マイコー雑記

行き来するもの書き留め場

米国育ちで日本の小中学校に数日通った子供達が思った10のこと&敏感っ子が学校に慣れていくということ

2017年06月28日 | 子育て全般

日本滞在10日目です!

実家は、食器洗浄機、乾燥機、クーラーなどの家電製品に頼らない生活なので、

フーフー言いながら、汗をふきふき家事してます。

毎晩日が沈み、ひんやりとした風にあたる心地よさといったら!

また食材の買出しや、とにかくどこへいくにも、

徒歩や公共の交通機関が頼りですから、足腰が鍛えられますね。

通常の日本の方々と同じように暮しながらも、足が、毎日筋肉痛ですよ。

米国社会で、常に心地よい温度に保たれた環境や車社会になれた身体が、

日々作り直されているような気持ちです。

 

しかし冷房も、どこへいっても米国に比べると、マイルドですね。

米国の自宅の近所のスーパーも、

夏の間、「店舗丸ごと冷凍庫?」と思うぐらい冷えてます。

必ずジャケット持参で買い物へ行くのですが、

あちらの方々は、ノースリーブにショーツで悠々と買い物されています。

「感じる度合い」が違うのでしょうかね。

 

 

さて、先週は中学校、今週は小学校の体験入学を終えました。

普段、今の学校のあり方について書くことも多いわけですが、

今回は2.3日、お客様のように参加させていただいたこともあり、

ただただ、先生方、そして生徒たちの

優さ・親切さ・親身さ・ユーモアなどに感動した日々でした。

三女を囲んでクラスメート達。

 

子ども達も、

先生はじめ周りの生徒の「人の良さ」に驚いていました。

米国から数日体験入学という立場ですから、

生徒達もものめずらしかったのでしょうね、

常に周りを囲むようにしてお世話していただきました。

 

最後には、

ラミネートされた集合写真の裏にクラス一人一人から寄せ書きしていただいたり、

クラスメート一人一人から手紙もいただきました。

短い間でしたが、かけがえのない思い出になったようです。

 

また中学は、校長先生はじめ先生方が、

「これまで様々な中学校を回ってきたけれど、この学校が一番落ち着いています」

と口を揃えて言うような学校でした。

 

母校なんですが、

当時は、竹刀を常にもっているような先生もいて、

ヤンキーとか「不良」といわれる子がもっといたよなあと思い出してました。

親御さんたちに聞いても、「ヤンキーとか全然いないのよ」とのこと。

確かに、見渡しても、真面目そうな子ばかりです。

「ぐれてる暇も余裕もないのよ」という親御さんもいましたが、

親の目や手が、より行き届くようになったということなんでしょうか?

 

 

以下ざっと、子供達が口にしていた感想をまとめてみます。

米国育ちの子供達が日本の小中学校に数日通ってみて驚いたこと

1. 中学に入ると男女の間に大きな距離ができる

これは中学生組みの意見です。

小学生は見ていても、男女がより混ざり合っていましたね。

米国のクラスは、授業の割り当てでも自主的にも、

様々な活動を男女混ざってすることが多いのに対し、

日本では、授業でも休憩時間でも、

男女がはっきりと別れていてびっくりしたようです。

男子は遠巻きに女子を眺めながら、

時々ちょっかいをかけるといった振る舞いをする子もいる。

すると女子は、「男って子供っぽいよねえ」といった様子で返す。

こうした雰囲気は、米国にはないのだそうです。

確かに米国の中高生を見ていると、

「男女の境界」をそれほど意識していないところがあります。

これはインターナショナルスクールに小学時代通い、

公立の中学に移った従兄弟の息子君も口にしていました。

 

2. 掃除の時間がある

これは、小中学生皆、衝撃だったようです。

また、中学校の教頭先生が、

「最後の感想で、娘さんが皆で掃除していることに驚いたと言っていたんですが、

日本の生徒にとって、とても新鮮なコメントでしたよ」とおっしゃられてました。

米国は雇われた業者さんが掃除をします。

生徒自らが皆で学校をきれいにすることが時間割に組み込まれているのは、

日本が誇ることのできる、最高の教育だなあと思います。

 

3. 給食が美味しい&選択肢がない

日本の学校での掃除と給食については、

世界的にも知る人ぞ知る有名なこと。

同時に長女は、米国のように自分で食べたい物を選ぶことができない

ということが新鮮だったようです。

 

4. 生徒が従順で先生をよりリスペクトしている

米国では、「生徒が自分の意見を言う」という風潮が行き過ぎて、

あまりにも傍若無人に先生に対しても失礼な態度をとる生徒もいます。

日本では、先生に言われたことは何であっても素直に「はい」ときく従順な生徒が多いことが驚きだったようです。

 

5. 写真の時に皆がピースする

また、最後の記念撮影でも、

皆が皆ピースサインをする様子に驚いてました。

確かに。

「こうするのよ」とピースサインを教えてもらったそうです。

 

6. 恥ずかしがりやの子が多い?

米国では人前でのプレゼンも小学生時代から鍛えられます。

それに比べ、日本は人前で話すことが苦手な子が多いのかなという印象だったようです。

最後にクラスメート一人一人からもらった手紙にも、

アメリカの学校生活についてスピーチするよう言われた長女へ、

「物怖じせずクールだった、堂々と話していてかっこよかった」

と書かれたものが多かったです。

 

7. 礼をする回数の多さ

毎時間、立って先生に向かい、

「よろしくおねがいします!」「ありがとうございました!」と挨拶することに驚いてました。

廊下でも、先生とすれ違うときには会釈し、

日に何度も何度もお辞儀する様子が強く印象に残ったようです。

挨拶とは、原点を思い出す瞬間、そう思います。

授業ごとに、こうした節目ががあるというのは素晴らしいなと私は思います。

 

8. 折り紙が上手

小学生の子達、たくさん折り紙を折ってプレゼントしてくれました。

カタツムリや、凝った独楽や、

折り紙好きな三女も次男も感動してました。

折り紙は、米国でも子ども達の間で人気があり、随分と行き渡っています。

日本の文化が、こうして世界中の子ども達の架け橋になっているのっていいですね。

 

 9.手を握ってくる子がいる

小学生の三女ですが、

歩く時など、女の子達が手を握ってきたことに、とても驚いてました。

確かに、米国ではお友達同士手をつないでいる様子をあまり見ないかもしれません。 

ハグを頻繁にする文化ですが、面白いですね。 

 

10.先生が前に立ち教科書にそって講義をするという授業がほとんど

米国は、教科書がなく、

担当の先生が独自に用意するプリントや用具を用いた授業も多いですし、

もっと先生と生徒間、生徒と生徒間で

ディスカッションなどのやりとりが組み入れられているとのこと。

長女は、子供なりに、

「日本の学校は、先生も生徒も人は親切で最高だけど、

教育はどうなんだろうと思った」と言っていました。

他の子達も、日本語がしっかり分からないということが大きいのですが、

他のことは楽しかったけれど、

ただ座って先生の話を聞き続けるのみの授業が、

退屈だったと口を揃えていました。

逆に言えば、より長い間ジッと座って話を聞き続けることのできる日本の生徒たちがすごいです。

米国では、授業中も動き回ることも多く、

期待される「じっと座り聞き続ける時間」もより短いように思います。

 

 

学校に慣れるのに時間がかかった次男7歳の成長

3歳のプレスクール時には、嫌がりながらも3ヶ月続けた末、

激しいチックが出、断念。

←プレスクールを止めることでチック改善。

チック症体験:http://kosodatekyua.com/tic/

 

5歳のキンダーでは、

「音が大き過ぎる」とランチの時間や行事には、

私が隣に座り手を握ってました。

 

小学校1年でアラスカから東海岸に移り、

通学バスは苦手だけれど、

私が教室まで手を繋いで送り迎えするなら登校できるようになります。

 

小学校2年で新たな小学校に移り、

今では、毎朝「ばいばい!」と車を降りて学校に向かい、

帰りはバスで戻ってきます。

気の合うお友達が何人かできたようで、

学校が楽しいようです。

 

今回、再び全く見知らぬ、しかも言語も通じない環境に入るわけですから、

難しいかもしれないなと覚悟していました。

それでも結局、「まあまあ楽しめた」とのこと。

「言葉さえはっきり分かれば、この学校、毎日行ってもいいかも」とも言っていました。

次男にとって、またひとつ成長だなあと感じています。

 

「敏感な子」が、本人のペースで慣れ、

その子なりに様々な体験ができるよう、

長い目でみてサポートしていきたいですね。

 

 

 

 

 

最後に、小学校でも中学校でも、

「お忙しいところお手数をおかけして申し訳ないです」という私に、

「学校にとっても生徒にとってもいいことなんですよ。

異なる文化に育った子と直接接することができ、

英語を学ぶ機会にもなりますから」と先生方。

 

2019年から、

小学校でも高学年から英語の授業が始まりますね。

これまでの小学校の先生の採用時点では、

「英語ができる」ことが必要とされていませんが、

それでも、そうして先生になった方々が、英語も担当することになるのだそうです。

「高学年を受け持つことを避ける先生方が増えるんじゃないか」と

小学校の教頭先生も笑ってらっしゃいました。 

「グローバルな人材を育てよう」とする教育改革は、

調整を必要としながらも、現場にも、徐々に浸透していますね。

 

小学校分団登校

この中央の線からは、「靴をはいたままではだめ」と教えられます。

 

実際、靴で一歩でもこえようものなら、即効注意されます。

「こ、こまかいね」と驚く小学生組み。

 米国は、靴と屋内の差がアバウトですからね、新鮮だったようです。

 

 

さて、書たきたいことは溢れながらも、

体力的に限界です、ひとまず寝ますね。

今週は東京へ日帰りもありましたし、週末は大阪です!

