航空学、

コロラドスクールオブマインの石油工学など、

入学はそれほど難関でなくても、

大学に入ってから世界トップレベルの技術や力を身に着けられる大学を

考えてみるのも方法ですよね。

 

他にも、

誰でも入れるコミュニテーカレッジから大学へ編入

(かなりの学費セーブにもなります)、

学部はより簡単に入れるところで学び、大学院をより充実した大学へ進学

就職してから企業に学費をだしてもらい大学院進学など、

18歳で手にする「結果」は、単なるスタートでしかない

そう思える道筋が、これからもどんどん増えていきますように。

 

みなさん、長い目で見て、

子どもたちを励まし、応援していきましょうね。 

 

 

 

さて、

この『It Mama』さんへの記事には、

みなさんの「しつけのツール箱」に加えていただきたい

「ひとつの関わり方」を紹介しましたよ。

 

「しつけのツール箱」とは、こちらの記事で説明しましたが、

『オールアバウト』寄稿:しつけの悩み解決!子供の主体性を育む7つの導き方&伝統的しつけ以外の方法がつまった「ツール箱」

「ツールとしての基本を理解したら、

その場のその子の状況に合わせ、

ツールを手にする各々が、

主体的&柔軟に修正&なじませながら用いていく」

というコンセプトを基にしています。

 

*「しつけ」とは、

「知恵を教え・学ぶ」という意味で用いています。

「子どもと親は対等」というアドラー心理学の言説について&「しつけの原点」とは?

知恵を前にするなら、

教える側も学ぶ側も対等であると思い出していきたいです。

 

 

欧米で最も用いられているしつけ法「伝統的なタイムアウト」 

「タイムアウト」というのは、

「体罰」が表向きには推奨されなくなる中で、

欧米で、最も用いられてきた「しつけの方法」です。

 

米国での子育てを通し、

これまで様々な教育現場や個々の家庭の集まりなどで、

「伝統的なタイムアウト」の場面に、

幾たびか出合ってきました。

そして、今でも出合います。

 

私自身は、

「好ましくない行為」をした子をその場から引き離し、

「タイムアウト」の椅子や場所と決めた場で、

何分間か(主に年齢分:2歳なら2分、4歳なら4分など)1人にしておく、

といったルールを日常生活に取り入れることに、

何となく違和感を感じ、我が家では用いることがありませんでした。

 

とはいえ、親子でかーとなると、

「部屋に行って落ち着いてきなさ~い!」と、

子どもをその子の部屋へ送ることはありましたから、

まあ、似たようなことはしていたわけですが。

 

 

「タイムイン」との出合い

そして、まだ長男が小学校へ上がる前の頃、

プレスクールで長年先生をしていた友人と

「タイムアウト」の話をしていたときのこと。

 

「この園でも、する先生としない先生がいるけれど、

私は、タイムアウトが必要となるような場面ほど、

その子はアテンションや温もりが必要だと思うのよね。

だから、私はしないの」と。

 

その言葉に、びりびりとしびれ、

「なるほどなー」と思いましたよね。

 

友人、問題を起こす子を、

ぎゅっと抱きしめたり、膝にのせたりしながら、

「タイムイン」してました。

 

その当時はまだ、

「タイムイン」という言葉が聞かれることもなかったわけですが、

「タイムイン」とは、

こちらのブログでも何度も紹介している

小児精神科医のダニエル・シーゲル氏が提案したものです。

 

以前、タイムアウトとタイムインについて書いた記事です:

『ユア子育てスタジオ』・「罰」を用いない子育て、「タイムアウト」から「タイムイン」へ

(思えば、この2014年の「タイムイン」についての記事が、

ダニエル・シーゲル氏のコンセプトに触れた始まりだったんですよね。)

 

この『ユア子育てスタジオ』の記事で引用したシーゲル氏の言葉です:

親は「タイムアウト」の代わりに、「タイムイン」の時間を考えてみるといいですよ。部屋の隅に立たせるよりも、一緒に子供と座り話したり慰めたりして愛情を深める時です。小休止をはさみ、自身の行為を省みるというのがどういうことなのか落ち着いて話し合う時というのは、とても価値のあるものです。特に小さな子供にとっては、こういった「自身を省みる姿勢」と言うのは、「孤立の中」ではなく、「人との関係の中」で創られていきます。長い目で見た子育てにとって、(タイムアウトよりも)より効果的で報いのあるものとなるでしょう。“

 

特に小さな子供にとっては、こういった「自身を省みる姿勢」と言うのは、「孤立の中」ではなく、「人との関係の中」で創られていきます。”

まさしく!と思いませんか?

 

 

『It Mama』さんの記事にも書いたんですが、

「頭冷やして反省しなさい!」とその場から引き離され、

じっと座らされるなり立たされるなりし、

1人静かに「ああ、自分がわるかったな…」と思う子が、

どれほどいるでしょう?

 

かえってその子の中に渦巻くのは、

怒り、悲しみ、悔しさ、恥ずかしさ(見せしめ的な場合は特に)、

分かってくれない、仕返ししてやろう、今度は見つからないようにしよう、自分はだめだな

そんな気持ちや思いではないでしょうか。

 

 

「ポジティブなタイムアウト」とは?

そうして、去年学んだ、

アドラー心理学を基にした「ポジティブなしつけ講座」で、

「ポジティブなタイムアウト」という方法に出合ったんです。

 

「ポジティブなタイムアウト」とは、

「罰」として「タイムアウト」を用いる「伝統的なタイムアウト」ではなく、

本来の「小休止を挟んで気持ちを切り替える」にフォーカスし、

そして、子どもと愛情を深める「タイムイン」の要素を取り入れたものです。

  

その根幹にあるのは、

子どもは、嫌な気持ちでいっぱいな時より、

いい気持ちの時に、より「学ぶ」ということです。

 

私たちの内には、

例えば、子供が「好ましくない行為」をしたとき、

学ばせるために痛い思いをさせないと

そんな気持ちが深ーく根付いていると思いませんか?

私自身、自分でも驚くほどですよ。

 

でも、どうでしょう?

本当に、その方が学ぶんでしょうか。

 

それは、子どもにとって、

今度は、痛い思いをしたくないからしないでおこう、

見つからなくて、痛い思いをしないならオッケー、

といった学習ではないでしょうか。

つまり、知恵を学んでいるわけじゃないんですよね。

 

気持が切りかわり、落ち着いたところで、

「何が、どうして、よくなかったのかな?」

「今度は、どうしたらいいかな?」と話し合ってみること。

子ども自身が「自分で考え行動している」と感じている状態こそ、

「知恵を学んでいる」ということ。

つまり、長い目でみて、その子を支える力となっていく、

18年間様々な子どもたちに接する中で、しみじみとそう思っています。

 

 

記事には、「ポジティブなタイムアウト」の具体的な方法

分りやすく説明してあります。

興味ある方、是非、読んでみてくださいね。

そして、どうぞ「しつけのツール箱」に加えてみてください。

すぐに叱るのはNG!? 「ポジティブなタイムアウト法」のススメ

 

 

「タイムアウト」は、

こちらの教育現場でも、たびたび用いられます。

 

一昔前は、日本でも、

生徒を廊下に立たせたりと、

罰としての「伝統的なタイムアウト」が用いられていましたね。

 

アラスカでも、こちら東海岸でも、

例えば、教師が何度か注意しても聞き入れず、

授業自体が進まなくなってしまう場合など、

「タイムアウト」が用いられています。

 

カウンセラーや他の先生などが来て、

その子を別室へ連れていき、話し合ったり、

他のクラスの活動に加わったり、

とにかく、その場を離れます。

 

「罰」として、教室から連れ出すというより、

向き合う側も、声を荒げたり、感情的になることなく、

「小休止をはさみ気持ちを切りかえ自らを省みることを促す」という姿勢で、

たんたんと、生徒が落ち着くよう接します。

 

生徒も、

場を離れることで、より自分の行為を客観的に眺められ、

学校スタッフ皆が、

自分のことを気にかけてくれるとも感じるのか、

落ち着いてクラスに戻ってくることが多いですね。

 

こうした対応が、

カウンセラーなどの担当者がいたりとシステムとしてあると、

どうしても一斉に同じことをせざるを得ない学校という集団も、

よりスムーズにまわっていきやすいと実感しています。

 

 

 

 

―――――――

週末は、勤務先の学校に、

日本語の幼稚園の園児と親御さんと先生方が訪ねていらして、

工作をしたり、学校の生徒が園児に日本語の絵本を読んであげたりと、

合同活動がありましたよ。

幼稚園の先生方の、凛とした温かいたたずまいに、

何だかはっとして、みとれてしまいました。

 

ワシントンDCの『アメリカン・インディアン国立博物館(National Museum of the American Indian)』にて。

かご作り。

体験型展示っていいですね。

 

さっき、裏の森を走り終えた彼女ちゃんと長男。

(←学校が終わると毎日のように一緒に走ってエキソサイズしてます)

キッチンの椅子に座ってニコニコと見上げながら話しかける彼女ちゃんに、

長男がポリッジを作ってあげてました。

こんな風に、キッチンが使われる日がくるとは…。

 

みなさん、温もり溢れる日々を!


中流家庭に過酷な米国の大学学費状況を赤裸々に その1 & 大学進学の現状を通し子育てについて思うこと

2018年02月23日 | 子育て全般

普段のぎりぎりの生活に、

引っ越し準備が加わり、

ここ3年の間に2回引っ越しているだけに、

頭では分かっていたんですが、

ちょっと目が回ってます。

今年の夏から東京で1年間暮らすことになりました

「あと4か月少し」という数字に、背筋が伸びますよ。

 

昨夜は、東京の高校と長女と次女のスカイプインタビューでした。

「フローズンヨーグルトのお店で週に2回ほどアルバイトしている」という長女に、

「じゃあ、トッピングは何が好き?」と質問するアメリカ人の校長先生。

「芋虫の形をしたグミ(ガミーワーム)」と答える長女に、

「その答えは間違ってるよ。グミはクマじゃないと

(That is a wrong answer. Gummy should be a bear.)」(ガミーベアも人気)と真顔で即答。

 

1時間ほど、ユーモアたっぷりでした。

 

三女と次男の小学校は、おかげさまで入学が認められ、

あとは、高校のみです。

この高校に決まるといいのですが。さてさてです。

 

 

今日は、

今我が家が直面している米国の大学事情について、

赤裸々につづらせてください。

 

高校卒業後以降について考えることは、

今の子育てを見直す機会になる、

そう思います。

 

ここ2か月ほど、子ども達のお友達や知り合いの

大学審査の悲喜こもごもの結果に日々接してきました。

我が家の長男も、これまで3大学合格通知をもらい、

4月頃に新しく出る結果を待っている状態です。

全ての結果が出たら、どの大学へ行くのか、そもそも大学へ行くのかを、

煮詰めていきます。

 

大学に行くとするならば、

膨大な借金をすることなく、

充実した研究環境があり、

卒業後に自らこれと決めた道を進むためにどれほど助けになるか、

ということを優先してどの大学にするかを選択する予定です。

 

中流家庭にとって過酷な米国大学の学費&寮費

赤裸々な米国大学の学費面についての情報です。

日本とは随分と違いますよ。

 

米国の私立大学は、

約5百~7百万円×4年=2千万円~3千万円近くかかります。

それでもトップの大学程、「親の収入に合わせた奨学金制度(ニーズベース)」があり、

親の年収が6百万円以下なら全額免除になる場合もあります。

アイビーリーグなどの超難関大学によっては、

親の年収が千5百万円から2千万円ほどまで、

何らかの援助が出ますが、そうした大学でも、

1千2百万円から1千5百万円未満の年収だと、

年4百万円~6百万円払うことになります。

 

州外の州立大学は、

約3百50万~6百万円×4年=1千2百万円~2千4百万円かかります。

州立大学の「親の収入に合わせた奨学金(ニーズベース)」は、微々たるもの。

「生徒の成績や業績に基づいた奨学金(メリットベース)」については、

奮発してくれる州立大学もあります。

長男も、ある州外の州立大学から、

約2百50万円×4年の奨学金オファーをいただいたのですが、

それでも、残りの約3百万円×4年を払うことになります。

 

また、大学院へ進むことも考えると、

ますます目がくらむような数字になっていきますね。

我が家の場合は、その上、その後に4人続きますし、

兄弟姉妹のことも、考える必要があります。

 

 

これが、

中流家庭にとって、

とてもきついアメリカの大学の現実です。

 

 

とはいえ、

在住する州の州立大学へ進学する場合は、

在住者は州へ税金を払ってますから、

学費も、例えばこの州では、

約百万円×4年=4百万円ほど。

 

この違い!

 

もし、米国で引っ越しされる場合、

引っ越し先の選択肢があるのならば、

州立大学が充実した州を選ぶのも、

ひとつの方法ですよ。

 

我が家の長男の場合、

本当にたまたまなんですが、在住する州立大学が、

特に長男が望む分野(エンジニアの1分野)で全米10位内に入るほど充実していて、

親としては、ちょっとほっとした気持ちでいます。

 

 

長男が起業したNPOの方は、

今年の夏にアフリカと中米で活動する準備中のようです。

同じ仲間で、このNPOの他にも、

for-profit organizationの起業も計画しており、

長男はもう、学校という枠組みの外に、

どんどん世界を広げていっているなあと感じています。

こうしたことと、大学生活がはたして両立できるのか、

そして両立する意味があるのかですね。

 

こういったことすべて合わせ、

4月頃に、最終的には本人が、

進路を決める予定です。

 

 

*追記

超難関私立では「親の収入に合わせた奨学金制度(ニーズベース)」が充実していますが、

難関私立になると「生徒の成績や業績を基にする奨学金(メリットベース)」を大奮発してくれる場合もあります。

今月に入り、長男のお友達で4年間の成績がオールAで統一テストも満点だった子が、

ある難関私立から、全額免除の知らせを受け取っていました。

こうした勉強が得意な子ならば、親の年収によらず、学費面が助かりますね。

 

 

 

凸凹の天才君にはきつい米国の入学審査

上にあげた現在暮らす州の州立大学へは、

子供達が通う高校からは、

毎年上位20%ぐらいが合格します。

 

それでも、

もし在住の州立大学に不合格となっても、

誰でも入ることのできるコミュニティーカレッジに1年2年と通い、

編入するという方法もあります。

 

今年、

「プログラミングの天才」と生徒の誰もが認める長男のお友達が、

この州立大学に落ちてしまいました。

(エンジニア系の学部への合格者の平均GPAが4.4、

統一テスト96パーセンタイルと発表されているのですが、

年々難易度が増しているそうです)

 

そのお友達君、州立大学に入る方法は他にもあるし、

大学以外にも、道はあると周りから励まされ、

「得意を生かしていくぞ」と、未来に向けて歩き始めています。

アニメが好きなので、東京のビジネスマンの知り合いをたよって、

日本へ行くことも考えているようです。

 

凸凹の天才君には、

つくづく、統一テストと共に、

4年間の成績全てが審査されるというのは、

きついなあと思います。

 

GPAが4.4なんて、

APやIBといった大学レベルのコースをいくつか取りながら、

ほとんどAと数個のBが許される程度です。

 

ましてや、凸凹さんによくみられる、

過集中や、こだわりや、強烈な感情やらも、

思春期には、ホルモンの関係でますますアンバランスになるもの。

 

そんな状況の中、安定した成績を取り続けるなんて、

周りの何倍もの努力が必要ですね。

また、もともと学業成績に、

どうしても興味をもち続けられない場合もあるでしょう。

 

 

米国では超難関や難関大学以外にも充実した選択肢が多くある

とはいえ、米国大学の面白いところは、

入るのがそれほど難しくなくても、

超難関大学をしのぐ評判やランク付けがされている大学もあるということ。

 

例えば、エンジニア系では、

国内外でもかなりリスペクトされているPurdue大学。

合格率も60%近くと、入学するのには、それほど難しくないんです。

でも、エンジニア系の各分野でアイビーリーグなどの超難関大学をぬく活躍ぶり。

 

Purdue大学の学長の言葉に大きく頷きましたよ。

「合格率の低さが、

その大学の名門ぶりを示しているという風潮がありますが、

どれほどの学生を不合格にしたかよりも、

どれほどの学生の力を引き出し育てたかの方が、

大学として意義があるんじゃないでしょうか」

(http://www.jconline.com/story/news/college/2017/09/12/purdue-named-top-20-public-university-u-s-news-world-report/653068001/

http://www.jconline.com/story/news/college/2016/09/28/wall-street-journal-ranks-purdue-top-colleges/91211590/より)

 

他にも、総合的な大学の評価はそこそこで、

入るのも難しくないのだけれど、

特定の分野で優れているという大学もあります。

例えば、ビデオゲームデザイン分野では、

あらゆる名門校をぬき、

ユタ大学が「世界のトップ」を突き進んでいるといいます。

ユタ大学も、合格率80%近くと、入るのは難しくないんですよね。

 

*追記

他にも、コロラド大学ボルダー校や、コロラドスクールオブマインなども、

入るのはそれほど難しくなくても、それぞれ宇宙航空学や石油工学で、

世界トップレベルの人材を輩出しているといわれています。

もし、専攻したい分野が決まっているようならば、

こうした大学に絞り、高校生活をよりのびのびとエンジョイするのも方法だなあと思います。

 


米国大学進学の現状を通して言いたい2つのこと

こうして米国の大学進学の状況を見てきましたが、

それで、大学進学を通して、

最も言いたかったことというのは、2つあります。

 

ひとつは、

1%に入ろうとするより、地に足をつけて、

与えられた「手持ちのカード」での最善に取り組んでいきましょうよ、

ということ。

 

確かに、超難関大学を出て、

まぶしく恵まれたネットワークをふんだんに活用し

(←超難関大学進学のメリットの最たるものがこのネットワークでしょう)

超エリートコースを駆け抜けていく人々はいます。

身近な親族にもいますから、

そういう世界をのぞくこともあります。

 

でも、1%を目指そう!と皆が目指しても、

そこに入ることができるのは、

結局、1%なんですよね。

 

だったら、1%を見上げるより、

残りの99%でありながら、

どうしたら力を発揮し、

生き生きと幸せに暮らしていけるかを

地に足をつけて、見出していきたいです。

 

そして、

大学では1%と99%と分かれたとしても、

卒業してしまえば、

そんな分類をこえて活躍していく人は

本当にたくさんいますから。

 

そうして、

99%の人々が「成功」していく姿こそ、

多くの方に、勇気や希望を与えますよね。

 

 

 

そしてもうひとつは、

・倒れても倒れても立ち上がり、

前向きに進み続ける姿勢こそ、

子育て時代に培いたい力、ということ。

 

米国の場合、超難関でない大学からも、

ノーベル賞受賞者などが何人も出てますし、

どんな大学へ行こうが、

様々な分野で大活躍する人々は多くいるわけですが、

どんな場であれ、その道を突き進んでいく人々というのは、

とにかく、失敗や困難にめげないですよね。

 

結局、

倒れても倒れても立ち上がり、

失敗から学び、失敗を生かし、前向きに進んでいく姿勢こそ、

例えば学歴など「手持ちのカード」がどんなものであっても、

自らの目標を達成し、生き生きと幸せに生きていく鍵。

様々な方に出合う中で、そう確信しています。

 

こうしたレジリエンスがあれば、

どんな大学へ行こうが、どんな道に進もうが、

自分の力を発揮して、切り開いていけます。

 

子育てとは、

いい大学やいい職業といった恵まれた条件や状況のために準備する時期ではなく、

どんな状況を与えられようが、

我が道を切り開いていくための力をつける時期、

初夏に高校を卒業する長男を前に、

しみじみ思っています。

 

 

余談:

長男には今年に入ってから彼女ちゃんができ、

あちらの親御さんが本当によくしてくださり、

今では、あちらの家庭とこちらと2つ家があるような状態です。

(ゲストルームがあり、

しょっちゅう長男を泊めてくださるんですよね。

今朝も、あちらの家から、彼女ちゃんの運転で学校へ通学。

日本の感覚ではびっくりですよね)

 

彼女ちゃん、

医師の両親の影響もあり、

神経科学を専門にするサイエンティストになりたいそうです。

スポーツ部のキャプテンをしていたりと、

性格的にも元気はつらつ、

どんな状況でも物おじせず勢いがありたくましい子です。

 

彼女ちゃんは、

ディスレキシアやADHDなどの発達障害と診断されています。

大学入試統一テストでは、時間制限を伸ばす配慮がされ、

満点近くを出し、

(←時間をよりかけるならできるんですよね)

充実した研究環境のある私立大学への進学を決めました。

 

彼女ちゃんと長男、凸凹さん同士のせいか、かなり気が合うのでしょうね、

ホント、ず~と一緒にいます。

今月に入ってからは、

数学を教える塾のアルバイトも一緒にアプライして、

一緒に教えてます。

 

仲むつまじい2人をみながら、

どんな困難があろうとも、

この2人なら、突き進んでいくのだろうな、

そんな気持ちでいます。

(大学は離れるでしょうから、

2人一緒に歩むということはないとしても)

 

凸凹を持ちながら、

精神的にも自立し、たくましい彼女ちゃんに日々接しながら、

生まれ持った性質もありますが、

ご両親の育て方にも、大いに学ぶことがあるなあと感じています。

 

 

みなさん、

経済面や凸凹やと「手持ちのカード」がどんなであれ、

進み続ける力を育んでいきたいですね。

たとえどんな困難に出合っても、

転んでも立ち上がり、失敗や困難から学び生かしと進み続けるならば、

必ず、道は開けていきます。

私は、そう信じています。

 

 

 

 

近所の図書館で、

旧正月のお祝いがありましたよ。

書初め。

箸を使ったゲーム。

 

合わせ箸で物を運ぶゲームもあったので、

「日本では、遺骨を箸と箸でやり取りするので、

それ以外ではタブーなんですよ」と話していたんですが、

その場の韓国と中国出身の方によると、

日本だけなんですね!

 

この中国の玩具「ジェンズ(jianzi)」なるもの、

子ども達はまり、アマゾンでひとつ2百円ほどで購入。

足で落とさないように蹴るんですが、

大人も運動になりますよ。

 

さて、

明日は、この家を1年間賃貸するために、

家じゅうの電気の点検に電気屋さんがやってきます。

荷造りこつこつしていきます。

みなさん、よい週末を!


『オールアバウト』寄稿:しつけの悩み解決!子供の主体性を育む7つの導き方&伝統的しつけ以外の方法がつまった「ツール箱」

2018年02月16日 | 思慮あるしつけ(discipline)

『オールアバウト』さんのこの記事では、

このブログでも何度も紹介している小児精神科医ダニエル・シーゲル氏が提案する、

子どもを導くポイントをまとめました。

 

シーゲル氏の提案の根幹にあるのが、

「まずはコネクト、それから導く(connect, then Redirect)」です。

そして、

去年学んだアドラー心理学に基づくジェーン・ネルソン氏の「ポジティブなしつけ講座」でも、

「正す前に、コネクトを(Connection before Correction)」が合言葉になっていました。

 

私自身、これらの言葉に出合い、

それまで漠然と大切に思っていたことが、

ストンと整理できましたよ。

 

子育ての基本中の基本として、

行き渡るといいなあと思っています。

 

たとえどれほど、さまよっても、

「ここに戻ってくるんだよ」という「灯台」のような位置づけになるといいですね。

子育てでの灯台について:『It Mama』寄稿:「言うこと聞かないとおやつあげない!」はNG!? 罰以外にしたい3つのコト&次世代に伝えたい「しつけの方法」とは?

