8月4日燃料油脂新聞より
ガソリン需要半減時代 生存率高い小規模店
課題は後継者育成
※
需要減の影響を真っ先に受けるのは恐らく個人消費者を相手にしている大型量販店。
中小企業の“働く車”はまだまだガソリン車と軽油車が活躍するでしょう。
経営支える市燃油納入 小さな市場で貴重な活路
レギュラ店頭表示価格127円に対し、同市納入価格は146円88銭(税込)
※
へーーーっ(驚)
市によって随分違いますね。
安値店の価格を引き合いに出されて契約単価が決められる市とは大違い。
低すぎる SS業の生産性 TKC調べ
1~3月売上高利益率1.4%
これらのデータを踏まえ、「SS業種は、黒字企業が50%、売上高は前年比94.8%、粗利率は17.7%、労働分配率が54.5%だが、経常利益率が1.4%と低過ぎる。これでは将来を託す良い人材が集まらず、せめて3%台に改善したい。今の業界転換期が改善のための最後のチャンス。業転仕入れを前提にした経営者は激減しているだろうが、当然のこと。業転高・系列安が常態化するなかで、末端利益を確保していけば3%台は現実可能だ」と、都内の女性経営者。
※
確かにJXTG仕切りが1本化された7月は業転と系列の格差は縮小しました。
が、
それもひと月しか持たなかった模様です。↓
格差10円前後に開いちゃいましたね。
でもPB-SSももうこれまでのような安売りはせずに地場系列店より数円だけ安く値付けして粗利確保で行くんじゃないかな?
何れにしてもPB天国再び、ですね。
【トヨタ・マツダ提携】EV出遅れ、トヨタ危機感 豊田社長「海図なき戦い」 勝ち残りへ陣営拡大
環境対応車をめぐり、ハイブリッド車(HV)で圧勝したトヨタも、EVへの対応では日産自動車や米テスラに後れを取った。水素で走る燃料電池車をエコカーの本命と位置づけ、資源を集中させたためだ。
トヨタの見立ては外れ、エコカー市場ではEVが急速に主流となりつつある。中国やインドはEVの優遇策を進め、フランスと英国も2040年に石油燃料車の販売を禁止し、EVの普及に取り組む方針を打ち出した。
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>水素で走る燃料電池車をエコカーの本命と位置づけ
政府の主導に翻弄されますね。
巨額を投じて開設された水素ステーションはこの先どうなるんでしょうね?
え?
何暢気なことをって?
それより自分(ガソリンスタンド)の心配をしろって?
( ´,_ゝ`)プッ
水素だろうが電気だろうがどっちでも同じ
それ以前に、
とっくに覚悟はできてますw
8月2日ぜんせきより
SS過疎地の供給繋いで “地域への思い”支えに頑張る
経営難に陥り廃業していくSSが増加している。
SS過疎地は拡大の一途をたどっており、中国地方にも多くのSS過疎地が存在する。
その中で、石油製品の安定供給のため、地域住民や自治体などが協力してSSを維持する取り組みを行っている地域がある。
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岡山県津山市 合同会社あば村
住民の出資でSSを存続
急速に過疎・高齢化が進む中、住民自治協議会を作り、行政の支援を受けながら地域の活性化を図る取り組みを行ってきた。
しかし、小学校の閉校、幼稚園の休園、行政支所の規模縮小といった多くの問題とともに、13年には村で唯一のSSが撤退することになり、このままでは近くても往復20キロの距離を走らなければガソリンを買えなくなり、冬場には暖房器具で使う灯油も買うことが一苦労となる事態が想定される状況となった。
このため全住民に対してSS存続のため「出資の意思はあるか」「価格が上がっても利用する意思はあるか」ということなどについて聞き取り調査したところ、高齢者を中心に全住民の約7割がSSの存続を望んでいることが判明した。
そこで住民自治協議会の出した答えは、自分たちでSSを続けていくため、住民出資による合同会社設立だった。
14年2月、「合同会社あば村」を設立。
社員は阿波地区の住民134人で、自分たちの手で存続させていく意思を忘れないためにも、出資者全員が社員である「合同会社」という会社形態を選び、14年6月には土地、建物をJAから借りる形でSS運営を開始、SSを復活させた。
この地区は、冬場は1メートルを超える積雪もあるというが、軽トラックの上にタンクを積んで灯油の配送も行っているという。
また、津山市阿波出張所の公用車への給油や温泉施設の灯油はこのSSを利用してもらってはいるが、地域内の若い人は市内での会社勤めが圧倒的に多い。