こちらに来て以来、日本の子育て本にも手当たり次第目を通しているのですが、

その中から思ったことなどもお伝えしたいなと思っています。

それでは、みなさん残りの週もよい日々を!


『オールアバウト』寄稿「ギフテッドとは?感受性が強く優れた潜在能力を持つ子」&優れた教育者とは?

2017年06月23日 | ギフテッド

「ギフテッド」というコンセプトは、

日本でも以前よりは知られるようになっていますね。

 

それでも、そうしたギフテッドというコンセプトの紹介とは、

多くの場合、「知的で優れた能力を持つ子」というものだと思います。

 

そこで今回、ギフテッドの専門家が口を揃えて言い、

私自身も、これまで「ギフテッド」とされる子ども達に出合う中で感じてきた、

ギフテッドの「感受性の強さ」についてとりあげました。

 

ニッチなテーマを、

こうしたメジャーなウェブサイトでとりあげていただけたことを感謝しています。

 

これまで「この子ってなんでこうも難しいんだろう」と、

子どものネガティブ面にばかり目がいっていた方が、

そうした「難しさ」の秘める可能性に気づき、

より前向きに子どもさんへ向き合えるようになっていただけたらなあ、

そうして自己をより肯定できる親子が、少しでも増えていったらなあ、

そんな願いを込めて書きました。

 


Q:家の子は「感受性の強さ」がありますが、

ギフテッドなのかHSCなのかどっちなんでしょう?

先日も、こんな質問をいただきました。

 

私自身は心理学者ではありませんし、

何らかの診断を下せる立場にはありません。

 

ですから、

これまでのリサーチと様々なギフテッドとされる子や子ども達に接してきた体験から、

思うことを書いてみますね。

 

 

「感受性の強さ」について、

HSCの「敏感さ」とギフテッドの「過度激動」の共通点を、

こちらにもまとめてきました:

・どんな人が「感情の強烈さ」を持つ?その特徴と対処法

ハイリーセンシティブチャイルドとギフテッド、HSPがより自信とサポートを得るのなら・・・

 

そして私自身も、知れば知るほど、

HSCの「敏感さ」とギフテッドの「過度激動」って

似てるよなあと感じています。

 

 

アメリカでは今回の『オールアバウト』の記事にあげたように、

96%の州でギフテッドの定義が決まっています。

ギフテッドと「認定される」ことで、アメリカのいくつかの地域のように、

特定のサービスを受けられるという状況ならば、こうした州ごとの定義に厳密に則り、

その子がギフテッドあるかどうかを突き詰めることの意味もあると思います。

 

それでもそもそも、

ギフテッドというのは、世界的にみるなら定義が定かではないとされています。

また、HSCやHSPというのは、自己診断の場合も多いでしょう。

 

ですから、私自身は、

HSCやギフテッドというコンセプトにより

子どもや親が、生き辛さの因を理解し、

対応法を参考にし、工夫しながら、より自由になっていったり、

「自分/この子は、HSC/ ギフテッドだ」と感じることで、

自己肯定感や自信が高まるならば、

HSC、ギフテッド、どちらであろうと、コンセプトや対応法をどんどん活用していけばいい、

そんなように思っています。

 

そして、HSCやHSPやギフテッドというコンセプトに触れることで、

「敏感さ」や「過度激動」と隣合わせにある、

「潜在力」や「ポジティブ面」に、

より目が向けられるようになったらいいですよね。

 

 

 

 

優れた教育者とは、

「この子はギフテッドである/でない」と振り分けるよりも、

その子その子の「ギフテッドネス」を見出し、

それぞれ異なるニーズをくみとり、伸びるサポートをしていく人々、そう思います。

そして私自身、そんな教育者でありたいなあ、そう思っています。

 

ギフテッドの専門家で教育学者のジョセフ・レンズーリ氏の言うように、

その子がギフテッドかどうかより、

その子の「ギフテッドネス」をどう伸ばすかへフォーカスしていきたいです。

 ・消費するだけでなく創造できる「ギフテッドネス」をどう開発する?教育学者レンズーリ氏の研究紹介

 

 

興味ある方是非どうぞ!

『オールアバウト』:ギフテッドとは?感受性が強く優れた潜在能力を持つ子

ギフテットの特徴のひとつとされる「感受性の強さ」についてまとめてあります。

HSCはじめ「感受性が強いなあ」と感じる子供に接する方々も、多くの共通点を見出されると思います。

感受性の強さの持つポジティブ面にも目を向け、対応法を参考にしていきたいですね。

 

 

 

7月8日は、京都の東映太秦映画村にて、

「日本でギフテッドを応援しよう!」という家族の集まりに参加する予定です。

難しさを抱えることもある子ども達に、

「ギフテッドネスを見出しサポートしよう!」と頑張られている方々にお会いできるのを楽しみにしています! 

興味のある方、「ギフテッド応援隊」のブログへお問い合わせくださいね。

 

 

実家の文化教室では、今「押し花教室」をしているようです。

20年間、続けられてきた先生とのこと。

週末の朝に、街の片隅で、嬉々として集まり押し花を楽しむ人々がいる、

そう思うと、何だか、ほんわりしますね。

 

近所の日本庭園にて。

こ、鯉の餌が!

 

今夜は小中の同窓会、30年ぶりに会う面々と童心に返ってきます!

みなさん、喜び見出す週末を!


日米の違いをしみじみ思う15年ぶりの日本滞在、日本の良さを抱いていきたいですね

2017年06月21日 | 風景・旅

15年ぶりの日本。

日本滞在中のつれづれを綴らせてください!

 

帰国する前から、

「実家周辺もすっかり変わったよー」と親族友人に聞いていました。

 

実家のある地区は、地理的に市の中心に位置するため、

昔から電車や地下鉄の路線が交錯し賑やかな地ではあったんですが、

確かに、この15年の間に、

実家のすぐ近くに大きなショッピングセンターができたり、

高層マンションが建ったり、

10分ほど歩いた駅周辺にもショッピングモールができるなど、

一層賑やかになりました。


日本と米国で感じる「緊張感」の違い

でも、公の場で人に接するたびに、

「ああ、変わってないなあ」としみじみ感じます。

 

とにかく、細やかで勤勉な対応。

「こうあるべき」といった「型」が共有され徹底しています。

そうした「型」に心がこもっている様子に出合う度、感動しています。

 

一方、米国は、文化も多様で

ある意味自ずと「型破り」な方々にも溢れていますから、

その分、接する側も、

何が起こっても常に対峙できるよう腹をすえておくといった緊張感があります。

 

日本は、型を守り、型からはずれないようにする緊張感があり

米国は、型のはずれた混沌にさらされながらも自ら立ち居地を見出す緊張感がある

そんな雰囲気をひしひしと感じています。

 

 

日本と米国の感情表現の違い

「日本って静かだね。

笑っている人もあんまりいなくて、

何だか皆、シリアスだね」

 

米国育ちで日本初めての子供達が(長女は生後8ヵ月時に帰国したのみ)

日本到着して以来、公の場で何度か驚いて口にしている言葉です。

 

これは、「感情表現の仕方の違い」でしょうね。

米国は、やはり表情も仕草も「大振り」な方が多いです。

 

米国に長い友人が、

「日本に帰るたび周りから、

『もう少し声の大きさを落として、バタバタ動かず落ち着いて話しなさい』

って言われるのよねえ」

としみじみ言い、周りの日本出身者が激しく頷くということが最近もあったんですが、

私自身、よーく分かります。

 

とはいえ、

米国のような「喜怒哀楽表現の激しさ」のみが、

「豊かな感情の表れ」ではないということは、

「敏感な子」や「強烈な感情」についての理解からも、

・「強烈な感情」を持つ子供達のギフトを生かしていくために

重々分かっていることですよね。

 

渦巻く豊かな感情、豊かな内面世界というものは、

時に、周りの観察、ソフトな声音、控えめさ、

思慮深い態度といった形で表れます。

 

「静かに見える人々の、

内面に繰り広げられる議論や感情の激しさ」

 

