「童子」主宰辻桃子は、都会の生まれ育ちの方ですが、あるとき突然津軽に居を移しました。その後は東京と津軽を行き来して、句作、俳句指導をしているわけですが、濃厚な津軽の自然や伝統行事、言葉に接して、『津軽歳時記』を作ろうと決めました。
10年を経て、できたのがこの歳時記です。
津軽にもたくさんの著名の俳人がいらっしゃるし、たくさんの俳句が生まれている。でもその句を全部探し出して、著作権の許諾をとってというのは並大抵のことではなく、例句は「童子」で作られたものに限ったということです。津軽句会、秋田句会の方の句、もちろん辻桃子、安部元気の句がたくさん。そして、なんと私の句も、思いがけずたくさん載っていて感激しました。
そういえば、何年も前に、岩手の家にいたとき、先生からお電話があり、○○の季語の例句でいいのがないんだけど、何かない? と言われ、津軽の先生のお宅にファックスをした覚えがあります。そのとき、思いついた句もお送りしたところ、喜んでいただけたのでした。ああ、これはあのときの句というのも、ありました。
津軽の書店では、きっと並んでいると思います。私は書店に注文しようと思ったら3週間くらいかかるといわれたため、○マゾンで取り寄せました。
こちらのサイト、序文の一部も載っていますので、ぜひお読みください。赤をクリックすると、サイトに飛びます。
掲載されている私の句は、春では、
里人のふえて狐の牡丹かな あぶみ など。
この歳時記、特筆すべきは、他に載っていない津軽ならではの季語もあることです。
林檎止め市 というのは、林檎の産地で行われるその季最後の林檎の市だそうです。
止め市や林檎木箱の縁歩み 辻桃子
乳穂ヶ瀧祭祀の餅に雪降つて 高橋涼
乳穂瀧氷祭 が春に載っているのが、津軽ならでは。2月の一番寒いときでしょうからね。この瀧、一度行ったことがあるんですが、すごかった。一本の大きな氷の柱になっていて、それが青いんですよ。