詩の現場

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スモーキーマウンテンの子供たち

2013-10-25 | 子供のこと、子供のことば
先日、子供の授業参観に行った。
何の授業かは知らされていなかった。

「週末は、何をして過ごしたの?」
先生の気軽な問いかけから始まった。

そして、「じゃあ、今度一番したいことは何?」
という質問にかわり、
「旅行に行きたい。」「サッカーしたい。」
「富士山に登りたい。」など、
子供たちは楽しそうに答えていた。

その後、先生はおもむろに、
<マニカ>と黒板に書いて、女の子の写真を貼った。
「この子は、何をしたいと思っていると思う?」

マニカは12才の女の子。
マニラのスモーキーマウンテンで生活する子供の1人。
1日10時間ごみの山から、缶やプラスチック等の
ごみを拾い集めて、自分で集めた3日分と、
友達が集めている分とを合わせて、換金してもらい、
分けあったお金で、一家を養う。
父親が殺され、病気の母親と10歳、3歳の弟の面倒を
みなければならないマニカ。
そんなマニカの生活を取材した動画を、先生は準備して
子供たちに観せた。

マニカの一番したいことは、
「学校へ行きたい。」
マニカの夢だ。
動画を観て、子供たちは、
簡単には言葉にならないような現実の重みを、
ひしひしと感じ取ったように思えた。
先生は、子供たちに、「頭のどこかに<世界を知る>と
いうことを、いつも置いておいて」と言われた。

<世界のどこかで>という授業。
先生は、「種蒔きのつもりです。」と言われた。
10才の子供たちの心に、大事な種を蒔いた。
恵まれた日本の子供たちが、10年後、20年後に、
どんな心を持った大人に、なっていてくれるだろう。
「先生、ありがとう。」と、静かに思う。

      ※「スモーキーマウンテンで生活する女の子」


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