「敏感な人々」をとらえ直すこうした視点を、

15年ぶりに身をおく日本で、しみじみと感じています。

 

 

*米国と日本とより詳しくのぞくならば、

感情表現の仕方についても、

もちろんまた多様性が広がっていますね。

 

 

 

人を超えたものへの眼差し

愛知は神社仏閣が最も多い県とされていますが(意外ですよね)、

街を走っていると、まさしく神社仏閣の多さに気づきます。

 

こちらに書いたように、父方は代々神官だったのですが、

『It Mama』寄稿:「科学的に証明!パパの存在が子どもの成長に与える影響」&父と娘の性(機上より)

父の意向により、私自身は、宗教色を排した家庭で育ちました。

 

それでも10年程前から、父は様々な社会活動の傍ら、

世襲枠の神官として、祭事に白装束を身につけ参加するなど、

神職に関わるようになっています。

私自身、母から聞いたこの父の変化を、

異国の地から、驚きと納得とが入り交ざったような気持ちで眺めていました。

 

日本到着の翌日、

実家から歩ける距離にある熱田神宮を、父と訪ねました。

 

今では、神宮の会報を編集したり祭事にも参加する父。

「参る前にこうして清めるんだよ」と子ども達へ。

口もさっとぬぐうんですね。

30匹近くの蛇が住む!という大楠。

 

卵が供えられています。

(「蛇」のことは表示されていません)

 

本宮へ参り。

 

神宮内の池で鯉と亀にえさをやっていると

鳩がとても積極的。

カラスに向けたメッセージ?

 

 

子ども時代からの知り合いの家も訪ねました。

空襲を逃れ、築120年の家屋。

 

いろり!

お茶の先生でもある家主Oさんに抹茶をいただき。

「3回ね、こうやって回して」。

茶菓子

「そうやってさ、むしゃむしゃ食べるものじゃないらしいよ・・・」

とあまりにも勢いよく頬張る子供たちへ声をかけ。

 

ああ、縁側。

日本の家屋って、いいですね。

庭に井戸発見。

 

ここにも、手を清める水(右下の四角)。

僧侶でもあるOさん、

仏壇を見せてくださり、

 

「南無阿弥陀仏」と唱えられます。

 

子ども達:「なむあみだぶつ」って何ですか?

Oさん:真理を自らの上に据え、うやまうということよ。

 

街角や家屋に、日々の雑事を離れ、

人を超えたものへと思いを馳せる場。

世界中に、こうした空間があるわけですが、

日本の表れ方に触れ、「ああ帰ってきたんだなあ」とほっとしつつ、

背筋が伸びる思いです。

 

 

 

高齢者パワー

実家は、その一部を文化教室として貸し出しているのですが、

滞在するここ2日ほどの間にも、

ハーモニカ教室、タップダンス教室、太極拳教室、ピアノ教室などがありました。

 

タップダンスの先生は、

私が子ども時代から、バレーを教えられている方で、

今70歳近く!

 

それぞれのレッスンの参加者も高齢者が多いのですが、

とにかくみなさん、お話していても、ホンと元気で明るいです。

 

週に2日の太極拳クラスへは、

子ども達も、参加。

師範の父の動きを何とか真似。

 

その後、参加者の皆さんとカフェへ行ったんですが、

子ども時代からの知り合いで、

アラスカにも遊びに来たことのある今70歳近いTさん、

「明日からブルガリアへ山登りなのよー」と。

山登りが趣味で、子供の時、ついて登ったなあと思い出してました。

 

Tさんは、退職してから60代で中国へ3年留学し、

その後も、アルバイトしては世界の山登りへ。

子ども達に、「Tさんいくつに見える?」と聞いてみると、

40代!50代!の声。

「68よ!」というTさんに、たまげる子ども達。

うわっはっは、とTさん。

 

 

もう一人の参加者Hさんは、

携帯WiFiを持ち歩き、どこでもSNSを楽しむ60歳間近。

「いくわよ~!」とランチをご馳走になりました。

 

隠れ家のような、

知る人ぞ知るらしい、

Hさんいきつけのお店にて。

名古屋名物「ひつまぶし」。

 

Hさん、来月から台湾だそうです。

 

 

長女は、米国の高校の社会科学の授業で、

「日本は高齢化社会が進み、

15年後頃には3人に1人が高齢者になるという深刻な状況」

と学んできたんですが、

ここ数日身近に接した高齢者の方々のパワーに、

「深刻???」となったようです。

 

長女は来月初めに、

近所の高齢者養護施設にボランティアとして

数日入らせていただくことになっているんですが、

高齢化社会の異なる側面に触れることになると思います。

 

 

今日は、長女と次女の中学校3日間の体験入学について、

教頭先生初め、学年主任と担任の先生方との顔合わせがありました。

制服まで貸し出してくださいます。

保健室にて試着。

お忙しい中、先生方の心配り、熱心さに脱帽。

明日から、登校です。

 

今日の先生方との話し合いでは、

教頭:ピアスははずしてきてくださいね。

長女:え、なんでですか? ←本気で理解できてません。

という会話が・・・。

米国の学校との違いに、話し合い後も呆然状態が続いていました。

また報告させてくださいね。

三女と次男の小学校体験入学も来週です。

 

こちら名古屋、今日は大雨での始まりでしたよ。

みなさん、健やかな梅雨の日を! 


『It Mama』寄稿:「科学的に証明!パパの存在が子どもの成長に与える影響」&父と娘の性(機上より)

2017年06月17日 | 子育て全般

ただ今、カナダ上空を飛行中。

このまま無事に、日本に到着できそうでほっとしてます。

あと9時間ほどです。

 

旅というと、だいたい何か1つか2つ忘れるんですが、

今回は、日本の親戚友人のために購入したチョコレートを、

冷蔵庫にごっそり忘れ、空港で買いなおしましたよ。

まあ、「パスポート忘れた」とかでなくてよかったです。

日本から帰ったら、チョコレート三昧です。←子ども達大喜び。

 

今日は父の日ですね!

ということで、『It Mama』さんへ「父親の存在と子供」について、

まとめました。

 

子育てというと、まずは「母親」に注目がいきがちです。

これは、母親の方が父親より、

より長い時間子どもと過ごす場合が多いということもあるでしょうが、

とはいえ、専業主婦だろうと共働きだろうと、

「子供にとってお母さんこそ大事」といった風潮がありますよね。

 

そこで、この記事では、

「子供にとってお父さんってこんなに大事」

といった研究を紹介しました。

 

命は1人では誕生しませんから、

命の成長にも、2人の存在の影響が大きいというのは、

理にかなってるよなあと思います。

 

「父親の存在」と「女の子の性」

記事の中の、3番目の研究についてですが、

「子ども時代、父親と充実した時を過ごした女の子は、

第二次性徴期開始もより遅くなりがちで、

性的な問題行動を起こすことも少ない」とあります。

 

これは、私自身、そして周りを振り返っても、

とても納得いく報告、そう思います。

 

私の父は、団塊世代で、

元々は代々神官の家に生まれ、神官になるための勉強をしながらも、

マルクスに傾倒し、「宗教はアヘン」色にすっかり染まり、

大学も中退。

それ以来、ずっと社会的な活動を続けています。

 

社会活動に忙しく、毎晩のように午前様。

食事を一緒にした記憶もあまりないですし、

出張も多く、何ヶ月も会わないことさえありました。

 

また祖母が父親を妊娠中に、祖父は戦死し、

父は祖父に一度も会うことがなく、

父自身、父親という存在がイメージしにかったこともあるのかもしれません。

 

とにかく、たまに顔を合わせれば話をし、関係も悪くないものの、

常に父の関心は家族の外にあり、

圧倒的に、一緒に過ごす時が短かったといえるかもしれません。

 

こうした父親との関係と、

以前も書いたように少し変わった環境にあったこともあるのでしょうが、

幼少期から見られるゲイの兆候研究紹介 & 私自身の「性差」教育体験からも思う子ども自身を「観る」大切さ

私自身、思春期以降、性的なことでは、今振り返っても、

迷走まっしぐら大混乱状態だったように思います。

当時周りで、荒れていた女の子たちは、

皆何かしら親との葛藤を抱えていたように思います。

 

そして今、娘達をみていて思います。

夫は、シングルファーザーに育てられ、

家族という存在を熱望して育ったためもあり、

私以上に子煩悩。

 

娘達も思春期になり、

年相応、性的なことへの興味関心もあるようですが、

当時の私のように、

ぐちゃぐちゃにこじれてしまった様子は

あまり見受けられません。

 

紹介した研究にある、

「父親のフェロモン」が「他者のフェロモン」を遠ざける、

といった説明に、なるほどなあと思いました。

私の個人的なイメージですが、

父親のフェロモンを常に身近に感じている女の子というのは、

他者のフェロモンへ対しても「クッション」があるというか、

そうそうもろに影響を受けることも少ないのかもしれないなあと。

 

こちらにも、より詳しく載せてあります:

・父親の重要性

 

興味ある方、是非どうぞ!