朝の通勤時間帯には同SSは開いておらず、帰宅時間には営業を終えているといったこともあり、市内の安いセルフSSで給油することが多くなっているのが実情。
こうしたこともあり、SSだけでは収益の確保が難しく、隣接する元のJA事務所で食料品などの日用品販売などいろいろな事業を組み合わせて収益性を確保できるよう取り組んできた。
地域としても中心部の機能を高め、拠点を作っていくことを目指しており、その1つがこのSS事業だ。
他にも自然農法の米や野菜作り、地元間伐材を燃料にした温泉薪ボイラーの本格稼働など多くの取り組みの中で地域住民にとどまらず、地域外からも協力者や移住してくる若者も増え始めているという。
この地域での取り組みのシンボルが「あば村」であり、ここでの地域再生、活性化の取り組みに廃止となったSSの復活も大きな力となっている。
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あば村宣言 GS復活プロジェクト
http://abamura.com/gs
広島県安芸高田市 ふれあい市
減販続いても10年は
経産省の石油製品供給不安地域実証整備事業の一環として複合型SSとして2012年2月28日に全面オープンした広島県安芸高田市美土里町のふれあい市(下杉社長)。
この地域でもJAのSSが撤退し、跡をJASSのOBが引き継いでいたが、このOBも設備の老朽化などによって撤退した。
これにより同地域でもSSが1ヵ所もなくなったことから、経産省は同地域内のSS維持のために複合型給油所実証整備事業として同地域を選定し、これに基づき同地域の住民自治組織である生桑振興会が中心となって「ふれあい市」を設立し、SS運営とともに食料、日用品の販売店舗を建設。
2年後に「ヤマザキYショップ・ふれあい市」として再出発し、現在に至っている。
下杉社長は「売り上げは2年前に比べても減ってきている。若い人は町で買い物をしてくるケースも多いため、新しい客数として増える要素がない」と話す。
また「起爆剤になるような観光資源もイベントもなく、自分たちの力だけでの取り組では限界がある。しかし今年の12月で6年になるが、当初の目標である10年は続けたい」と強調した。
さらに「冬場の灯油や農繁期は需要があり、ここがなくなってしまうと地域の人たちが困ってしまう。いまは地域の方のためという思いだけで続けている。縮小は別として、継続はしていかなければならないと思っている。また、続けて行っていれば、なにか状況が変わるかもしれないと思いながら頑張っている」と話す。
※
2013年03月09日 過疎地住民、GS経営
岡山県高梁市 丸山商店
経営厳しいができる限り
以前は5カ所SSがあったが現在は丸山商店1ヵ所となっている。
2013年2月には改正消防法の期限の関係で灯油と軽油の販売ができなくなった。
「約100軒ほど配達していたが、そのお得意様は高齢者の世帯が大半で、そうした人たちの生活を支えるため踏ん張って来たが、経営も厳しくなり苦渋の決断だった」と当時の事を話す。
現在はガソリンだけの販売で営業を続けているが、「販売量の減少は顕著で経営は非常に厳しい状況にある。また子供たちも別に仕事を持っているため、自分の代で廃業せざるを得ないと考えている」という。
しかし、「商売としては非常に厳しいが、ここに話をするためにやってくる地元の人もいる。自分たちが元気でいる間は商売を続け、ここを地元の人たちのコミュニケーションの場として使ってもらえれば」との思いもある。
※
2015年08月05日 供給責任と経営難の狭間で
岡山県真庭市 ときめきSS
地元中心に顧客獲得へ努力
JAが閉鎖したSSを地元住民が出資して買い取り営業を続けている。
営業を開始した当初は運営面での問題もあったが、スタッフの懸命な努力で乗り越え、また中国自動車道を利用する車の利用もあってまずまずの状況で推移していた。
しかし米子道が2車線となってからは渋滞も減り、通過する車がほとんどで、高速道路を利用する給油客もかなり減少してしまった。
さらに「近隣のSSとの価格競争もあって営業面では非常に厳しい状況に置かれている」と話す。
スタート時点では少なくとも10年は頑張っていこうとSSの運営に取り組んできたが、すでに7年が経過した。
SSスタッフからは今後もこれまでと同様に「自分たちで出来る限りの事はやり、地元により役立つSSとして存続していけるよう努力していきたい」との声が聞かれ、「地元の人たちの出資で営業を続ける事ができているSSであることから、より多くの地元の人に利用してもらうことが当SSの運営の基本。今後も地元を中心とした顧客獲得に努め、依然として厳しい経営環境ではあるが、地域への石油製品の安定供給のため全力投球で頑張りたい」と強調している。