 

 

オールアバウトさんの記事では、

「導く」「正す」時のポイントについてまとめたんですが、

まずは、その前の「コネクト」について、

もう一度、さらっとなぞってみますね。

 

こちらにもまとめてあります。

・わがままっ子に効果的!? 「しつけより優先すべき」たった1つのコトって?

 

「しつけないと!」と思う局面って、

親子で感情が高まっている時が多いですよね。

 

それでも、感情が高まっている時って、

脳的には、「考え・想像し・記憶する」部分が、

より原始的な「強い感情・衝動・反射」部分などに乗っ取られている状態というんですね。

ですから、

しつけの本来の目的「知恵を教え・学ぶ」なんてことは不可能とのこと。

 

そこで、まずはとにかく落ち着こうよ、ということなんですが、

子どもが落ち着くために最もパワフルなのが、

「コネクト」といいます。

日本語だと、この場合、

「つながりを確認する」というような意味です。

 

これは、私自身、ほんとそうだよなあと思うんですが、

みなさんも、これまでの体験からそう思いませんか?

 

では、どうつながりを確認するか?

・気持を受け止める

「時間かけて一生懸命作ったポスター、

最後のマーカー部分で枠からはみだしちゃって、

そりゃあ、やり切れないよね」

←まさしく昨日、泣き喚く子に言いましたよ。

 

・スキンシップ

抱っこ、背中トントン、

触れるのを嫌がったら、

「ママ抱っこ(ハグ)したいから、待ってるね」がいいですよ。

 

・温もりのあるまなざし、態度、声のトーン

目の前でエビぞりになっている時に、

「そんなのやってられない」こともありますが、

まあ、なるべく、できる範囲で、穏やかな調子で。

けんけんしても、火に油を注ぐだけですから。

 

などなどがありますね。

 

また、親が落ち着くには、

安全が確認できるような状況なら、

親が「タイムアウト(その場を離れ一人になる)」するのもいいですよね。

 

そして、「まあ、怒ってもよけいひどくなるだけだし、

しかも、怒ってその場はおさまっても、

長い目で見たら何かを学んだわけにはならないだろうし、

これも、よりよくなる機会しよう」

そんな気持ちでいると、感情マックス状態も、

ふつふつとおさまっていくのではないでしょうか。

 

本当に、ひとつひとつの問題は、

「ああしたらどうだろう、こうしたらどうだろう」と考え行動することで、

その後、よりよくなるための機会でしかありませんから。

 

 

ということで、

親子で落ち着いたら、

いよいよ「しつけ=知恵を教え・学ぶ」とき。

 

ここから、こちらの記事に紹介した「7つの方法」も活用していただけます。

興味ある方是非どうぞ!

しつけの悩み解決!子供の主体性を育む7つの導き方

こちらにも、以前「REDIRECT(導く)」について、

ざっとまとめてあります。

『It Mama』寄稿:わがままっ子に効果的!? 「しつけより優先すべき」たった1つのコトって?&敏感っ子にも大切な「思慮あるしつけ」の基本

 

 

 

こうして、

様々なポイントや方法を

「こういうときはこれを使ったらどうかな」

「いや、こちらの方が合ってるかな」と

試し、考え、試しとしながら、

子どもに関わる一人一人が「しつけの(知恵を教え・学ぶ)ツール箱」のようなものを

作っていくといいのだろうなあと思っています。

 

「ツール箱」を手にしているとイメージすることで、

「こういうときはこうしなきゃ」ではなく、

「こういうときは、どのツールが合ってるかな?」と、

目の前の子を観ながら、自ら試し考えと、

より主体的に子どもに接していけるのではないでしょうか。

 

どんな状況にも「万能なツール」があるわけじゃなく、

その時のその子に合ったツールがあるだけなんですよね。

 

長い目で見て健やかに子どもが育つツールを充実させていくこと、

長い間しみついた伝統的な「罰・脅し・辱め・報酬」以外のツールを充実させていくこと、

みなさんも、一緒に考え、試しとしていきませんか?

 

私自身、こつこつと、

みなさんの「ツール箱」を膨らませていけるような情報を、

発信していきたいなと思っています。 

 

 

さて、

こちらは今日は小中高半日で、

3連休突入です。

 

勤務先の先生方との集まりにて。

ごちそうになった手作り羊羹。

抹茶の上にクランベリーソースが素敵。

40代、50代、60代の先生方。

その生きざまに、様々感じ入りました。

 

『虹色教室』の奈緒美さん『Follow Your Bliss』のTamakiさん

シアトルで長年幼児教育に関わるEさん『遊びのアトリエ』レオさん、Tomoeさん、

そしてワーキングママさん、ぽんみかんさんなど虹色教室に通う親御さんたちとも、

集まれる方々で、週に1度、チャットを続けています。

毎回、気づきに溢れ、今では「心の調整場」のような位置づけになっています。

 

その中で、奈緒美さんがおっしゃった、

「人生は評価されるものではなく、味わうもの」という言葉が、

先日お話をした60代の先生方の生きざまとも重なり、

心の奥に響き続けています。

 

次から次へと評価を手にする子どもたちと接する日々にも、

そして、これからの自身の人生を考える上でも、

思い出していきたい言葉です。

 

みなさん、温もり溢れる週末を!

 


『IT Mama』寄稿:創造力&記憶力アップ!親子で簡単「マインドマップ」の描き方&HSCと出合い

2018年02月14日 | ハイリーセンシティブチャイルド

今回の『It Mama』さんの記事では、

情報整理の方法の一つを紹介しています。

 

特に視覚的に学ぶことが得意な方やお子さんには、

活用していただけるのじゃないかなと思います。

 

元々は、英国の教育コンサルタントで著述家のトニー・ブザン氏が

1960年代に開発したとされるこの『マインドマップ』。

今では「マインドマップ」を描くソフトウェアも様々あり、

「マインドマップ」の描き方を教える資格などもあったり、

TEDトークなどでもいくつもトピックになってますね。

 

「日本でも注目されつつある」、

と編集者さんからお聞きしたのですが、

みなさんの周りでは、どうですか?

 

創造力、想像力、記憶力、プレゼン力などがアップ!

とされているんですが(『It Mama』さんの記事にあげた研究参照)、

記事にも紹介してあるように、

その仕組みをみると、「ほ~、そういうことなんだ」と思いますよ。

 

マインドマップとは、

例えば、

動物園→きりん→首が長い→高い木に届く→他の動物が届かない葉っぱや木の実も食べられる

動物園→きりん→首が長い→遠くまで見ることができる→敵から身を守れる

動物園→きりん→迷彩服みたいな模様→カモフラージュできる

 

といったように、

メインのトピック「動物園」から浮かぶキーワード「きりん」

その「きりん」から浮かぶ言葉「首が長い」

そこから浮かぶ言葉と、どんどん連想し、

図や絵で表していくんです。

 

このプロセスが、

脳が情報を活用する機能に似ているのだとか。

脳は、通常のメモのように、「ノートの線に沿った箇条書き」といったやり方ではなく、

こうして言葉やコンセプトからいくつも派生して物事を関連付け、

情報を構造化しているのだそうです。

 

そこで、

マインドマップというのは、

脳の機能からみてより理にかなっているため、

情報を整理し活用しやすいんですよ、というわけです。

 

動物園やきりんについても、上のように文字だけ並べると、

???ですが、

マインドマップという図になっていると、

確かに、これらの情報も、ぱっと頭に入る方も多いのではないでしょうか。

(記事内のマップと比べてみてください)

 

「マインドマップ」のソフトウェアもちらっとみたのですが、

脳のシナプスの回路みたいですね。

 