科学的に証明!「 パパ」の存在が子どもの成長に与える影響3つ

 

 

さて、もうすぐ空港に到着し、父に再会します。

親については、私自身、こちらに書いたような気持ちでいます。

夫の母親と過ごした数日間、手放した分だけ必ず何かを得ている・特性のなせる業・新生

15年という年月の中で、私なりに整理してきました。

 

家族としては、あまり機能しておらず、

私自身も随分迷走してきましたが、

それでも、

常に社会的に虐げられた人々、社会的な問題について、

取り組み続ける父親の背中を見て育ったことを

今では、有難く思っています。

 

今日は15年ぶりに再会する父と、父の日を祝います!

 

少しでも、健やかに育つ女の子が増えていきますように!

父親と子供が共に過ごす時、

忙しいスケジュールにも組み込んでいきたいですね。

 

飛行機の中にて。

 

「映画観放題」に驚愕し大興奮中。

本人達、本や漫画やボードゲームやと詰め込んできたんですが、

「映像」の前に吹き飛びましたよ。

 

それではみなさん、ハッピー・ファーザーズデイ!

 

 

*「飛行中書き放題!」と喜んだのもつかの間、

コンセントがないようで、コンピューターのバッテリー切れとなりそうです。

「コンセント」のこと、日本人の客室乗務員の方に「アウトレットありますか?」と聞き、

「コンセント」が出てこなかった自分。日本滞在中、日本語鍛えなおします。


子育ての道程に喜びを見出すということ、お知らせ3つ、我が家の旅に不可欠なもの

2017年06月14日 | お知らせ

1. 夏休みに入り、朝から晩まで5人の活動の送り迎えと、

2. 2日後出発の15年ぶりの日本行きの準備をすすめ中のところ、

3. 出発前に済ませる予定の原稿の締め切りがいくつか重なっているという状況で、

ブログをなかなか更新できずにいます。

 

普段の生活でも、山を登っている感があるのですが、

ここ10日ほどは、ロッククライミングしている感覚です。

全身の筋肉をくまなく使い、岸壁にへばりついて頂上をめざす。

 

でも、2の日本行きの準備3の原稿の締め切りは、

頂上がすぐそこ。

たどりつくなら、絶景が広がっているのが分かってます。

 

ああ、あの日本の風景、人々、言葉、食べ物!

ああ、あの出来上がった原稿を前にする嬉しさ!

もやもやと渦巻くものを形にできるありがたさ!

わなわなと筋肉はりつめながらも、踏みしめる一歩一歩が喜びに溢れます。

 

 

それでも、1の子育ては、長い道のりですよね。

時になだらかな道だったり、時に切り立つ崖に挟まれたり、

時には、命綱つけてつるっつるの氷壁でもがいているようだったりしながら、

とにかく、果てしなく続くように見えます。

 

道程に、喜びを見出していきたいですね。

繋ぐ小さな手の柔らかさを感じたり、

流行りの歌を歌って音程がおかしくなって一緒に笑い転げたり、

キャンディーを頬張ってじわ~と広がる甘さにほっとしたり、

道端の花にうっとりしたり、山菜やベリーを摘んでみたり。

見晴台で休憩して、見渡す景色に息を呑んだり。

夜になれば、一日中歩いた疲れを、ハグする温もりに包み込み。

 

 

長男は17歳。もう少したら、

もう一緒に登ることもなくなるんだなあと思うと、

何だか切ない気持ちと、もっと道程を楽しめばよかったなあという気持ちが押し寄せます。

←まあまだ終わってなくて、

これからもしばらく切り立った急斜面をひいひい登るんですけどね。

 

こうやって書きながら、こちらに以前訳した詩を思い出しました。

 

作家のDiana Loomans氏の詩、もう一度紹介しますね。

英語だと韻を踏んでいて、その音やリズムも楽しいです。

 

もっと野を駆け回り、星を見つめて

If I had my child to raise over again,
I’d finger paint more, and point the finger less.
I’d do less correcting, and more connecting.
I’d take my eyes off my watch, and watch with my eyes.
I would care to know less, and know to care more.
I’d take more hikes and fly more kites.
I’d stop playing serious, and seriously play.
I’d run through more fields, and gaze at more stars.
I’d do more hugging, and less tugging.
I would be firm less often, and affirm much more.
I’d build self-esteem first, and the house later.
I’d teach less about the love of power,
And more about the power of love.
It matters not whether my child is big or small,
From this day forth, I’ll cherish it all.

 

日本語訳

もし もう一度初めから子育てをやり直すことができたなら・・・

 

指をさして注意してばかりでなく
その指を一緒にお絵かきすることに使うでしょう

 

間違いを正す(correction)よりも
もっと繋がりを持つ(connection)ようにするでしょう

 

時計から目を離し
その目をあなたを見ることに使うでしょう

 

知るということを思いやるよりも
思いやるということを知ろうとするでしょう

 

もっと一緒にハイキングして、もっと一緒に凧を飛ばして

 

真面目であることをやめて
真面目に遊ぶでしょう

 

もっと野原を駆け回り もっと星を見つめて

 

引っ張る(tugging)のではなく
もっと抱きしめる(hugging)でしょう

 

頑なである(firm)代わりに
もっと肯定的(affirm)になるでしょう

 

あなたの自信を築くのが先で
家を築くのは後でいいのです

 

力を愛することより
愛の力についてもっと話すでしょう

 

あなたが大きかろうが小さかろうが 関係なく


今日というこの日から これらのことを大切に抱いていきた

 

引用終わりーーーーーーー

 

 

そう、

「大きかろうが、小さかろうが、

今日というこの日から、

これらのことを大切に抱いていきたい」ですね。

 

さて、今日もこれから走り回りますよ。

 

 

その前にお知らせを3つ

1. 日本滞在中の状況

アナログ実家なので、インターネット環境が整っておらず、

ブログの更新がままならなくなると思います。

←書かないことは考えられないので、毎日何かしら書いてるとは思いますが、

時々ネットカフェなどからでも更新できたらなあと思ってます。

 

下4人連れての滞在に、両親も高齢で母も体調が思わしくないので、

多分、家事に多くの時間を費やすことになるのじゃないかと予想しています。

食器洗浄機と乾燥機にスポイルされている私達、鍛えられてきます。

15年ぶりに両親と再会します。

 

 

2.「ギフテッド応援隊」の7月8日の集まりに参加します

日中は、東映太秦映画村、夜は親睦会がある予定です。

近くなったら『これでいいのだ(?)』さん

「ギフテッド応援隊日日好是日」さんに告知が出ると思います。

興味のある方、是非、上記のブログにお問い合わせくださいね。

『マイコー雑記』でも詳細をお知らせしますね!

 

 

3.『虹色教室通信』未来奈緒美さんの算数教材完成!

虹色オンライン算数教室が、ようやくできあがりました ♪

まだまだざっと目を通したのみですが、

私自身もこれからの活動で使わせていただきたいなと思っています。

これまでの奈緒美さんの働きの集大成。やはり素晴らしい内容です。

日本滞在から戻り、落ち着いてじっくりとひとつひとつ手に取る日を楽しみにしています。

 

奈緒美さん、ワーキングママさん、遊びのアトリエのレオさんとも、

大阪でお会いできることになっています。

TamakiさんTomoeさんともいつかお会いできる日を楽しみにしています。

話し合ったことなど、また皆さんに報告できたらなあと思ってます。

毎回のチャットも、インスピレーション盛りだくさんなんです。

 

 

 

我が家の旅に不可欠なもの

最後に、旅など大変化の時に、

子ども達にとって、とてもいいなあと思っていることの紹介です。

それは、旅用のスケッチブックを用意すること。

 

とにかく毎日、何らかのアウトプットをするようにします。

絵でも、詩などの言葉でも、色を重ねるだけでも、日記でも。

 

16日間車でアラスカから東海岸に引っ越してきた際も、

毎日、皆、何かしら描いていました。

その日の自分を、真っ白な紙に、落とすひととき。

後から見ても思い出が詰まっていますし、

渦中にあっても、ほっと落ち着くひとときになります。

 

旅の前に、どんなスケッチブックにするかの選択から始まります。

ティーンになると、装丁もちょっとこだわり。

 

 

下3人は、早速、始めてましたよ。

次男表紙を描いて、

 

次男も三女も、旅の買い物中に見つけたセールの「フィジット・スピンナー」を、

おこづかいで購入し嬉しくてしょうがないようで描いてました。

 

この「フィジット・スピンナー」、

こちらで紹介した商品と同じような目的を持ったものです:

ごそごそ動いた方が学習効果アップ!ADHD・ギフテッド・舞踏家タイプの子

元々、ADHDや落ち着きのない子が、「ごそごそするため」のものなんですが、

こちら米国で大流行してます。

教室でも、皆が皆くるくるまわしていて、頭を痛めた先生の中には、

「発達障害の診断のおりている子以外禁止」になったクラスもあります。

「ごそごそ」で集中できる子もいれば、余計に気が散ってしまう子もいるんですよね。

まあ時と場合によるでしょうが、我が家は皆、ごそごそ系ですねえ。

 

あと、次男、こんなものも描いてました。

私:あ、日本の街並み?

