学校教育を考える

混迷する教育現場で,
日々奮闘していらっしゃる
真面目な先生方への
応援の意味を込めて書いています。

ことばが通じない

2005-07-14 | 教育
最近、生徒との間で、会話が成り立たなくなっている。

たとえば、授業中に団子を食べている生徒がいたとする。
教師が、「何を食べているんだ!」と叱る。すると、その生徒が、「だんご」と答える。
教師、さらに怒る。
生徒、なんで教師がさらに怒るのかわからない。

このような情景がコミュニケーション不全のひとつの症状である。

蛇足ながら解説すると、最初の教師の言葉、「何を食べているんだ!」には、「授業中にものを食べてはいけないことはわかっているはずだろう!なんてことをしているのだ!」という叱責が込められているのである。

ゆえに、生徒の正しい対応は、上記の言外の意味を読み取って、「ごめんなさい」あるいは「すみません」という謝罪の言葉をまず口にすべきなのである。

謝罪の言葉なく、ただ「だんご」と答えるのは、教師の言葉を文字通り受け取って答えているにもかかわらず、教師にとってみれば、おちょくられているように感じるのである。

そして、教師はさらに怒るのである。

ところが、生徒のほうとしては、言外の意味を汲み取れていないので、「教師が質問したから、正直に答えたのになんでさらに叱られるの??」という思いで、はてなマークがいっぱいになっているのである。

かくして、教師と生徒のコミュニケーションは不全に陥るのである。

現代の教師は、なぜ叱っているのかをきちんと生徒にことばで説明しなければ、生徒は、言外の意味など汲み取ってはくれないのである。

したがって、上記の教師は、次のように言わなければならない。

「○○君、君はいま口をもぐもぐさせていて、何かを食べているように推察されます。授業中にものを食べてはいけないことはすでに理解しているはずです。もし、何かを食べているのなら、いますぐそれを口から出し、謝罪の上、何を食べていたかを申告しなさい。もし、何も食べていないのなら、先生の事実誤認ですから、先生が謝ります。その場合は、何も食べていなかったということをきちんと証明してください。以上」

あー、しんど。