記事には、

親子で楽しめる簡単な描き方を紹介してあります。

興味ある方、是非、子どもとのアクティビティーや、

普段の情報整理などに活用してみてくださいね。

創造力&記憶力アップ!親子で簡単「マインドマップ」の描き方

 

 

この記事では、

やはり図がなくては説明が不可能と、

拙いイラストを描いたんですが、

HSC(ハイリーセンシティブチャイルド)時代に絵を描くたびに途方にくれていたのを

思い出しましたよ。

 

とにかく、

「間違えたら、おかしな線を描いてしまったら、どうしよう・・・。」

そんな恐れが大きかったなあと思います。

 

それが、ある出会いを通して、

がらりと変わったんです。

今でも、あの瞬間の衝撃を覚えています。

以下、その話を、つづらせてください。

 

私は親族が経営する

保育園や学童保育の建物のひとつの2階で育ったんですが、

週に一度、その建物に地元の芸大生が集まり、

学童保育の生徒向けのアート教室をしてくれていたんです。

 

その教室が始まってばかりの頃、

固形炭とパンを使って、

牛かなんかの頭の骨を写生するということをしていた時のこと。

 

炭で描き、パンで消して、炭で描き、パンで消して。

うまく牛の頭のようにならない・・・、

そう途方にくれる私。

 

そこへ、ひげもじゃの男子学生さんが、

肩越しにのぞいて、言いました。

「あのね、いくらだって上書きすればいいんだよ。ほら」

 

隣に紙をもってきて、炭でさっさと輪郭を描き、

パンでぼかし、また炭で線を描き。

そう繰り返す内に、画用紙に、

牛の頭が浮かび上がってきます。

 

「間違った線なんてないんだよ。

炭でなぞったところは、

どれひとつなくても、この絵にはならない。

上にどんどん描いていけばいいんだよ。

線の一つ一つが、絵に味わいを足していくから」

 

 

間違った線なんてない?

いくらだって上書きできる?

一つ一つの線が重なるから味わいのある絵になる?

 

HSCだった私には、

これらの言葉が、突き刺ささりました。

そして、心の底から、何だか、ほっとしたんです。

 

それで、絵を描くことが大好き!とはならなかったのは、

まあ、記事のイラストを見てお分かりだと思うのですが、

絵への抵抗感がそれ以前よりは断然減りましたし、

何よりも、これらの言葉、そしてこの学生さんたちと過ごす中で体験した感覚は、

今も残り、様々な場面で「あ、そうだよね」と力を抜くことを思い出させてくれます。

 

 

そしてこれらって、

子育てでも、思い出したい姿勢だと思いませんか?


・間違った線なんてない

一つ一つの問題が成長の機会。

親も子供と共に親になっていきます。

 

・いくらだって上書きできる

「しまった」と思っても、

前へ前へと「よりよい対応」を築いていくなら、

必ず、よい方向へと向かっていきます。

 

・一つ一つの線が重なり味わいのある絵が出来上がる

そうして築かれる親子というのは、

誰もとってかわることのできない世界に一つしかいない親子。

 

 

学生さんたちとのアート教室は、毎回、

学校の美術の時間ではしたことのようないようなアートプロジェクトでした。

時には、プロジェクトそっちのけで、

ただただお兄さんお姉さんに

もみくちゃになって遊んでもらうこともありました。

←当時「古バス」を改造して暮らしていた学生さんの家(古バス)に

遊びに行かせてもらったことも。

 

去年の夏、

実家に15年ぶりに帰った時、

このアート教室の講師だった学生さんの1人に、

子どもたち4人が陶芸を教えてもらったんです。

今では白髪の60代、それでも笑顔が全く変わらなくて。

そして先日、窯で焼きあがった陶芸がこちらに届きましたよ。

 

 

 

敏感な子は、

ネガティブにもポジティブにも大きく感化されます。

今、きつい思いをしている敏感な子に、

少しでもいい出合いがありますように。

 

 

さて、今日はこちらバレンタイン。

子供達学校からスイーツをたくさん持ち帰ってきましたよ。

こちらは手作りの「お菓子受付箱」を各自持参し、

クラス中でスイーツを交換するんです。 

お菓子吸い込み怪獣 by 次男&三女

親としては、このまま怪獣の胃の中まで吸い込んで欲しい。

 

それではみなさん、温もり溢れる日を!


この子が目指してることって何なの?子供心理を読み解く方法紹介2&敏感な子と「困った行動」

2018年02月10日 | 思慮あるしつけ(discipline)

今日は、こちらの記事の続きです。

この子が目指してることって何なの?「困った行動」の背景にある子供心理を読み解く方法紹介1

こちらの記事では、

教育心理学博士ジェーン・ネルセン氏が提示する、

子どもの「誤った4つの目標」の内、

「1.過度のアテンション」と

「2.パワーゲームに勝つ」を紹介しました。

 

この記事では

「3.復讐」4.諦め」を紹介しますね。

 

その前に、

ネルセン氏が提示するアドラー心理学に基づくコンセプトを、

もう一度さらっとまとめます。

 

子どもが根本的に欲していることは、

「自分は大切な一員」と感じられること。

 

そして、その欲求が満たされないと感じる時、

子どもは、何とかして「自分は大切な一員」と感じられるよう、

「誤った目標」を選択する場合がある。

 

そして大人が何を信じどう行動するかが、

子どもがこうした「誤った目標」へ突き進むのを

助長してしまう場合がある。

 

 

ネルセン氏の提示するこれら「4つの誤った目標」の仕組みは、

家庭でも教室でも、子供への対応を考える上で、

役に立つと実感していますよ。

 

皆さんも、

是非、省み、試しと繰り返し、

どうぞたくさんの発見をされてみてください。

 

それでは、3つ目と4つ目の「誤った目標」です。

 

3 子どもの「誤った目標」:復讐

大人が抱く感情:

痛み

残念

信じたくない

おぞましい 吐き気がする

 

(特に「おぞましい、吐き気がする」というのは、

「えっ、子どもにこんな感情を持つもの?」と思う方もいるかもしれません。

でも、子どもに接する大人側もそれまでの人生を通し

様々な好き嫌いや価値観を育んできてますし、

時に感情や自らの欲求をむき出しにする子どもに対し、

ふつふつとわいてきても何らおかしくない感情ですよね。

←少なくとも、私はありましたよ、こんな感情もったこと。)

 

そこで、

・「どうしてこんなこと私に対してできるわけ?」と思う。

・子どもの言動を個人的にとる。

・仕返しや応酬する。

と繰り返すとします。

 

そして、子どもが、

・仕返しする

・他者を痛めつける

・物を損傷する

・同じ行為をますます強化させるか、他の武器を選択する。

と反応するとします。

 

すると、子どもは、

「僕(私)はここに属していると思えない、

自分が痛いと思う分、他者にも痛い思いをさせてやる」

僕(私)は、好きに思われたり愛されることはない」

と信じるようになります。

そして、ますますその「誤った目標:復讐 」に向かって行動をするようになる、

というわけです。

 

そして、大人の次のような思いや気持ちが、

この「誤った目標:復讐」を達成しようという子どもの行動を

ますます助長します:

・私がアドバイスをする(あなたの言うことを聞くことなく)、なぜなら私があなたを助けてるから。

・あなたが必要としていることより、私は他者がどう思うかの方を心配する。

・他者を痛めつけてはだめだと教えるために、私があなたを痛めつけるやる。

 

子どもがこうした「困った行動」から暗に示していることとは、

僕(私)は傷ついてます。

僕(私)の気持ちを認めてください。

といいます。

 

 

4. 子どもの「誤った目標」:無能と思い込む

大人が抱く感情:

失望

絶望

成すすべがない

無能

 

そこで、

・諦める。

・手伝い過ぎる。

・あなたのすることなすこと信じられないと示す

と繰り返すとします。

 