次男:ロンドン

 

そして三女は、

海ガメ。

 

次女は、

バラ。

そして、

「私達は、

バラの茂みにトゲがあると文句を言うこともできるし、

トゲのある茂みにバラがあると喜ぶこともできる。

by アブラハム・リンカーン」

 

ほんとだね。

思い出していきたいね。

 

日本を前に興奮して、

ロンドンと海ガメとバラとリンカーン・・・。

いいんですよね、何でも。

アウトプットする機会やツールを整えていきたいですね!

 

 

 

ブログを読んでくださりありがとうございます。

こうして読者の方と繋がれることが、大きな励みとなっています。

感謝を込めて。

それではみなさん、喜び溢れる夏を!


『It Mama』寄稿「『生まれつきの気質』4タイプと対応のポイント&「私の育て方が悪かった」からの脱出

2017年06月11日 | ハイリーセンシティブチャイルド

先日、心理士さんと話していて、

「熱いから触っちゃだめよ」と言われ、

・決して触らない子もいれば、

・触ってみて火傷し、2度と触らないでおこうと学ぶ子、

1度火傷しても、もう1度触ってしまう子、

など、本当に「様々な性質」の子がいるよね、という話になりました。

「育て方」は確かに大切なんだけど、

持って生まれたものって大きいよねと。

 

「持って生まれた性質って大きい」というのは多分、

兄弟姉妹の多い子沢山を育てる親なども、

しみじみと実感することだと思います。

「なんで、同じような環境で育ってるのに、

この子達は、こうも世界への向き合い方が違うんだろう?」

私自身、何度そう驚いたか分かりません。

 

この記事で紹介した精神科医のトーマス&チェス夫妻も、

ご自身の4人のお子さんが、

同じような環境で育ったにも関わらずあまりにも「違う」ことから不思議に思い、

「生まれ持った性質」についての研究を始めたといいます。

 

それでも、少子化が進む中、

例えばもし「手がかかる子」だけを育てている場合、

「この子がこうなってしまったのは、

自分の育て方が間違っていたから…」と悩む方もいるのじゃないかと思います。

そうした悩みが、よけいに親子関係をこじらせ、

ますます子育てが難しくなってしまうこともあるかもしれません。

 

実際、私自身、

「私のせいでこうなってしまった…」と落ち込み、

「あれ、でもチョット待ってよ、

だったら、他の子達も皆そうなってるはずだよなあ」

そう思いなおし、

「一体この子ってなんなんだろう・・・」と、

目の前の子どもを観察する方向へと向かったことが何度もありました。

 

「私のせいで・・・」と悩む方の気持ちが、少しでも楽になり、

目の前の子どもをより理解し、より適切な対応を模索するきっかけになればなあ、

そんな思いを込めて、今回の『It Mama』さんの記事を書きました。

 

4つの気質タイプ」を紹介してあります。

1.扱いやすいタイプ 40

2.扱いにくいタイプ 10

3.順応が遅いタイプ 15

4.平均的なタイプ  35

 

このトーマス&チェス夫妻の気質研究の、

3.順応が遅いタイプ(slow to warm up)」について、

エレイン・アーロン氏はその著書『The Highly Sensitive Child』で、

「HSCは、『順応が遅いタイプ(slow to warm up)』と呼ばれることがあった」

と言及しています。

アーロン氏の功績は、「シャイ」や「内気」のみで表されていた

この順応が遅いタイプ(slow to warm up)』の、

感受性の豊かさ、内面世界の豊かさといった「長所」を描き出したことですね。

 

 

教室など、子供が集団となる場でも、

必ず、こうした「様々な性質」の子がいるのに気づきます。

トーマス&チェス夫妻の提示する「割合」についても、

「なるほどなあ」と思うことがあります。

 

そして、もう本当に、これだけ性質が違うのに、

同じ姿勢で向き合い続けてもやはり無理がありますよね。

1度言えば一切境界を越えない子もいれば、

何度も何度も言い聞かせる必要がある子もいるわけですから。

子どもの集団を教える側として、個々のその子を観察し、

適切な対応を選んでいくことの大切さを思います。

 

そして親としては、記事にも書きましたが、

「周り40%の扱いやすい子とは、家の子はちょっと違うんだな。

より時間がかかるものなんだな」と腹をすえてしまうこと。

それで私自身も随分と楽になりました。

 

興味ある方是非どうぞ!

 ・4タイプに分かれる子どもの「生まれつき気質」と対応のポイント

コンパクトにまとめてあります。

そしてとてもとても文字数にはおさまりきらない「より詳しい対応のしかた」は以下に載せてあります:

『3つの気質』を考慮した接し方具体例、ひとりひとりのニーズが満たされる場を願いつつ

こちらの1.2.3の性質を併せ持ったタイプを「4つ目」として

『It Mama』さんの記事には、「4つの性質」として記してあります。

 


さて、今日はこれから最後の陸上競技会です。

明日から日本行き準備大詰めです。←様々な手続きに走り回り、荷造りまだ何もしてない

 

夏休み初日、近所の子達とチョークで「2017年夏!」

撮影 by 次女

それではみなさん、今日もよい日を!


「敏感な子」は「早くしないと!」が苦手、ゆったりタイム&「自分で何とかできる感」を培う大切さ

2017年06月10日 | ハイリーセンシティブチャイルド

さて、今日から夏休みが始まりました!

今日は、一昨日昨日と起こった出来事をつづらせてください。

 

改めて、こういった「敏感な性質」を持つ子が、

日々、学校などの集団生活で過ごすには、

かなり頑張っているんだろうなと思わされましたよ。

 

感情を出せる時や場、

ゆったりとできるダウンタイムを、

大切にしてやりたいですね。

 


一昨日の出来事

リサイクルの回収は、一週おきの、だいたいお昼頃なんですが、

なぜか一昨日は朝8時にトラックの音がし始めました。


トラックの後ろに投げ入れるリサイクル品を潰すガー、ゴーという音が

静かな朝の住宅街に響きます。

 

「はっ、まさか!」と窓の外を見ると、見慣れた青いトラック。

 

「うわっ、ウソっ! ○○(三女)!○○(次男)!リサイクル~~~~!手伝って~!」

 

そう叫びながら、全速力でバルコニーに向かい、

山積みのリサイクル品を運び始めます。

 

運びながら、髪に巻いたカーラーを床に投げつけ、

サンダルひっかけ(すみません、2回往復中の1度は裸足)、

トラックへまっしぐら。

回収者の方が、「おはよう!」と笑顔で

息を切らす私の手から、リサイクル品を受け取ってくれます。

 

再び玄関に戻り、三女と次男がデッキから移動してくれたリサイクル品をもうひと往復。

両手いっぱいに残りのリサイクルを抱えた三女も後ろから走ってきて、

トラックに投げ入れます。

 

「ママ、カーラー、まだ2つぶら下がってる・・・」と三女に笑われながら、

「ふ~、間に合ってよかったあ。

1日逃すとバルコニーのリサイクル品置き場が大変なことになるのよねえ」

と言い玄関に戻ると、次男7歳が涙をぬぐっています。

 

(泣いてる次男にちょっとびっくりしながら)

 

私:・・・。そっかあ、びっくりしたよね。


抱きしめてやります。

 

次男:僕、こういう気持ち好きじゃなくてね・・・。

 

私:急いで何かをしないといけない!って焦る気持ちって、

胸やお腹がぎゅっとなるよね。

今度はリサイクル、朝早く出しておくといいね。

よし、学校行く準備しよう。スイカ食べた?美味しかったでしょ。

 

そう肩を抱きながら、ダイニングに戻って朝ごはん。

甘くてジューシーなスイカを食べるうちに、気持ちも戻り、

三女ときゃっきゃとふざけあいながら、登校していきました。

 

 

 

昨日の出来事
そして昨日の朝、

私は学校の先生にプレゼントを包み、

三女と次男はカードを作ります。

 

お礼の言葉を書き終わり、

どんな絵を描こうかなあと考えながら、

「ああ、もう時間がないよー」と涙をぬぐい始める次男。

 

「いつも学校へ行ってる時間までも40分あるけど、

本当は9時までにいけばいいんだからね。

そうするとほらまだあと、1時間もあるよ。

お弁当も用意したし、あとはリュック背負って学校へ行くだけ。

1時間たっぷり使えばいいのよ」

 

そう伝えると、少し安心したように、

スタンプを持ち出してきてどれがいいかなあと選び、

スタンプと絵をあわせて色を塗りとカードに向かいます。

 

チョコレートを添えて。

 


アーロン氏のあげるHSPやHSC の特徴にすっぽり

次男は朝、普段より少し遅く起きたときなども、

「時間がない」と泣くことがあります。

 

HSPやHSC という言葉を考案した心理学者エレイン・アーロン氏のあげる特徴項目に、

ホンとすっぽり当てはまります。

HSP診断:

(http://hspjk.life.coocan.jp/selftest-hsp.htmlより)

・感覚に強い刺激を受けると容易に圧倒されてしまう

・他人の気分に左右される

・すぐにびっくりする(仰天する)

・短期間にたくさんのことをしなければならない時、混乱してしまう

・一度にたくさんのことを頼まれるのがイヤだ

・忙しい日々が続くと、ベッドや暗い部屋などプライバシーが得られ、刺激から逃れられる場所にひきこもりたくなる

・ミスをしたり物を忘れたりしないよういつも気をつけている。

・あまりにもたくさんのことが自分の周りで起こっていると、不快になり神経が高ぶる

・生活に変化があると混乱する

・同時に自分の中でたくさんのことが進行すると気分が悪くなる。

 

HSC診断:

(http://hspjk.life.coocan.jp/selftest-hsc.htmlより)

・すぐびっくりする。

・わたしの気持ちをよく察するように感じる。

・大きな変化にはうまく対応できない。

・完璧主義なところがある。

・ものごとを深く感じとる。

 

学校などの集団生活は、

「たくさんのことが周りで常に起こり」

様々な「他人の気分」が渦巻き、

「時間どおりにしないと!」という状況にも常にさらされた環境ですよね。

 

「敏感な子」たちは

周りの「しなければならない」にも「敏感」ですから、

気持ちを訴えることはせず、じっと我慢して頑張ってと、

かなり無理している部分ってあるんだろうなあと、しみじみ思いますよ。

次男も、学校では一切泣くことがありません。

 

 

 

「敏感っ子」の生活について我が家で気をつけていること

・「急がないと!」を減らす

三女と次男がまだ寝ている時刻に家を出る「高校生組み」は、

猛ダッシュで車へ駆け込むこともありますが、

(長男、ベッド→朝食→車まで「5分」の記録あり)、

三女次男の小学生組みは、

朝は遊ぶ時間もあったりと結構ゆったりしていています。

 

・ゆったり過ごダウンタイムを大切にする

1人でレゴやらピアノひいたり。

 

また学校が終わっても、

サッカーや陸上の練習に抜ける以外はほとんど毎日、

近所の子達と暗くなるまで庭やら森やらで遊んでいます。

私は、5人の送り迎えに出たり入ったりですが。

 

 

・「急がなくていいように何ができるかな?」と計画準備時間を取る

できる範囲で。

少しでも「さて・・・」と前もって考えておくと、

5分、10分と余分な時間を手に入れられます。

年齢が上になるにつれ、一緒に考え動いていくといいですよね。

 

同時に、
・「時間に遅れても挽回可能」体験も少しいり混ぜる

それほど「時間どおり」が大切でない場合は、

「少し遅れても、取り返し可能」という体験も、

ちょこちょこ入れ混ぜるようにしています。

10分差ぐらいでばらばらと集まるサッカーのワーミングアップなども、

5分遅れたって大丈夫ですから。

 

遅れてしまっておきた問題を、

自分で解決するといった体験もいずれしていくといいなと思っています。

 

 

上の子達も、大なり小なり、

こうした「敏感な性質」を持っていましたが、

年齢を重ねるにつれ、和らいでいきました。

 

なるべく「早く!早く」とならない環境や気持ちを整えたり、

普段の頑張りを回復するゆったりした時間を持つよう心がけつつ、

自分で計画準備をしたり、状況を解決したりと、

「自分で何とかできるんだ」といった感覚を培ってやるのが大切、

そう思います。

できる範囲で、工夫していきたいですね。

 

 

我が家も夏休み始まり、これから3ヶ月近く、

四六時中顔を合わせますし、

思い出していこう、そう思っています!

 

さて、

これから「継承センター」で生徒たちの発表会です。

夏の終わりに、生徒さん&スタッフの方々に再会できるのを楽しみにしています。

これまで思い、実践してきたことを、ますます展開していくことのできる場へ、

秋からスタッフとして加えていただけることが、とても嬉しいです。

「敏感っ子」への配慮も、心がけていきます。

 

みなさん、楽しい週末を!


壮絶な「いじめ」から立ち上がったSちゃん、「学校カースト」など「お構いなし」で歩き続ける女の子達

2017年06月08日 | 中学・高校

sちゃん親子との出会い

昨日は夕方、長女のお友達とそのお母さんと

カフェで1時間ほど話をしました。

初めてお会いした2人です。

 

2週間ほど前のこと、

長女:2泊3日で海に行こうって誘われたんだけど。日本行きの前だし、どうだろう。

私:誰と?

長女:Sちゃんとそのお母さんとそのお母さんのお友達。

私:Sちゃん? 初めて聞いた名前ね。

長女:うん、チアリーディングの選抜チームに入っている子で(長女は準選抜チーム)、2ヶ月ほど前に「ジムナスティックに通って上達したよ」ってチアリーディングチームのSNSに写真をのせたら、3人の子が「私もする!」って同じジムナスティックに通い始めたんだけど、2人はすぐに来なくなって、でもSちゃんだけ毎週来てるんだよね。

 

長女もSちゃんとは最近週に1度ジムナスティックのレッスンで一緒になるだけで、

同じ授業もひとつもなく、そこまで知っているわけではないので、

「どうしようかなあ」という気持ちがあったようです。

 

それでも徐々に、「やっぱり、行ってみようかなあ」と思い始めたようです。

Sちゃんにもお母さんにも会ったことがありませんから、

連絡をとったところ、「カフェで会いませんか」ということになったわけです。

 

長女を見ると嬉しそうに走ってきてハグし合うSちゃん。

私に向かって手を差し出し、ニコニコと自己紹介。

ブロンドに真っ青な瞳がキラキラとしています。

 

お母さんが、連絡先や泊まるホテルの住所、

車種や車のナンバーまでプリントした紙を渡してくださいます。

 

「これはSの16歳の誕生日会なので、

全て費用はこちらがもちますから」と。

「何かお土産とか買いたかったらお金を持ってきてね」

と長女に声をかけるSちゃんのお母さん。

 

16歳までこの地で育ち、お友達もいるだろうに、

なぜ新しく出会った長女1人だけを誘うんだろう、

ちょっと不思議な気持ちになります。

 

話すうちに、

チアリーディングの選抜チームで先輩達から壮絶な「いじめ」にあったこと、

フライヤー(チームメートに支えられ上で回ったり飛んだりする役)だったSちゃんは

1度はわざと床に落とされ「脳しんとう」を起こしたこと。

あまりにひどいいじめとコーチが助けてくれないことに絶望し

結局途中で選抜チームをやめたこと。

今年からは、高校とは関係のないプライベートのチームに入るそうです。

 

以前コーチをしていたこともあるSちゃんのお母さんも、

何度か話し合いに出かけたのだけれど、

コーチはその先輩達の親御さんと家族ぐるみの付き合いがあったようだとのこと。

 

秋から選抜チームに入ろうと準備している長女(フライヤー)には、

「意地悪な先輩達」は今年ごっそり卒業したので、

秋からは全く違うチームになるだろう、

「ただ自分はあのコーチの下ではもう続けたくないの」とSちゃん。

 

長女と同じ10年生の間に、

「脳しんとう」を2回(「いじめ」以外にも1度は練習中の事故で)、

また車の事故でも首をいため、

学校の勉強もどんどん難しくなるのに、頻繁に授業を休まざるをえず、

とにかくついていくのに必死だった。

身体も思うようにならず気持ちも沈み、

お友達同士の集まりにも顔を出す気力も時間もなく、

それまでの友人関係も随分失ってしまった。

 

そうして身体も回復し、

苦しい状況からようやく立ち直りつつあるところに、

今年度転校してきた長女と出会った、ということのようです。

 

 

 

しばらくして出身地や親戚や家族の話になり、

シングルマザーのお母さんに、

「私は離婚しないと分かるまでは絶対に子どもをつくらないから」と真顔で言うSちゃん。

「私だってそう思ってたのよ。でもね、人生って時に思い通りにはいかないものなの」とまっすぐ見返すお母さん。

お母さんを見つめながら、口をぎゅっと結んで首をふるSちゃん。

 

長女が、ジムナスティックに送り迎えするお母さんの様子やSちゃんの話から、

「Sちゃんとお母さんってとっても仲がいいみたい」と言っていたのですが、

なるほどなあと思います。

 

辛く厳しい状況を通りながらも、

ネガティブな気持ちも受け止めあえる関係というのは、

その子にとって、大きな支えとなりますね。

 

 


