詩の現場

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一つのみかんが食卓に上るまでのことを、想像してみる

2013-12-21 | 子供のこと、子供のことば
反抗期を迎えている子供と向かいあう。
荒い言葉も強い口調も弱い言い回しもムダ。
黙りこんでいる子供の顔をずっと見ていたら、
急に「みかん」という言葉が口をついて出た。

みかん農家のおじさんが、毎日雨や風の心配をして 
丹精込めて作っている。
畑には息子やお嫁さんもいて、働いているそばで
小さな子供が飛び回っている。
木々にたわわに実ったみかん。
家族みんなで収穫して、軽トラックで運んで行く。

海からも山からも、荷物を積載した車が飛び交う
夜の高速道路。徹夜で走り抜けて
市場や店舗に届けるドライバー。
近所のスーパーの、早朝パートのお母さん達は、
家族に朝ごはんの作り置きをして、
開店までに、急いでみかんを見栄え良く並べていく。

そして、私は、家族に食べさせたいと、
一番おいしそうなみかんを選んで買ってくる。

一つのみかんがここに来るまでには、
たくさんの人の大切な時間が、詰まっている。
あなたの目の前のみかん。
大人になるって、
みかんの後ろにつながる世界を想像できるように
なるってことかな。


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