そして、子どもが、

・ますます後退する。

・消極的になる

・改善がみられない

・反応がない

・試すことをやめる

と反応するとします。

 

すると、子どもは、

「僕(私)はここに属していると思えないから、

他者にも自分に何も期待しないよう納得させよう」

僕(私)は、役立たずで無能だ」

「どうせいうまくできないから、試したってしょうがない」

と信じるようになります。

そして、ますますその「誤った目標:無能と思い込む 」に向かって行動をするようになる、というわけです。

 

そして、大人の次のような思いや気持ちが、

この「誤った目標:無能と思い込む」を達成しようという子どもの行動を

ますます助長します:

・あなたが私の高い期待にこたえることを期待する。

・あなたのためにしてあげることが私の仕事。

・あなたを信じるなんて恐すぎる。

・あなたが人生の困難をこえていくことができるとは信じられない。

 

子どもがこうした「困った行動」から暗に示していることとは、

僕(私)のことを諦めないで。

僕(私)にスモールステップを示して。

(目標を自分にもできるように細分化して)

といいます。

 

 

前の記事に書いたように、

こうした「誤った目標」に突き進む状態から方向転換するには、

「子どもが暗に示していること」を念頭に、

より有意義な形で、子供が「自分は大切な一員」と感じられる接し方をすること。

 

そうした接し方例についても、

またまとめますね。

 

ひとまず今日はここで、

「ひといちばい敏感系な子」と、

これらの「4つの謝った目標」について考えてみませんか?

 

ひといちばい敏感な子と「4つの誤った目標」

敏感な子は、

「触れることは強打

音は騒音

不運は悲劇

喜びはエクスタシー

友達は愛する人

愛する人は神

失敗は死」

by Pearl Buck

といった「打てば響きすぎる面」がありますよね。

 

周りの空気や、相手の感情、

また相手の少しの仕草や言動をも強烈に感じ取るところがあります。

 

そしてこうしたことが、敏感な子は、

環境によって、良くも悪くも大きく作用されやすいとされる理由ですよね。

敏感系であるほど、生い立ちによって、

その後の人生が、大きく分かれやすい、

そのために、敏感な子への関わり方について多くの人々に知ってもらう必要があると

心理学者もエレインアーロン氏も言っていますね。

 

 

こうした特徴を持つ敏感な子ですから、

例えば、

それほど敏感でない子なら、

より時間をかけて陥いる上のような「4つの誤った目標」サイクルにも、

敏感系の子は、

より勢いよく転がり落ちていくようなところがあるのではないでしょうか。

 

つまり、

敏感な子ほど、

接する側が、不安感からすぐに手を差し出していれば、

よりすぐに、しかもより強烈に「1.過度のアテンション」を目標としがちで、

 

接する側が、怒りから「なめられてたまるか」と反応すれば、

よりすぐに、しかもより強烈に「2.パワーゲームに勝つぞ」と突き進み、

 

接する側が、残念な気持ちからその子のニーズより周りの目を気にしてばかりいれば、

よりすぐに、しかもより強烈に「3.復讐してやる」と信じ込んでしまい、

 

接する側が、諦めからその子を信じる姿勢を示さないのなら、

よりすぐに、しかもより強烈に「4.自分は無能だ」と思い込むようになる。

 

私自身、敏感な子達に接してきて、

「まさしく」と思います。

 

 

では、どうしたらいいのでしょう?

 

まずは、接する側が、

自らの感情と、その感情から自らどんな行動を起こしているのか、

そしてそれらに、その子がどう反応しているかの仕組みに気づいていくこと。

 

そして、

「してしまったこと」に悩む時間やエネルギーを

前へ前へと「よりよい対応」を築くことに注いでいくこと。

敏感な子にとって、これこそが、とても重要で効果的だと思います。

 

前へ前へとポジティブを築いていくのなら、

「してしまったこと」も、いつしか、

強烈に迫るポジティブさの波に流れていきます。

なぜなら、敏感系の子は、

ネガティブも、そしてポジティブも共に、

強烈に感じるからです。

この子って、ハイリーセンシティブなのかなあ?という思いがちょっと整理される説明

ネガティブにもポジティブにも感化されやすい「敏感な子」、「問題児」扱いされていたS君

ハイリーセンシティブさには「よい面」もある!心理セラピストがまとめる6つの利点

 

例えば、

イライラして小言ばかり言っているのならば、

「するべきリスト」を横に置いてただ楽しむ時間を10分でもとってみること。

 

怒りにまかせ「なめられてたまるか」と抑え込もうとしているのならば、

家族会議で話し合い、一緒に決めたことを「ボス」にしてみること。

 

人の目を気にして残念なあまり子どもに意地悪してしまうなら、

ママ友と距離を取り、その子の気持ちに耳を傾け、解決策にフォーカスしてみること。 

 

絶望して「あなたにはどうせ無理」と手を差し出しているのならば、

その子が「できた!」と感じられるスモールステップを積み重ねてみること。

 

 

みなさん、

「してしまったこと」に凹むのはとても自然なこと。

でも、凹みながらも、前に、前にと、前のめりで、

「よりより対応」を積み重ねていきましょうね。

 

すると、子どもたちは、必ず、

より良い方向へと、向かっていきます。

 

 

 

(ああ、自分はこの子に対しこんな感情を持ってるな、

そうしてこんな行動をとってるな、

それで、子どもはこんな反応をするようになってるなと気づく。

 

そう繰り返していると、

「ああ、今、私は、この子にこんな気持ちを持ってる」、

そう自らの感情に気づく時点で、

「あ、そうそう、はまらないでおこう」と、

1から4までの「誤った目標」に突き進むサイクルから

方向転換していくことが、以前よりはできるようになっていきますよ。

完璧からほど遠くても、「以前よりはできる」ことが大切なんですよね)

 

 

さて、

明日は、勤務先の学校が終わったら、

先生方と料理や飲み物を持ち寄っての集まりです。

学校外でお会いするのは初めてですから、楽しみです。

 

数日前は、MRIの結果、娘の1人に膝の手術が必要と診断され、

幸い、手術自体は30分ほどですむとても簡単なものらしいのですが、

第二、第三オピニオンを聞いて回り、情報収集中です。

周りもネットも異なる意見が溢れていて、

同じ症名でも、状態も条件も少しずつ異なりますし、

できることを積み重ね、最善の道を見出していきます。

 

下の子たちが、夕飯のメニューを作ってくれましたよ。

 

みなさん、温もり溢れる週末を!

 

参考資料:『Positive Discipline』by Jane Nelsen


『It Mama』寄稿:「ダメ!」と言っても聞かない子には、どうしたらいいの?&「優しさとブレなさ」ってどう両立する?

2018年02月06日 | 思慮あるしつけ(discipline)

今回寄稿した『It Mama』さんの記事のテーマは、

「優しくありつつ、ブレない(Kind and Firm)」

です。

 

言葉で書くと、何だかペラっとした感じなのですが、

これは、

去年学んだアドラー心理学に基づく「ポジティブなしつけ」講座でも、

子育てする上で心がけたい基本的な姿勢として何度も紹介されていて、

私自身、その奥深さを探求し続けてます。

 

 

優しさと、ブレなさってどう両立する?

子育てって、

「優しくあるぞ」と思うなら、

ダメなことにも「いいよいいよ」とブレがちで、

「ブレないぞ」と思うなら、

「ダメなものはダメ!」と頭ごなしに厳格過ぎる、

そんな極端に振れがちと思いませんか?

 

そうして、

子どものやりたい放題に振り回されヘトヘトになるか、

もしくは、我慢も限界と爆発か、

または、小言や叱ってばかりの自分に嫌気がさすか

のどれかになってしまったり。

 

 

私もそうした、

「優し過ぎかな、厳し過ぎかな」の間を、

何度も何度も行き来してきましたし、

今でも、迷います。

 

それでも、以前よりは少しずつ、

「なるほどねえ」と感覚をつかめるようになり、

自分なりに、

「あ、優しくあっても、ブレないって可能なんだ・・・」と、

ストンと納得した体験を書き留めたのが、

こちらの記事でした。

『ユア子育てスタジオ』・全部飲む!「条件づけ」と「無条件の愛情」

 

兄姉分の飲むヨーグルトも、

「全部ひとりで飲みたい!」と癇癪を起した次男。

 

「したい!」がかなえられなくて、

ムカッとする、やりきれない、悲しい、悔しい

といった子どもの気持ちに寄り添うこと。←優しさ

 

同時に、その子の「したい!」が、

もし、その子のためにも、周りにとってもよくない、またはできないことならば、

その子の要求を呑む必要はないんですね。←ブレなさ

 

そして、

「わがままいわないの!」とガミガミしたり、

「そんなわがままいうなら、

もう2度と飲むヨーグルト買わないからね!」

と意地悪する必要もないんです。

 

抱っこしたり、背中をトントンたたいてあげながら、

その子がやり切れない気持ちに向き合い、

乗り越えていくことに「お供」するようなイメージで、

傍にいてやります。

 

 

それは、

英語の「しつけ」の原点を思い出す時、

とらえやすいのではないでしょうか。

 

しつけは、

親の言うことに従わせるためではなく、

「知恵を教え・学ぶ」ためのもの。

 

親は、

子どもが知恵を身につけていくのをサポートするのであり、

知恵を前にするならば、親子というのは、

ある意味「対等な同志」のようなものといえるかもしれません。

 

そうして、子どもは、自分のやり切れない気持ちに

ママが寄り添ってくれたなあと感じながら、

結構、自分なりに、ネガティブな気持ちをのりこえ、

「皆で分けようね」といった「知恵」を受け入れるようになるんですよね。

 

*(ちなみに、「しつけ」でいう知恵とは、

「集団で幸せに暮らすための知恵」といえますね。

1人なら、何をしてもいいわけですが、

人間は1人では生きていけない生物です。

ですから、小さな頃から、

いかに集団の中で個と周りが幸せになれるかの知恵を身につけていくのが「しつけ」、

私はそう理解しています。)

 

 

今、我が家でも3人のティーンと向き合い、

そして、勤務先の学校でもプレティーンやティーンたちと過ごしていますが、

この「優しく、ブレない」というのは、

幼児からティーンにとっても、

大切な姿勢だなあと、しみじみ感じています。

 

子どもたちが、

その大人に、知恵を敬う「芯=ブレなさ」を感じるとき、

そして、それでも、優しさと親切さと尊重をもって接してもらえると感じられる時、

互いの関係は、よりよいものとなっていきます。

 

言うは易しですが、

私自身も、精進していきますね。

 

 

『It Mama』さんの記事には、

以上のようなことが、具体的にかける言葉例も含め、

コンパクトに分かりやすく紹介してあります。

興味ある方、是非どうぞ!

・「ダメ!」と言っても聞かない子には、どうしたらいいの?

 

 

 

さて、

「ブレる」ことについて、

もう少し考えてみませんか。

 

ブレる背景にある気持ち

「いいよいいよ」と言ってしまう時って、


1.優しいママでありたい

2.めんどくさい、癇癪起されたらやっかい

3.子どもの悲しい反応を見るのが辛い、癇癪への恐れ

4.子どもがハッピーでないことへの罪悪感


だいたい、こんな気持ちが背景にあると思いませんか?

 

1.優しいママでありたい

「いいよいいよ」でないのなら、

「ダメ!」と頭ごなしにガミガミいったり意地悪するしかない、

そんな両極端の選択だけじゃない、そう思い出したいです。

 

子どもの要求をそのまま呑まずとも、

子どものネガティブな気持ちに寄り添い、

優しく、親切で、子どもを尊重する親であれること。

このことを理解し、体験していきたいです。

 

 

2.めんどくさい、癇癪起されたらやっかい

忙しくて疲れて余裕がないという自分の状態に気づいていること。

すると、「普通の状態」ではしないようなことを、

ついしてしまうのも、より防ぐことができます。

 

 

3.子どもの悲しい反応を見るのが辛い、癇癪への恐れ 

4.子どもがハッピーでないことへの罪悪感

 

私自身、

子どもがネガティブな気持ちを表すことや癇癪への

自分自身の恐れや罪悪感が、

結局は、子どもの癇癪を長引かせていたのかもしれないなあと

思うことがあります。

 

でも、

子どもには、子供自身に、

ネガティブな気持ちを乗りこえる力があるんですよね。


そう信じられるようになった時、

「ブレる」ということも、減っていったんです。

そして、今でも、子どもがネガティブを爆発させたり癇癪を起すことはありますが、

以前より、それらが長引くことが減っていきました。

 

 

「優しく、ブレない」と同時に実行したいこと

「優しく、ブレない」というのは、

葛藤するその場では、

必ずしも子どもの要求を呑まずとも、

子どもの「やりきれない気持ち」に寄り添うわけですが、

それ以外の時にも、子どもとの関係を築く接し方をしていくことが、

大切になります。

 

関係の土台があるからこそ、

葛藤を共に乗り越えていけるわけです。

 

ひとまず、忙しい毎日にも、

次のようなことを心掛けると、

とても効果的と実感してますよ:

 

・10分でも「するべきリスト」を横に置いて、

目をみて話を聞いたり、楽しんだりする時間をもつこと。

 

・朝起きた時、別れる時、迎えの時、

目を見て、心をこめて、できたら楽しそうに、

「おはよう、いってらっしゃい、おかえりなさい」と言うこと。

 

・寝る前にハグし、その日どんなに難しいことがあったとしても、

「大好きよ。あなたって素晴らしい」と心から伝えること。

 

これだけでも、随分、違ってきます。

 

 

 

また、「ポジティブなしつけ」の本に紹介してあった

具体例も載せておきますね。

(『Positive Discipline A to Z』by Jane Nelsen, Lynn Lott, and H. Stephen Glennより)

――――――

家族会議で、

「来週〇〇へドライブするけれど、

車の中で喧嘩を始めたらどうしたらいい?」と話し合います。

 

子どもたちも含め、いろいろなアイデアが出た中から、

「喧嘩をしたら、車を道路脇に停めて、おさまるまで待つ」と家族皆で同意。

 

さて、出発。

案の定、喧嘩が始まります。

 

静かに、脇に車を停めるパパ。

パパもママも、

「おさまるまで待ってるからね」とだけ言い、

雑誌や本を読み始めます。

 

楽しみにしている目的地へ行けないと、

喧嘩を止める兄弟姉妹。

――――――

 

ガミガミも「もう帰るよ!」もなく、

ただ、自分たちで決めたことを尊重し、遂行する親。

 

この場合は、

こうして、「家族会議」という事前の働きかけがあったからこそ、

「優しく、ブレない」もより効果的ですよね。

 

定期的に家族で話し合う場を設けたり、

アクティビティーの前に、家族で話し合うというのも、

確かに、とても効果的な「しつけ(教え・学ぶ)の方法」ですね。

 

 

 

 

 

ブレない必要があることを見極める大切さ

「ブレないブレない」と連呼してきましたが、

「これって、本当にブレない必要があるの?」ということって

たくさんありますよね。

 

基本は、

周りや自分を傷つけることはブレない必要がある、

そう私は思いますが、

あとは、臨機応変に柔軟さをもって対応していきたいですね。

 

上の次男の「飲むヨーグルトの件」も、

あの場ではブレない方が、次男にとってより良い学びになったなあと思いますが、

もう少し下の年齢だったり、体調が良くない場合などは、

他のもので気をそらしたり、兄姉に頼んでみたりと、

対応するのもありですよね。

 『It Mama』・「魔のイヤイヤ期」がない文化にある共通点って?

『オールアバウト』「イヤイヤ期」の対応を見直してみませんか?

 

 

またティーンにもなれば、

互いの主張を突き合わせ、

交渉を通して、着地点を見つける姿勢も大切です。

 

そうして普段、柔軟な対応を心掛けていると、

「ここはブレられない」というときに、

子どもたちも、「あ、これは交渉の余地なしなんだな」と、

より納得しやすいのではないでしょうか。

 

 

 

「優しく、ブレない」について、

是非、共に、試し、省み、また実践しと続けてみませんか。

いろんな発見が溢れると思います。

 

 

さて、仕事原稿の後に、

この子が目指してることって何なの?「困った行動」の背景にある子供心理を読み解く方法紹介1

の続きを書きますね。

 

ふと気づくたびに脱力させてくれる飼い犬。     

 

カメラを向け、起きても、

こうです。

みなさん、温もり溢れる日々を!


この子が目指してることって何なの?「困った行動」の背景にある子供心理を読み解く方法紹介1

2018年02月02日 | 思慮あるしつけ(discipline)

今日は、

「子どもの行為の背景」について、

アドラー心理学を基にした「しつけ」についてのロングセラー本の著者、

そして教育心理学博士でもあるジェーン・ネルセン氏らの解釈を紹介しますね。(*)

 

私自身、試し、省み、また試しとしてきたなかで、

「確かに、使える場合も多い」と思っています。

 

こちらにも書きましたが、

『It Mama』寄稿:ママの「~しなさい!」はNG?子が自ら考え行動できるようになる方法&子どもが欲するのは「自分は大切な一員」と感じられること?

アドラー心理学では、

子どもが根本的に欲しているのは、

「自分は大切な一員(belonging and significance)」と感じられること

とします。

 

これって、私自身、

家庭であっても、教室であっても、

そうだよなあと感じてるんですが、

みなさんも、そう思いませんか?

 

それほど問題を起こすこともなくハッピーにその場にいる子たちは、

「自分はこの場で大切な一員」と満たされていて、

問題を起こす手のかかる子は、

この「自分はこの場の大切な一員」という気持ちが、

何らかの理由で満たされていない、

子どもたちを見てきて、確かに、そんな面があるよなあと思います。

 

自分はこの場に属せない、

自分はこの場で必要とされていない、

自分はこの場で邪魔にさえ思われている、

子どもたちは、そう感じる時、

何とかして、

「自分は大切な一員」という気持ちを満たそうと、

「誤った目標」に向かって突き進んでいきます。

 それが、「困った行動」となって表れるんですね。

 

その仕組みを、ネルセン氏は、

大人が抱く感情を基に、

こんなように解説していきます。

 

 

1. 子どもの「誤った目標」:過度のアテンション

 

大人が抱く感情:

子どもの行動にイライラする、不安になる、罪悪感を感じる

 

そこで、

・細かく注意する。

・子どもができることもしてあげる。

と繰り返すとします。

 

そして、子どもが、

一旦困った行動を止めても、何度も繰り返す

一対一で向き合うと困った行動を止める

と反応するとします。

 

すると、子どもは、

「特別なアテンションを受ける時だけ自分は大切」。

「あなたが僕(私)のことで忙しくしている時だけ自分は大切」

と信じるようになります。

そして、ますますその「誤った目標:過度のアテンション」に向かって行動をするようになる、

というわけです。

 

そして、大人の次のような思いや気持ちが、

この「誤った目標:過度のアテンション」を達成しようという子どもの行動を

ますます助長します:

・あなたが困った様子を見るより、私がしてあげた方が楽。

・子どもがハッピーでないと罪悪感を感じる。

・失敗は学びの最高の好機なんて実践できない。

・あなたが残念な気持ちを乗りこえていけるとは思えない。

 

子どもがこうした「困った行動」から暗に示していることとは、

僕(私)に気づいて。

僕(私)を有効に巻き込んで。

といいます。

 

 

 

 2.誤った目標:パワーゲームに勝つ

 

大人が抱く感情:

子どもの行動にムカッとする、挑戦されてる、なめられてる、負かされると感じる

 

そこで、

・争う

・子どもの言うとおりにする

・このままではすまないわよ、正しくありたいと思わせてやる、

と繰り返すとします。

 

そして子供が、

・より強烈な行動をとる

・反抗して従わない

・親や先生が動揺し困ると、勝ったと感じる

と反応するとします。

 

すると、子どもは、

・自分がボスでコントロールできて誰も自分のボスにはならないときだけ、自分はこの場に属している。

・あなたは私に「~させる」ことはできない。

と信じるようになります。

そして、ますますその「誤った目標:パワーゲームに勝つ」に向かって行動をするようになる、

というわけです。

 

そして、大人の次のような思いや気持ちが、

この「誤った目標:パワーゲームに勝つ」を達成しようという子どもの行動を

ますます助長します:

・私がコントロールするのであって、お前は私の言うことをするんだ。

・お前にどうするべきか教え、説教し、お前がしないときは罰をあたえることが、

お前がよりよくなろうとする意欲を高めるために最高の方法。

・お前の力を、より役に立つ形で貢献することを教えるのは大切じゃない。

 

子どもがこうした「困った行動」から暗に示していることとは、

僕(私)に手伝わせて。

僕(私)に選択肢をちょうだい。

といいます。

 

 

 

「誤った目標に突き進む 」からの方向転換の鍵

こうして、大人自らの、

イライラ、不安、罪悪感、怒り、なめられるといった感情から、

子どもの行動の心理を紐解いていくんですね。

 

私自身も、初めのころは、「えっ?」と思ったんですが、

繰り返してみる内に、へ~、ふ~ん、なるほどね~、

と何度も何度も思いましたよ。

 

そして、家庭でも、教室でも、

子どもたちへの対応を考える上で、

役に立っています。

 

 一回、目を通して身につけられものでもないですから、

何度か、読み、省み、試しとしてみてくださいね。 

 

自分は今、

子どもに対し、どんな感情を持っているのでしょう?

そして、どう行動しようとしているのでしょう?

 

すると、

こうした「誤った目標」への連なりに気づき、

方向を変えていくことができるかもしれません。

 

方向を変える鍵は、

上にあげたような、

「困った行動」を通して子どもが暗に示していることを念頭に、

その子が、より有意義に「自分は大切な一員と感じられる」接し方をすること。

 

それには、まず、自分の感情に気づき、

自分がどんな行動をとっているのかに気づくことです。

例えば、

イライラから、こまごま注意し続けている。

不安感から、先回りをして手を出している。

怒りやなめられては困るという気持ちから、何としてでも従わせようとしている。

といった行動に気づきます。

 

そして、大人自らの行動を変えていきます。

また詳しく、書きますね。

 

そして、あともう2つ「誤った目標」が提示されてるんですが、

今日は時間切れです。

 

ひとまず上の2つについて、

是非、試してみてくださいね。

 

 

 

 

さて、明日は勤務先の学校で、

簡単ディベートをします。授業準備完了。楽しみです。

家庭でも楽しいですから、また報告しますね。

 

今日は夕方から、

長男たちロボティックスティームが泊まりで他州です。

 

昨夜は、長男、友人宅にてその準備で、夜中に帰宅したんですが、

朝、「どうやって戻ってきたの?」と聞いたら(←ごめんね、ママ寝落ち)

「We walked」とだけ答えて、またスヤスヤ。

 

「We?」と思いながらも、朝ごはんや弁当作ったりとバタバタし、

ふと階下の部屋にいくと、

昨夜は使わず空のはずのベッドに「とても長い人」が横たわっていて、

思わず、「う、うわああっ!」と叫んで、起してしまいましたよ。

 

真夜中、お友達と2人で歩いて戻ってきたようです。

昨日はそのお友達、誕生日だったんですよね。

ロボット三昧、そして真夜中の散歩(氷点下40分)で18歳。

ああ、青春ですね。

 

10歳離れの兄弟。

 

みなさん、温もり溢れる週末を!

 

(*)参考資料:『Positive Discipline』by Jane Nelsen