長女の「スクールカースト」観察と「お構いなし」の子達と繋がるということ

2人と別れ、次女と三女の陸上練習が終わるのを待つ間、

高校の駐車場の車の中で長女と話します。

 

秋に転校してきてから、お友達ができるまで時間がかかり、

ようやく今年の春ぐらいから、気の合うお友達もできてきた様子の長女。

 

長女の場合、みていると、向うから声をかけてきても、

自分が興味をもてないと、距離をおくんですよね。

かといって、お友達は欲しいようなので、

「無理してお友達を作る必要もないけど、でも欲しいと思うなら、

ひとまず、相手のことを知ろうとしてみたら」と何度か声をかけてきました。

 

最近仲良くなった子は、

移民で英語がたどたどしい子、個性的でスタイリッシュな子など、

状況や様子は様々ながら、会ってみて思うのは、

明るくて「自分のスタイル」のようなものを持っている子にひかれるようです。

 

 

また「敏感っ子」ゆえ、その場の雰囲気をじっと観察してます。

以前こちらにこんなことを書きました:、

 ・敏感だからこそ強烈に感じる「学校カースト」、「階級」を助長しない環境を整える大切さ

 

長男はすっかり、こうした階級お構いなしで高校生活を謳歌していますが、

長女は、こちらの高校でも、多様な人種なりに、

こうした「学校カースト」のようなヒエラルキーをひしひしと感じつつ、

自分なりに突き抜ける姿勢を模索中のようです。

 

「男の子は『見かけ』はそれほど関係ないのだけど、

女の子の階層は、容姿や身につけているものなど「見かけ」が大きい。

人気のある子に、多くの生徒がすいよせられて、

その集団の意見に従わないと、いやな目に会う。

 

Sちゃんの話にもあったけど、残酷よ」と。

 

そしてこんなことを言っていました。

「モンテソーリの小中校を卒業して、

授業中どんな状況でも自分の意見をはっきり言う子がいるんだけど、

『うっとうしい』『いいかげんにしろ』と人気のある子達が口々に言うの。

私は、見ていて嫌な気持ちになってたまらないんだけど、

でもね、本人はお構いなしで自分の思うままに振舞っている。

すごいなあって思う。

 

高校は、残酷なこともあるけれど、

卒業してから人生を楽しむ人って、

皆にちやほやされて何でも簡単に手に入る人気のある子や、

そうした子達に憧れる『とりまき』よりも、

マイペースで取り組むああいう子なのかもしれないね」

 

「あなたの描くその『ヒエラルキー』を、

時々シャッフルしてみるといいよ。

がんじがらめにとらわれないようにね。

『お構いなし』で歩いていく子達、

そういう子達と繋がって、たくさん楽しい体験を重ねていくといいね」

 

そんな話をしていました。

 

今日は高校最終日。

今夜は「お構いなし」の子達と、焚き火をするそうです。

明日は、来年度から始まる「国際バカロレア」プログラムのピクニックの後、

Sちゃん親子と海へ。

15歳の夏休みが始まります!

 

 

子どもたちは、

苦しかったりつらかったりする状況に必ず出会います。

厳しい状況でも、再び立ち上がり、

自分なりの楽しみや喜びを見出し、人生を謳歌する力やスキルを培うこと。

そのために、何ができるのか、見つめていきたいですね。

みなさん、今日もよい日を!


「敏感な子」と「ギフテッド」に共通して見られる「感情の強烈さ」、「敏感さ」のポジティブ面を見出す

2017年06月07日 | ハイリーセンシティブチャイルド

時々相談をいただくのですが、

「ギフテッド」について調べてこられた方は、

ハイリーセンシティブチャイルドの特徴を見ると、

「過度激動(OE)」を思い浮かべるんじゃないかなと思います。

・『ユア子育てスタジオ』:過度激動(OE)について

 

「ギフテッド」の子ども達の特徴として、

しばしばあげられるのが「過度激動」といった

「感情の強烈さ(emotional intensity)」です。

 

そしてこの「感情の強烈さ」とは、

HSPやHSCの特徴でもあるとされています。

(’The wound of being ‘too much’ – Emotional intensity’ by  Imi, Yin Lo

どんな人が「感情の強烈さ」を持つ?その特徴と対処法)

 


ギフテッドの子の「感情の強烈さ」の表れ

ギフテッドの子の「感情の強烈さ」は、

こんな特徴となって表れるといわれます:

http://sengifted.org/emotional-intensity-in-gifted-children/より)

 

・ポジティブな気持ち、ネガティブな気持ち、極端な気持ち、

複雑な気持ち、他者の気持ちとの同一化、笑うと泣くが同時など、強烈な気持ちとして表れる
 

・腹部の緊張感、赤面、心が沈むなど身体的に表れる
 

・臆病さ、シャイさなど、抑制となって表れる
 

・物事に伴った感情を覚えていて、長い間何度も再び感じるなど、感情についての記憶として表れる

 

手の負えない不安感、心配、罪悪感となって表れる
 

死を思ったりとうつ的ムードとして表れる
 

・他者への強い感情的な愛着、他者を思いやる共感力、関係での繊細さ、

動物への愛着、新しい環境への順応困難、孤独感、

関係の深さについて他者との葛藤など、他者との関係性に表れる
 

・自分はふさわしくないという気持ちや劣等感など、

批判的自己評価や自己ジャッジとして表れる

 

あらゆることを強烈に感じる敏感さが、

身体や、抑制や、記憶や、不安感や、ムードや、他者との関係性や、自己批判となって表れるといった

 ハイリーセンシティブな子や人の特徴に、重なりますよね。

 

 


ギフテッドと重なるHSCの特徴

また、エレイン・アーロン氏があげるHSCの特徴も、

 

例えば、

・年齢の割には難しい言葉をつかう。

・優れたユーモアのセンスをもっている。

・直感力が優れているように思える。

・質問を山のようにぶつけてくる。

・他人の苦しみによく気がつく。

・完璧主義なところがある。

・深い示唆に富む質問をしてくる。

・ものごとを深く感じとる。

など、まさしく「ギフテッドの特徴」とも重なります。

(・ギフテッドの審査を終えて、大切に思うこと | ユア子育てスタジオ

 

 

 

「感情の強烈さ」がその子にもたらすもの

「敏感な子」や「ギフテッド」に共通するこうした「感情の強烈さ」は、

子どもにとって、深い影響を与えるとされています。

(以下、http://sengifted.org/emotional-intensity-in-gifted-children/より。「」内は引用) 

 

例えば、

こうした「感情の強烈さ」こそが、

「人生の喜び、学ぶことへのパッション、

才能ある分野での表現、達成へのモーティベーションの源となる」といいます。


同時に、 「全てについて他者より深く感じることは、

痛く、恐ろしいことでもある」とのこと。

 

「感情の強烈さ」を持つギフテッドの子供達は、

「自分はおかしいんだ、多分狂っている、誰もこんなように感じたりはしないと、

しばしば自分を異常だと思ってしまう」と。

 
そして「医療関係者はしばしば、

ギフテッドの人々のこうした特徴を何らかの「症状」とし、

ギフテッドの人々に『神経質』であるというレッテルを貼ってしまいます。

それでもこうした「感情の強烈さ」こそが、ギフテッドの本質部分であり、

個人的な成長や成果をあげるための源ととなる」とのこと。

 

HSCが「自分はおかしい」ととらえたり、、

周りから「神経質」とされてしまうところも似ていますよね。

それでも、こうした「感情の強烈さ」こそが、

ギフテッドをギフテッドとする高い成果を上げる源でもあるというんですね。

 

確かに、

HSCも、強烈に敏感に感じるからこそ、

より深く物事に向き合うことができるのですよね。

そして結果的に、創造性や共感力も高くなり、成長の機会も大きくなり得るわけです。

「敏感さ」について知っておきたい「過度激動」と「積極的分離」という考え方

 

 

 

 

アーロン氏の見解とギフテッドの定義をとりまく現状

以前こちらにHSPという言葉を考案したエレイン・アーロン氏による、

HSCとギフテッドについての考えを載せました:

ハイリーセンシティブチャイルドとギフテッド、HSPがより自信とサポートを得るのなら・・・

 

この記事で紹介したのですが、アーロン氏は、

「ギフテッドとは上位3%」という言葉を用いています。

米国では、確かにIQや学力テストや認知テストで上位○%以上

と決められていますが、

それでも「ギフテッド」についての議論で必ず出てくるのが、

そうしたテストスコアによるならば、

漏れてしまう「ギフテッド」がたくさんいるのじゃないかということです。

 

知性や賢さというのは、

例えば学習障害があれば、スコアとしては表れないでしょうし、

またHSCの場合などは、

テストと聞いただけで気持ちが高まって、本領を発揮できないこともあるでしょうね。

 

ちなみに、IQでいえば、一昔前の「ターマンの研究」を振り返っても、

IQの高さにより研究対象とされた「ギフテッド認定」からはずれた人々の中から、

その後、ノーベル賞受賞者が出ていたりします。

 

確かに、

既成のテストスコアなどに表れる「ギフト」なんて、

限られていると思いませんか?

