マイコー雑記

行き来するもの書き留め場

ネガティブにもポジティブにも感化されやすい「敏感な子」、「問題児」扱いされていたS君

2017年06月05日 | ハイリーセンシティブチャイルド

「敏感な子」の特徴として、

こちらにも紹介しましたが、

この子って、ハイリーセンシティブなのかなあ?という思いがちょっと整理される説明

 

「ネガティブにも影響を受けやすいけれど、

ポジティブにも感化されやすい」、

というのがあります。

 

私自身、我が家の子ども達をみていて「まさしく」と感じますし、

これまで接してきた子どもさんたちを思い出しても、

「確かに」と感じます。

 

今日は、去年、

放課後スクールで授業を担当していたときの出来事を、

紹介させてください。

 

 

「放課後スクール」という環境

放課後スクールは、

まず低所得家庭や授業についていけない生徒達に招待状が送られ、

残りの限られたスポットが、一般の生徒へオープンとなります。

 

ですから、生活が困窮し、

子育てに適した環境を提供できない家庭に暮す生徒もたくさんいました。

親戚間を渡り歩いていたりと世話をする人が頻繁に変わったり、

生活のリズムも夜中過ぎまでテレビを見ていたりと安定していなかったり、

日々の食事も福祉を頼り十分な栄養がとれてない家庭もありました。

こちらでもドキュメンタリー映画を紹介したことがありますが、

ドキュメンタリー映画ふたつ、「できる状況」にあるということ

果物や野菜よりも、スナック菓子や添加物だらけの食べ物の方が、より安価なんです。

 

最後には、この放課後プログラムからさえ、

暴力行為などが理由で追い出されてしまう子もいました。

生徒のあまりの「素行の悪さ」に耐えられなくなり、

学期途中で、講師が辞められることもありました。

 

こうした環境で、私は、

「アートを通してサイエンスを学ぶ」クラスと

「授業についていけない子向けの算数クラス」を担当していました。

放課後スクールについての記事:http://blog.goo.ne.jp/managaoka/c/d0d70502ec8fe27f0365a91a781cf25d

 

 


放課後スクールで出会った「敏感な子」

例えば、S君。当時4年生でした。

 

初めての授業で教室に入った途端、

「おいお~い、勘弁してくれよ、先生までメイド・イン・チャイナかよ」

と言ってのけた生徒です。

←賢いですよね。

去年1年暮した地は、白人が90パーセント以上、

残りをヒスパニックとアフリカン・アメリカンが占め、

アジア人は1%もいないんじゃないかという地だったんです。

黒人の貧困地区に住むS君も、

多分身近にアジア人と接したのは初めてだったのじゃないかなと思います。

 

怒鳴りつけられ厳しい罰を与えられ仕方なく言うことをきく

という状態に慣れていますから、

私なんかが大声で注意したって聞きやしません。

(他の敏感タイプの子が、

耳を押さえて机の下にもぐってしまったこともありました)

 

ところがです、

 

絵を描きながら「ここもう少し濃い青色で塗ったらクールだよなあ」とつぶやくのを聞き、

「これ使ってみたらどう?」と濃い青色の色鉛筆を探してきて渡してやる。

少しでもよい面に気づいたら、「静かにしてくれてありがとうね」などと声をかける。

放課後スクールでは、問題行動が出たらトランシーバで本部に連絡し、

別室へ連れて行かれることになっていたのですが、

「あなたにアートサイエンスを楽しんでほしいから、

先生もトランシーバーなんて使いたくないのよ」と話す。

出来上がった作品を一緒に眺め、具体的に感動した言葉をかける。

 

といった接し方を心がけ、

 

とにかく、

私自身のS君に対するネガティブな気持ちに気づき、

繰り返し繰り返し「原点(S君の人としての尊厳)」に戻り、

真摯に誠実に温もりを持って、

向き合うようにしていったんです。

 

私が濃い青色の色鉛筆を差し出したとき、

びっくりした表情で、しばらく呆然としていたS君。

S君に向ける私自身のポジティブな気持ちや姿勢が、

S君の心に染み渡っていく感覚がありました。

 

そしてS君は、いつしか別人のようになっていきました。

 

最後の方は、常に私の目の前の席に座り、

「おい、静かにしろよ」と後ろを振り返り

クラスの皆へ声をかけるまでになっていました。

アートサイエンスにも、ますます夢中で取り組むようになっていました。

 

「うわっ、メード・イン・チャイナ」と言ってのけ、

成績も底を這い、

普段の学校生活でもしょっちゅう重い罰を与えられているような子がです。

 

週に1度1時間ほど数ヶ月間過ごすことで、

これほど変化していったのは、

私との相性もあったのでしょうが、

S君の持つ「敏感さ」が大きかったのだと思っています。

 

ネガティブにも影響を受けやすいけれど、

ポジティブにも感化されやすい。

 

「敏感な子」のこうした性質には、

大きな力が秘められている、他の体験からも、

私はそう実感しています。

 

その子の内に渦巻くネガティブさを肥やしているのか、

ポジティブさを肥やしているのか、

子どもに接する大人が、気づいていきたいですね

 

 

「子どもは、自分を嫌う先生から、学ぶことをしない」

そんなメッセージの込められたこちらのTEDスピーチも、

「ほんとそうだよね」と、これまでの体験から、

とても納得できる内容です。

 

 

S君については、その後も話の続きがあります。

これまで何度か書こうと思いながら、

なかなか気持ち的につらくて書けなかったことです。

また後ほど、まとめますね。 

 

それではみなさん、今日もよい日を!

ジャンル:
ウェブログ
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 競うことを嫌う「敏感っ子」が... | トップ | 「自己への思いやり」が、HSC... »
最近の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

あわせて読む

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL