学校教育を考える

混迷する教育現場で,
日々奮闘していらっしゃる
真面目な先生方への
応援の意味を込めて書いています。

ハイヒールをめぐる文化摩擦

2005-07-13 | 授業の雑談
我が国の人々がかかとの高いハイヒールをはくとき,その問題は生じる。

そもそもハイヒールは西洋のはきものだから,西洋人にふさわしい。
かれらは,どちらかというと足を後ろにけって重心を前へ前へと移動させながら歩くので,
後ろになった足に重心が残らず,ハイヒールをはいてもひざがまがらず歩ける。

しかし,我が国の人々は,わが国固有の和服の伝統を未だ有しているせいでもあろう,
現在でも歩くときに重心を後ろにしっかりと残して,足を前に出しながら歩く人が多い。
いわゆるすり足のような形。

この我が国の美しい歩き方を身につけた人が,
かかとの高いハイヒールを履くと,
ここに由々しき文化摩擦が生じるのである。

重心を後ろに残して,しかもかかとが上がっているということは極めて不安定な体勢である。
安定を維持するため,ひざを少し曲げて歩かなければならない。
それでも不安定なので,腰を少し曲げて歩かなければならない。

我が国の伝統的な美しき歩き方は,
まさしくその美しさのせいで,
極めてネアンデルタール人に近い歩き方になってしまうのである!

人類は,長い年月をかけて直立二足歩行を身につけたというのに,
この文化摩擦によって,進化の過程を逆行していくのである。

いまやレッサーパンダが直立したことを,
喜んでばかりはいられない危機なのである。