 

ギフテッドの定義は、

世界的には、はっきりとは決まっていないといわれます。

 

ということで、 

定まらず揺れる「どんな人がギフテッドなのか?」はさておき、

同じ「強烈な感情」を持つ者同士、

限られた情報を活用し合っていくといいですよね。

 

 

 

以下は、ギフテッド教育で、「感情の強烈さ」へどう向き合うとよいとされているのか紹介しますね。

感情の強烈さを持つ子へどう対応したらよいか

(http://talentdevelop.com/articles/ParentingEIGC.htmlより)

 感情を受け止める:理解されサポートされていると感じる必要があります。

 
子供のアイデア・意見・感情に耳を傾ける:ジャッジすることなく、遮らず、モラルを突きつけず、すぐにアドバイスを与えない。
 
思慮あるしつけを心がける:家庭にとって大切な一貫したバリューやルールを用いた適切な規律(しつけ)は、安心感、自己規律、健やか感情を発達させます。ルールの利点を説明し、結果を示すことで守らせるようにする。
 
感情についてオープンに話し合う:ポジティブだけでなくネガティブなものも。1-10までの目盛りを用いて、今日はどんな感情はどうかなどと聞く。
 
ネガティブな感情に特定し、「最悪」から「そうでもない」まで1-10の目盛りを作り、ネガティブな感情の波に翻弄されているときに、「1から10の目盛りだとどれくらい?」と聞き、落ち着くのを助けるというのも、聞くことのあるメソッドです。我が家でも、癇癪などに用いることがあります。だいたいのことは、1-10の真ん中あたりに落ち着くんです。靴下が片方見つからない!とか、お気に入りの服にシミがついた!とか。自分で、あ、そっか、それほど大したことでもないんだと客観視することで、落ち着いていきます。
 
・繊細さや、強烈さや、情熱の「ポジティブ面」を認める。強烈に感じることは何もおかしいことではなく「ギフト」なのだと教え、自分の特性を肯定的に認めることを助ける。そして子どもの表す痛みが心地悪いからといって感情を押し込めようとしない。「繊細過ぎるのよ」とか「目を覚ましなさい」とか「そんなこと気にしない」などと言っても助けにならない。

 
・表現する方法を見出すことを助ける:安心させ、励まし、強烈な感情を、ストーリー、詩、アートワーク、音楽、ジャーナル、身体的活動によって表現する方法を見出すことを助けてやる。
 
繊細さは弱さと同じではないと理解する。年齢相応しい責任を与え、世界や行為の結果から守り過ぎない。
 
・似たマインドを持った人々を支えにする:社会的孤立を防ぐため、似たようなマインドを持った仲間を見つける。またロールモデルを見つけるよう助ける。
 
必要ならばプロのカウンセリングを提供する

 

 

そのままHSCへのアドバイスみたいですよね。

 

ギフテッドもHSCも、

「感情の強烈さ」という「ギフト」を生かせるよう、

サポートしていきたいですね。

 

私自身、自分の生い立ちや子育てを通し、

やっかいとばかり思っていた「敏感さ」や「感情の強烈さ」ですが、

「ギフト」という視点に触れることで、随分と楽になったんです。

 

ああ、「強烈な感情」とは、

「諸刃の刃」のようなものなんだな、

つきあいかたに気をつけることで、「貴いギフト」となり得るんだなと。

 

アーロン氏のHSPやHSCといった概念も、

「敏感さ」にポジティブ面を見出すことを可能にしてくれましたが、

「ギフテッド」といった視点からみた「強烈な感情」や「敏感さ」も、

「敏感さ」のよい面を照らし出してくれる、そう思います。

 

みなさんが、

「敏感さ」にポジティブな可能性を見出し、

少しでも楽になれますように。 

 

さて、あと2日で夏休みが始まり、

日本への一時帰国もあと10日を切りました。

それでは、皆さんよい日を!


「自己への思いやり」が、HSCやHSPが困難を「跳ね返す力(レジリエンス)」を与えてくれる

2017年06月07日 | ハイリーセンシティブチャイルド

前の記事、

 ・ネガティブにもポジティブにも感化されやすい「敏感な子」、「問題児」扱いされていたS君

にて、

 

”私自身のS君に対するネガティブな気持ちに気づき、

繰り返し繰り返し「原点(S君の人としての尊厳)」に戻り、

真摯に誠実に温もりを持って、

向き合うようにしていったんです。”

 

と書きました。

 

こうした姿勢を自分に向けるのが

こちらにまとめてきた:http://blog.goo.ne.jp/managaoka/c/a1ea4bd0f4dc0c6aae604253aee0f1e2

「セルフ・コンパッション(自分への思いやり)」です。

 

 

特に、HSCやHSPって、

周りの人々の気持ちが強烈にせまるために、

自分を抑えがちです。

 

周りの人々に思いやりを込めて向き合いながら、

一方、自分に向けては、決して他者には向けない

冷たく残酷な言葉をかけていることって結構多いんじゃないかなと思います。

 

「どうせ私なんか」

「私にできるわけないじゃない」

「こんなこともできない私って最低」

 

他者に向けて、

「どうせあなたなんて」

「あなたにできるわけないじゃない」

「こんなこともできなあなたなんて最低」

 なんて、決して言わないですよね。

 

自分に失礼なことをしない。

自分を大切にする。

 

共感力が高いだけに、

自分をいつも後回しにしがちなHSPやHSCこそ、

思い出していくことじゃないか、そう思っています。

 

 

我が家でも子ども達に、

「よく頑張ったねって、自分の肩をたたいてあげなよ」

「自分で自分を抱きしめてアイラブユーって言ってあげてね」

と伝えることが、ちょこちょこあります。

 

初めの内は、

「何それ?」という様子でしたが、

繰り返している内に、自然とできるようになっていくものなんですよね。

 

自分への思いやりこそ、

逆境でも「跳ね返す力(レジリエンス)」となるといった研究もあります。

自分への思いやり(セルフ・コンパッション)」が折れない心を育む、心の健やかさとの関係を示す研究

 

確かに、例えば何かに失敗したとき、

「どうしようもないよね、こんなんじゃ、これからもお先真っ暗だよ」と

冷たく残酷な言葉や姿勢で、自分をこてんぱに叩きのめすよりも、

「あ、やっちゃたなあ。残念。なんでだろう、ここがよくなかったんだな。

でもこういうところは自分なりに頑張ったんだよね、大丈夫、今度は頑張ろうよ」と

「自分への思いやり」を持って向き合えたほうが、再び立ち上がり、歩き続けていけますよね。

 

分からなくなったら、

「大好きな友人が同じ状況であったら、どんな言葉をかけるか?」

と想像してみるといいです。 

「どうしようもないよね。こんなじゃお先真っ暗だよ」なんて、

決して言わないですから。

 

 

私自身も、

この「自分で自分を抱きしめ思いやりを向ける」ということに、

どれほど癒され、力をもらってきたか分かりません。

 

至らなさ、不完全さ、だめさを前に、

自分が自分をこてんぱにしようとするネガティブな気持ちに気づき、

繰り返し繰り返し「原点(人としての尊厳)」に戻り、

温もりをもって抱きしめてやるんです。

 

寝る前なども、

自分で自分に向ける温もりに

その日あった辛かったことなども溶けていき、

ぐっすりと眠りにつけますよ。

 

実際に抱きしめ肌に触れるのもオキシトシン度アップといいますが、 

「脳内での自分抱きしめイメージ」でも効果的です。

 

はじめちょっと恥ずかしかったり、私って・・・と思うかもしれないですが、

いいんですよ、自分で自分を満たすんです。

凹む出来事があったり、誰かに凹む言葉を投げかけられても、

悲しかったり、辛かったり、傷ついた気持ちを、自分で癒すんです。

「敏感な人」って傷つきやすいですから、

「セルフ・コンパッション(自分への思いやり)」でその都度その都度手当てしていくのって、

とても有効だと思いますよ。

 

性質や環境など様々な理由で、

幼い頃からしっかりとした「安全基地」を築けなかった人にとっても、

効果ありだと思います。

 

他の誰かや状況を待つことなく、

自分で自分を満たす。

それは、可能なんですね。

 

 

子どもを大切にしようと試行錯誤するなかで、

自分を大切にすることも学んできた、そう思います。

厳しすぎるのでもなく ゆる過ぎるのでもなく、

「本当に大切にする」とはどういうことなのか、みつめていきたいですね。

 

「セルフ・コンパッション(自分への思いやり)」、是非、お試しあれ!

他者に温もり溢れた思いやりを向けるということは、

よーく分かるHSCやHSP。

その気持ちを、自分にも向けてみてください。

自ら満ち溢れることで、

周りの子どもたち、周りの愛する人々を、より満たすことができるようになります。

 

みなさん、今日もよい日を!