※
2014年10月25日 住民出資でSS再生
***
採算の取れない過疎地では撤退するJA-SS。
しかし販売数量が見込める地域ではセルフ化して廉売。
2017年07月31日 全農エネルギー@JA-SS
追記
8月4日読売新聞より
>大ガスは採算性の悪い地方のLPG事業から撤退し、比較的堅調な都市部に注力する方針
※
不採算だと撤退するのが大手。
その地域で生活している地場の個人商店は、違う。
8月1日、2日、燃料油脂新聞より(※青系文字がmasumi)
減販加速も「なんとか踏ん張りたい」 京都府内販売店
灯油配達・農家向け混合油注文など
「現金客にとどまらず、近年は掛け売りの顧客減少が目立つ。セルフSS主導の市場環境になり経営維持、改善は至難」
一方ではいぜん根強く需要が残る灯油配達、農家向けの混合油の注文など、セルフSSでは対応できない分野でのニーズがある。
「地元消費者の要望に応えるためにも今後できるだけ長く経営を続けたい」
「たとえマージンを20円取れたとしても、ガソリンの収益は月70~80万円前後にとどまる。経営維持する上で老朽設備改修に再投資が必要になり、資金不足は避けられそうにないのが実情だが、地域貢献という意味でも何とか踏ん張りたい」
強気販売で健全経営 埼玉県山間部フルSS
レギュラーノー看板150円も
地元販売業者によると、市街地のセルフでレギュラーリットル125円前後で推移するなかで、とりわけ山間部のフルSSでは「安くても135円以上の現金価格。なかには現金142円とか150円で販売するSSも存在する」という。
山間部のフルSSによる燃料油販売量は月間100キロリットル未満が少なくない。
現金フリ客が市街地に比べて圧倒的に少ないことや、営業時間を日中限定しているSSがあることが背景だが、こうした地元販売業者の経営判断は「固定客には好値販売になるが、フリ客には売らないだけ。消費税や軽油引取税など支払いを考えると売るだけ損」との声。
この結果「玉の仕入オーダーが月1回程度のSSもある。掛け売りだけで十分との認識が少なくなく、さらに仕切り値上げ局面では“フリ客に給油すると安く仕入れた玉が減ってしまう”と生活防衛的な面も多い」
「山間部では住む場所によって町中まで30キロメートル離れたところで生活する住民もいる。高齢化が進むなかでわざわざ安いからと往復60キロメートルかけて給油に行く住民はまずいない。ある意味では自然に顧客の固定化を果たしている。さらにSS以外に自動車整備など手掛けているので、市街地に比べてかえって余裕があるようにもみえる」
山間部では少ない販売量でも健全経営が十分に図られている。
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150円で売れたら粗利30円弱・・・
それでも地下タンク改正消防法対応工事で入れ替えやFRPを選択するには足りませんね。
しかしこれだけの粗利があれば、現店主が“その日までは”店を続けることができます。
・・・
こうした販売店がある一方で、唯一のガソリンスタンドになっても廃業してしまう過疎地もある。
違いは何だろう?
立地や商環境、店主の年齢.....
>わざわざ安いからと往復60キロメートルかけて給油に行く住民はまずいない。
車で2分も走れば10円前後も安い店(セルフもフルも)がある当店には150円という値付けは無理なので、粗利10円ちょいで踏ん張るしかない。
8月2日燃料油脂新聞より
SS過疎地問題対策「採販できる環境を整備」福島県内地場経営者
福島県内でも市町村内にSSが1~3か所しかない過疎地が存在するが、業界関係者の一人は「運営者が抱える事情や取り巻く環境はさまざまで、一口に問題や対策を論じるのは難しい。しかし、悲観的要素ばかりではない」と語る。
SS減少の背景に施設の老朽化、店主の高齢化、後継者の不在が指摘されるが「現店主がその代限りの商売をいつまで続けられるかは、環境も大きく左右する。それは採算販売にほかならず、環境を整備していくことこそ重要」と指摘。
店主が今すぐの廃業を思いとどまり「できるところまで商売を続けてみよう」と思えるような市場を形成し、維持する必要性を訴える。
「こうした取り組みにより、地域のSS減少スピードを和らげることはまだまだ可能だ」としている。
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確かに先ずは採算販売、
・・・だけど....
一番はお客様かな。
Tポイントの後付けが出来ないことで文句を言うような“車はセルフで携行缶だけ当店”の消費者
窓拭きやゴミ捨てのサービスが無いことで文句を言うような消費者
こういう人達の為に店を続けているのではない。
以前のような“全ての消費者は業界のお客様”ではない、当店のほんとうのお客様。
それがなければ、いくら採算販売が出来ても店を続けようとはもう思わない。
過去(規制緩和直後)、毎年数百万の赤字でも業転を取らずに自己資産を投入しながら店を続けてきた。
そして平成25年、投資回収不能を承知で地下タンク改正消防法対応工事を行ったー
今(数年前から)、掛売客をはじめとする常連のお客さんたちのお蔭で運営可能な当店の矜持です。
3月末時点 セルフSS 兵庫県が最多
島根県江東市 後継者問題が深刻化 「先が見えず無理いえない」
同県内の中山間地域は都市部と比べて市場が安定しているため「破産的な倒産は少ない」が、反面後継者不在による廃業のケースが少なくない。「需要が少なく販売量も少ないが家族的な経営に徹すればやれないことはない」ただ「息子は都市部で就職しており戻る気はない」
跡を継いでほしい気持ちはあるが、先が見えない状況では無理は言えない。
九州地区 少人数運営のSS増加
SSはもはや大人数でやる職種ではなくなってきたかもしれない。
油外収益拡大を目指す総合販売型SSを別にすれば、燃料油販売を主体としたSSでは極端にコストを抑えた運営形態が増えている。
※
サービスをお望みの消費者は、元売の販売子会社が運営する店や元売と資本提携している2者店(特約店の直営)へどうぞ。
元売リテール戦略には必ず「顧客満足」を掲げているので、間違いないでしょう。
ただ、セルフ化している店舗も多いですけど。
和歌山県郡部 SS過疎地拡大懸念 小規模業者 需要減に苦戦
地元客を中心に店頭販売のほか軽油や灯油の配達などで地域に貢献している小規模店が多い。
長年の商いで培った信頼関係のもと、店頭販売のほか軽油や灯油の小口配達を行う業者が目立つ。
最近は、顧客のなかには店との関係より安いセルフで給油する傾向があり、苦戦するSSが出ている。
郡部業者は
セルフの安値を追っても販売量が大きく伸びることはない。採算価格で売っているが、量は減っている。
地元に住んでいてもほかの地域の安いセルフで給油する“ワリキリ型”も増えている。配達も以前に比べて減っている。
と、フルサービスの厳しい現状を語る。
今後、SS過疎地が拡大する懸念が生じており、対策が求められている。
※
全国どこも似たようなものです。
安値店が異業種PBか販社か大手系列店かの違い。
そして過当競争の始まる時期が遅いか早いか。
“ワリキリ型”の地域住民を責めることなど出来はしない。
誰だって安い方が良いに決まっている。
官公需に関しては「地場の中小販売店に配慮を」なんていう“お達し”を政府がしてくれるけど、
個人消費者に向かってそんなことを言える訳がない。
10円前後もの卸格差が、今のこの業界を作ったのです。
大きな卸格差が、小口配達を担っている地場店から顧客を流出させた。
その結果としての、灯油難民やガソリンスタンド過疎地です。
7月31日燃料油脂新聞より
6月末元売系列SS数
JXTG
1万3586カ所 前月比20ヵ所減少 セルフは7カ所増加の4315ヵ所
昭和シェル
3096ヵ所 3月末比27か所減少 セルフは1ヵ所増加の999ヵ所
キグナス
471ヵ所 3月末比3か所減少 セルフは前年比1ヵ所減少の227ヵ所
太陽石油
339ヵ所 3月末と同数 セルフは1ヵ所減少の123ヵ所
※出光は毎回後日
ガソリン価格操作 監視強化へ 経産省、消費者に影響懸念
<ガソリンスタンド>「不安あおる」整備トラブル相談急増
どちらも毎日新聞さんの記事です。
m(_ _)mありがとうございます。
こうして記事にして下さることが、少しづつでも業界が是正されることにつながると思います。
規制緩和以降、卸格差による高値で、それまで地域への小口配達を担ってきた地場中小零細店は「暴利を貪る悪徳業者」と誤解されて来ました。
こうした記事が出ることで、
実は安値看板を掲げて集客している店のなかにこそ悪徳業者が存在しているのだと、消費者も気付いてくれることと思います。
注)もちろん安値看板を掲げている店すべてがそうだと言っているわけではありません。